二人は年季の入ったカップル!?『アップルシードXIII~預言~』坂本真綾・藤咲淳一が登壇した舞台挨拶をレポート

By, 2011年11月1日



2011年10月24日(月)より東京・新宿ピカデリーと大阪・なんばパークスシネマで、完全新作アニメーション『アップルシードXIII(サーティーン)』の劇場リミックス版の後篇『アップルシードXIII~預言~』が上映開始された。
これを記念して31日夜、東京・新宿ピカデリーにてデュナン・ナッツ役の坂本真綾とシリーズ構成を担当した藤咲淳一による舞台挨拶がおこなわれた。

―今作はプレスコという形での収録でしたが。

坂本真綾さん(以下、坂本):キャスト・スタッフ一同ディスカッションしながらの収録でした。完成形がどうなるのか分からなかったので、完成してようやくその全てが分かった感じです。

―過去に『APPLESEED』、『EX MACHINA -エクスマキナ-』といった作品が劇場公開されましたが、これらの作品と差別化するためどのようなことを考えました?

藤咲淳一氏(以下、藤咲):一度やっていることをもう一度焼き直しても仕方ないので、『APPLESEED』の物語が終わった後から進めてもいいだろう、と思いました。また、コミックスでも3、4巻あたりのエピソードはまだ映像化されていませんでしたので、そこの設定も借りてみようかな、と。ただ、テイストに関しては1巻、2巻に戻そうと意識して制作しました。

―デュナン、ブレアリオス(CV:山寺宏一)といった今作で主役のキャラクターをどのように作ろうと考えましたか?

藤咲:二人の軽妙なやりとりを出していこうと思ったのと、皆さんにと感情移入してもらえるように心がけました。ブレアリオスも若く世話好き、という性格にして、デュナンも「プロだけど自分を大切にしている」といった幼なっぽさを残すようにしました。


―デュナンは前作『アップルシード XIII ~遺言~』の舞台挨拶でも「小娘っぽく」というキーワードが出ましたが、今回も意識されましたか?

坂本:オーディションではデュナンにはりりしさが求められているのかと思い、強く意識して演じましたが、実際は「未熟な部分を残してほしい」ということだったり、感情を表に出すようなタイプだったり。
ちなみにブレアリオスとは、まるで年季の入ったカップルのように見えてしまって(笑)。お互いに思っていることをぶつけあえてしまう。彼らは兄妹のようでもあり、家族のようでもある。痴話ゲンカのようなやりとりをしつつも、根本にある二人のラブストーリーの部分は消えないように、気を付けました。

藤咲:物語が大きく動くので、今作で一度二人の物語を成立させて、もう一度見つめ直すところまで持っていきたい、と思いましたね。

―デュナンの好きなところは?

坂本:酔っぱらったデュナンがヒトミ(CV:高橋美佳子)の家に行った時に『ここまでやっていいんだ』と思いました。色々な顔をしてていいんだな、という感じで。彼女をより好きになった瞬間でした。


―坂本さんの演技で印象が変わったところはありますか?

藤咲:文字づらだけみるとプロっぽい話し方をしますが、実際にセリフを聞いてみると若くなったな、と感じましたね。

―その他のキャラクターや役者さんで気になった方はいますか?

坂本:ディアネーラです。進藤尚美さんはプライベートでも仲良くさせていただいているのですが、物語が進んでデュナンとの関係がギスギスし始めると顔も見てくれなくなって。「どうしちゃったの?」と思ってしまうくらいで。それだけ役に入られていたみたいで。実際に彼女が何を考えていたのかも非常に興味をかきたてられますし、素敵なキャラクターでした。

藤咲:オリジナルキャラクターということでデュナンには思い入れがありますが、ディアとのエレベーターの場面のやり取りが一番のキモだったんじゃないかと思います。あの場面のお芝居はとりわけ期待をかけていた部分だったのですが、その期待通りの演技をして下さいました。
それと、グリッグ役の津田健次郎さんはさすがといった演技でしたね。


―本作の見どころを教えてください。

坂本:人それぞれ『アップルシード』という作品には色々な出会い方があると思いますが、元作や過去の映像作品を観て好きだったという方には新しい気持ちで楽しんでいただけると思いますし、この作品で『アップルシード』を知った方には、過去の作品を遡って世界が広がると思います。たくさんの方に観ていただきたいです。
絵の質感、テクスチャーが私たち役者陣にも意外なものに仕上がっていて、すごい映像になっています。これは観ていただかないと分からないと思いますので、是非その目で確かめてください。

藤咲:日本のCG会社に所属する演出家の『我々が今までできなかったことを前面に出してやってみたい』という志のもとで制作しましたが、仕上がってきたものをみて『やるじゃないか』と素直に思いました。
この作品を名刺代わりに、日本のアニメ技術を成長させていって欲しいと思いましたので、注目して下さい。

なお、講談社刊『月刊アフタヌーン』11月号(10月26日発売)から宮川輝作画によるコミックス版が連載開始。
さらにBlu-ray&DVDはEPISODE#8「ディープダイブ」とEPISODE#9「女王の宝」に加え、映像特典「APPLESEED XIII the inside(メイキング)」別冊本「APPLESEED XIII ARCHIVES vol.4」収録、封入したVol.4を11月23日に発売。
12月21日にVol.5、2012年1月25日に最終巻Vol.6を発売する予定だ。
さらにWEBでEPISODE#8「ディープダイブ」が11月4日に配信予定、Blu-ray&DVDよりも先に楽しむことができるのも見逃せない。なおネットでの最終EPISODE#13「楽園」の配信は2012年2月3日予定となっている。

<Text/ダンディ佐伯>

<インフォメーション>
『アップルシードXIII~預言~』
【東京】新宿ピカデリー ほかで2011年10月24日より順次公開

☆DVD情報
『アップルシードⅩⅢ」Blu-ray&DVD vol.4
発売日:2011年11月23日(水)
価格:【Blu-ray】7,140(税込)/【DVD】6,090円(税込)
収録話数:オリジナルシリーズ第8話~9話
Blu-ray映像特典:『APPLESEED ⅩⅢ the inside』(メイキング)
封入特典:40ページ別冊本『APPLESEED ⅩⅢ ARCHIVES vol.4』

●作品公式サイト
http://appleseed13.jp/

(C)2011 士郎正宗/青心社・「アップルシード XIII」製作委員会

【関連記事】
・『アップルシードⅩⅢ(サーティーン)~預言~』舞台挨拶に進藤尚美・坂本真綾らが登壇
http://repotama.com/2011/10/8041/