当時の裏話も大開放!「サンライズフェスティバル2011夏嵐『エスカフローネナイト!』」レポート

By, 2011年9月15日



懐かしのサンライズ作品を一挙に上映する「サンライズフェスティバル」がテアトル新宿にて開催された。
その最後を飾るのは『天空のエスカフローネ』。今回は赤根和樹監督とキャラクターデザインを務めた結城信輝氏が登壇し、上映会に先駆けてトークショーを繰り広げた。
赤根監督は「あれから15年経ちましたが、『エスカフローネ』は自分の原点であり、子供のような作品ですので、今になっても客観的には観られません」、結城氏は「私が関わった初めてのTVシリーズ作品だったのですが、いまだに色褪せないですね」とコメントした。この後はあらかじめ用意された質問に加え、会場のファンから集められた質問を二人が答えていくというコーナーへ。
お二人への質問に対する回答を抜粋してお届けしよう。


―キャストはどのようにして決めましたか?

赤根監督:ヒロインの神崎ひとみは、ナチュラルな雰囲気を出す感じの声優さんが良い、と思いましたので、洋画の吹き替え経験は豊富ですがアニメではまだあまり声をあてたことのない坂本真綾さんに白羽の矢が立ちました。

結城氏:最初に坂本さんの声を聴いた瞬間に『この子だ!』ともう決まってしまいました。南(雅彦)プロデューサーが『すごい子を見つけた!』ととても嬉しそうだったのを覚えています。


―少女漫画の要素を盛り込んだ理由は?

赤根監督:企画の段階で「少女漫画の占い要素を取り入れた作品にしよう」というお話はありましたね。

結城氏:原作を担当した河森正治さんや今川泰宏監督とで三者三様の少女漫画像が語られました(笑)。

赤根監督:ファンタジーの要素を取り入れよう、ということで、ドラゴンは少女漫画との相性がいいと思い、まずそこから物語を作っていきました。

―ひとみのキャラクターの設定についてお話下さい。

結城氏:最初はひとみを三つ編みにしようと提案しました。学生時代に読んでいた少女漫画に近づけようと思いまして(笑)。

赤根監督:ロボットが出てくるので、男の子は何も言わなくても観てくれる
だろうと(笑)。女の子に観てもらうために色々と設定を考えました。

結城氏:女の子があくまで主人公、女の子の目線で語られていくストーリー、ということですね。


―ストーリーの構成上のポイントは?

赤根監督:ひとみとバァン・ファーネルのオーソドックスな恋愛ストーリー。そのコンセプトはなるべく消えないように気を付けました。

―お二人にとって『天空のエスカフローネ』とはどういう存在ですか?

赤根監督:私にとって、『エスカフローネ』が初監督作品だったので、それまで考えていた構想をすべてこの作品にぶつけました。充実感もありましたが、終わってからはしばらく気が抜けてしまいました。寝る前に「次の話はどうしようか?」と色々シミュレーションしました(笑)。制作時に関わった多くのスタッフの方々が、今でも財産になっています。

結城氏:オリジナル作品は今までほとんど携わったことがなかったので良かったですし、この作品の後にオリジナル作品や少女漫画が原作の作品などに誘われることも多くなりました。「こういう絵も描けるんですね」と言われるのが嬉しかったです。

イベントの最後には結城氏が描いた、『ジャパンエキスポ』(フランスで毎年行われているイベント)で使用された色紙イラストやTV版のフィルムなど、レアなグッズが当たるジャンケン大会も開催され、大盛況のうちにトークイベントは終了した。

『天空のエスカフローネ』は2012年2月24日にはBlu-ray BOXも発売予定となっている。現在好評予約受付中なので、こちらも要チェックだ。

<Text/ダンディ佐伯>