2013年6月8日(土)の公開が待ち遠しい、劇場中編アニメーション『ハル』の完成披露試写会が4月7日(日)、都内で開催された。
上映後にはハル役・細谷佳正さん、くるみ役・日笠陽子さん、脚本を担当した木皿泉さん、牧原亮太郎監督が登壇し、ファンに向けて挨拶を行った。
―作品を観終わっての感想をお願いします。
細谷佳正さん(以下、細谷):プレアフレコの時から、監督に「これは四十九日の中で人の死を受け入れて、成長を遂げていく話だよ」と言われていました。観終わったらこの世界はたくさんの人の愛情に支えられているんだ、というのが分かり、温かい気持ちになりました。この作品が皆さんの心にどのように残るのか? 楽しみでもあり、不安でもあり、怖くもあります。
日笠陽子さん(以下、日笠):色々と考えさせられる内容になっていて、私も、観られた方がこの作品をどのようにとらえているのか気になります。
ハルはとても純粋な心を持っていると思いました。くるみのように「やりたいことをやりたい」、という気持ちも分かりますが、社会の波に飲まれるのも一つの世界だと思いましたね。
木皿 泉さん(以下、木皿):雨の匂いや子供の被っている帽子の匂いなどがリアルに伝わってくるような作品になったと思います。私はアニメの脚本を書いたことはなかったのですが、声優さんの演技を含め、「実写もいいけどアニメもすごい」と感じました。
牧原亮太郎監督(以下、牧原監督):無事に完成してホッとしています。木皿さんにお会いしたのが1年前の4月で、まさかそこから1年で完成するとは思いませんでした。
―作品タイトルの「ハル」にちなんで、皆さんの「春」にまつわる思い出をお聞かせください。
細谷:ずっと「花見をしたい」と思っていたのですが、先日上陸した爆弾低気圧によって「ああ、今年も見られなかった」という儚い結果になってしまいました(苦笑)。
日笠:花粉症ですね。薬を飲んだら良くなりますが(笑)。
木皿:4月は誕生日月ですので、精神的にも不安定になるのですが(苦笑)、今年は『ハル』で、いい誕生日を迎えられそうです!
牧原監督:昨年木皿さんにお会いしたのが一番の思い出です!
―最後に、ファンの方に一言お願いいたします。
細谷:正直どのような気持ちで本日の舞台に臨めばいいのか分かりませんでした。先ほどいただいた皆さんからの拍手を信じたいと思っております。
『ハル』は、映画の台本をアニメーションという手段を使って表現した邦画作品だと思っています。
6月8日の劇場公開以降も、ぜひ多くの人に観ていただきたいと思っています!
日笠:台本をいただいてから練習をしていたのですが、結末を見ると何度も泣いてしまいそうになりました。
本作では主題歌「終わらない詩」を歌わせていただいているのですが、監督に「曲がいいね」と言っていただいて。私自身も、本当にいい曲になったと思っています。
物語の最後に流れるので、重要な部分を担っているのですが、作品にふさわしい曲になったと思います。
木皿:アニメも、映画も携わるのは初めてなのですが、桜前線のように地方にも上映館が広がっていくのが嬉しいです。私が知らない土地で、皆さんが笑ったり泣いたりしていると考えるととても光栄です。
牧原監督:最初に、木皿さんのお家にお伺いした時は、スタッフの数はわずか4名だけでした。しかし、最終的には約200人のスタッフが関わる作品になりました。多くの方にご覧になっていただき、これからも本作が続いていけば、と願っています。
<Text・Photo/ダンディ佐伯>
●作品公式サイト
http://hal-anime.com/