2011年11月16日、TVアニメ『ONE PIECE(ワンピース)』の新章「最後の海“新世界”編主題歌「ウィーゴー!」が発売された。歌うは、主題歌「ウィーアー!」を歌うきただにひろしさん。
きただにさんといえば、1994年にロックバンド「Stagger」としてデビューし、ソロ活動を経て、1999年に『ONE PIECE』主題歌「ウィーアー!」を担当。以後は、アニメ&特撮ソング界で、数々の楽曲を担当している人気シンガーだ。
今回の主題歌は、本作が10月より新章「最後の海“新世界”編」に突入したことにより作られたもの。しかも、「ウィーアー!」を手がけた作詞・藤林聖子さん、作曲・田中公平さんといったスタッフも再結集!12年分の想いを込め、初代主題歌に負けず劣らずのアッパーな楽曲となっている。
──『ONE PIECE』の新主題歌を歌うことになったと聞いた時、最初にどう思われましたか?
きただにひろしさん(以下、きただに):嬉しいのと、おーここでキタか!っていう喜びですよね。喜びのほうが凄かったと思います。自分が関わってきたっていうのもありますけども、自分の中でも、最高のアニメだと思ってますし、自分もいちファンとして観てます。それに、原作者の尾田栄一郎さんが大事にしている『ONE PIECE』って物語の、ターニングポイントのスタートに、またみんなで集まって、この歌を作って歌えるっていうのは、最高だと思いますよね。うん。
──実際に歌ってみて如何でしたか?
きただに:音楽的に難しい箇所がいっぱいあったので、レコーディングを迎えるまでに、自宅ですごくリハーサルをしてました。詞については、いろんな箇所で、ぐっとくる感とか、今までの「ウィーアー!」から「ウィーゴー!」へのアンサーソングとしての歌詞のいい部分とか、やっぱその辺がうまく出せればなって思いましたね。
──音楽的に難しいところというと、具体的には?
きただに:色々あるんですが、例えば、「夢見る心は」って歌詞の「ろはー」って部分は3つの音をあててるんです。それを曲の速さの中に乗せるのはすごく難しかったのとを覚えています。後は、「じーっと」って歌詞から、一息で歌うところすね(笑)。作曲の田中公平さんがこだわった部分でもあり、サビだからパワフルに歌いたい。やっぱり息の配分を考えて、どこまで表現できるかって難しかったですね。だから、アスリートがその日のに最高のものをもってくるように、苦手なところは克服して、レコーディングは1発で決めるぞみたいなイメージで臨みました。
──それと歌詞について、“いい部分”というのは?
きただに:作詞家の藤林聖子さんと、作曲家の田中公平さんに聞いたんですが、「俺たちは…ここまで来たぜ 俺たちは行く………夢の在り処へ 誰も置いてかないぜ」の部分なんですけど、ここで、「俺たちは」=「we are」ですよね。「ここまで来たぜ」で、ルフィたちの12年間の冒険が、この一行に現れていて、ぐっと来る感を出しています。そして、「俺たちは行く………」=「we go」ですよね。で、「夢の在り処へ 誰も置いてかないぜ」で決意の部分に続いているんです。これがアンサーソングの核となる部分だと思うんです。だからボクも言われて、“なるほど”ってって。特に、「ここまで来たぜ」の1行で12年間の「想い」を伝えなきゃいけないっていうのは、自分で思っている以上にグッときて、歌いましたね(笑)。
──「ウィーアー!」を歌った頃に比べて、気持ちや技術的に変わったことはありますか?
きただに:やっぱりアニソンを歌うようになって、JAM Projectにも入り、自分の中でスキルは当然上がってきてると思います。なので、今回の「ウィーゴー!」は、12年前のきただにでは、ちょっと手こずったと思うんです。だけど、公平さんが僕のためにオーダーメイドで作って下さったっていう感じで、すごく考えて作ってくださったと思うんですね。なので、公平さんもよく、分かってくれてるというか、技術の向上をよくみていただいてると思うので、歌っていてすごく良かったですね。あとは、アニメソングって言葉がもってる感じが、表現として現れるじゃないですか。例えば「ちょーデカイ」は、超デカイ感をイメージして歌ったりとか、「じっと出来ない 止まれない」では、こう行きいきたい!っていう気持ちに乗せるといいうか。だから収録では、歌詞とか元メロディが、自分の身体と声を動かしてくれたと思います。
──そのアニソンですが、きただにさんにとって、アニソンの面白さとはなんでしょうか?
きただに:やっぱりね、人の心を掴んで離さないものだと思いますよ。子供の頃に観てたアニソンって、何十年たっても1番歌えるでしょう?それってすごいことだと思いません?毎週、TVを観ていただけなのに、すごく刷り込まれてると思うんですよ。自分も、43歳になって、まだ歌えるっていうのは、すごい影響力だと思うんです。そういうものに、携われるっていうのは、最高かなっていうのはあります。
──今回は、C/Wで「ウィーアー!for the new world」を歌われてますが、こちらは?
きただに:今のきただにひろしが、「ウィーアー!」を気持ち新たに録り直しました。前のは女性コーラスがかぶってて、すごく煌びやかな曲だったんですが、今回は、コーラスも全部僕がやって、ギターのひずんだ音がガンガン入ってるので、少し骨太でロックな感じになっているんですね。「ウィーアー!」の進化版と思っていただいてもいいかもしれません。
──こちらのレコーディングは如何でした?
きただに:基本的にスムーズなんですけども、僕、結構、おたまじゃくし(音符)の部分を自分で勝手にいじっちゃってて、ここ違うだろうっていうのが結構あったんです。もう、12年間、人前で「ウィーアー!」を歌ってるうちに、なんかこう、自分の中で想いが盛り上がっちゃったんでしょうね。言葉も抑揚のつけ方をこうしようとかって変わっていて。それを収録の時に言われて、“あっそうなんや”って(笑)。もう、人前で何千回と歌ってきましたからねー。またこれからも歌うと思いますけども。
──そうですよね。今度は、「ウィーゴー!」もありますし。
きただに:そうですね。『ONE PIECE』の核となる曲を2曲も歌える幸せと……あとはプレッシャーですよね。
──やっぱりありますか。
きただに:ありますよー。『ONE PIECE』の看板を背負っている事実があるし。でも、そこに負けないように、自分を救ってくれたアニメソング界に恩返しになるように、自分が歌うことでちょっとでもみんなが元気になってくれるとかね、そういう役目ができるならば、なんぼでも、歌いますよみたいな(笑)。
──では、最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
きただに:『ONE PIECE』新章がスタートして、これからもっとルフィたちがパワーUPして、もっとドキドキワクワクする冒険劇が繰り広げられると思うんですね。その時にみんなの耳には、この「ウィーゴー!」がテーマ曲として流れていて……。何十年後かに『ONE PIECE』の話をした時に、“あー新章楽しかったよねー”“そういえば「ウィーゴー!」っていう曲あったね”って。今の若者が、その時に酒を酌み交わしながら口ずさめる様な歌にしたいです(笑)!
<Text・Photo/小俣 猛>
「ウィーゴー!」/きただにひろし
発売中(2011年11月16日発売)
価格:CD+DVD/1890円(税込)、CD/1260円(税込)
発売元:エイベックス・エンタテインメント
※着うた(R)配信中/着うたフル:11月16日より配信中スタート!
※CDは、「ウィーゴー!」「ウィーアー!for the new world」「ウィーゴー!」(Instrumental)、「ウィーアー!for the new world」(Instrumental)を収録。
※DVDは、ノンテロップOP、プロモーション映像、他を収録。
●ONE PIECE WEB(ワンピースウェブ)
http://www.j-onepiece.com/
TVアニメ『ONE PIECE』DVD公式サイト
http://mv.avex.jp/onepiece/
ONE PIECE 公式サイト(東映アニメーション)
http://www.toei-anim.co.jp/tv/onep/
(C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション