
By, 2026年10月19日
声優・植田ひかるが数年前にラジオで披露した「紙袋被って中学行ってた」という“ウソのような実話”をベースに描かれた新感覚マンガが爆誕!
『紙袋中学生~素顔を隠した女の子が声優になる話~』が、各電子書籍サイトで好評配信中だ。紙袋をかぶった女子中学生・ひかるんの中学生活を描いた、不思議な魅力を持つ物語に惹かれること間違いなし!
今回は植田さんと、シナリオを担当した脚本・演出家の石ダテコー太郎さんに、本作品が生まれたその理由から作品の魅力について、たっぷり語っていただいた。
―まずは、本作が生まれた経緯を教えていただけますか?
植田ひかるさん(以下、植田):まず、石ダテさんと初めてお仕事をさせていただいたのは、石ダテさんが監督・脚本を務められていたアニメ『其れ、則ちスケッチ。』への出演でした。
その番宣ラジオである『其れ、則ちラジオ。』のパーソナリティも担当させていただき、そのラジオで、話の流れから「中学時代、紙袋を頭に被って通学していた」というエピソードをお話ししてしまったんです。
そうしたら、石ダテさんから「えっ、そのエピソードどういうこと!?」と猛烈に突っ込まれまして……。
石ダテコー太郎さん(以下、石ダテ):さらっと流せるエピソードじゃないですからね(笑)!?
とにかく浮世離れした面白いエピソードだったので、「これは、マンガかなにか、作品にして発表したほうがいいんじゃない?」とアドバイスしたんです。
植田:墓場まで持っていこうと思っていたエピソードなので、石ダテさんがいなかったら本作は絶対に生まれていなかったと思います!
石ダテ:深掘りしてよかったね(笑)
―では、そこから物語の原案やプロットを編集部に持ち込む……という流れになったのでしょうか?
石ダテ:実は『其れ、則ちラジオ。』のスタッフの一人が、小学館で作品の企画やディレクションもやっていて。そのつてでこの企画を編集部に持ち込んでくれました。
なので、いろんな会社を1つ1つ回って売り込む……みたいなことはしていなくて。マンガ化に向けての企画持ち込み自体はそんな感じでスムーズにいきました。
ただ、植田さんの過去をヒアリングする作業に、ものすごい時間がかかりましたが……(苦笑)
植田:そう、会議室で次々に質問を受けて答えて。あまりにも長く、しかも細部まで詰められるので、まるで事情聴取を受けているようでした(笑)
石ダテ:大変な作業でしたね(笑)
誤解がないように言っておくと、別に詰めているつもりはなくて。ただ、植田さんの話を聞いていると、要所要所でつながらない部分が出てきたりするんです。それも1度や2度ではなく(苦笑)
後日あらためて聞いてみたらまた違う話が出てきたりもするし……。
なので、整合性をとるために何度も戻って聞き直したりしていたら、それだけの時間になってしまった、ということです(笑)
植田:私の中でもよく覚えていないこともあって……。そんなヒアリングは何日かに分けて行われました。
石ダテ:ちなみに、そのヒアリング中に作った議事録は、A4用紙で30枚ほどにもなりました(笑)
そこから『紙袋中学生』で世の中に出せる要素を拾っていってまとめて、あのような形になっています。
―最初にマンガ化の話が出てから、どのくらいの月日が経ったのでしょう?
植田:ラジオが終わってすぐに動き出したと考えると……ゆうに3年は経っているのではないでしょうか?
ですので「もしかしてこれってドッキリなのでは?」と思うことも正直ありました(笑)
石ダテ:3年間もずっと泳がせるって、なかなかないと思うよ(笑)?
時間がかかってしまいましたが、その分、魅力的な作品になったと思います。
ちなみに、ラジオのアーカイブは現在も残っているので、当時僕らが感じた衝撃を、いまもみなさんに味わっていただけると思います(笑)
【『其れ、則ちラジオ。』シーズン1】
【『其れ、則ちラジオ。』シーズン2】
―作画を担当されているsugar.先生もラジオを聴いてくださったそうですね。
植田:そうなんです! 「『其れ、則ちスケッチ。』の本編もラジオも面白くてずっと聴きながら作画していました!」と言っていただいて。すごくありがたいです!
シナリオを反芻していると、私のなかでは劇画タッチの画しかイメージできなかったので(笑)、先生の可愛らしい絵柄で救われていると思います!
―本作で作画をsugar.先生、ネームを伊奈利先生が担当されていますが、お2人を起用された理由を教えてください。
石ダテ:植田さんから聞いたエピソードは、どれもかなり強烈なものばかりだったので(笑)。これをより多くの方に楽しんでいただくためには、ある種の「擬態」が必要だと思ったんです。
そこで、いわゆる「かわいい系」の雑誌で作品を描かれていたsugar.さんと伊奈利さんにお願いさせていただくことになりました。
親しみやすく可愛らしい絵柄や構成で描くことで、エピソードの強烈さとのギャップが生まれて、より面白い作品になるのではないかと考えていましたが、ばっちりハマりましたね。
―「授業中、廊下でヤンキーの隣で寝るシーン」など、衝撃的なエピソードも登場しますね。本作は植田さんの実体験をベースにしているとのことですが、マンガ化にあたって脚色された部分もあるのでしょうか?
植田:はい。例えばそのシーンも、実際は「同級生の女ヤンキー」と一緒にお昼寝をしたんです。おんなじ不良でも実は別の人とのエピソードで。読者のみなさんに誤解を与えてしまうのではないかと心配でした。
でもそんな中、『紙袋中学生』を読んでくれた中学時代の友人たちから連絡がきたんです。「当時のひかるんそのままだったよ」と言われたので、隣にいたのが女性か男性かなんて関係ない、ということみたいですね(笑)
石ダテ:植田さんのほうでも「記憶違い」があるという可能性が否定できないということで、ひかるん含め登場人物は全員「架空の人物」ということにしていますし、実際に、何人か分のエッセンスを合体させて作ったキャラもいます。
植田:なんやかんやありますが、「思い出はきれいなまま」ということでよろしいのではないでしょうか?
―また、作中では神社でお祈りをしたり、「皆の安全を願いながら眠りにつく」など、ひかるんの独特な精神世界が描かれていますね。植田さんご自身も、昔からそういった不思議なものを身近に感じていたのでしょうか?
植田:話せば長くなるのですが、私が声優としてお仕事をもらうようになってすぐはダメダメで。収録の帰りはすごく落ち込んで、いつも音響監督さんから言われたことを反芻しながら、神社に立ち寄ってお賽銭を入れていたんです。1万円。
石ダテ:1万円!? お給料無くなっちゃうね。
植田:はい。それでも、「えい!」とお賽銭をしていました。いわゆる「神頼み」ですね。でも、お仕事をしているうちに“やおよろずの神様”たちに対するリスペクトの気持ちが生まれたので、一人の神様にすがったり、スピるようなことはもうやめました(笑)!
―そして、一番気になるのが「なぜ紙袋をかぶっていたのか」というところです。
植田:マンガを読み進めていただければきっかけのお話も出てくるのですが。
一つは「自分ではない人になりたかった」ということ、もう一つは「人と関わるのが苦手だったから」というのもあります。
でも、紙袋をかぶって初めて分かったこともあるんです。
……あ、実際に被ってみていただいたほうが分かりやすいですね。これを被ってください。
―え?私が被るんですか?
植田:はい!
石ダテ:(笑)
―……被りました。
植田:どうですか?
―自分の声がすごく近く感じます。
植田:それです!
―つまり、どういうことでしょうか?
植田:紙袋を被ると、自分の声がすごく近くに聞こえて、落ち着いて自分自身と対話できるような気がしたんです。私にとって紙袋の中は、自分を見つめ直せる大切な場所でもありました。
―なるほど……。紙袋の中が、そんな特別な場所になっていたんですね。
石ダテ:これは初耳でした。
植田:思い出したので、初めて言いました!
―石ダテさんも初めて聞くエピソードだったんですね(笑)
そんな過去を掘り下げ、作品として世に送り出すきっかけを作った石ダテさんは、植田さんにとってどのような存在なのでしょうか?
植田:石ダテさんは『紙袋中学生』を作るのに相当の労力を使われたと思うのですが、私に対してもどんなときも同じようなスタンスで接してくださるし、すごくいい人だと思っています!
石ダテ:あ、ありがとうございます……(笑)
植田:正直ラジオがはじまったころはちょっと怖いというか、悪い人だと思っていました。でも「面白い」と思ったことに対しては真摯な気持ちで追求してくださいますし、すごく実直な方だと思います。なので、いい人です。
石ダテ:無理して「いい人」か「悪い人」のどちらかにカテゴリわけしなくてもいいから(笑)!
植田:実はいまの事務所に所属する時の面談は、石ダテさんに付き添いをお願いしたんですよ。
石ダテ:ある日突然呼び出されました(笑)
植田:前の事務所を退所したあと、フリーでやっていこうと思っていたんです。
そんな折、いまの事務所の方から「うちでやってみない?」と声をかけていただきまして、面談することになったんです。
当時、『紙袋中学生』のリリースが近い状況でしたので、「ここでネコの皮を被る必要はない!どうせもうすぐバレる!」と思い、石ダテさんに“私のすべて”を語っていただこうと。
石ダテ:はい。なので、事務所の方には「植田さんはご想像されているより”すごい”方ですよ!」としっかりお伝えしました。
植田:本当の私を知られたら、所属の話は正直断られると思っていました。
石ダテ:最初から断られるつもりで臨んだの? 初耳です……。
植田:絶対断られると思っていました。でも「面白いね」と気に入っていただき、無事所属させていただけることになりました。そして私はいま、ここにおります!
自分の半生がずっとコンプレックスだったので、「別に隠さなくていいんだ!」というのがわかりましたし、『紙袋中学生』を発表してよかったと思います!
―ご自身の過去と向き合い、作品として発表するまでのさまざまな経験を通じて、植田さんの心境にも変化があったんですね。そんな植田さんから、読者の中で声優を目指している方々に伝えたいことはありますか?
植田:主人公・ひかるんのことを「ワガママな子」だと感じる人は正直多いと思います。でも、「そんな彼女でも声優になれたのだから、私もなれるのでは?」と考えるのはちょっと違うと思っていて。
自分の意志を持つことはすごく大事ですが、人の考えを理解すること、協調性を持とうとすることもすごく大切です。なので、ひかるんの言動を全肯定してしまってはダメだということです。
そして、当時紙袋を被っていたところからもわかると思いますが、私は自分の容姿に決して自信があるわけではないんです。最近は「声優は見た目も大事」みたいなことを言われていますけど、決してそんなことはないと思うんです。そんなことを気にして夢をあきらめるのはもったいないので、しっかりとした「自分の意志」を持って声優を目指してほしいですね。
―ご自身の半生がマンガになった今、改めてどのような思いがありますか?
植田:『紙袋中学生』は、私の黒歴史をみなさんに披露している側面もあるのですが、その黒歴史を経たおかげで今の自分があるし、読んでいるとこれまで私と関わってきてくださった周りの人達の優しさも感じるんです。
ずっと自分のなかにあった「懺悔」の気持ちも吐き出すことができて、すっきりしています。
みなさんのなかにも私と同じように、ちょっと重めの過去を持っている方がいるかもしれませんが、「ひかるんに比べたら私なんか……」と思って、前向きになっていただけるのではないでしょうか?
石ダテ:『紙袋中学生』は、そうですね……本場のスパイスが効きに効いたカレーを、日本のカレーチェーン店でもギリギリ出せるくらいマイルドに食べやすくした……と言えばわかりやすいでしょうか(笑)?
植田:植田ひかる流に表現すると「私というお茶の木の茶葉を石ダテさんが摘み取ってくださり、作家やスタッフのみなさんにいろいろ加工していただき、最終的に美味しい紅茶のパウンドケーキになった」です。
石ダテ:言い直す必要ある(笑)!?
植田:ともかく、苦くて飲めなかった茶葉を美味しく調理していただいて、感謝感謝です!
というわけで、みなさん、『紙袋中学生』を読んでください!
石ダテ:そこにつながるんだ(笑)
じゃあ僕からも……みなさん、読んでください!
―ありがとうございました! では、本作の今後の展望についてもお聞かせください。
植田:これは何回でも言っておきたいことなのですが、『紙袋中学生』は私だけの力では完成させることができなかったんです。なんなら生まれてこなかった作品だと思っています。
将来、紙の本になったら嬉しいですし、ボイスコミックやアニメなどにもなったら嬉しいなと思っています! そのためにはみなさんの応援の力が必要ですので、ぜひ実現に向けてお力添えをお願いします!
あ、あと本作は1話88円(※価格はストアにより異なる可能性があります)で読めるのですが、これって菓子パンとほぼ同じ値段ですよね?
石ダテ:最近は少し値上がりしていますけど、大体そのくらいですね。
植田:なので、パンを食べるような感覚で気軽に読み進めてもらえたらうれしいです!
<インタビュアー・カメラマン/ダンディ佐伯・文責(編集)『れポたま!』編集部>
【作品概要】

『紙袋中学生~素顔を隠した女の子が声優になる話~』
• 原案:植田ひかる
• シナリオ:石ダテコー太郎
• ネーム:伊奈利
• 作画:sugar.
• 制作・運営:STUDIO SEED(小学館・SEED COMICS)
●「小学館 eコミックストア」
https://e-comi.shogakukan.co.jp/
【「第1話 無料配信中!」】
●コミックシーモア(※先行配信)
https://www.cmoa.jp/title/372915/
●小学館eコミックストア
https://e-comi.shogakukan.co.jp/books/09D170430001t0000000

【プレゼント】
植田さんのサイン色紙を1名にプレゼント!
ご希望の方は『れポたま!』公式「X」@repotama(https://twitter.com/repotama/)をフォローし、当該記事のポストをリポストしてください。当選者にはDMにてこちらからご連絡させていただきます。
応募締め切り:2026年11月13日(金)23:59まで
◆注意事項◆
◎ご応募いただいた方の中から、厳正な抽選の上、当選者を決定いたします。
◎当選者様にはXのDMにてこちらからご連絡させていただきます。落選の場合のご連絡は致しません。
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◎当選者様の住所不明、転居先不明、長期不在などにより賞品をお届けできない場合には、当選を無効とさせていただきます。
◎応募受付の確認、当選・落選についてのご質問は受け付けていません。
◎賞品のお届け先は日本国内に限らせていただきます。
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