『イヴの時間 劇場版』などでおなじみの吉浦康裕監督最新作『サカサマのパテマ』が2013年11月9日(土)より全国公開! 初日舞台挨拶が東京・新宿バルト9で行われ、パテマ役の藤井ゆきよさん、エイジ役の岡本信彦さん、吉浦監督が登壇。見どころを語った。
―公開日を迎えての、現在の心境をお願いします。
吉浦康裕監督:「ようやくここまできた」、という気持ちでいっぱいです。監督として劇場長編ものの映画に携わるのは今回が初めてなのですが、映画館で皆さんと一緒に観るのが好きなので、長編映画でそれができて感無量です。
藤井ゆきよさん(以下、藤井):本当に心待ちしていました。今日という日を皆様と一緒に迎えられ、嬉しいです。
岡本信彦さん(以下、岡本):台本を読んだ瞬間に「出演できてよかった」と思いましたが、完成したものを見て、その思いが強くなりました。実はアフレコは2年前からおこなっていましたので、当時の自分がそこにいる、という感じです。取材では作品の内容のネタバレがないようにするのが大変でした。
―では監督にお聞きします。「サカサマ」の構想が生まれたきっかけは?
吉浦監督:空を見上げた時に、空に落ちそうな感覚というのが昔からありまして。皆さんも1度くらいは妄想しているのかと思っていましたが、そうでもなかったみたいで(笑)。「サカサマ人間 空に落ちる」という言葉をネタ帳に書き込みまして、ずっと構想を温めていました。
―藤井さんにお伺いします。演じる上で気を付けたことは?
藤井:脚本どおりにそのまま演じたらパテマになってしまう、というくらい感情移入しやすい女の子だったので、とても演じやすかったです。物語の中でエイジと心が寄り添っていくところは気を付けて演じました。
―では、岡本さん、エイジについてお聞かせください。
岡本:エイジが住むアイガという世界は、規則を重んじるばかりに、人々をギュウギュウと縛り付ける面があり、そこに唯一疑問を感じている子です。
― 一方のパテマは掟を破って新しい世界に飛び込んでいきます。
藤井:パテマのいた地下集落は物資が足りていないですが心が豊かな人々がたくさんいます。ラゴスという、彼女にとってとても大きな存在である男性がいるのですが、旅立っていった彼にまた会いたい、という気持ちで自分も旅に出たんだと思います。
岡本:エイジは芯が強かった分、パテマと惹かれあったのだと思いますね。
―お二人をはじめとするキャスト陣のナチュラルな演技が印象的でした。
吉浦監督:今回のキャスト選びでは「初々しさ」を重視しました。藤井さんは声質からしてそうでしたし、岡本さんは役の幅がとても広く「これはいけるのでは?」、と思いました。エイジの14歳という設定にも、とてもハマりましたね。
―アフレコでのエピソードを教えて下さい。
藤井:とにかく一生懸命臨みました!
岡本:藤井さんがとてもアツい方で、あるシーンで「頭に血が上らないんです」と苦労されていました。
藤井:初日の収録でパテマが精神的にショックを受けてしまうシーンがあり、私の体調が悪くなってしまいまして……。万全の状態でアフレコに臨むため、指示出しの途中で休ませてもらったりしてしまいました……。それくらい一生懸命やりました!
ここでミニイベントの『サカサマワード 対決』コーナーがスタート。これは「パテマ」や「エイジ」などの言葉を、登壇者が逆から読んでいく、というもの。最後は藤井さんと岡本さんがお互いに対して出題。
藤井さんは「またエイジ役か」というワードで会場を笑わせ、対する岡本さんは「たけやぶやけた」と逆さ言葉を出題し、その優しさに拍手が!
さらに、コーナーの後に「お気に入りのシーンを教えて下さい」と振られると、ネタバレしないようにジェスチャーで示す3人。
さらに、劇中でのセリフをその場で披露してもらうことに。
藤井さんは「女の子の部屋に勝手に入るなんて、紳士のすることじゃないわ」、
岡本さんは「空に落ちることが罪なんですか?」というセリフをチョイス。その演技に会場からは大きな拍手が送られた。
最後に、登壇者からファンに向けてメッセージが贈られた。
藤井さん「自分の中から記憶を消して、新鮮な気持ちでまた観たいと思っているくらいの作品ですので、まだご覧になっていない皆さんがうらやましいです。世界観を楽しんで下さい!」
岡本さん「先に観た両親から『最高の映画』と言ってもらいました。色々な方々に楽しんでもらえる作品だと思います。よろしくお願いします!」
吉浦監督:今作では100人を超えるスタッフが参加してくれて、その熱意が画面に表れていると思います。この作品にかかわったすべてのスタッフを意識してもらい、作画などにも注目してもらえると嬉しいです。
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<Text・Photo/ダンディ佐伯>
●作品公式サイト
http://patema.jp/#