アニソンシンガー・安月名莉子の9枚目のシングル「かたち」が8月24日(水)リリース! 表題曲は『メイドインアビス 烈日の黄金郷』のOPテーマ。作品の大ファンだという彼女の、いまの想いがたっぷりと込められたナンバーだ。
―楽曲のリリースとタイアップが決まったときの感想をお願いします。
安月名莉子さん(以下、安月名):『メイドインアビス』は元々テレビアニメシリーズを観ていて大好きだったんです。劇場版も観に行くくらいでしたので、めちゃくちゃうれしかったです。
―レコーディングはいかがでした?
安月名:楽曲を初めて耳にしたときから、プレッシャーよりも「好き」の気持ちが強くなりまして。「この曲を歌うんだ!」という自信のほうが勝(まさ)った状態でレコーディングに臨むことができました。
―作曲・編曲を担当されたebaさんもレコーディングに立ち会われたそうですね。
安月名:はい、実際にディレクションもしていただきました。ebaさんは「cadode」という音楽ユニットでも活動されていて、すごく幻想的な楽曲を作られているんです。「かたち」でもそれを感じられて、すごく好きな曲調でした。
成れ果てたちをイメージできるガチャガチャとしたイントロ、アビスの底を感じられるような深いサウンドに鳥肌が立ちました。
レコーディングでは音楽プロデューサーと共にディレクションしてくださりました。
詞のなかに「呪い」や「もがく」など、『メイドインアビス』に関連した強い言葉が出てくるのですが、主に言葉の表情や歌い方を丁寧に説明していただきました。音程よりも言葉の発し方に重きを置いて、例えば「憧れ」という言葉をどう歌えば感情が伝わるのか? といったことを細かく指示していただいて。
空き時間には高尾山の話で盛り上がったのを覚えています(笑)
―まるでアニメの音響監督のようなディレクションですね。
安月名:確かにそうかもしれません。ちなみに私は感情的に歌うのが好きでして。2番の歌詞からはさらに『アビス』色が強くなる内容になっていますし、作品のことを歌っているフレーズもありますので、楽しんでいただきたいです。
―当日はどのような姿勢でレコーディングに臨まれたのでしょう?
安月名:主人公のリコちゃんが、様々なものを失いながらも憧れに向かって進んでいく姿を歌声に乗せたい、という気持ちは強かったです。
「アビス」の底がどこまで続いているかわからないのに冒険をするリコちゃんと、コロナ禍のもと、私たちが置かれている状況って、似たところがあるじゃないですか。アビスの世界と今の境遇をリンクさせて歌うことができたと完成したものを聴いて思いました。
―アニメの話になりますが、シリアスな物語のなかにも、リコたちの食事のシーンではほっこりとさせられます。
安月名:本当に食事シーンにこだわってらっしゃいますよね。以前『蜘蛛ですが、なにか?』という作品でOPテーマを歌わせていただいた際、取材で虫を食べる機会があったので、リコの気持ちがわかるような気がします(笑)
『メイドインアビス』に出てくる料理はクセの強いものが多いので、できればあまり食したくはないです(苦笑)
―本編の作画はもちろん、オープニング映像のクオリティの高さも目を引きますね。
安月名:音楽に勝ち負けはないと思っているのですが、この映像を見たとき「負けたくない」と思ったんです。そのくらい心を燃えさせてくれるんですよね。これって本当に幸せなことだと思いました。
これまでは「感情を届けよう」という気持ちが強く、空回りしてしまったところもあったのですが、今回は「1つの作品としてしっかり届けたい」という気持ちになりました。
―ジャケットもこだわりがありそうですね。
安月名:パッと見、さまざまなイメージができる、不思議な模様ですよね。液体磁石や砂鉄でアビスを表現していて、吸い込まれるような「アビスに向かう穴」というのが私の第一印象だったのですが、みなさんのなかには「アニメ第1話のベラフの『美しさとは目だ』というセリフから『目』を表しているのでは?」という考察もあって面白いです。見どころ満載のジャケットになりました!
―「かたち」というタイトルに関してはどう感じました?
安月名:自らの「形」を変えてまで欲を追求し成れ果てとなることを選択する覚悟……アビスへの憧れを絶対に変えない心の「形」など、『メイドインアビス』を語るうえでキーワードとなるワードだと思うんですね。ですので、このタイトルを最初に聞いたときはゾワっとしました。
―カップリングの「灯火」は9月発売予定のゲーム『メイドインアビス 闇を目指した連星』のエンディングテーマになっています。
安月名:作編曲のMANYOさんがツイッターで「アニメを一気観し、精神をガリガリ削られながら書いた曲」というのをつぶやいていらっしゃいました。実は「かたち」よりも先にレコーディングしたんです。バラード調になっているのですが、決してネガティブな歌詞ではなくて。アビスを目指すなかで生まれた、小さな灯火のような温かい希望を歌っています。
―歌詞にも特徴があるそうですね。
安月名:実はアニメで出てきたレグのセリフが使われているんです。リコの腕を切り落としてしまったときの彼の叫びが歌詞になっていて、衝撃的でした。
―レコーディングはいかがでした?
安月名:いままでは感情を前面に出して歌っていた曲が多かったのですが、この曲はエンディングテーマということもあり、語りかけるような歌い方を心がけました。
ありがたいことに、これまで出会ってきた曲は、そのとき私に必要なテーマを与えてくれたんです。「かたち」も同じで、「安月名莉子の音楽人生はまだ旅の途中」ということを教えてくれました。
「この人の希望に応えたい、でもあの人にも寄り添いたい」という想いが常にあって、迷ってしまうこともあったのですが、そんなときに「自分の持っている音楽に対する憧れを大事にしよう」という気持ちを持てるようにしてくれました。
―「かたち」は今年5月に開催された「KADOKAWA ARTIST LIVE ON STAGE」で初お披露目だったそうですね。
安月名:アニメ映像を背負ってのライブだったので「観たら絶対に泣いちゃうだろうな」と思いまして(笑)、かたくなに前を向いて歌うようにしました。
ほかのアーティストさんのパフォーマンスも見させていただきましたし「KADOKAWA作品は音楽も作品も最高だな」と改めて感じました!
―8月28日(日)には上野公園 噴水広場で開催される「ウエノデ.ビアフェスタ2022」に出演されます。
安月名:屋外で歌えるのがすごく楽しみです! 全力で青空に向かって歌を放ちたいと思います! アニソン好きのみなさん、一緒に盛り上がりましょう!
―9月19日(月・祝)には「HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3」でワンマンライブが開催予定です。
安月名:私は埼玉県出身なのですが、実はまだ地元でワンマンライブを開催したことがないんです。いつもみなさんに直接歌声を伝えたいという想いでライブに臨んでいますし、今回の「凱旋公演」、絶対に成功させたいです!
ちなみにライブグッズのほとんどは私がプロデュースしていますので、こちらにもご注目いただきたいです!
―最後に、メッセージをお願いします。
安月名:デビュー当時は、みなさんの前で歌うたび緊張していましたが、「いまを大事にしたい」という気持ちが強くなり、ステージを楽しめるようになりました。それも応援してくださる皆さんのおかげです。感謝の気持ちを込めてこれからもたくさんのライブで音楽を届けていきたいです。貴重なインタビューありがとうございます。そして、最後まで読んでいただきありがとうございました。
<インタビュアー・カメラマン/ダンディ佐伯・文責(編集)『れポたま!』編集部>
価格:1,320円(税込)
≪収録曲≫
1.「かたち」
(TVアニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷」オープニングテーマ)
2.「灯火」(『メイドインアビス 闇を目指した連星』エンディングテーマ
3.「かたち」inst
4.「灯火」inst
発売・販売元 KADOKAWA
●安月名莉子 公式サイト
https://www.azuna-riko.com/
●安月名莉子 公式ツイッター
@azuna_riko
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応募締め切り:2022年9月16日(金)23:59まで