「ゲーム×日本酒」の新たなカタチ 「GAMING RAINBOW」製作者 鈴木将之 インタビュー

By, 2022年9月13日



「ゲームをしながら日本酒を飲む」ための日本酒ボトル缶「GAMING RAINBOW」が爆誕! ラベルイラストに元カプコン、ストリートファイターシリーズイラストの『西村キヌ』、VTuberやAPEX公式ブックイラストの『Mika Pikazo』を起用。日本酒は群馬県にある土田酒造が醸造し「しゃがみ大パンチ」と表現したゲームシーンにマッチした味わいを提供している。
一見、あまり縁のなさそうなゲームと日本酒を“コラボ”させた本商品はどのようにして生まれたのか? 2021年4月に設立されたSakeBottlers株式会社の代表取締役・鈴木将之氏に話をうかがってきた。

―まずは「SakeBottlers株式会社」の設立のきっかけを教えてください。

鈴木将之さん(以下、鈴木):私が日本酒好き、というのが大きな原動力です。コロナ禍で日本酒が売れず、酒蔵がピンチに陥っているのをみて「これはなにかしないと」という思いが強くなりました。そこで業界のためにできることはないかを考えて、施策を実施するには起業するしかなかったということです。
私が設立した「SakeBottlers株式会社」は、日本酒に関する企画をする会社として「日本酒が存在する場所を増やす」がコンセプトです。昨年3月に「HITOMAKU」というブランドをクラウドファンディングで立ち上げました。第1弾商品はアウトドア、スポーツ観戦や旅行といったシーンを想定した商品で、大きな反響をいただきました。

―そもそもゲームと日本酒をどのように結びつけたのでしょう?

鈴木:第2弾として、元々私がゲーム好きだということもあり「『ゲーミング日本酒』もニーズがあるのではないか」と思ったのが製作のきっかけです。ゲーム中にお酒を飲むことはあると思いますが、日本酒を飲んでるひとはほぼいない。でも、ゲーム用日本酒があれば日本酒を飲んでもらえるのではないかと考えました。

-今までにもゲームやアニメとコラボしている日本酒はありますが、どう違うのでしょう。

鈴木:これまでもゲームやアニメとコラボしたお酒はありますが、従来あるお酒のままで「ラベル」だけコラボしているものが多いんですね。私の場合、コラボするならば「ゲームやアニメの世界観にあったオリジナルのお酒を造ってもらいたい」と考えていました。
今回ゲーミング日本酒を造るにあたり「ゲームに合う酒とはなんだろう」ということを、ラベルやイラストレーターはもちろん、ゲーム中に合う味や缶の形、飲むシチュエーションなど様々な角度で考えています。「そこまでこだわっているのか」と思っていただけてこその「ゲーミング日本酒」です。

―最近は「eスポーツ(esports)」の認知度が高まってきており、お酒とゲームの親和性に関して、違和感がある人もいるかもしれませんね。

鈴木:もちろん競技としてのeスポーツ中にお酒を飲んではミスが増える可能性は高くなると思います。そこはわかっていて、ゲーミング日本酒の紹介においては「eスポーツ」用の日本酒という表現は一度もしていないんです。
では「誰向けなのか」ということになりますよね。多くの方が、友人と家飲みでお酒を飲みながら徹夜でワイワイとゲームした経験があると思うんです。その経験がある大人にとって飲みながらゲームをすることの楽しさを「懐かしみ、思い出す」お酒。そしてコロナ禍やオンラインがメインになったことによる、友人とリアルに飲みながらゲームをするという経験があまりない若い皆さんには「新しい」と思ってもらえる商品になったのではないかと思います。

―「GAMING RAINBOW」の蔵元である「土田酒蔵」の代表は、元々大手ゲーム会社「カプコン」の社員だったそうですね。

鈴木:実家が経営していた酒蔵を出て「カプコン」さんで働かれていたそうですが、日本酒の美味しさに気付き、実家に戻られたそうで。元々、後継者がいなくなることに危惧していたという側面もあるそうです。

―日本酒業界を盛り上げるための、具体的な活動は?

鈴木:私はコンサルティング会社に勤めながら、日本酒ライターやSakeBottlers株式会社の運営をしております。コンサルティング会社で得た事業改革の手法や日本酒ライターとしてのコネクションを使いつつ、日本酒を企画しています。
具体的に起業前に実施したことは、日本酒に関わる様々な業種の方に「日本酒業界の理想図」を考えてもらいまして「ではなぜいま現在そうなっていないのか?」とディスカッションしました。それに対し、どんな小さい、細かいことでもいいので「打開案」を出してもらうんですね。それを私が取りまとめ、筋のいい施策をより具体化して商品・イベント化する、という流れです。

―「ボトル缶」という形態は面白いですね。

鈴木:先ほどお話した、ディスカッションで「缶を採用してみては?」という案が出てきたんです。ご対応いただける缶会社や酒造があるのか心配でしたが、意外と好意的に受け入れられまして。「これまで誰もやっていなかっただけなんだ」と思いました。弊社が缶により色々な提供の仕方を試すことで、蔵元に興味を持っていただき、缶が広がるとうれしいですね。

―最後に、今後のビジョンをお願いします。

鈴木:私たちのことを知ってくださり、商品を買ってくださる方も多く、とてもありがたいです。これまでの第1弾商品や第2弾ゲーミング日本酒の認知度をもっと高めていきたい、というのはもちろんありますが、会社のコンセプトでもある「日本酒が存在する場所を増やす」について提案していきます。
例えばいまは「夕飯もすませ、風呂にも入り、もうあとは寝るだけといったような1日の締めに飲む蒸留酒」のような日本酒について試行錯誤しています。昨年、蔵元と企画をはじめ、手ごたえをつかんできたので、まもなく商品化できるかなといったところです。
「若者のお酒離れが進んでいる」と言われる世の中ですが、美味しい日本酒はたくさんありますので、ぜひ興味を持ってもらえたらうれしいです!

<インタビュアー・カメラマン/ダンディ佐伯・文責(編集)『れポたま!』編集部>

【イベント情報】

・9月24日(土)【長野】戸隠キャンプ場にて「『HITOMAKU』日本酒 イベント(仮)」開催!
https://www.togakusi.com/camp/2022/08/16/september_event/

・10月1日(土)、2日(日)【東京】「Tokyo SAKE Collection2022」に出展!(ゲーミング日本酒やグッズが購入できます)
https://nihonshu.com/bimy/topic/sakekore22autumn/

 

☆「GAMING RAINBOW」、「CHALLENGE BLUE」 、「HAVEFUN RED」各商品の情報、および最新情報は、公式サイトおよびツイッターをチェック!

●HITOMAKU(ヒトマク)公式サイト
https://sakebottlers.com/
●HITOMAKU(ヒトマク)公式ツイッター
@HITOMAKU_Sake