2020年2月にアーティストデビューした、声優アーティストの熊田茜音。活動3年目を迎えた彼女が、初となるアルバムをリリース! デビュー曲「Sunny Sunny Girl◎」や両曲がアニメタイアップの豪華シングル「Brand new diary/まほうのかぜ」などの既存曲に加え、自身が作詞をしたナンバー「くらげ」ほか新曲も多数収録。新曲のひとつひとつに「テーマ」が設けられているそうで、本アルバムに対する熊田さんの思い入れの強さが伝わってくる。発売を控えた熊田さんにお話をうかがった。
―発売を迎えたいまの心境をお聞かせください。
熊田茜音さん(以下、熊田):昨年1月にデジタルアルバム『Colorful Diary』をリリースさせていただいたのですが、スタッフさんと「いつかCDという形でアルバムを出したいね」と話していたので、こうして発売することができてうれしいです!
―アルバムはどのような意味を込めてタイトルをつけられたのでしょう?
熊田:世の中が晴れないなか、私自身も子どもと大人の間で「もやもやした気持ち」がずっとあって。霧が同時に晴れてくれたら、という想いを込めてつけさせていただきました。
―「初回限定盤」に付属するBlu-rayには「またね、よろしくね」と「いいんだよ」のMusic Clipが収録されています。それぞれの見どころをご紹介いただけますか?
熊田:「またね、よろしくね」は湘南で撮らせていただきました。監督がずっと隣でカメラを回してくださったんです。「絆」を感じられる映像をコンセプトに、横にいる友達と一緒に歩いているようなアングルを意識しています。最後に浜辺で歌っている夕焼けのシーンは、一日のうちでほんの少しの時間しか撮るチャンスがなく、監督が「いまだ! 早く撮るよ!」と慌てていたのが印象的です(笑)
「いいんだよ」は「前髪を切る」というインパクトのあるシーンから始まるのですが、あれは私がお風呂に入っているときに思いついたアイデアなんです。マネージャーさんに伝えたら、最初は驚いたものの「やってみたら?」と言ってくださいました。合成などではなく実際に切っているので、何度もリテイクすることができなくて。私もスタッフさんも気合を入れて撮影に臨みました。
衣装は2種類あり、オレンジのパーカーは「走りやすさ」を重視して選びました。もう一着の赤いドレスなのですが、22歳になったばかりの私にとってはまだ着こなせていないという自覚があるんです。先ほどアルバムタイトルの意味をお話した際に、「もやもやした気持ち」という言葉を出させていただいたのですが、それを衣装でも表現しようと思いました。
―「いいんだよ」は、園田健太郎さんがトータルプロデュースされていますね。
熊田:実はこの曲は園田さんから「熊田さんにピッタリな曲がある」と、持ち込みでいただいたんです。ちょうどアルバムを作るという話をしていた時期だったのでデモを聴かせていただいたのですが、私もすごく気に入りまして。その後、園田さんとじっくりと打ち合わせをして詞の内容を決めていきました。仮歌のときから「いいんだよ」というフレーズは変えてほしくないと思っていましたので、そのことははっきりとお伝えしました。
―サビ終わりの「私だ」には熊田さんのありったけの感情が込められているように感じます。
熊田:1番の「私だ」には気づきのニュアンスが入るよう、そしてラストの「私だ」は宣言するような力強さを意識しました。
―アルバムに収録された1曲「自分磁針」にも「自分自身だ」という、自身の気持ちを込めたフレーズがあります。
熊田:気づいていただきありがとうございます! 「人生を私自身で切り開いていく」という点では、ラストの「私だ」に通じるところがあるかもしれません。人に頼ったり、人のせいにすれば楽になるのかもしれませんが、自分を見つめることは生きていくうえですごく大事だと思うので、それを曲に込めることが多いです。
―「Elpis」は収録曲のなかでもひときわテンポの速い、ライブ映えしそうなナンバーですね。
熊田:新曲にはそれぞれテーマを設けたのですが、この曲は「記憶」です。私は学生時代、人間関係に悩んでいたことがあって。記憶をきつく閉じてフタをしていたのですが、いまなら受け入れることができるのではないかと思いまして。
作詞の児玉雨子さんは記憶を閉じ込めた“記憶の箱”を「パンドラの箱」に例えてくださったのですが、その物語のなかに「Elpis」という女神が出てくるんです。「Elpis」はとても強い女性のことを指すそうで、「これから強く生きていこう」という前向きな心を持つこともできました。
―「霧雨」という意味を持つ「drizzling」は、レーベルメイトのZAQさんが作詞と作曲を手がけています。
熊田>:この曲は「もやもや」がテーマです。デビューしたてのころは実力もないのにキラキラした気持ちでオーディションを受けたり、勢いで現場に臨んだりしていたんです。でもそのうち、その「キラキラ」を感じられなくなってしまって。
最初は「純粋に夢を追いかけられなくなってしまったのではないか」とショックだったのですが、実は仕事への見方が変わっただけで、意欲が失われたわけではないんだ、ということに気づいたんです。それをZAQさんにお伝えして、作っていただきました。
―優しさと情熱のこもったメロディラインがZAQさんらしいですよね。
熊田:はい! 実は今回、楽器のレコーディングに立ち会わせていただいたんです。奏者のみなさんの熱量を感じて「私も負けてられないぞ!」という気持ちになりました。
―「ラララ~」の歌声も印象的です。あの声は、熊田さんご自身のお声ですか?
熊田:そうなんです。「幼い頃の声」や「狂気の声」など、さまざまなタイプの声を録らせていただきました。曲に深みが出ればいいな、と。
―「くらげ」では初めての作詞に挑戦されました。
熊田:最初に曲を聴かせていただいたとき、私のなかで「くらげっぽい」という印象を受けまして。スタッフさんから「ファーストインプレッションが大事だよ」と言われたので、タイトルをまず決めて、そのあとは実際にくらげについて調べてみました。
―すごく徹底していますね。
熊田:初めての作詞ですから、妥協したくなかったんです。「気づいたら(また違う)場所に辿り着いてるんだ」というフレーズが最初に浮かんだので、そこから広げることにしました。
いまの私にできることは「自分の言葉で想いを素直に届けること」だと思いましたので、常に頭に置きながら作詞作業をしていきました。
―書き終えるのに時間はかかりましたか?
熊田:大変でした……。真っ暗な部屋のなかで、頭をクリアにしてみたらいいフレーズが浮かんでくるのかと思ったら、全然出てこなくて……(苦笑) お風呂のなかでリラックスしているときが一番作業が進みました。「いいんだよ」のMusic Clipのアイデアもそうですが、やっぱりお風呂は大事です(笑)
みなさんが私の曲や話を聴いて笑顔になってくれる瞬間が一番好きなので、そのときの気持ちを最後に綴りました。
―レコーディングはいかがでした?
熊田:もしかしたらいままでで一番苦戦したかもしれません。タイトルどおり「身体の力を抜いて自然体で歌う」というテーマで録ることにしたのですが、私、歌うときに力を抜くのが本当に下手で……(苦笑) 普段歌う上で出てしまう癖を一度すべて取り払ってみようと思い、その通りに歌ってみたら、OKをいただけたんです。
いつもと違う感覚だったため「いまのでいいの!?」と不安になりながらも作業を進めていきました。
ちなみに、ディレクターは、私のことをデビューからずっと見てくださっているので、私のいいところも悪いところもすべて把握していただいているので、思いっきり頼らせていただきました(笑)
―「濃い藍、油性の恋」は、タイトルからしてインパクトがあるナンバーです。
熊田:ウダノゾミさん(キャラクターデザイン担当)と佐伯youthKさん(作曲担当)による、10代の作詞家さんを一般公募して恋愛をテーマにしたMusic Videoを制作する「青春恋愛MVプロジェクト」という企画がありまして。「失恋」をテーマに曲を作りたいとお伝えしたところ、現役大学生の3∀9(さく)さんがこんな素敵な詞を書いてくださいました。
私が考える失恋は「振られること」ではなく「相手のなかの自分が小さくなってしまうこと」だと思っていて。これは家族や友人にも通じる感覚だと思うのですが「自分の身に起こったらすごく辛い」というシチュエーションを思い浮かべたものを詞にしていただいたんです。
―レコーディングでのエピソードを教えてください。
熊田:歌っている間はずっと泣きそうな気持ちになっていました。実際に何度かレコーディングを中断させていただいたんです。しかも、現場に3∀9さんが来られていたので、さらに感情を込めて歌うことになりまして。忘れられない1日になりました。
―終盤はこれまで発表してきた楽曲が並んでいますが、曲順でこだわったところはありますか?
熊田:昨年12月に京都で開催された『京 Premium Live -2021-』で「まほうのかぜ」「またね、よろしくね」の順番に歌わせていただいたのですが、すごくしっくりきたんです。ファンの方もよろこんでくださっていましたし「アルバムに収録する際は絶対にこの並びにしたい!」と決めました。
―「初回限定盤」に付属するBlu-rayにはMVのほか、映像特典として「スペシャルインタビュー」も収録されるとのことですが、どのような内容になっていますか?
熊田:『Colorful Diary』のレコーディング期間に、密着カメラが入っておりまして、制作当時の私の想いを語っています。本邦初公開となる映像ですので、ぜひ楽しんでいただきたいです!
―今回は期間限定でアルバム発売を記念した衣装展が東京・AKIHABARAゲーマーズ本店、アニメイト秋葉原本館で開催されるそうですね。
熊田:はい! AKIHABARAゲーマーズ本店では「Sunny Sunny Girl◎」のジャケット写真、アニメイト秋葉原本館では「Brand new diary」のMusic Videoで着用した衣装が展示されます。「Sunny Sunny Girl◎」はスウェット2着を半分に切って、それをつなぎ合わせた面白い作りになっています。私にとって初めてのアーティスト衣装です! そして「Brand new diary」で着ている革ジャンにはストーンやスタッズが埋め込まれているのですが、実はスタイリストさんが20時間近くかけて作業してくださったんです。是非、隅々までご覧いただきたいです。
―2022年6月12日(日)には、東京・科学技術館サイエンスホールで1stライブの開催が決まりました。
熊田:これまで発表してきた歌をたくさん披露することはもちろん、サプライズ企画もできたらいいな、と思いつつ、企画を練りまくっています。みんなと同じ空間で歌えること、そして長い時間を共有できることが本当にうれしくて。ひとりでも多くの方とお会いできるのを楽しみにしています!
―最後に、メッセージをお願いします。
熊田:私の「いま」をギュッと詰め込んだアルバムになっています。みなさんの心に刺さる曲が必ずあると思いますので、ぜひ聴いてください!
<インタビュアー/ダンディ佐伯・文責(編集)『れポたま!』編集部>
【アルバム概要】
『世界が晴れたら』
2022年2月23日(水・祝)発売
【初回限定盤】
4,400円(税込)
【通常盤】
3,300円(税込)
【INDEX】
1.いいんだよ
作詞・作曲・編曲:園田健太郎
2.Elpis
作詞:児玉雨子 作曲・編曲:佐藤厚仁(Dream Monster)
3.Brand new diary(TVアニメ『転生したらスライムだった件 転スラ日記』オープニング主題歌)
作詞:寺島拓篤 作曲・編曲:R・O・N
4.drizzling
作詞・作曲:ZAQ 編曲:岸田勇気
5.くらげ
作詞:熊田茜音 作曲:宮崎まゆ 編曲:高橋修平
6.自分磁針(テレ玉 第103回全国高等学校野球選手権埼玉大会中継テーマソング)
作詞:伝書鳩 作曲・編曲:佐伯youthK
7.濃い藍、油性の恋
作詞:3∀9 作曲・編曲:佐伯youthK
8.ココロハヤル(TVアニメ『チート薬師のスローライフ ~異世界に作ろうドラッグストア~』オープニング主題歌)
作詞:唐沢美帆 作曲・編曲:菊池達也
9.Sunny Sunny Girl◎(TVアニメ『織田シナモン信長』オープニング主題歌)
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:山口朗彦
10.まほうのかぜ(TVアニメ『スーパーカブ』オープニング主題歌)
作詞:きみコ 作曲・編曲:佐々木淳
11.またね、よろしくね(『絆体感TV 機動戦士ガンダム第07板倉小隊〜ゆく絆くる絆〜』 エンディング主題歌)
作詞・作曲・編曲:佐伯youthK
【初回限定盤のみ】
*Blu-ray
01. いいんだよ(Music Clip)
02. またね、よろしくね(Music Clip)
03. 熊田茜音 スペシャルインタビュー
【ライブ概要】
熊田茜音 1st LIVE『世界が晴れたら』
2022年6月12日(日)
開場16:00 / 開演17:00(予定)
【東京】科学技術館 サイエンスホール
■チケット料金
全席指定 4,500円(税込)
※3歳以上有料
【公演に関するお問合せ】
インフォメーションデスク https://information-desk.info/
【衣装展概要】
1stアルバム「世界が晴れたら」発売記念 衣装展
(1)「Sunny Sunny Girl◎」ジャケット写真着用衣装
展示場所:AKIHABARAゲーマーズ本店 5F 声優アーティストフロア
展示期間:2022年2月22日(火)~2月27日(日)
(2)「Brand new diary」Music Video着用衣装
展示場所:アニメイト秋葉原本館6F
展示期間:2022年2月22日(火)~2月28日(月)
【関連イベント】
■熊田茜音 1stアルバム「世界が晴れたら」発売記念 店頭抽選会
対象店舗にて、下記対象商品を1枚ご購入につき、1回抽選に参加できます。
当たった方には下記の賞品を1点プレゼントいたします。
<抽選会特典>
A賞:熊田茜音 直筆サイン入りB2販促ポスター
B賞:B2販促ポスター
※実施期間内でも、賞品はなくなり次第終了となります。
お買い上げいただいても抽選に参加いただけない場合もございます。
<対象店舗>
アニメイト秋葉原本館/アニメイト大阪日本橋/アニメイト名古屋/
AKIHABARAゲーマーズ本店
<対象期間>
2022年2022年2月22日(火)~2月28日(月)閉店時
●熊田茜音 公式HP
https://kumaka.jp
●熊田茜音 公式Twitter
https://twitter.com/official_kumaka
●熊田茜音 公式Instagram
https://www.instagram.com/kumadakane_official/
●熊田茜音 公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCM_5BE5ckx_PQdYcBRkuMhg/featured