フルタ念願の「プロ野球選手の妻たち」を題材にした「講談+現代劇」がプレイボール! フルタ丸講談vol.2『八百長入門』フルタジュン、真帆、篠原友紀 インタビュー

By, 2023年11月23日



これまで数多くのヒューマンコメディーを手掛けてきた「劇団フルタ丸」(通称「フルタ丸」)。21年目となる2023年に始動した新企画「フルタ丸講談」、その第2弾『八百長入門』が11月29日(水)~12月2日(土)、東京・下北沢シアター711で上演される。
物語の主人公はプロ野球選手の妻たち。華やかな境遇の裏に隠された不安や苦悩が描かれ、さらに「八百長事件」をきっかけに、物語は急展開を見せる……。

「フルタ丸」主宰のフルタジュン、メンバーの真帆と篠原友紀に、本作の見どころを語っていただいた。

―まずは「フルタ丸講談」についてお聞かせください。本企画はどのような経緯で立ち上がったのでしょう?

フルタジュンさん(以下、フルタ):「フルタ丸」の旗揚げから20年、誤解を恐れずに言いますと“これまで通り創ることに飽きた”ということになるかもしれません。でも20年続けてきたんだし、「ここらで冒険してもいいんじゃないか」という想いで、前々から温めていた企画を立ち上げることにしたんです。

―講談に関して、メンバーとの共有はどのように行なわれましたか?

フルタ:ちょうどコロナ禍に入ったくらいのタイミングで、フルタ丸のメンバーに神田伯山さんの『グレーゾーン』という新作講談を勧めました。

真帆さん(以下、真帆):そのときは「講談って面白いから、観てみなよ」と軽い感じで、「今後フルタ丸でやるから」とは言われなかったと思います。講談にはほとんど触れたことがなかったので、新鮮でした!

篠原友紀さん(以下、篠原):私も落語の寄席はよく行くのですが、講談はあまり観たことがなかったんです。「お芝居に新たなエッセンスが加わりそうだな」と思いました。

―「フルタ丸講談」がスタートしたのは、「フルタ丸」が3人体制になったことも大きかったとか。

フルタ:はい。今年から僕ら3人(準劇団員・山田伊久磨)での活動になったのですが、いまの状況にならなければ、もしかしたら講談を取り入れることはなかったかもしれません。
コロナがあって、3人になったからこそ、生まれた企画なのかな、と。

―今年7月は第1弾として『枡目街交差点』が東京・下北沢Half Moon Hallで上演されました。

フルタ:新しい試みをどう受け取っていただけるか? 上演するまではかなり不安でしたが、おかげさまで好評をいただきましたし、気持ちよく受け入れていただけた実感があります。

―第2弾となる今回は「プロ野球選手の妻たち」が主人公の物語です。

フルタ:僕は子供の頃からプロ野球『中日ドラゴンズ』のファンで、いつか野球をメインにしたお話を作ってみたいと思っていたんです。
講談でプロ野球を取り上げるのは少しハードルが高かったのですが、「選手の奥さん」というアプローチだとうまくいきそうな気がして。
ちなみに『八百長入門』というタイトルは、実は10年ほど前から頭にありまして、作品のプロットも何となくできていたんです。

―ということは、満を持してつけられたタイトルだと。

フルタ:そうですね。僕の大好きなプロ野球を題材にした作品のタイトルにできてよかったです!

―登場人物の輪郭はどのように作られたのでしょう?

フルタ:まず、「夫」である選手の設定を作り上げたうえで、「この選手ならどんな奥さんと結婚するんだろう?」と考えていきました。
ちなみに、夫は実在する選手数人のエッセンスを組み合わせているので、プロ野球に明るい方ならば、もしかしたらピンとくるかもしれませんね。

―篠原さんは作中で「講談師」役として物語を進めていきます。

篠原:講談の「サブスクリプションサービス」を使って勉強しているのですが、いわゆる「歌い手」さんや俳優さんが講談している映像もあるんです。「こういうやり方もあるんだ」とすごく参考になりますね。
とは言え、私が登らなくてはならない「山」はとてつもなく高いので……。「お芝居が好きだ」という気持ちを前面に押し出して、本番までに何とか形にしたいです。

―真帆さんは「プロ野球選手の妻」のひとりとして出演されています。

真帆:登場人物が全員女性というのは、フルタ丸単独での公演では初めてなんです。全員同性ということもあってか、キャスト同士に遠慮があまりないんですよね。関係性を作りやすかったです。

―最後に、メッセージをお願いします。

フルタ:「八百長」というきな臭い言葉が、物語をどう彩っていくのか? サスペンスが縦軸にある作品は「フルタ丸」ではあまりやってこなかったので、その点も存分に楽しんでいただきたいですね。

真帆:私は残念ながら男性ではないので、男性視点から語ることはできません。
ただ、女性からすると笑えるし、グッとくるところもあるし、心をざわつかせる表現もたくさんあるので、物語を堪能していただきたいです。

篠原:「いつの間にか終わってた!」と思ってもらえるくらい没頭してもらえたらうれしいです。
普段、講談を観に行っている人からの感想もぜひいただきたいですね。

【公演概要】

フルタ丸講談vol.2『八百長入門』
2023年11月29日(水)~12月2日(土)

【東京】下北沢シアター711

【作・演出】
フルタジュン

【出演】
真帆
篠原友紀
大勝かおり
仁山貴恵
日下麻彩(吉祥寺GORILLA)
上田のりこ
寺田晴名

<チケット>
【一般】

料金:4,000円(税込)
席種:※全席自由・整理番号付き・前売当日共通

【学割】
料金:3,000円(税込・要証明)
席種:※全席自由・整理番号付き・前売当日共通

☆チケット購入はこちら
https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=74356&

●「劇団フルタ丸」 公式サイト
https://furutamaru.com/
●作品紹介ページ
https://event.1242.com/events/%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%BF%E4%B8%B8%E8%AC%9B%E8%AB%87vol-2%E3%80%8E%E5%85%AB%E7%99%BE%E9%95%B7%E5%85%A5%E9%96%80%E3%80%8F/