TVアニメ「八十亀ちゃんかんさつにっき 4さつめ」統括プロデューサー・斎藤健志氏インタビュー

By, 2022年6月18日



2022年4月より放送中の名古屋を中心とした東海地方を舞台とするテレビアニメ「八十亀ちゃんかんさつにっき 4さつめ」。
原作もアニメも名古屋で局地的人気があり、また、4さつめ(4期目)ということで、名古屋、東海地方のみならず、全国的にもアニメファンから注目されている作品だ。

今回は、統括プロデューサーを務めるテレビ愛知の斎藤健志氏にインタビュー!
統括プロデューサーとして、今作の注目ポイントや、ご当地アニメをTV局として仕掛ける意味など、様々な角度からお話をお伺いする。

 

第1期、1回目の放送が2019年4月4日です。まず最初に、どういった経緯でアニメ化が決定したのでしょうか?

斎藤 統括プロデューサー(以下、斎藤):単行本の最後のページに記載のあった一迅社さんの電話番号に連絡して、当時編集を担当されていた足立さんにアニメ化のご相談をしたのがきっかけです。
名古屋をネタにした番組は過去にもあったと思いますが、漫画は読んだ記憶がありませんでした。しかも、「舞台が名古屋」とか「名古屋弁のキャラが出てくる」というだけではなくて、地元文化と真正面から向き合っています。さらに、地元企業や商品名が実名でどんどん出てきて、しかもディスる! キャラクターが名古屋市の名古屋観光文化交流特命大使になっているのにも関わらず、堂々と「名古屋に観光地はありません」と言う作品はなかなかないですよね。
これを作っている人たちはどんな人なんだろう? という興味と、テレビ愛知がアニメ化しないといけない作品だと(勝手に)思い込んで一迅社さんにご連絡しました。

 

4期目ということで正直、ここまで続くと思われていましたか? もしくは、最初からシリーズ化を念頭に置かれていたのでしょうか?

斎藤:幅広い世代に愛される作品だと感じていましたので、日常系アニメとして東海地区を代表するテレビアニメシリーズとなり、この地域を盛り上げられる作品になればいいな、とは思っていました。

 

本作における統括プロデューサーのお仕事の内容について、簡単にでも結構ですのでお教えください。

斎藤:一般的な統括プロデューサーの仕事がどういうものか、あまり知らないのですが、テレビ愛知は小さな会社なので細かい部分まで担当しています。製作委員会の組成から、番組内容の確認、各種キャンペーンやグッズ・Blu-ray・イベント・動画配信に関する調整・進行など……。
八十亀ちゃんを盛り上げるために、テレビ愛知の他部門とも連携して取り組んでいます。

 

八十亀ちゃんといえば、おおきい八十亀ちゃん(着ぐるみ)の稼働であったり、地元スポーツチームとのコラボ、技能学校のPV出演や地元企業さまとのコラボなどアニメの枠を超えた活動も盛んに行われています。地元に根ざされたTV局ならではの活動だと感じましたが、反響はいかがでしょう?

斎藤:とにかくいろんな機会で露出を増やして、この地域にキャラクターが浸透するように全方位で臨んでいます。多種多様な案件があるので、内容をチェックいただいている委員会や安藤先生にもご迷惑をおかけてしているかもしれません。
最近は企業側からお声がけをいただいたり、提案先の担当者様が八十亀ちゃんファン、ということも多くなりました。八十亀ちゃんをもっと広げようと積極的に動いてくださる担当者様もいて、改めてファンの皆さんに支えられている作品だと感じています。

 

さらに今作では、放送直前特番の紹介アンバサダーと振り返り特番のナレーターを決めるオーディション企画を、ライブ配信サービスSHOWROOMにて実施されました。
またクラウドファンディングの開催など、今までにない新たな企画を試みておられましたがこれらについてお聞きしたいと思います。まず、SHOWROOMの反響はいかがでしたか?

斎藤:SHOWROOMはアニメ4期で初めての試みでした。多くの方にオーディションへ参加いただき、普段の配信でも八十亀ちゃんをテーマとした様々な企画を配信いただいている方もいて、とてもありがたかったです。本来ならもっと多くの方に番組へ参加いただきたかったのですが、予算や枠の制約もあり、審査で選考せざるを得なかったのは申し訳なかったですね。

クラウドファンディングへのご質問です。
早々に目標額を達成されてましたが、実施された理由、そして反響などお聞かせください。

斎藤:クラウドファンディング(以下、CF)のページにも書いたのですが、正直なところまだまだ事業としての採算は合っておらず厳しい状況です。そんな中で4期はCFの活用を行いました。アニメの制作自体は決定していましたので、資金が集まったらアニメを制作する、というような一般的なクラウドファンディングではありませんが、ファンの皆さんのお名前をクレジットに表示して、一緒にアニメに参加できる内容で実施しました。
実施前にはどのようになるのかとても不安でしたが、結果的にはファンの皆さんから多くのご支援やメッセージをいただけて、私達にとっても非常に励みになりました。8月5日(金)に発売のBlu-rayでも再びCFでプロジェクトを行っていますので、ぜひご検討いただけますと幸いです!

 

これまでのシリーズで、斎藤さんご自身がお気に入りの回やおすすめの回がありましたら理由なども含めてお教えください。

斎藤:セリフが独り歩きするようなパワーワードが出てくる回が印象に残ってます。
「コメダのシロノワールはミニサイズを注文するのが常識(1期2話)」「名古屋に観光地はありません(1期3話)」「夏に名古屋の地上を歩くなんて死にたゃあの?(1期11話)」「名古屋城は面白くないです(2期8話)」「横浜は東京に含まれます(2期11話)」「新幹線・三河安城駅は、あと8分で名古屋に着くことを知らせるための悲しい駅さ(3期5話)」など。第4期では「『町田』はほぼ神奈川みたいなもん」などでしょうか。
そのほかにも「総合リハビリセンター」の駅名を見ると笑える体質になってしまいましたし(4期5話)、「わが生涯に一片の悔いなし」(4期6話)の只草ちゃんは必見です。
第10話で地元の企業名を連呼するシーンがあるのですが、制作側として企業名の利用許諾を得る作業がとても大変でした……(笑)

 

―4さつめを迎えて、ますます盛り上がっている八十亀ちゃんかんさつにっきですが、今後イベントなどもあると伺っています。統括プロデューサーとして、今後の目標、展望などありましたら可能な範囲でお教えください。

斎藤:イベントは名古屋での開催にこだわってこれまで数回、トークイベントを実施してきました。次回は7月3日(日)。笹津やん菜役の小松未可子さん、初内ララ役の南條愛乃さんは八十亀ちゃんイベントに初めて参加いただきますので、どのようなステージになるのかとても楽しみです。
さらに、アニメ4期のBlu-rayが8月5日(金)に発売されます。特典付き予約を受付中ですのでこちらもぜひチェックいただきたいと思います。
また、8月には地元メーカーさんから新たに商品の発売が予定されていたり、名古屋の夏の風物詩「世界コスプレサミット」での展開も企画しています。今後も、アニメ番組の枠におさまらない企画を準備していますのでご期待ください!
作品やキャラクターをもっと多くの方に活用いただき、この作品が名古屋のアイコンとなることが目標です。現在、地元大学の広告研究会の皆さんが「八十亀ちゃん応援動画」を作ってくださっていますが、企業・学校に留まらず様々な方面でどんどんコラボしたいと思っていますのでお気軽にお声がけください!

 

最後に、八十亀ちゃんファンの皆様へのメッセージをいただきたく存じます。

斎藤:アニメ4期まで放送していますが、トータルの放送分数としてはまだ約2時間半程度です。それなのにここまでご声援をいただけるのは、原作・アニメファンの皆様の熱量の高さのおかげだと思っています。まだまだアニメ化できていないエピソードがたくさんありますし「もっと長い尺で見てみたい」という声は、関係者を含めてたくさん聞いています。これからどうなるのか、私にもわかりませんが……またアニメでお会いすることがあれば全力でご声援いただけるとうれしいです。
でもその前に、コミックス最新巻、Blu-rayの発売、イベント開催など盛りだくさんですのでこちらをぜひよろしくお願いします!

 

※インタビュー内で紹介された企画についての詳細はこちらから
・クラウドファンディング・プロジェクト企画(Blu-ray)
https://camp-fire.jp/projects/view/581472

・Blu-ray発売記念イベント「今回もありがとさん!」チケット予約ページhttps://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/02nrgcyab9c21.html

 

【プレゼント】
「八十亀ちゃんかんさつにっき 4さつめ」サイン入りポスターをプレゼント!

リレーインタビュー企画の完走を記念し、キャスト・スタッフサイン入り番宣ポスターを、抽選で1名様にプレゼントします。原作著者の安藤先生をはじめ、総勢9名のサインが入った豪華仕様となっております!

戸松 遥(八十亀最中 役)
市来光弘(陣 界斗 役)
若井友希(只草舞衣 役)
小松未可子(笹津やん菜 役)
上坂すみれ(東風樫 湘 役)
徳井青空(青那寺 恵 役)
倉知玲鳳(朝霞きぃな 役)
安藤正基先生
ひらさわひさよし総監督

ご希望の方は『れポたま!』公式ツイッター@repotama(https://twitter.com/repotama/)をフォローし、当該記事のツイートをリツイートしてください。当選者にはDMにてこちらからご連絡させていただきます。

※応募締め切り:2022年6月30日(木)23:59まで

 

【原作情報】
「八十亀ちゃんかんさつにっき」(「月刊 ComicREX」連載中)
「八十亀ちゃんかんさつにっき」(REX COMICS 刊)1~12巻


最新第12巻 好評発売中!

 

■公式ウェブサイト https://yatogame.nagoya/
■ツイッター @yatogame_chan/ハッシュタグ #八十亀ちゃん

(c)安藤正基・一迅社/愛知県立田金高校