ふくしまの「今」を伝える10編のアニメが完成 『みらいへの手紙~この道の途中から~』完成披露試写会

By, 2016年2月16日



2011年に発生した東日本大震災で甚大な被害を受けた福島県。そのふくしまに存在する様々な思いを伝える、実話に基づいた10編にわたるオムニバス形式のドキュメンタリーアニメーション『みらいへの手紙~この道の途中から~』の試写会が2016年2月15日(月)、東京・秋葉原UDXシアターで行われた。

この日は、1月に福島ガイナックス本社で行われた記者会見に続き、福島県知事の内堀雅雄氏、福島県クリエイティブディレクターの箭内道彦氏、福島ガイナックス代表取締役での浅尾芳宣監督が登壇。

関係者やプレスと一緒に試写に臨んだ内堀県知事は「ひとつひとつのエピソードがまだまだ復興途上のふくしまを表しているようで、物語にはまだまだ先があることを感じました」。
浅尾監督は「抱えていかなければならないものがありつつも、次のステップに踏み出さなければいけない。『この道の途中から』という副題のとおり、『これからも物語は続いていく』ということを作品を通じて表したつもりです」とコメントした。

続いて、「ガレキに花を咲かせよう」の監督を務めた川尻将由氏、「あたしの先生」の登場人物のモデルとなった「生徒全員が帰ってくるまで髪を伸ばし続けている」という大関幸治教諭、ナレーションを務めた松井愛莉さんが登壇。

川尻監督は「学生時代の自分が、もしボランティアに参加しようと思った時、どのような行動を取るだろうと考えて作りました」、
地元福島出身の松井さんは「小名浜のマリンタワーにはよく行くので、作中に登場してうれしいです。『福ちゃん』の話にもグッときました」、
大関教諭は「私の避難先のいわきに、双葉高校の教え子が来てくれて、一緒に飲みに行ったこともあります。一時休校が解けるまで、髪を伸ばす約束を守り続けていきたい」と改めて決意を語った。

最後は、内堀県知事から「作品は完成した時点で過去のものになってしまいます。登場人物のみなさんがこの先も前へ前へと進み続けることを願っています」という言葉で締められた。

『みらいへの手紙~この道の途中から~』は、アニメ本編と制作ドキュメント、そして本作品のストーリーテラー、ディーン・フジオカ氏のコメント動画をインターネットでどなたでも視聴が可能となっている。また、今後も日本各地で試写会が行われる予定だ。詳細は下記のスペシャルサイトをチェック。

<Text・Photo/ダンディ佐伯>

●『みらいへの手紙~この道の途中から~』特設サイト
http://miraitegami.jp/