このイベントは昨年、東日本大震災の被災地、仙台出身の声優・佐藤聡美さんが「仙台の子供達へ音と声を届けよう!」と呼びかけてスタート。内容は声優の朗読とクラシック演奏の「声と音」のコラボレーションで、昨年も東京公演を経て、佐藤聡美さんの母校、常盤木学園の講堂で公演を行った。
司会役も昨年同様、文化放送の長谷川のび太アナウンサーを迎え、ピアニストの佐藤勝重さんの「英雄ポロネーズ」の演奏からスタート。
ピアノ演奏と朗読のコラボコーナーでは読み手自身がセレクトした絵本を朗読。佐藤聡美さんが宮西達也さん作の『おまえうまそうだな』、丹下さんがこんのひとみさん作の『かあさんのこもりうた』。『おまえ うまそうだな』は生まれたばかりの草食恐竜の子が発見した肉食恐竜を父親と思い込む温かいストーリー、『かあさんのこもりうた』は被災した少女の実話を基に書かれ、震災前に母親がしたためた手紙が時を経て少女の元に届く感動的なお話だった。
また佐藤さん、丹下さん、阪口さんの3人で読んだ『ママのハムサンド』は佐藤聡美さんの番組『ラジオ☆聡美はっけん伝』の構成作家の長濱貴一さん書き下ろし。病気を患った母親を助けたい一身で作ったハムサンドがヒーローとなり、一緒に病気を退治するファンタジックな物語。3編それぞれに佐藤勝重さんがセレクトしたクラシック曲やオリジナル曲をバックに生の朗読が聴ける、ぜいたくな時間。
ライブコーナーでは今年活動10周年を迎えたangelaが10周年記念ツアーの勢いのまま、ボーカルのatsukoさんとギター・KATSUさんが楽しく、激しいステージを展開。この日演奏された6曲の中には東日本大震災直後に制作した「Untitled」も。東北が本当に復興するまではCD化も正式なタイトルも付けないというこの曲で、震災の復興へはまだ険しい道のりが続くが、“あきらめないで”と優しく歌い上げ、演奏後には大きな拍手が起こった。
トークコーナーなど含めて約3時間のイベントになった。エンディングでは今後も東北復興へのサポートと、このイベントを続けていきたいと口をそろえた出演者一同。当イベントはこの後、仙台でも開催予定で、仙台の子供達へ生の音と声を届ける。これからも当イベントの継続を願いつつ、東北のために自分なりにできることをしたいと思わせてくれたイベントだった。