緑川ゆきの描く妖奇譚『蛍火の杜へ』キャストに直撃!

By, 2011年6月28日



『夏目友人帳』の緑川ゆき原作『蛍火の杜へ』メインキャストインタビュー

アニメ化もされ大ヒットを記録した『夏目友人帳』の原作者・緑川ゆきが原作の『蛍火の杜へ』が劇場版として2011年9月17日に公開決定! 狐の面を被った少年・ギンを演じた内山昂輝さん、迷子になったところをギンに助けられた少女・蛍を演じた佐倉綾音さんにお話を聞いてきました!

―本作で今回主役を演じることになった感想をお聞かせください。

竹川 蛍役・佐倉綾音さん(以下、佐倉):私は元々緑川先生のファンで、本作も『夏目友人帳』も原作を持っていたので、「オーディションを受けられるだけでも幸せだなあ」と思っていました。なので、役を頂いた時にはびっくりしました。また、自分も、この作品の一人のファンとして、読者の皆さんに面白さをどう伝えようか考えるのが大変でした。でも蛍を演じることが出来て嬉しかったです。

ギン役・内山昂輝さん(以下、内山):自分はオーディションの前に原作を読ませていただきました。ギンは人ではないのですが、かといって完全な妖怪でもないという特殊なキャラクターだったので、蛍とどのように話せばいいのか? というのを考えました。

―本作の魅力はどこにあると思いますか?

佐倉:短編集の中の1作だったのですが、私のなかではこの『蛍火の杜へ』が一番好きなお話だったので、「この作品を映像化したらとても綺麗だろうな」と思いながら読んでいたのを覚えています。

内山:独特な感触を持った作品だと思います。ラブストーリーではあるのですが、とてもコミカルなシーンもあるし、そう思えば蛍が泣き出してしまうシリアスなシーンになったりと、そういうストーリーの展開が独特の雰囲気を醸し出しているのではないかと思います。

―キャラクターを演じた感想をお願いします。

佐倉:蛍は無邪気な部分を残しつつ成長していくので、声を変えるだけでなく、どのように内面の変化を演じられるか悩みました。素朴で茶目っ気もある、リアルな女の子ですので、自分の実体験だけでは計れない部分があって、「この子はどんな子だっただろう?」と実際に原作を思い出しながらキャラクター作りをしました。

内山:ギンは大半が仮面を被っていて表情が読めないので「どうすればいいんだろう?」と思いましたが(笑)、俗世間的な悩みなどに執着しないので、熱情的な話し方ではなく、クールにセリフを言っていこう、という方針を立て、蛍に会うことによって気持ちがゆらぐ様もうまく表現できれば、と思い演じました。

―佐倉さんは今回、初の映画出演ということですが、アニメの収録と違った点はありましたか?

佐倉:今回はプレスコ(先に音声を収録して、後で映像を作成する録音方法)が初めての経験で、画ができあがったらさらに声をあてていく作業もあり、最初はどうしたらいいのか分からなかったのですが、監督が丁寧に教えて下さったので迷いなくできました。この先、このような経験はあまりないと思いますので勉強にもなりましたし、とても貴重な経験をさせていただきました。

―最後に、ファンの方に一言お願いします。

内山:プレスコの時はまだどんな画になるか分からなかったのですが、キービジュアルを見て「とても綺麗な映像になりそうだな」と思いました。今回の収録では、実際に完成に近い映像を見せていただいて、改めて綺麗な作品に仕上がるだろうと感じました。期待して下さい!

佐倉:ファンの目線から見ても、映像もとても綺麗ですし、緑川先生の世界観がとてもよく表されていると思います。ギンをはじめとした、他の妖怪たちも個性豊かで声もよくて。Vチェックをしている時に親も見ていたのですが、一緒に泣きました(笑)。何回観ても泣けるし、感慨深い要素を持ってますし、劇場の大画面に映える作品だと思いますので、気に入ったら何度でも観ていただきたいです。

<Text・Photo/ダンディ佐伯>

<インフォメーション>
劇場版『蛍火の杜へ』

2011年9月17日公開
シネ・リーブル池袋、テアトル梅田

<スタッフ>
原作:緑川ゆき
監督:大森貴弘
キャラクターデザイン:髙田 晃
美術:渋谷幸弘
色彩設計:宮脇裕美
撮影:田村 仁
編集:関 一彦
音楽:吉森 信
制作:ブレインズ・ベース
製作:「蛍火の杜へ」製作委員会

<スタッフ>
ギン:内山昂輝
竹川 蛍:佐倉綾音
ほか

●作品公式サイト
http://www.hotarubi.info/

(C)緑川ゆき・白泉社/「蛍火の杜へ」製作委員会