櫻井、能登、中井らが登壇! 過ぎ去った時代を思い出させる感動ファンタジー『虹色ほたる~永遠の夏休み~』初日舞台挨拶

By, 2012年5月20日



昭和52年、夏。大自然を舞台に子供たちの成長を描くファンタジー『虹色ほたる~永遠の夏休み~』の初日舞台挨拶が2012年5月19日(土)、東京・バルト9で行われた。

まずはユウタ役の武井証くん、さえ子役の木村彩由実ちゃん、ケンゾー役の新田海統くん、ユウタ(大人)役の櫻井孝宏さん、さえ子(大人)役の能登麻美子さん、ケンゾー(大人)役の中井和哉さんが登壇。

 
武井くんは「この日を無事に迎えられて本当に良かったです」、

櫻井さんは「すごくメッセージ性がある作品だと思いますが、何より『夏休みがうらやましい』と感じました。大人になると夏休みがなくなってしまうので(笑)。あの頃の懐かしい思い出や風景が自分の中にもあって、素晴らしい作品だと思いました」、

木村さんは「是非ご家族や友達に『虹色ほたる』の良さを伝えて欲しいと思います」、

能登さんは「一人でも多くの方にこの作品を観ていただきたいと思いました。引き込まれるような映像と物語で長く心に残ってくれたらな、と思います」、

新田くんは「僕自身がケンゾーと同じ12歳ということで、自分自身が忘れられない夏休みを過ごした気分でした」、

中井さんは「余計なことを言うのがはばかられるような、今の気持ちをおうちに持って帰ってもらいたい気持ちでいます。毎年夏が来るたびに思い出すような、そういう作品として長く残っていくと思いますし、そういう作品のエンドロールに自分の名前があることを誇りに感じています」とそれぞれコメントした。

 

ちなみに普段は俳優としての活躍がメインの子供たち。今回の声優挑戦について、武井くんは「普段の演技では、走ったりする時に、実際に動くので特に問題はないのですが、アフレコだとその場で演技しなくてはいけないので……。息を切らす演技をしている時に、気持ち悪くなってしまいました(苦笑)。口だけで表現しなくてはいけないので、すごく勉強になりました」、

木村さんは「キャラクターにあわせて声を入れなくてはならないので、そのタイミングが難しかったのですが、声を入れることによってキャラクターが活きてくるので嬉しかったです。またやってみたいです!」

新田君は「映像で撮るお仕事と違って、声だけで演じなくてはならないので、キャラクターの動きに合わせて声をあてなくてはならないですし、武井さんも言ってましたが、息切れの演技をその場でしなくてはいけないので難しいところもあったのですが、監督やスタッフさんに色々と教えられて、とても勉強になりました」と体験談を語った。

 

彼らの演技を聴いて、櫻井さんは「正直初めてとは思えない演技でしたが、悪い意味ではなく、僕らでは表現できないような演技もたくさんあって、すごくうらやましいな、と思いました。もちろん自分たちもプロとしての誇りを持ってやらせていただいているのですが、今の僕らには持っていないものをストレートに伝えてくるので、見ていて引き込まれるというか。その気持ちよさが魅力だと思います。『もう一度やってみたい』と言ってくれたのがとても嬉しかったです」。
さらに「コメントもしっかりしていますし」と付け加え、武井くんとガッチリ握手を交わした。

 

能登さんは「皆さんの演技に引き込まれる、というか、この演技を真似したい、というか。どうしたらこんなに素直に真っすぐに、ユウタくんやさえ子ちゃん、ケンゾーくんがそこにいるかのように演じられるんだろう? と思いました。今回は収録がバラバラだったので、今度は一緒にアフレコできればいいな、と思います」、
それを受けて木村さんは「嬉しいです、機会があれば是非一緒にやりたいです!」と声を弾ませた。

中井さんは武井くんに対し「一緒に録った大塚周夫さんが、『何が飛び出してくるか分からないから勉強になった』とおっしゃってました。僕も見ていてすごいな、と思いました」と褒め、新田くんに対しては「ケンゾーは友達だけどちょっと『教えてやるよ』的な、上から目線の部分があって、ロマンチストでもあるし、そこが演技に出ているのがすごくいいな、と思いましたし。三人三様でとても良かったです。僕らが学ばなくてはならないことを彼らは持っているな、と強く感じました」と絶賛。
新田くんは「プロの方に褒められたことを誇りに思いたいです」と照れた。

ここで司会者から「自分がタイムスリップできるとしたら、どの時代にタイムスリップしたい?」という質問が。
武井くんは「バブルの時代に行きたい」と答え、場内は大爆笑。「子供の頃からもう景気が悪くて……」と子供らしい(?)意見に、バブルを知る中井さんは「僕はバブルとは縁遠い生活を送ってましたから……傍から見ていて『ちぇっ』っと思っていました」とコメントすると、「夢が崩れました(苦笑)」返し、さらなる笑いを誘っていた。

櫻井さんは「上京してから18、9年経つのですが、上京後のほうが親と話す機会が増えたんですね。両親の若い頃が見たいかな、と思いました。二人に関する、今さら知るようなことが結構ありますので」とコメントした。

木村さんは「縄文時代に行きたいです。自分たちで木の実を取ったりする、サバイバルのようなことが好きなので、行ってみて実際に体験したいです」、

能登さんは「本作の設定が昭和52年で、私が生まれたのは昭和55年なのですが、その3年前にこんな風景があったんだ、と。52年の世界に興味を持ちました。ですから自分の生まれる数年前をちゃんと見てみたいな、と感じました」、

新田くんは「未来に行ってみたいと思うことはあるのですが、なんだかもったいない気がするので取っておくとして、僕は今中学生になってしまい、テスト勉強が嫌だな、と思うようなことがあるので、小学生の頃に戻って思いっきり遊びたいです!」、

中井さんは「子供が生まれた日に戻りたいです。出産に立ち会うことができなかったので……。そうしたら、いまの生意気な態度も許せるんじゃないかと思います(笑)」とそれぞれコメントした。

 

ここでさらにゲストが登壇!
音楽を担当した松任谷正隆氏、宇田鋼之助監督が登場。
松任谷氏は「本作は昨年の仕事で、僕が一番情熱を傾けた作品です」、
宇田監督は「本日はお暑い中、足をお運びくださいましてありがとうございました!」とそれぞれ挨拶した。

「どのような部分を意識して作曲されたのか?」という質問に対し、松任谷氏は「僕も生きていた時代ですが、まずは『あの時代の音』というのをテーマにしました。後は、『どういう動きになるのかな?』とか、『どういう人たちが声をあてるのかな?』という部分を手探りでやっていましたが、段々作品が完成してくると、色々な所に音を合わせたくなって。そういう部分は細かく意識しました」とコメント。
さらに、「完成したものを見ていかがですか?」という質問には「客観的には見られなかったですね。『これでいいのか?』と。皆さんに『いい』と思っていただければ嬉しいな、という感じです」。と期待を込めてコメントした。

松任谷氏の音楽に対し、宇田監督は「最初に松任谷氏とお話をして『肌触りのいいものにしたい』ということをお願いしたかと思うのですが、最初に4曲くらいベースになる曲をいただいた時に、非常に手ごたえがあったので『これはいけるな』と感じました」と当時を振り返りつつ語った。
一方の松任谷氏は「監督とお話をしている時にイメージがすぐに沸いたので、そういう意味ではスッとでき上がりました」と制作時についてコメント。

ここで、こちらの二人にも「自分がタイムスリップできるとしたら、どの時代にタイムスリップしたい?」という質問が飛ばされ、松任谷氏は「幼稚園の頃、当時車を持っていた家庭は少なかったのですが、その時車で送り迎えをされていた女の子がいたんです。お母さんが迎えに来ると、僕はいつも駆け出していって、ボーっと見ていたんですね。白いハンドルの車でした。僕はあれが初恋だったと思うのですが、それがもしかしたら車に対してのものだったのか藻知れないので、それを確かめに行きたいです。女の子の歯が欠けていたのは覚えているのですが(笑)」とユニークに語った。
宇田監督は「子供の頃から失敗ばかりだったので、失敗する直前に『やめろ!』と言いたいです(笑)」とコメントした。

ここで、原作者の川口雅幸さんからの電報が読み上げられた。
「私は今日この日を8年間心待ちにしておりました。皆さんがこの小さな物語に永遠の命を吹き込んでくださったこと、本当に本当に感謝しております。どうか、この物語に出会ったすべての人たちに幸せな未来が訪れますように。そして、『虹色ほたる』の光で日本中が夢と希望に満ち溢れますように。被災地・大船渡から愛を込めて」

それを受けて宇田監督は「映画公開に先立ち、大船渡で無料試写会を行い、現地にお邪魔させていただいたのですが、観客の皆さんの反応も前向きで。自分たちに被さった災害を乗り越えて先を歩いていこうとする姿勢を見せられて、感動的でした。皆さんに向けてのエールを込めた作品になったことを誇りに思います」とコメントした。

最後に宇田監督から「非常に分かりやすいテーマもあるのですが、実は製作者側の意図で分かりにくいテーマも入れてあります。一度観ただけでは分からないことも多々あるかと思いますが、どこの部分でヒットするかは皆さんに自由にお任せするとして、ご覧になった後に親しい方とお話をしていただければ嬉しいと思います」という言葉で締めた。

映画は全国映画館で好評公開中。

<Text・Photo/ダンディ佐伯>

●映画公式サイト
http://www.nijiirohotaru.com/

(C)川口雅幸/アルファポリス・東映アニメーション