12月25日(火)に渋谷公会堂を舞台に行った「風煌冥灯」~千秋楽~。チケットは満員御礼を記録。
己龍にとって初のホール・コンサートとはいえ、これまでライブハウスに刻み続けてきたのと何も変わらない、ステージ/客席間での”魂と魂”の熱い抱擁と熱狂的な感情の交わし合いを、この日もしっかり描き出していた。
そう、今の己龍にとって大切なのは、ライブハウスやホールという形態で演ることではない。どれだけ真剣に、互いに”熱い気持ちのもと、心で口づけしあえるか?!”。その関係を失くさなければ己龍は、どんな大きな場所であろうと、何時か辿り着くと期待したい日本武道館のステージだろうが、この熱狂を見せ続けていくことは間違いない。そう、確信したライブだった。
今回のライブでは、2013年に向けたいくつかの動きが発表された。その一つ目が、2013年2月20日(水)、シングル『悦ト鬱』の発売だ。
己龍・酒井参輝の手による『悦ト鬱』は、参輝いわく「理想と現実の違い」をテーマに制作している。彼は『悦ト鬱』に対して、他にも「物事の本質は自分自身が体験しないとわからない」「百聞は一見に如かず」「結果を決めるのは自分自身だ」という言葉も伝えてきた。
全国47都道府県ツアーなど2012年の己龍は、ファンたちとの触れ合いを繰り返しながら、求めた道と現実に広げる景色との差異を感じつつも、理想を現実にしてゆくうえで、悲喜こもごもな体験を重ね続けてきた。そんな彼らが今感じている”心の風景”が、『悦ト鬱』には熱く、痛く刻まれている。己龍の持ち味である雅びやかな和要素と、鋭利さ携えたうえで躍動してゆく演奏。さらに感情の振幅激しい歌とが織りなす鮮やかな歌世界が、これから、どんな風に広がっていくのか楽しみだ。
さらにこの日は、2月下旬より始まる”己龍 二夜連日単独公演ホール巡業「不易龍煌」”ツアーも発表。11月より、主要都市のライブハウスを舞台に、二夜単独公演を行ってきた己龍だが。今度はその規模を、一気に各地のホール公演にランクアップさせた。
その公演の千秋楽として用意された舞台が、”~己龍 二夜連日単独公演ホール巡業「不易龍煌」~千秋楽~”と題した、3月20日(水)NHKホールでの単独公演だ。渋谷公会堂より徒歩2分の距離にある場だが、そのキャパシティは2倍以上に膨れ上がっている。いや、今の己龍を求める人たちの声を考えれば、とても似合う場での公演となりそうだ。
最後に、全国巡業公演に名付けた「不易龍煌」に込めた己龍の想いも記しておこう。
「いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しく変化を重ねているものをも取り入れていくこと。また、新味を求めて変化を重ねていく流行性こそが不易の本質であること。蕉風俳諧(しょうふうはいかい)の理念の一つ。それが「不易龍煌」という意味です。「不易」はいつまでも変わらないこと。「流行」は時代々々に応じて変化すること。あとは、自由に解釈してください」
まだまだ己龍の躍進は止まらない。”変化と不変”2つを上手く天秤にかけながら、その錘の重さは、これからもどんどん増していくのは間違いない。来年の己龍にもぜひ、熱い視線を注いでいただきたい。そしてまだ己龍のことを知らない人たちへ!!
「時代に先鞭をつけてこその音楽の面白さだろ!!まだ遅くはないから、早くこの楽しさに気づきなさい!!」
<Text:長澤智典>
【ライブ概要】
己龍 二夜連日単独公演ホール巡業 「不易龍煌」(ふえきりゅうこう)
2013年2月23日(土)【北海道】道新ホール
2月24日(日)【北海道】道新ホール
2月26日(火)【愛知県】芸術創造センター
2月27日(水)【愛知県】芸術創造センター
3月2日(土)【福岡県】都久志会館
3月3日(日)【福岡県】都久志会館
3月9日(土)【大阪府】松下IMPホール
3月10日(日)【大阪府】松下IMPホール
3月16日(土)【宮城県】仙台市民会館小ホール
3月17日(日)【宮城県】仙台市民会館小ホール
~己龍 二夜連日単独公演ホール巡業 「不易龍煌」~千秋楽~
2013年3月20日(水・祝)【東京都】NHKホール
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●己龍 公式サイト
http://www.kiryu-web.net/