【プレゼントあり】霜月はるかさんのNEWアルバムは、なんと組曲!オリジナルファンタジーボーカルアルバム『零れる砂のアリア』インタビュー

By, 2012年4月25日



歌に込められた、少年と少女の激動の物語とは!?

2012年4月25日(水)、シンガーソングライター・霜月はるかさんのNEWアルバム『零れる砂のアリア』が発売される。
霜月さんといえば、様々なアニメ&ゲームの主題歌を担当し、自身が紡ぎだすファンタジックな世界観の音楽も大人気だ。
一方で、作家・日山尚氏と組んで、独自のファンタジー世界を音楽にした、オリジナルファンタジーボーカルアルバムを制作。今回のアルバムは、2007年発売の『ティンダーリアの種』、2009年発売の『グリオットの眠り姫』に続くメジャーリリース第3弾となっている。
しかも『グリオット~』で作曲や編曲を担当した、なるけみちこ氏、MANYO氏、岩垂徳行氏、弘田佳孝氏と共に、組曲を手がけているという。
今作はいったいどんなアルバムに仕上がっているのか?霜月さんに、その制作秘話をインタビューしたので、ここに紹介しよう!

●実はあの物語と密接な関係が!?

──オリジナルファンタジーということですが、今回の『零れる砂のアリア』はどんな物語なんでしょうか?

霜月はるかさん(以下、霜月):今回の舞台は、『グリオットの眠り姫』の世界観と密接に絡み合っているんです。グリオットは、双子のヒロイン・シトラとローザのお話なんですが、今回は、その2人の父と母=フォアゲイトとセシアラのお話なんです。フォアゲイトとセシアラが子供の頃に出会って、成長していき、そして2人に訪れる結末を、1つの組曲で表現するという企画なんです。

──元々は、共同企画者の日山尚さんと作られてきた企画とのことですが、今回の制作に当たって、日山さんとどんなお話をされてきたのでしょうか?

霜月:話の詳細やキャラクター性だったりは、結構、日山さんにお任せしていますが、どういう話で、どういう事件がっていう大まかな部分は、綿密に話し合っています。それと今回は、『グリオット~』の音楽を一緒に作ってくれたメンバーと組曲を作るっていうのが根本にあったんです。それで日山さんと相談して、ドラマチックな部分も繊細な部分もある、明暗色んな展開のある話を題材にしたらって言っていたんです。
最初のプロット的なものは、私と日山さんで作って、ここからここまでのストーリーを~さんお願いしますって、みんなに割り振って、そこから打ち合わせを始めたんです。その中で、各パートがバラバラのメロディにならないように、メインテーマみたいなものを作ろうって話が出て、それは私が作ったんですね。
後は『グリオット~』の世界観に登場するメロディで、村のテーマとか、城のテーマとか、今までも幾つか出てきたのをパーツとしてまとめたんです。それで、自分たちの担当パートで、そういうシーンが出てきたらこれ使って下さいってみたいな感じでやって頂いたんです。
他にも、「悪夢のテーマが必要じゃない?」とか、「共通してSEがあるといいよね、じゃあ俺得意だから作るよ」とか、皆で意見を出し合いながらやっていました。

●知られざる制作秘話を激白!

──普通のアルバムを作るよりも、かなり手間のかかる作業ですね。

霜月:そうなんです。私がサウンドプロデューサーを務め、最終決定権はあったんですが、みんなが色々意見を出して、私がバランスをとっていくっていう感じでしたね。
日山さんの作詞に関しても、最初にイメージ詞みたいなものをプロットと共に出してもらって、それからみんなが自分の担当曲を書いていったんです。そのイメージ詞を汲んで書く人、あくまでイメージとして捉えて曲を書く人といるので、その調整も必要でした。大変だったと思います。
それに、各章毎にクレジットは分かれているけど、1人で作っている様に聴かせたかったというか、要はどこが切れ目だか分からなくしたかったんです。誰々の担当曲がここまでって、キッチリ分かれるんじゃなく、1曲の中ですごい展開があって、いつのまにか次に移ってるみたいな、そういうのが理想だったんです。
だから、みんなで繋ぎの部分はすごく意識しましたね。前の人はどうやって終わるのかなとか、次の人がこのコードで始まるんだったら、最後はこのコードにしようとか、タイミングまでみんなで相談していました。

●激しく動く物語と2人の心の内!

──そこまで細かく考えていらっしゃるのですね! では、章ごとにもう少し詳しく伺います。「序章」と「第一楽章 悪夢」は、なるけさんが作られてますが、どんな風に作っていったんですか?

霜月:序章、第一楽章は、壮大なんですよ! ここだけで10分ぐらいあるので、かなりのボリュームです。起承転結の起の部分で、衝撃的なことがドーンって起こる章ってことで、なるけさんにお願いしたんです。
なるけさんは、色々展開していくイメージ詞をすごく汲んでくださって、すごく起伏のある展開の曲になりました。こういう風に歌ってみてっていう、歌い方のイメージも強く持っているので、私も普段しないやり方にチャレンジしましたね。
フリーテンポで歌う箇所があって、ギタリストさんと私でブースに入って、歌ったりしました。歌詞でいうと、“僕は膝を折る”って辺りのブロックなんですが、演技するように歌ってって言われて、ギタリストさんと目を合わせながら、とてもライブ感がありました(笑)。

──では「第二楽章 邂逅」はどんな風に?

霜月:第二楽章って、話がすごく動くというよりは、心が動く章なんですよね。2人が出会って、その内面的なものの変化を描いてもらう章だったので、そこら辺はMANYOさんが得意かなって思ったんです(笑)。歌的には、ちょっとした笑顔のニュアンスだったりとか、そういう繊細な部分を意識しましたね。そして、曲も盛り上がって、2人の心も通じあっていったりとか、変化をみせなきゃいけない部分でもあるので、そこも意識しながら歌いました。

●演じるように歌って!

──続いて「第三章 帰郷」は?

霜月:第三楽章は、岩垂さんに作って頂いたんですが、これまた色々起こる章なんですね。幸せになったと思ったら、またなにか起こったみたいな感じで、シーンが次々に切り替わる章なんです。ここからはキャラクター達が成長して、青年と歌姫になるので、歌う時も、多少大人っぽくっていうのを意識していました。他にも、その2人が掛け合って歌ってる様なシーンもあったりとか、ちょっと男らしさの表現とか、ミュージカルの意識が強いです。

──では「第四楽章 狂気」は?

霜月:弘田さんの曲はですね、いつもそうなのですが、最初にデモ曲を聴いた段階では、「これ、歌になったらどうなるの?」みたいな感じなんです(笑)。不協和音だったり、コードのぶつけ方だったり、タイトル通り「狂気」な感じで。さすが弘田さんだなって思ってました。
収録では、日本語で歌っているメイン部分は、セシアラが何度も同じ歌を歌わされて、だんだん追い詰められていくっていうシーンだったり、哀しみにくれたフォアゲイトを歌う時は、絶望と泣きを込めて、みたいな感じで、これも演技的な部分が強かったですね。
アリア語のコーラスに関しても、歌ったものが加工されて後にアレンジで印象が変わっていたりするので、完成して、ほわー、こうなったのかーって感じましたね。

●ラストへ向かい、高まるハードル!?

──そのアリア語というのは?

霜月:この物語の世界独自の言葉で、このアリア語って言葉自体は、『ティンダーリアの種』で一番最初に作ったんです。その段階で、歌詞の必要な言葉を中心に、私と日山さんでルールを決め、単語を出し合って、お互い作詞しているもので、単語を共有していき、『ティンダーリアの種』『グリオットの眠り姫』、そして、コミックや小説などのメディア展開もして、どんどん増えています。それと言葉のルールは、名詞はこういう言葉で終わるとか、動詞はこういう言葉で終わるとか、なんとなく決まってるんです。
基本は、歌にすることを前提とした言葉なんで、時には文法を変えるし、言葉の響きが綺麗な様にって意識しているので、歌いにくい単語はあんまり作ってないんです(笑)。

──最後の「終章」では、霜月さんが作・編曲もされてますね。

霜月:最後の章っていうことで、それまでのお話と、時系列的には切り離されているんですね。当然、アルバム最後の曲なので、それまでのことを思いかえすって意味合いもあるんです。ちゃんとメインテーマを聴かせなくちゃいけない章でもあり、割と他の章から色んなメロディを引っ張ってきたりもしています。
歌っていく中で、この物語はこれ迄こういうことがあったって振り返りながら、同時に収録の過程も思い返していた気がします(笑)。
それにしても、作編曲家として自分のこだわりもあったので、自分へのハードルも高くなっていくんです(笑)。ここはこういうアレンジをしているんだから、こういうニュアンスで歌いたいよねーとか、ここコーラスさせたほうがいいかなーって(笑)。そして、実際に、かなりコーラスを足したりもしました(笑)。

●散りばめられた設定を解説!

──今回のタイトル『零れる砂のアリア』ですが、これにはどんな意味が込められているのですか?

霜月:今回、砂時計をキーアイテムにしているんです。時間は、経ってしまったら戻らない。零れた砂は戻らない。そういう、失ったものは元には戻らないというものの象徴なんです。実をいうと、この砂時計もひっくり返せないデザインにしているんですね。
今回のお話でも、戻らないものは、時間だったり、命だったりするんです。それで、“アリア”って言葉は、普通は音楽的な意味(※オペラ等で歌われる独唱曲)があるんですが、この世界では、命、歌、女神の名前だったりするんです。そういう色んな意味を包括して、“アリア”っていう言葉で使ってるんです。
それで、フォアゲイトは零れたものを戻そうとして、『グリオット~』で色々起こす感じなんです(笑)。

──この他にも、細かい設定などがあるんですか?

霜月:この世界を知らない方にも、話が伝わるようにと思って、CDのブックレットに日山さんの書き下ろしストーリーを掲載しています。『グリオット~』の時も、簡単なガイドブックをつけさせて頂いたんですが、その時はストーリーとか全然載り切らなかったんです。だから、コミカライズやノベライズ展開で補っている部分がありました。

──とすると、『零れる砂のアリア』のメディア展開の予定も?

霜月:今のところは、そのお話をお待ちしていますという感じです(笑)。

●6月にはファンタジーコンサートも開催!

──そういえば、今回のジャケット絵やブックレットの絵を、イラストレーターのchibiさんが担当されてますね。

霜月:この企画に合う絵描きさんを探していた時、Webサイト上で、一目ボレに近い感じでchibiさんの絵を見つけて、日山さんとイイよねーって言っていたんです。そうしたら、たまたまchibiさんが、私と日山さんも参加していたイベントに出てらしたんです。
それで、chibiさんのスペースに行って、じゃあ、声かけちゃおうかって。もうなんか、一目ボレしてそのまま告白しましたって感じでした(笑)。それでお願いすることになって、実際出来上がったものも、想像以上に良かったです。いい出会いになりました。

──ファンタジー世界を音楽にするのは、メジャーデビュー前から、自主制作で活動をされていたそうですね。それは、どんな事に魅力を感じてのことなんですか?

霜月:まだ趣味の範囲の頃ですが、ファンタジー作品が作りたくて、漫画を描いたり、小説を書いてみたり、色んなことをした時期があったんです。それで、世界観のある音楽が好きだったのもあって、じゃあ歌モノでやる活動はどうかなと思ったんです。
実際に自主制作のアルバムを作ってから、「あっ、私にとっては、一番表現しやすいファンタジーだな」と思って、ずっと続けてるって感じですね。根本は、ファンタジーが作りたいってことなんです!

──その歌モノ活動の一つ、ファンタジーコンサートが近々開催されるそうですね。

霜月:以前にもやらせて頂いた、ファンタジーな物語や世界観を舞台で表現するというもので、今回は『グリオットの眠り姫』の全曲+αをやります!『グリオット~』は、『零れる~』と密接な作品なので、これを切っ掛けに、ライブに遊びに来て、『グリオット~』の世界観にも触れてもらえたら嬉しいですね。
今回のアルバムには、6月30日(土)に日本青年館で行うファンタジーコンサートのチケット先行受付情報が封入されているので、皆さん、よろしくお願いいたします!

<Text/小俣 猛>

【CD概要】

「零れる砂のアリア」
2012年4月25日(水)発売

品番:KDSD-00548
価格:2615円(税込)
発売元:ティームエンタテインメント
販売元:ソニー・ミュージック ディストリビューション

※初回封入特典:2012年6月30日(日)に日本青年館で行われる「Haruka Shimotsuki Original Fantasy Concert 2012 ~ FEL FEARY WEL~」のチケット先行受付情報を封入。

<収録内容>
01.零れる砂のアリア 序章
作詞:日山尚 作曲:なるけみちこ 編曲:なるけみちこ

02.零れる砂のアリア 第一楽章 悪夢
作詞:日山尚 作曲:なるけみちこ 編曲:なるけみちこ

03.零れる砂のアリア 第二楽章 邂逅
作詞:日山尚 作曲:MANYO 編曲:MANYO

04.零れる砂のアリア 第三楽章 帰郷
作詞:日山尚 作曲:岩垂徳行 編曲:岩垂徳行

05.零れる砂のアリア 第四楽章 狂気
作詞:日山尚 作曲:弘田佳孝 編曲:弘田佳孝

06.零れる砂のアリア 終章
作詞:日山尚 作曲:霜月はるか 編曲:霜月はるか

●零れる砂のアリア 特設サイト
http://www.team-e.co.jp/sp/aria/
●Maple Leaf(霜月はるか公式サイト)
http://shimotsukin.com/
●eleoL(日山尚 個人サイト)
http://eleol.net/
●グリオットの眠り姫 特設サイト
http://www.team-e.co.jp/sp/griotte/
●ティンダーリアの種 特設サイト
http://www.team-e.co.jp/tindharia/

【プレゼント】[showafter on=”2012-06-01 00:00″]プレゼントの応募期間が終了しました、ありがとうございました[/showafter]
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