新海誠の原点となる作品が装いも新たにアニメ化 『彼女と彼女の猫 –Everything Flows-』アフレコレポート

By, 2016年2月29日



『ほしのこえ』や『秒速5センチメートル』などの作品で監督を務めた新海誠氏の原作を元にしたアニメ『彼女と彼女の猫 –Everything Flows-』が3月より放送開始。新海氏が過去に自主制作した作品を新たな制作陣の手によってTVアニメシリーズ化。2月某日に行われたキャストによるアフレコ取材の模様をお届け!

――最初にキャストに決まった時の感想をお聞かせください。

黒猫役・浅沼晋太郎さん(以下、浅沼):今年で声優としてデビューしてから10年経つのですが、最初に関わった作品でも花澤さんがヒロインだったんです。ちょっとした運命を感じますね。今日も黒猫を意識した衣装を着てきたのですが、猫の声は演じなくていいと言われて、ちょっと残念でした(苦笑)。

彼女役・花澤香菜さん(以下、花澤):原作の「彼女」はあまりしゃべらないので、TVアニメではどのように演出されるのか楽しみにしていました。浅沼さんが黒猫役だということは役が決まった後に知ったのですが、うれしかったですね。

母親役・平松晶子さん:役が決まった後に、普段から印象に残っていた大成建設のCMが新海監督が手がけられた作品と知りました。圧倒的なクオリティにびっくりしましたね。

矢作さん:最近、意地悪な性格の役を演じることが多かったのですが、今回は違って良かったです(笑)。

――花澤さんは以前、新海監督の作品に出演された経験がありますが、監督はどんな方でしょう?

花澤:短編アニメの『言の葉の庭』でヒロインを演じさせていただいたときに、事前に何度も顔を合わせて打ち合わせをしました。その時に「作品をじっくりと作られる方なんだな」と感じました。また、優しくて誰からも好かれる印象がありまして、それが作品にも表れていると思います。

――また、坂本一也監督は、TVアニメでは初の監督作品とのことですが、監督の印象は?

浅沼:一言でいうと「ものすごい腰の低い方だな」、と(笑)。初監督作品ということを聞いて「こちらも襟を正してアフレコに臨まないと」と意気込んだのを覚えています。

矢作:監督のほうからコミュニケーションを取ろうとしてくださって、すごくやりやすかったです。

平松:作品作りに真摯に取り組んでくださっているのが伝わってきました。私たちと監督の、お互いの想いが作品に反映されていれば幸いです。

―本作の魅力を教えて下さい。

矢作:原作でも物語は完成されていたのですが、今回は猫の視点で彼女をどのように見ているのかが分かりやすく描かれていると思います。

浅沼:これまでの新海監督の作品は「温度を感じる」イメージだったのですが、本作ではいい意味でその「新海イズム」を薄くして、新たな感覚で楽しめる作品に仕上がっているように感じます。

平松:ものすごく行間を感じるフィルムを作られるなあ、と思いまして、元々発表されていた作品が「セピア色」だとしたら、今回は色がついてとても「カラフル」な作品になった印象を受けます。

花澤:人物の背景や心の距離感など、色々と想像できる余地があると思います。黒猫と彼女の出会いから始まり、色々なドラマが盛り込まれた作品だと思います。

<Text・Photo/ダンディ佐伯>

【アニメ概要】
『彼女と彼女の猫 –Everything Flows-』

TOKYO MX:2016年3月4日(金) 毎週金曜日23:00~23:30
BS11:2016年3月6日(日) 毎週日曜日25:00~25:30
ウルトラスーパーアニメタイム枠 「コミックス・ウェーブ・フィルム オムニバス」にて放送開始

<スタッフ>
監督:坂本一也
脚本:永川成基
原作:新海誠
キャラクターデザイン・総作画監督:海島千本
美術監督:田中孝典
編集:グッド・ジョブ
音響監督:鶴岡陽太
音響製作:楽音舎
音楽制作:ランティス
アニメーション制作:ライデンフィルム京都スタジオ
製作:彼女と彼女の猫EF製作委員会

<キャスト>
彼女:花澤香菜
黒猫:浅沼晋太郎
友人:矢作紗友里 
母親:平松晶子
ほか

●アニメ公式サイト
http://www.kanoneko.com/