By, 2023年6月10日
声優事務所・マウスプロモーションが運営する「マウスプロモーション附属俳優養成所」が 見学・体験会を2023年夏に開催することを決定!
声優志望者が増加傾向にある昨今「プロになろうとする前に一度真剣に考えて頂きたいこと」を伝えるため、見学・体験会を開催している同養成所。22年は新型コロナウイルスの影響もあり開催が見送られてしまったが、今年は満を持して行なわれることとなった。
同養成所では、現在は演技経験が無い方も入所試験を受けられるとのことで、以前に比べて門戸が大きく開かれているそう。だからこそ、養成所で「プロとして活動することの難しさ」と「声の表現の奥深さ」をしっかりと伝えたい、という想いが講師陣、スタッフ陣に共通しているとのことだ。
今回話をうかがったのは、養成所卒業生の「23期生」木島隆一さんと「28期生」高田憂希さん。木島さんは養成所スタッフとして勤務していた経緯もあり、役者、そしてスタッフとして、高田さんは「見学、体験会」参加を経て所属した役者として、貴重な経験を語っていただいた。
これから声優業界を目指す、すべての人に向けたメッセージに耳を傾けてほしい。
【「マウスプロモーション附属俳優養成所」卒業生・木島隆一 インタビュー】
―養成所生活で印象に残っていることを教えてください。
木島隆一さん(以下、木島):収録で使用しているスタジオ「スタジオマウス」がありますので、実際に台本と映像を見ながら演技ができたのは大きかったと思います。
……と、ここまではお手本のような回答だと思うのですが(笑)、本養成所には「特別授業」というものがありまして、現役のさまざまな声優が直接指導してくださるんです。
そんななか、僕が一番印象に残っているのは、てらそままさきさんの授業です。「セリフが口からしか出ていないから、テーブルの上に寝そべって演じてみろ」と言われたんですね。実践してみたら、明らかに演技が変わるのがわかったんです。「身体全体から声を出す感覚」というのを学べて目からウロコでした。
―アフレコ現場でも、うれしい出来事があったとか?
木島:そうなんです。講師を務められている方と一緒の現場になることも多々あるので、そんなときに的確なアドバイスをいただけたり、声をかけていただけて安心感を得られたりするのは大きかったです。
―養成所生のころから仕事が振られることもあるとお聞きしました。
木島:クラス内で、「●●君が仕事をもらったらしいぞ」みたいな話がいやでも飛び込んでくるんです。養成所生はクラスメイトでありライバルですからね。「次は俺が!」というモチベーションにもつながるわけです。
みなさんも、もしお仕事がきたときはぜひ張り切っていただければと思います。
―最近は選択授業として殺陣(現代アクション)、落語、ダンス、歌唱のレッスンを受けることができるそうですね。
木島:僕は出演作品で歌を歌わせていただいているのですが、例えばリズムをとる為の「クリック音」という言葉だって、普通に生きていたら何のことかわからないと思うんです。芝居以外のことにも興味がある人は、基本的なことを教えてもらえるのはすごい強みだと思います。
ほかにも、いまはスタジオ授業で録った音源が共有されていて、いつでも聴けるらしいので「どのくらい成長できたか?」「自分に足りないところはどこか?」などチェックできるのが素晴らしいです。
―初めての現場での、印象的なエピソードはありますか?
木島:スタジオのブース内にはイスがずらっと並んでいることが多く、普通は出番の多い演者さんが真ん中あたりに座ることが多いんです。ですが、僕はよりによって真ん中に座ってしまって……。
早めに現場入りしたこともあり、キャストさんがそろう前に「なんだかおかしいぞ?」と気づけたのですが、いま思い出しても背筋が凍りますね……(苦笑)
声優を目指すみなさんにはぜひお伝えしておきたい失敗エピソードです。
―木島さんは養成所でスタッフ経験があるとのことですが。
木島:デビューして5年くらい経ったころでしょうか、そのときはお仕事も満足にいただけているような状況だったんです。でも、思い込みもあると思うのですが「このままやっていても未来は切り開けないな」と感じてしまい、社長のところに行き「役者を辞めたいです」と話したんです。気が付くと養成所に入ってから10年経っていましたし、そろそろかな、というのもありました。そしたら「養成所のスタッフとしてスケジュール管理や専門学校回りをやってみないか?」と勧められたんです。
正直あまりピンとこなかったのですが、せっかくの機会だからと思い、業務にあたることになりました。そしたら夢を目指している子たちの純粋な気持ちに触れて、「俺、何やってるんだろう?」という想いがふつふつと湧き上がってきたんです。そうなったら、もう居ても立ってもいられなくなりまして……。
社長にはメチャクチャお叱りをいただきましたが(苦笑)、一緒にいたスタッフさんも説得してくれて、声優として復帰することができました。
―その後のご活躍は、読者のみなさんもご承知の通りだと思います。
木島:そう言っていただけるとうれしいです! 吹っ切れたのがよかったのか、おかげさまでたくさんの役に恵まれましたし、転びながらも一歩ずつ前に進んできた甲斐があったな、と思います。
あるとき、講師もされている森田順平さんから「木島、お前のことを受け入れてくれたこの業界に感謝しないといけないぞ」と言われたのですが、まったくもってその通りだと思いました。
―今後の目標を教えてください。
木島:僕、マイクの前でセリフをしゃべっているのが本当に楽しいんです。コロナ禍を経て、それをより実感しています。今後も要求に応えるだけでなく、それを超えていけるような演技を目指して頑張ります!
―声優志望者へ向けて一言メッセージをお願いします。
木島:声優の仕事は、作りこんでいくことも大事ですが、現場での瞬発力や応用力も同じくらい大事なんですね。「何を意図してこういう指示が出されているのか?」というのがわかるようになれば、仕事も円滑に進むのではないかと思います。
「あっ、この人は今こういう事を言って欲しいのかな?」と、普段から会話している人や映像の向こう側にいる人が何を考えて話しているのか察知する力を磨いておくのも1つの手かと思います。頭の片隅にでもとどめておいてもらい、「あのとき木島がこんなことを言っていたな」と思い出してもらえたらうれしいですね。
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【「マウスプロモーション附属俳優養成所」卒業生・高田憂希 インタビュー】
―高田さんは初期に行なわれていた「見学・体験会」に参加されていたそうですね。
高田憂希さん(以下、高田):はい。ちょうど「見学・体験会」の企画が立ち上がったころに参加させていただきました。スタッフの方が「声優で食べていくためには大変な思いもたくさんしなければならない」という現実を教えてくださったので、すごくありがたかったです。
―実際に声優としてのお仕事を体験してみていかがでした?
高田:アフレコ体験で私よりも上手な方がたくさんいるのを目の当たりにして、正直心が折れました……。「自分はマウスプロモーションに入って絶対に声優になるんだ!」という気持ちが一気にしぼんでしまって(苦笑)
ちなみに私は専門学校の2年生で、地元の劇団に所属して舞台に上がったりもしていました。見学・体験会のために福岡県北九州市から上京してきたのですが、傷心のまま北九州に戻りました。
―そんなとき、マウスプロモーションから連絡があったそうですね。
高田:はい! 「うちの養成所に来てみない?」と声をかけてくださったんです。あとでマネージャーさんから聞いたのですが「『見学・体験会』のとき、人一倍生き生きとしていたのが印象的だった」そうです。
声優の道を諦めようと思ってはいたものの、諦めきれないということはつまり「まだ声優をお仕事にしたい」という気持ちがあるんだ、と思いまして。親にも背中を押してもらいましたし、「じゃあ、もう一度やってみよう」と。何しろ、一度心が折れてますからね。ある意味無敵です(笑)
―入所されてからは?
高田:声をかけていただいたものの、スタートしてからは横一線なので、もう必死でした。現役の声優さんが講師をされていて、貴重な経験をたくさんさせていただきました。いまは「殺陣(現代アクション)」、「落語」、「ダンス」、「歌唱」といった授業も行なわれているとのことなので、選択肢が広がっていてうらやましいですね。
―スタッフさんから声優業界のリアルな現状を聞く機会も多かったそうですが。
高田:そうなんです。実際に現場に出て感じたことをお話してくださったり、音響監督さんが授業に顔を出してくださったり。
後々その音響監督さんとお仕事をする機会もありましたし、養成所なのに、限りなく現場に近い環境でできていたのは大きかったですね。
―最初のオーディションの思い出を教えてください。
高田:私が最初にもらった大きな役は、ゲーム『Tokyo 7th シスターズ』の天堂寺ムスビちゃんでした。実は、養成所生のときに受けさせていただいたんです。養成所生でもチャンスをいただけることに驚きましたし、「受けるからには絶対取ってやるぞ!」と気合を入れて臨んだのを覚えています。
―最初の収録はいかがでした?
高田:私、収録途中で一度帰されているんです……(苦笑)
みなさんもご存じかもしれませんが、ゲームのボイス収録は、分厚い台本をいただいて、ブースに1人でこもってひたすら声を吹き込み続ける、というのがスタンダードでして。
慣れない現場で、私なりに一生懸命やっていたのですが、ある程度進んだところでスタッフさんから「ちょっといいですか?」と言われたんです。
そのあと、音響監督さんから「キャラクターと方向性はあっているんだけど、感情の幅が狭すぎる」との言葉をいただきまして。その日は一度解散、ということになりました。帰る前に「こういう作品を参考にしてみたら?」と助言をいただいたので、その足でレンタルショップに駆け込み、さっそく家で観ました。落ち込んでいたのですが、マネージャーさんから電話をいただいたのと、どのように頑張れば良いかを教えていただけたので、次の収録に向けて頑張ろうという気持ちになれました。
―そのほか、印象的なお仕事があれば教えてください。
高田:新人のころに、ある生配信に呼ばれたんです。そのときは、いまのようにインターネットでの生配信が多くなく、それもあってたくさんの方が視聴されていたんですね。
そこで話を振られたのですが、どの程度の尺で話せばいいのかわからず「そんなにしゃべったら、ほかのキャストさんがしゃべれなくなるでしょ!」と怒られたのを覚えています(苦笑)
いやあ、若かったですね……。
―声優志望者へ向けて一言メッセージをお願いします。
高田:私は「自分がやりたいこと、目指したいことをしっかりと持っていること」が大事だと考えます。そのためには自分のことを知ることが必要だと思いますし、方向が定まったら、自信を持って大きな一歩を踏み出してほしいですね。
近年は「分散収録」という形で共演者となかなか掛け合いができない日々が続いたのですが、ようやく光が見えてきた気がします。
コロナ禍はスタジオのスタッフさんや関係者さんが少しでもいい環境で収録できるように尽力してきてくださいました。演者として少しでも恩返しができるように頑張っていますので、もしデビューが決まったら、みなさんもぜひ感謝の気持ちを持ってお仕事に臨んでください!
<インタビュアー・カメラマン/ダンディ佐伯・文責(編集)『れポたま!』編集部>
【見学・体験会概要】
今回の見学、体験会では現場の雰囲気を感じることができ、先輩の養成風景をみることができます。
これを機に可能性を広げる一歩を踏み出してみてください。
個性を見つけ、役者としての人生を歩みだすキッカケになれば幸いです。
■スタジオ授業見学・実習
養成所生のスタジオ授業を見学後、アフレコ実習していただきます。
■質疑応答
スタッフが皆様からの質問にお答えします。
【2023年7月23日(日)】
第1回⽬ 11:10~14:20
第2回⽬ 15:40~18:50
【7月29日(土)】
第3回⽬ 11:10~14:20
第4回⽬ 15:40~18:50
【8月5日(土)】
第5回⽬ 11:10~14:20
第6回⽬ 15:40~18:50
対象:15歳~27歳までの方
【会場】
第1回目~第4回目:スタジオトロン(〒166-0003東京都杉並区高円寺南3-46-106F)
第5回目、第6回目:スタジオエコー(〒150-0011 東京都渋谷区東3-18-3 1F)
費用:無料
申込み期間:第1回目~第4回目は7月13日(木)まで、第5回目、第6回目は7月27日(木)まで。
※定員以上の申し込みをいただいた場合は抽選させていただきます。
【注意事項】
・授業の際、必要な持参物等はございません。
・スタジオ収録の際はなるべく音の出ない服装でお越しください。
・新型コロナウイルスの影響を考え、中⽌となる場合もございます。
・保護者の⽅のご参加・⾒学はお控えください。
・当⽇、体調不良または発熱の症状がある⽅のご参加はご遠慮願います。
・会場にて検温・⼿指消毒のご協⼒をお願いいたします。
■お申込み方法
下記URLのお問い合わせフォームに「養成所見学、体験会参加希望」と記載し、
1~6の必要事項を記載のうえお申込みください。
https://mausu.net/school/contact.html
1.お名前(フルネーム)
2.性別/年齢
3.現在籍(会社・養成所・専⾨学校)
4.お住まいの都道府県(詳細住所不要)
5.ご本⼈様の電話番号
6.参加希望⽇・参加希望回(複数回答可)
【プレゼント】
木島さんと高田さんのサイン色紙を各1名にプレゼント!
ご希望の方は『れポたま!』公式ツイッター@repotama(https://twitter.com/repotama/)をフォローし、当該記事のツイートをリツイートしてください。当選者にはDMにてこちらからご連絡させていただきます。
応募締め切り:2023年6月30日(金)23:59まで