TVアニメ「殺し愛」オフィシャルリレーインタビュー#10公開。第10話事件ファイルも解禁

By, 2022年3月22日



殺し屋たちが織りなす歪なサスペンスを描いた大人気コミックス『殺し愛』(著:Fe)。
「月刊コミックジーン」で好評連載中の本作は、現在コミックスが11巻まで刊行され、累計75万部を突破(2021年12月現在の電子DL数を含む)。さらに、ドラマCD化に続き、TVアニメの放送も始まっている大注目の作品です。

この度、オフィシャルインタビュー#10と第10話の事件ファイルが公開されました。

 

【 オフィシャルインタビュー第10回「表立った『狂気』と内なる『冷静さ』の度合いに気をつけている」】

ニッカ役 森田成一

 

――原作の第一印象はいかがでしたか?

森田成一さん(以下、森田):最初はダークなお話……例えば、『ボーン・アイデンティティー』のようなサスペンス・アクション、「殺し合い」の作品かと思いました。ところが「殺し愛」。ラブなんだなと(笑) リャンハとシャトーの関係性が人間らしくて、ただ殺伐とした暗殺者のお話ではないところが面白かったです。

 

――ニッカはどのような人物だと捉えましたか?

森田:少しキレている人って重要な存在にはなってくるんですが、たいてい最初から死亡フラグが立っていますよね?

 

――ありますね(笑)

森田:それをニッカにも感じて、最初は「参ったなぁ」と(笑) ただ、そういう役どころって物語の大筋とは違ったサイドストーリーで必ず物語を膨らませる役割を果たすので、ニッカの立ち位置はすごく気に入っています。しかも、見た目と内面に大きなギャップがあるところが面白いんです。

 

――というと?

森田:ピアスをたくさん開けてどこかヘラヘラしているという、捉えどころがない見た目をしているんですが、モノローグに注目すると物事を冷静に分析しているんです。普通は逆ですよね? 冷静な部分を表に出して、内なる狂気はなるべく隠すのが人間だと思います。ところが、ニッカという人間はこれを逆転させているんです。この不気味さこそがニッカの魅力だと思うので、表立った狂気と内なる冷静さの度合いに気をつけながら演じるようにしています。

 

――確かに、他のキャラクターたちとは逆ですよね。

森田:そうなんです。みんな平静を装いながら殺し合いをするという狂気じみたことをしている。それを逆転させたニッカは、作中で描かれる狂気というものをあぶり出す役割を担っているんじゃないかなと思いました。

 

――ニッカの役作りで他に何か意識されていることはありますか?

森田:『殺し愛』はオフゼリフが多いんです。キャラクターが画面に映っていないところで喋るセリフのことですね。それが声の演技としては遊べる部分なので、そこでセリフを踊らせてみたり、息を入れてみたりしてニッカらしさを盛り込むようにしています。

 

――アドリブということですか?

森田:目立つようなアドリブではなく、例えばセリフの前で「ふっ」と息を吸ってみたり、笑っているニュアンスを込めたりするイメージです。アニメのセリフ回しではないセリフ回しを少し入れてみたかったんです。どこか外画っぽさがある作品なので、そういうニュアンスを少しだけ入れるようにしています。

 

――また、第8話では車中でリャンハとやりとりをする場面がありました。あちらを演じられての感想はいかがでしたか?

森田:密室劇ってすごく好きなんですよ。昔の映画だと『十二人の怒れる男』(法廷を舞台にしたアメリカ映画)なんかも大好きですし。第8話は車というさらに狭く、移動して逃げられない空間で心理的な駆け引きが行われる。一番面白いシーンでした。ニッカの性格がはっきりとわかる場面でもあるので、ジェットコースターのような演じ方をしています。

 

――確かに、テンションの落差が激しかったです。

森田:陽の部分と陰の部分をジェットコースターのように分けつつ、波の大きさが小幅になっていって、最後に重なっていくようなイメージですね。そういう設計で演じたいなと考えていました。

 

――ニッカの観察眼もいかんなく発揮されていました。

森田:分析のために、リャンハをけしかけるのが面白かったです。本当に冷静に分析しているんだなと。一番面白かったのは、怪我をしたリャンハにハンドタオルを渡すところですけどね。

 

――急に差し出していましたよね(笑)

森田:ハンドタオル、持ってるんだって驚きましたよ(笑) ちゃんとしてるなって。自分の車を汚されたくないと言っていたので、かなりの潔癖症なのかも。きっと車の中に常備していて、自分のポケットにはアイロンをかけたハンカチを入れているんだろうな……なんて想像してしまいました。

 

――第9話もまた、リャンハと対峙する場面がありましたね。

森田:第9話だけを見るとニッカが単純にリャンハとバトルをしたがっているように見えますよね。ただ、それだけだとニッカがただ暴力行為、人殺しが好きな人間になってしまいますし、ニッカのモノローグを聞く限り、そういうタイプではない気がしたんです。
もちろん、自分がどれだけ強いかは気にしていると思います。リャンハという人間が現れて、やっと腕試しができる。そういう感覚がないわけではないんです。リャンハに攻撃をされるときに、「獲物がかかった」とばかりにニヤッと笑う瞬間がありましたし、ニッカが殴るときのアクションにしても、バトルを楽しんでいるような余裕を感じさせられましたから。

 

――でも、それだけではないと。

森田:そうです。リャンハを見逃すというところにすごく引っかかったんです。当然、そんなことをすればドニーや他の組織の人間から爪弾きにあうのは明白ですし、クレバーなニッカなので、それでもやるということは何かしらの理由があるんだろうなと。

 

――第10話では、自ら逃しながら飄々と「ソン・リャンハは俺が仕留める」と言っていましたね。

森田:まさにそこですね。なぜ、その時間を作ったのか。そこがニッカをより深く理解するためのカギになるんだと思います。

 

――ドニー一家についてはどんな印象をお持ちになりましたか?

森田:綺麗なお家で屋敷の中も整っていて、ドニー自身も理路整然としているのに、やっていることはめちゃくちゃ。ここがニッカと対比構造になっているのも面白いところだなと思います。ドニー一家だけでひとつ作品が作れそうです。

 

――残すところあと数話ですが、今後の注目ポイントを教えてください。

森田:この作品には、リャンハ、シャトーのメロディー、リズムがあれば、ドニー一家のメロディー、リズムがあり、その流れが噛み合って大きなうねりとなっているので、ぜひその流れに身を任せていただけたらなと思います。流れとしてはシンプルなんです。余計なところを描かずに、大事なところをじっくり描いてくださっているので、そこを楽しんでいただけたら嬉しいです。

 

――ありがとうございます。毎回恒例なのですが、タイトルの『殺し愛』にかけて、皆さんに「最近、愛してやまないもの」を伺っています。森田さんはいかがですか?

森田:バイクとカメラです。今日はスタジオまでスーパーカブで来ました。もう1台、23年乗っている1600ccのバイクがあります。カメラはフィルムカメラが200台以上、レンズはそれ以上ありますね。

 

――200台以上ですか!

森田:はい、ヴィンテージものでだいたい60年前、70年前のものから、一番古いものは88年前のものまであります。

 

――実は、リレーQ&Aでも前回ゲストの日笠陽子さんからカメラに関する質問が届いておりました。「写真がお好きだそうですが、写真のどんなところが好きですか?」とのことです。

森田:クラシックカメラの話になりますが、まず機械の精密さがすごいですよね。電池を使わずにバネと歯車で1000分の1秒だって正確にたたき出せる、その技術のすごさ。昔の人の知恵と技術力が感じられます。しかもそれが88年経っても新品のように使える。これはもうロマンとしか言いようがないです。
もう一つは物語があるところ。何十年前に作られたこのカメラ達は、1人の方が使い続けてきたのか、あるいは何人かの手に渡ってきたのかはわかりませんが、僕が生まれるずっと前に作られ、誰かが手にして、その時代、その場所の光、空気を撮ってきたわけです。それが僕のもとへやってきて、令和の時代の光や空気を撮っている。まるでタイムマシンみたいだと思いません? 一台一台のカメラに物語があるところが一番好きなところです。

 

――一台一台に刻まれた歴史があるわけですね。

森田:実際、何千台と見てきているので、傷1つでどういう風に使われてきたのかがわかるんです。ここに傷がついているから報道の人だなとか、これは天体を撮っている人だなとか。使い方によって独特の傷がつくので、そういうのを見るのも楽しいですね。

 

【FILE 10 「HELP」事件ファイル更新】
本編で起こった事件の情報などがまとめられています。
是非、ご視聴後にお楽しみください。

事件ファイル #10
https://love-of-kill.com/special-inc-files.html?file=10

 

【アニメ概要】

【放送・配信情報】
2022年1月12日(水)よりTOKYO MX、サンテレビ、KBS京都ほかにて放送中
dアニメストアにて地上波先行・単独最速配信中

<放送情報>
TOKYO MX 1月12日より 毎週水曜 24:00~
サンテレビ 1月13日より 毎週木曜 24:00~
KBS京都 1月13日より 毎週木曜 25:00~
BS日テレ 1月12日より 毎週水曜 24:00~
AT-X 1月13日より 毎週木曜 22:30~
リピート放送:(月)10:30/(水)16:30

<配信情報>
dアニメストア 1月12日より 毎週水曜 23:30~
その他サイトも順次配信中
※放送・配信日時は番組編成の都合等により変更となる場合がございます。

【INTRODUCTION】
とある「仕事場」で対峙する2人の殺し屋。
クールな賞金稼ぎの女・シャトーと謎多き最強の男・リャンハ。

シャトーはこの交戦をきっかけにリャンハと敵対――するはずが、なぜか彼に気に入られ、つきまとわれることに。

彼女はなし崩し的にリャンハと協力関係を結んでしまうが、彼を狙う組織との抗争に巻き込まれていく。さらにその戦いは、彼女の過去とも関係しているのだった。

リャンハはなぜシャトーに接近するのか。シャトーに秘められた過去とは。
相性最悪の2人が織りなす、「殺し屋×殺し屋」の歪なサスペンス。
奇妙な運命の歯車がいま動き出す。

【CAST】
シャトー・ダンクワース:大西沙織
ソン・リャンハ:下野 紘
エウリペデス・リッツラン:堀内賢雄
ジム:天﨑滉平
ホー:前野智昭
ジノン:村瀬 歩
ニッカ:森田成一
ミファ:日笠陽子
ドニー:大塚芳忠

【STAFF】
原作:Fe(月刊コミックジーン/KADOKAWA 刊)
監督:大庭秀昭
シリーズ構成・脚本:久尾 歩
キャラクターデザイン:佐藤陽子
サブキャラクターデザイン:小林利充
総作画監督:佐藤陽子・小林利充
アクション作画監督:才木康寛
3D・プロップデザイン:杉村友和
美術監督:黛 昌樹
色彩設計:山上愛子
撮影監督:伏原あかね
編集:木村佳史子
音響監督:髙桑 一
音響効果:和田俊也
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
音楽:吉川 慶
音楽制作:TOY’S FACTORY
音楽制作協力:ミラクル・バス
オープニングテーマ:増田俊樹「Midnight Dancer」
エンディングテーマ:小林愛香「マコトピリオド」
アニメーション制作:プラチナビジョン
製作:殺し愛製作委員会

TVアニメ公式サイト https://love-of-kill.com
公式Twitter @LoveofKill_info(https://twitter.com/LoveofKill_info)/#殺し愛
公式TikTok loveofkill_info(https://www.tiktok.com/@loveofkill_info

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