元FANATIC◇CRISISの石月努、ふたたび音楽を通しメッセージを発信!公式インタビューも到着!!

By, 2012年8月20日




かつてFANATIC◇CRISISのヴォーカリストとして活動。05年のバンド解散以降、音楽の道を離れ、デザイン/アートの分野へ転出。店舗/空間デザインからオーダージュエリーの制作。グラフィックアートやウェブクリエイトなど、あらゆるアートを想像してゆくクリエイターとして活動。海外でも展示会を開催するなど、国境を超えて創造/創作活動を行い続けている石月努。
彼が、7年ぶりに音楽シーンへ復帰することを明言!!FANATIC◇CRISISのデビュー日であった8月6日に、音楽活動再開の報告をニコニコ生放送で行うや、急遽の告知にも関わらず13,180のアクティビティを記録。石月努の音楽界への復帰を待ち望んでいた人たちが数多くいたことを証明してくれた。

「昨年の東日本大震災。その被災地への支援活動のために現地入りしたときに、改めて自分を見つめ直すきっかけが生まれました。もちろんデザインなどアートでも明るい気持ちを与えてゆくことは出来ると思う。だけどそれ以上に「人の心を豊かにする力を長く届け続けてゆく手段」を思い描いたときに、それまで胸の中に閉まっておいた「音楽を通して想いを伝える」という気持ちに立ち返れた自分がいました」と語っているように、改めて音楽の力に可能性を感じた石月努は、現在の活動と並行し、音楽の表現分野でも長く活動を続けていくための準備を整え続けてきた。そしてこの夏ついに、活動再開の狼煙を上げたというわけだ。

その最初のアプローチが、9月17日(月・祝)にオフィシャルWEBサイトにて通信販売限定でリリースを行うDVD SINGLE『365の奇跡』となる(8月17日より先行予約受付開始)。

「毎日の時間がみんなへ平等にあるよう、喜びや悲しみだって、みんな同じようにあると思います。だけど、それを見つけ出すのは誰かの目線じゃなく、自分の目線だと思うんです。誰かがこうだからわたしもこうではなく、一人一人が自分の目線でそれを見つけ出して欲しい。人には365日平等に奇跡やチャンスがあるはずなんだから」

『365の奇跡』へは、目の前の人に向けた、石月努の優しい想いや暖かなメッセージが雄大な視点のもと描き出されている。
1月27日(日)には、渋谷公会堂を舞台に「TSUTOMU ISHIZUKI the FIRST LIVE 2013 遠い日の約束~たとえ、鬼が笑っても~」を開催。ふたたび音楽という分野でも、彼なりの視点でメッセージを発信し始めただけに、デザインやアートの分野のみならず音楽面でも、今後の動向を追いかけ続けてもらえたら幸いだ。

【公式インタビュー】

●過去の延長ではなく、石附努としてゼロから始めたかったんですよね。

-05年5月14日に、FANATIC◇CRISISは13年の歴史に終止符を打ちました。その後、努くんは音楽の道から離れデザイン、アートの分野へと道を進めましたよね。当時は、ふたたび音楽の道を…という選択肢は、心の中にはなかったのでしょうか??

石月:自分はあまり器用なタイプではないので、中途半端なことはしたくなかったことから、以前から「本気でやってみたいな」と思っていたアパレルやジュエリー制作、空間デザインからアートの分野へ気持ちを注ぎ込もうと決めました。
それにFANATIC◇CRISISは、僕が10代の頃から青春のすべてを注ぎ込み活動を続けてきたバンドだったからこそ、すごく思い入れもありました。そのバンドを終えたことでの喪失撼も正直あったんですね。だからこそ、中途半端な気持ちで音楽活動をしたくはない気持ちが強かったことから、あの頃は「ふたたび音楽活動を」という発想自体にも至れなかったどころか、実際に解散以降は、まともに音楽さえ聴けませんでした。それくらい音楽の世界へどっぷり浸っていたからこそ、気持ちの整理をつけるうえでも相応の時間が必要だったんだと思います。

-だからこそ気持ちを切り換え、アートの分野へと邁進したわけだ。

石月:やるからには中途半端なことはしたくなかったし。これまでの経験の延長ではなく、まったくゼロからスタートしたかった。それくらい、過去の延長ではなく、石附努としてゼロから始めたかったんですよね。
その表現方法の中には、自分の感性のままに描き、作りあげるアートワークもありますけど。活動の軸となった商業デザインを行うということは、クライアントさんがあり、そのオーダーを形にしていくのが何よりも大切なこと。オーダージュエリーであれば、その依頼主の希望に沿っていくのが求められること。そういう1対1の関係の中で物を作っていくことが、自分にとってはとても新鮮でした。

●「人の心をより豊かにするための音楽でありたい」という意識へ立ち返れたからこそ、改めて好きになれたと言うか。「歌の力って、やっぱすごいな」「歌っていいな」と純粋に思えてる自分がいたんです。

-アートの分野で実績を築きあげてきた努くんが、何故ふたたび音楽活動を始めたのか?!とても気になります。
       
石月:自分の意識を見直し、考え直す大きなきっかけになったのが、昨年起こった東日本大震災であり、その復興支援のため現地に足を運んだことでした。あのときには、人間の知恵や力ではどうしようも出来ない自然の驚異や、震災後の地で住む人たちの姿に触れ、自分自身をすごく見つめ直すきっかけを与えられたんですね。
その当時は、「アートという力で人を明るい気持ちにさせられないか?!」など、いろんなことを考えました。そのときに、「自分が発信したい想いをより多くの人たちの心へ直接届けてくうえでは、やはり歌の力があってこそ」ということを考え始めてゆく最初のきっかけが、そこで生まれました。
それ以降、改めて「今の自分はどういう風に音楽に対しての想いがあり、どういう風に音楽へ向き合っていきたいのか」と考え続けていく中、次第に心の整理もついてきました。ただし、やるからには本気でやる覚悟も必要でした。

-結果的に、アート/デザインの仕事と音楽活動との両立という形になりますもんね。

石月:そうですね。音楽活動を再開するから、それまでやっていたデザインの活動は辞めます、ではなく。むしろ、アートやデザインの仕事をしてきたからこそ、改めて純粋に、正直な気持ちで音楽へ向き合っていける自分自身にもなれた。
いわゆる商業ベースで行う音楽活動ではなく、「人の心をより豊かにするための音楽でありたい」という意識のエネルギーが僕の根底にはあって、そこの部分へ改めて立ち返れたからこそ、自分自身が解散以降7年間まったく触れていなかった歌というものを改めて好きになれたと言うか。「歌の力って、やっぱすごいな」「歌っていいな」と純粋に思えてる自分がいました。そこの意識になれたことがすごく大きなことだったなと思うんですよね。

●365日という日々の時間は、世界のみんなへ平等にあるものじゃないですか。きっとその中には、喜びも悲しみも、同じよう平等にあるんだと思います。でも、それに気付けるはずの目線が擦れてしまうと、絶対に見つけ出せないものになってしまうんですよ。

-ちょうどデビュー日に当たる8月6日に、努くんはニコニコ生放送を通し、「音楽活動の再開」を報告しました。リアクションもすごかったんでしょ。

石月:この7年間の僕の活動を見ていたら、ふたたび僕が音楽を演るなんて誰も思っていなかったんじゃないかな。そんな僕の音楽活動の再開という言葉を、あんなにもたくさんの方々が待っててくださってたことが、自分の中で間違いなく励みになりました。しかも、デビュー日にそれを一つのけじめとして発表できたことも良かったなと思っていますし。デザインやアートに触れ続けているからこそ、歌やライブでしか表現できないものがあることは実感しています。これからは、歌やライブを通しても、人の心や魂の近いところへ訴えかけていきたいですね。

-その便りの第一弾となるのが、9月17日(月・祝)にオフィシャルWEBサイトにて通販限定で販売になるDVD SINGLE『365の奇跡』(8月17日より先行予約受付開始)になります。歌詞もメロディも、良い意味で石月努節が炸裂してるよね。

石月:今の音楽の流行りとかまったくわかんないんだけど。でも、僕だって今の時代の中で生活しているように、世の中の雰囲気を感じて生きてるわけじゃないですか。そういう「今の時代の中で僕が感じている音楽」であるし。前々からも言ってるように、「5年後も、10年後に聴いても色褪せない音楽」として生まれたなとは思ってます。そういう意味では、「努っぽい」と言われるのも納得なんでしょうね。

-身近な人に想いを届けるように語りかけた内容ながら。でも詰め込んだ想い自体は、とてもグローバルな視点も含んだ心模様ですよね。

石月:365日という日々の時間は、世界のみんなへ平等にあるものじゃないですか。きっとその中には、喜びも悲しみも同じよう平等にあるんだと思います。でも、それに気付けるはずの目線が擦れてしまうと、絶対に見つけ出せないものになってしまう。とくに「誰かがこうだから、わたしもこうしなきゃ」という目線になってしまうと、その目線はどうしても振れてしまう。僕には僕の目線があるし、AさんにはAさんの目線があるわけで、それぞれの中で想い、感じる幸せの価値観だって違うものなはずなんです。
物事は、自分の視点次第でまったく違うものになっていく。そういうニュアンスを、この歌から感じてもらえたら嬉しいなぁと思ってる。

-今回は、2,106(努)枚限定販売なんですね。

石月:それは自分のわがままでもあるんですけど。あまり時間を空けずにみなさんの元へ届けたかったことから、今回は流通を使わずにWEBを通した通販という方法を取ったんですけど。枚数限定に関しても、アマチュア時代のFANATIC◇CRISISがやっていたときのような遊び心を持ったこともやりたいと思い、自分の名前と数字をひっかけてしまいました。
むしろそれくらい今は、フットワーク軽く遊んでいけてる自分がいるってことじゃないですかね。

●つねに自分自身を更新しながら、新しい自分であり続けていきたいなと思っています。

―1月27日には、渋谷公会堂を舞台にソロ一発目となるコンサート「TSUTOMU ISHIZUKI the FIRST LIVE 2013 遠い日の約束~たとえ、鬼が笑っても~」が開催になります。それまでの期間内にも、いろんなことは考えているんでしょうね。

石月:渋谷公会堂という場所を選んだのは、FANATIC◇CRISISのラスト・インディーズの会場が渋谷公会堂だったことから、「自分がリ・スタートしていく場所としては、すごくいい場所だなー」ということが大きかったんです。そうやって場所は先に決まりましたけど。
実際に演奏する曲や、どういう編成で誰と一緒に演るか?!などは、正直言って、今から考えるという状態です。でも、絶対にいい形になるとは信じています。もちろん、新しい曲たちも、何らかの形で耳へ届けたいなとは思っています。

-今でもデザイン/アートの活動を行っているように、音楽活動と並行しながらやっていくのは物理的にも大変じゃない?

石月:大変なんですけど、すごく刺激的でもありますよね。自分の中で「音楽を演る」という発想自体が、去年まではまったくなかったんで。今こうやって音楽へ向き合っていること自体がすごく新鮮な気持ちだし。「その気持ちは大事なことだなー」と改めて思ってますね。

-デザインやアートと同様に、音楽も、ズッと長く続けていくつもりなんですよね。

石月:ここで音楽活動を宣言したということは、もう音楽活動を封印することは絶対にないと思います。自分が生きてる以上、音楽やアートとはズッと向き合っていくし、付き合ってもいく。
とにかくクリエイティブな作業すべてに於いて、石月努(石附努)としての活動は、僕が生きてる限りズッとあるものだと思っていますし。つねに自分自身を更新しながら、新しい自分であり続けていきたいなと今は思っています。

<Text/長澤智典>

●石月努 オフィシャルブログ
http://ishizuki.jp/weblog/