2012年10月20日(土)、サイバーフォーミュラOVABD-BOXの発売を記念して、『11』と『SIN』の2作品をHD画質でオールナイト上映する、『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』OVAシリーズBD-BOX発売記念オールナイトイベント「サイバーフォーミュラ ドライバーズ ミーティング」を開催した。
冒頭で行われたトークイベントでは、福田己津央(監督)/金丸淳一(風見ハヤト役)/緑川光(新条直輝役)/関俊彦(ブリード加賀)の4名が登壇。一言挨拶しながら挨拶をいただくことに。
「こんばんは、今日は楽しんで行ってください。風見ハヤト役の金丸淳一です」
「ブリード加賀役の関俊彦です。こうやってここに立ってみて『サイバーフォーミュラ』のファンってこんな感じなんだと思いました。今日は楽しんでいってください!」
「新条直輝という役をやらせていただいたおかげで今も声優を続けることができています。緑川光です。今日は楽しんでいきましょう!」
「監督の福田です。夜遅くなってしまいましたがありがとうございます、よろしくお願い致します!」。
呼び込まれたのは4名のはずなのに、何故か席は5つ。残りの1席には一輪のバラが……。当日どうしてもこれなかったランドルの席として設けたものでした。
しかし、1席空いているのでと監督が「今日はメカデザインの重田さんが来てるからせっかくなので参加してもらおうよ」と急遽メカニカル作画監督の重田 智さんも参加してトークスタート。
話はまず、OVAシリーズが決まったときの心境について声優の皆さんに伺うことに。
金丸さん「『11』が始まるちょっと前に知りました。僕らが知るのは直前でしたね。『11』のストーリーとしてはあんな流れになるとは予想はしてましたね。」
関さん「TVシリーズで一応かっこいい完結迎えたあとのOVAだったのですが、加賀の場合はゼロの領域のお話いただいたときに出番もたくさんいただいて、本当にサイバーやっててよかったと思いました。監督ありがとうございました」
緑川さん「初めて名前のある役をやったのが新条だったので、TVシリーズも本当に必死にやってたんですけど、もちろんOVAになるという経験も初めてでした。
何となく新条くんという役をわかって気持ちよく演じられるようになってきたところで終わってしまったので、OVAの話がきたときはまた気を引きしめて付き合っていこうという意気込みがありましたね」
OVAで新条は男らしくなっていったという話題から、ここで会場がにいる人が誰のファンかという話になり、挙手だと人数がわかるので少なかったら悲しくなるため、ライバル選手だと誰が好きか客席に拍手していただくことに。新条、加賀、ランドルとも多くの拍手をいただきました。
ライバル選手たちの人気を知って、金丸さん「昔、地方で握手会をしたときに、ランドルファンの方にあなたとは握手をしませんって言われたことがあります」と熱狂的なランドルファンに握手を断られた経験を懐かしみました。
OVAシリーズに関していつ終わってもいいと思ってやっていたという監督は、「見直してたんですけど、『11』のラストで終わってもいいし、『11』より『ZERO』のラストのほうがかっこよく終わってるし。『SAGA』に至っては本当にもう作らないよって思ってましたから」とOVAを4シリーズつくったことを振り返りました。
OVAではマシンの性能などにも注目されることが増えていったこともあり、マシンの変化について重田さんは「性能は数字の話なのでわからないですけど、速いのか遅いのかはきいてましたね。ただあんまり速くなっちゃうと場面からすぐいなくなっちゃうので、火花とばしたりしましたね。
見てる人にはわからないかもしらないですけど、マシンかくよりもピットの中とかを描くほうに凝ってしまって、色を塗る方から何色で塗るつもりなんだと言われて、色分け指示の方が大変だったみたいです。でも、それがなかったら絵として微妙だったと思うのでやってよかったです」
監督は「その辺の重田さんの仕事は『SIN』で結実しています」とコメントしました。
OVAでの役者たちはマシンの性能や進化していくシステムに対してどのように変化させたのか伺うと「数字がわからないからね(笑)」と関さん。
すると監督が、「アフレコのときにマイクの前で入れ替わり立ち代わりやってたあのスピードはすごかったけどね!」というと、キャスト陣は「そっちのスピードですか?!」と笑う。
マイクが3本しかなく、高さが違うのだが金丸さんとアスラーダ役の小野さんが背が高いのに同じマイクを使えず苦労した話や、低めのマイクを使うときに金丸さんが足を大きく開いて屈んで使っていたときに、「隣のマイク入るのに邪魔だなって思ったりしてました(笑)。金丸くん足長いからね」と関さん。
「後ろから見ている身としては神業みたいでしたね」と監督に言われると、「その辺のピットワークよりは速かったですね。」と関さんが上手く切り返し、会場の笑いをとっていました。
OVAはレースシーンもですけど、人間模様もTVシリーズより深く描かれていたことを振り返り、各キャラクターの恋愛模様を振り返る。ハヤトとアスカ。新条とミキ。自然と加賀と今日子さんとですよねという話になり、「いや、色んな方と。カメラマンの方とか・・・。その辺の説明は特にないんですけど、監督の実体験だと思ってます(笑)」と関さん。
それに対して「そんなことないよ」と弁明する監督。「今日子さんと加賀のところはドキドキしちゃいますね。ハヤトたちとは違う感じがして」と金丸さんも二人の関係は気になっていた様子。
実際、キスシーンまであったりして真相を監督に問うと、「僕は今日子さんは新条君が好きなんだと思ってたんですけど、売れちゃったからね」とのこと。そこで新条役の緑川さんが「個人的には今日子さんが一番好きですよ」とフォロー。
それぞれどの女性キャラが好きかという話になり、関さんはクレアさん、金丸さんはクレアさんか今日子さんと答え、重田さんにうかがってみると「あまりキャラ表みてないんでなんとも……。でもブイハチの活躍が減ってったのが悲しかったですね」。
実はブイハチがメスだったという事実については、「知らなかったんですよ。男面してるから、前にムック本か何かでメスってかいてて間違ってるって思っちゃって確認したら本当だったんです」と事実を知ったときは驚いたようでした。
ブイハチの話からブイハチの子供たちがハヤトが誘拐されたときに助けに行ったシーンの話題に、「あのときはさ、ランドルの私設部隊にすごかったよね! 今までで一番衝撃でした、『なんだこれ』って。落下傘部隊とか降りてくるし」と関さん。他の皆さんも客席も気持ちは同じだったらしく、会場は笑いにつつまれました。
もうすぐ作品上では『サイバーフォーミュラ』が始まった2015年に迫っていることを改めて考えてみると、20年のときの流れを感じたようで、当時はまだ携帯がなかったという話になり、みんなポケベルしかなかったという話の途中に思い出したように緑川さんが「速水さんぐらいだったよね、もってたの」というと、当時の記憶が蘇ってきた登壇者の皆さんが「速水さん持ってた! すごいおっきいの持ってましたよね!」と盛り上がりました。
当時の記憶が戻ってきたところでアフレコの印象を尋ねると、「始め現場怖かったですね。先輩たちに囲まれて。金丸さんは優しくて」と緑川さん。
話を受けて照れながらも金丸さんが「1話の後にご飯いったときに、この番組って長く続きそうな気がするって話したよね!」というエピソードを話すと、「すいません、それ正直あんまり覚えてないです(笑)」と返され、優しい金丸さんらしく「当時、緊張してたからかもしんないね(笑)」と返した。
やはりすごく緊張していたという緑川さんは「金丸さんも監督も優しく声かけてくれて。でも関さんは怖かったです。関さんはたまにしか来ないんですけど怖かったです」と告白。
「関さんは同郷の先輩ってわかってたのでなんだか怖かったですね」という緑川さんにたいして、関さんは「僕は『サイバー』はドキドキしながら行ってみたら和気あいあいとした、いい現場だなって感じてたよ。けど一度大失敗したのは、テストやってるときに俺のボイスレコーダーが早回しで動いて音がなってて。ウニョウニョなってました」と当時の笑い話を披露し、それを思い出した金丸さんと緑川さんも笑いながら懐かしみました。
話は尽きないが、裏話は11月21日発売のBD-BOXに収録されるオーディオコメンタリーでもきけるので、是非チェックして欲しいというと、緑川さんが「松岡さんとコメンタリーするって聞いて話が盛り上がるか不安だったのですが、すごい盛り上がったのでぜひ聞いてほしい」とオーディオコメンタリーを振り返りました。
楽しい時間はあっという間でついにトークショーも終盤、一言ずつ締めの挨拶をいただきました。
重田さん「個人的に大きい画面でみたいっておもってたのでうれしいです。違った気持ちで見れると思うので楽しんで行ってください」
監督「20年越しで、こういうことができるのは皆さんのおかげです。これからもがんばっていこうと思います。よろしくお願いいたします」
緑川さん「『サイバー』が始まったとき、オンタイムでみんなで見ようと思ってたけど、恥ずかしくてボリュームをものすごく小さくしてみたのを懐かしく思いました。一流の声優さんの仲間入りをしたくて一生懸命やっていたのがわかると思いますのでひとつひとつ愛してあげてください。今日はどうもありがとうございました」
関さん「根強いファンの方々に支えられているのは私たちも幸せなことだと思っています。よくどんなセリフが好きかとかどんなシーンが好きかとか聞かれるんですが、加賀ってインパクトのあるセリフもあると思うんですがさりげないセリフやシーンが好きなところが多いです。新条やハヤトとのやり取りのなかのさりげないところに注目していただければと思います。今日はありがとうございました」
金丸さん「記憶というのは呼び戻されるたびに新しく書き換えられるのだそうです。僕は本当に20年越しでイベントをやるのが3回目なのですが今日また新しい記憶が皆さんの中に加わっていくと思います。一緒に見続けた20年も大切にしながら、またこれからもよろしくお願い致します」
その後行われた上映会は朝まで続き、集まった400名近くのファンは改めて『サイバーフォーミュラ』を堪能したようでした。
【BD-BOX概要】
『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』OVAシリーズ Blu-ray BOX
2012年11月21日(水)発売
品番:VPXV-71951
価格:¥36,750(税込)
収録時間:本編約780分+特典映像
発売元:バップ
◆久行宏和氏描き下ろし三方背BOX、吉松孝博氏(11、ZERO)/久行宏和氏(SAGA、SIN)描き下ろし化粧紙、44Pブックレット封入
◆特典映像:各シリーズノンクレジットOP/ED、サイバーフォーミュラEARLYDAYS RENEWAL
◆音声特典:オーディオコメンタリー
11 #6 緑川光(新条直輝役)×松岡洋子(カール・リヒター・フォン・ランドル役)
ZERO #8 置鮎龍太郎(フランツ・ハイネル役)×島田敏(ジャッキー・グーデリアン役)
SAGA #8 福田已津央(監督)×金丸淳一(風見ハヤト役)×関俊彦(ブリード加賀役)
SIN #5 福田已津央(監督)×金丸淳一(風見ハヤト役)×関俊彦(ブリード加賀役)
◆初回封入特典:サイバーフォーミュラ版権集
(これまでの映像ソフト用に描き起こされた、いのまたむつみ氏版権画像をまとめたミニ画稿集)
<キャスト>
風見ハヤト:金丸淳一
菅生あすか:三石琴乃
アスラーダ:小野健一
菅生修、シューマッハ:速水 奨
クレア・フォートラン:冬馬由美
ブリード加賀:関 俊彦
新条直輝:緑川 光
フランツ・ハイネル:置鮎龍太郎
ジャッキー・グーデリアン:島田 敏
エデリー・ブーツホルツ:龍田直樹
カール・リヒター・フォン・ランドル:松岡洋子
アンリ・クレイトー:結城比呂
名雲京志郎:池田秀一
ほか
<スタッフ>
企画:サンライズ
原作:矢立肇
監督:福田己津央
キャラクター原案:いのまたむつみ
マシンデザイン:河森正治(スタジオぬえ)
キャラクターデザイン/総作画監督(11・ZERO):吉松孝博(スタジオライブ)
キャラクターデザイン/総作画監督(SAGA・SIN):久行宏和
音響監督:藤野貞義(クルーズ)
音楽(11・ZERO):大谷 幸
音楽(11):大谷 幸/小西真理
音楽(SAGA・SIN):佐橋俊彦
製作:バップ、サンライズ
(C)サンライズ
●作品公式サイト
http://www.vap.co.jp/cyber/