マウスプロモーションとてらそままさきが主宰する「新宿625」のコラボ公演が実現! 2020年に開催予定だった「ぼくの好きな先生」(作:谷藤 太)がコロナ禍を経て、キャストを一新して2024年10月に公演されることが決定した。
今回は、沢海陽子が演出を務め、木島隆一、星野佑典ら若手役者がメインを、森田順平やてらそままさきらベテラン陣が脇を固める。
長谷川たか子社長とこれから稽古に臨むてらそままさき、木島隆一、星野佑典に、公演への想いを語っていただいた。
―まず長谷川社長に今回の公演を企画した経緯を伺いたいです。
長谷川たか子さん:(以下、長谷川)2020年に公演する予定で1度企画をスタートしましたが、新型コロナの世界中のパンデミックの状況のなか、断念しました。
一昨年の秋ごろから「2024年がマウスプロモーションの50周年だなあ」と考えていまして、コロナの状況を確認しつつ、去年には、エンタメ業界も平常に戻る様子を伺いながら、50周年の記念に舞台公演を実現出来たらと考えて新宿625のメンバーと話し合い、スタートしました。
―今回の公演は「新宿625」とのコラボという形で行われるとのことですが。
長谷川:最初の企画から、新宿625とマウスプロモーションのコラボ企画として考えていたのと、舞台(芝居)集団として「625」のメンバーを信頼していますので、その一択でした。
てらそままさきさん(以下、てらそま):長谷川社長は小野光枝さん(元社長)のことを慕われていて、「いつか再び舞台公演ができたら」と思っていたらしく、僕らもそのことを知っておりました。断る理由はないですからね(笑)、そこはもうぜひお願いします、と。
―「新宿625」を旗揚げした経緯を教えていただけますか?
てらそま:演劇好きな小野光枝元社長がご健在のころからマウスプロモーションの公演はされていて、僕は第三回本公演「喜劇 桜の田」に出演させていただきました。小野さんに何度も相談しながら、東日本大震災が起こった2011年に「新宿625」を立ち上げ、年に1回のペースで公演をするようになりました。
ちなみに、僕はマウスプロモーションに所属はしていたものの、「新宿625」は完全な「手打ち公演」(自主興行)で行なうと決めました。それを伝えると小野さんが「なんで私のことを頼ってくれないの?」と援助を申し入れてくださり、運転資金を工面していただきました。おかげさまで第一回公演『兄帰る』を無事に終えることができたのですが、その足ですぐにお金を返しに行ったのを覚えています(笑)
※第3回本公演『喜劇 桜の田』稽古時の模様
【過去のマウスプロモーション本公演】
長谷川:これは完全に無念な思いですが、納谷六朗さんが出演した新宿625第2回公演「小林秀雄先生来る」を、博多出張の為に観れなかったのが、一生の後悔です。まさか、心の父、納谷六朗さんの最後の舞台になるとは。
※「新宿625」第2回公演『小林秀雄先生来る』納谷六朗出演時の写真
【過去の新宿625 舞台公演】
―今作は若手を中心にベテランが脇を固めるような布陣だそうですね。
てらそま:はい。生きのいい若手をメインに据えて、ベテラン勢がサポートする……という構成になっています。
―木島さんが主役、星野さんがその親友役という重要な役に抜擢されました。
星野佑典さん(以下、星野):僕はまだ舞台を踏んだことがないので「こんな大役を任せていただいていいのか、迷惑をかけてしまわないか」という不安でいっぱいでした。
たくさん悩んだのですが、今年に入って新しいことに挑戦させていただくことが多くて。何をするにしても不安はつきまとうものですので、「何事も挑戦だ」という気持ちでお受けしました。
てらそま:星野君はこれまでの新宿625の公演でも、稽古に来られないキャストの代わりを務めてくれたり、僕らをしっかりサポートをしてきてくれたので、心配ないと思っています。
木島隆一さん(以下、木島):代役とは言え、稽古でいろんな役を経験できて、星野君がうらやましいです。
星野:先輩方が演じるたび、少しずつアクションが変わるので、その都度メモりながらついていく形で……大変でした(苦笑)
木島:僕が本件について知らされた経緯ですが、ある日事務所にきたとき、長谷川社長から直接「こんな話があるんだけど」とお話をいただいたんです。「僕にこんな重要な役を任せてくださる方がいるんだ!」とうれしさが先行してしまい……。
その場で「やります!」と答えたんです。作品の中身や役柄を聞く前に。
社長から「まずは台本を読んでから決めなさい」と言われました(笑)
星野君は「迷惑をかけてしまわないか」と言ってましたが、僕は逆に迷惑をかけまくるくらいに攻めた演技をしてやろう! と思いました。じゃないと、先輩に熱量で負けてしまうと思いまして……。
長谷川:木島君とは、いろんな思い出が詰まっています。
苦しい時も、楽しい時も、そんな木島君とマウスの舞台を一緒に出来るのは最高の幸せです。
期待しています。星野君も、今年の冬アニメ、「ぶっちぎり」でメインの役を経験しました。
その経験を活かし、チャレンジ精神で頑張ってほしいです。
―稽古はこれから始まるということですが、どのように臨まれますか?
木島:星野君にひとつアドバイスを贈るとしたら、「いろんな先輩からいろんなアドバイスを授かると思うけど、それを全部実践すればいいというものではない」ということかな。
星野:僕自身、みなさんのご意見を正面から受けがちなので、そのあたりは少し心配です……。沢海さんの話をしっかり聞いて頑張ります。
てらそま:彼女はスパルタだからね。覚悟しておいたほうがいいよ(笑)?
舞台では台本に書いてあるセリフをただ読めばいいわけではなく、お芝居している人たちの間のどこかにセリフがあるんだ。それを見つけていく必要があるんだよね。
木島:僕も肝に銘じて頑張ります。
また、コロナ禍では稽古のあとに飲みに行く、なんてことができなかったので、そこでの交流もとても楽しみです!
―会場は東京・両国の「シアターΧ(カイ)」に決まりました。
長谷川:シアターΧはマウスの役者さんがいっぱい、その舞台に上がっています。
納谷六朗さんも何回もシアターΧの舞台に立ちました。
そんな想いが有るシアターΧでマウスプロモーションの50周年の舞台が出来る。
小野光枝元社長にとっても、色んな思い出の有る劇場です。
なので、いっぱいの想いを込めて、役者一同、スタッフ一同と一丸になって、頑張ります。
―最後に、メッセージをお願いします。
木島:演劇の素敵なところは、劇場の外に出てからも、作品の内容についていろいろと考えさせられる時間があるところだと思っていて。
すごいメンバーなので、1回1回の稽古を大事にして失敗を恐れずに臨んでいきたいです。そして、本番も頑張ります!
星野:舞台を踏むことによって得られる何かが絶対にあると思いますし、舞台上での構築の仕方を学んでいけるのが、いまから楽しみです。
今回の舞台では自分自身の経験を演技に乗せることにより、いいものになるのではないかと考えています。当然そこまでいくためにはたくさん苦労すると思いますが、それを乗り越えた先に新しい自分がいると信じて、頑張ります!
てらそま:ふたりがマウスプロモーションを引っ張っていけるような存在になるべく、いいきっかけになればと思います。
舞台では「この役にどうやって向かっていこう?」と考えなければいけないんです。自分を分析して、役に生かせる部分を見つけていく……という作業が必要になってくると思うんですね。役を通してその人の「我」が出たりすることもあるので、演じる方も観る方も、そこが一番楽しいところかもしれません。
僕の経験上、苦しんで苦しんだ末にモノにできた役というのは、その先もずっと残ると思います。
2人にはぜひ苦しみ抜いてほしいですし、みなさんも僕らが稽古でつかんだものを劇場に観にきていただきたいです。
長谷川:足を運んでくださるお客様に少しでも、笑顔になってもらえる舞台を創りたいです。
そして、私たち、マウスのメンバーにとっても、50周年が素敵な思い出になるように願うばかりです。みなさま、よろしくお願いいたします。
<インタビュアー・カメラマン/ダンディ佐伯・文責(編集)『れポたま!』編集部>
【公演情報】
マウスプロモーション50 周年記念公演「ぼくの好きな先生」
シアターΧ提携公演 協力:新宿625
作:谷藤 太 演出:沢海陽子
出演者 木島隆一、星野佑典、森田順平
新宿 625【てらそままさき、楠見尚己、小形 満、ふくまつ進紗、森本73子、古川 玲】 and more…
※追加出演者は後日発表させて頂きます。
・公演日程 2024年10月2日(水)~10月6日(日)
・会場 東京・両国 シアターΧカイ
東京都墨田区両国2丁目10−14両国シティコア1階
http://www.theaterx.jp/
【会社紹介】
株式会社マウスプロモーション https://mausu.net/
マウスプロモーション(旧:有限会社江崎プロダクション)は 1974 年に設立された声優プロダクションです。声優のマネージメントを中心に吹き替え、アニメ、ゲームなど、幅広い 分野で数多くの作品に貢献してきました。
近年では声優のマネージメントの枠にとどまらず、イベント、音楽制作、アニメ制作、ショップ運営など、さまざまな事業に挑戦しています。また声優の育成を目的としたマウスプロモーション附属俳優養成所を運営し、若手 タレントの育成にも力を入れています。
私たちは「声」が持つ力を信じています。それは人を勇気づけ、楽しませ、癒します。 「思いを伝える声を届けたい。」私たちは感動を創造するプロダクションを目指しています。
【プレゼント】
てらそまさん、木島さん、星野さんの寄せ書きサイン色紙を1名にプレゼント!
ご希望の方は『れポたま!』公式「X」@repotama(https://twitter.com/repotama/)をフォローし、当該記事のポストをリポストしてください。当選者にはDMにてこちらからご連絡させていただきます。
応募締め切り:2024年5月10日(金)23:59まで