ボイスドラマと舞台で展開される『青春ゲットバック』 仕掛け人のひらさわプロデューサーと脚本・舞台演出担当のフルタジュンに迫る!

By, 2012年11月9日



『青春ゲットバック』とは、青春を満足に過ごせなかったロスト青春な人たちがキャンピングカーで旅をするという物語。
20話分のボイスドラマを無料配信して、最終話は舞台でも上演される。ボイスドラマと舞台で異なる最終話を迎える可能性も!? はたしてこの一風変わった企画がどのようにして制作されているのか、その裏側に迫ります。

―まずはこの、ボイスドラマ×舞台で構成される企画を発足するきっかけを教えてください。

プロデューサー・ひらさわひさよし(以下、ひらさわ):フルタ君は劇団フルタ丸という劇団を主催していて、僕と彼は7年くらい前からラジオやゲームのシナリオの仕事を一緒にやっていました。フルタ丸と僕らダイスとで何かコラボしようとは昔から話をしていましたが、やっと今回コラボすることができました。
ただ、どうせコラボするなら普通に舞台をやると言うよりは、僕らダイスは普段からボイスドラマなどを制作しているので、声優さんと一緒にフルタ丸の役者さんにもボイスドラマに出演してもらい、最終話では役者さんと一緒に声優さんも舞台に立つことになりました。

―なるほど。

ひらさわ:ですので僕とフルタ君がこれまで別々に作ってきたものをミックスしたような企画になりました。

脚本、舞台演出・フルタジュン(以下、フルタ):僕もまさかこんな形で物語を世に送り出すとは思いませんでしたね。

―やはりボイスドラマが先行して、最終話のみ舞台公演という形は斬新ですよね?

ひらさわ:今までないのかな?

フルタ:1つの作品でメディアミックスの一環として舞台公演を行うということはあっても、地続きで最後だけ舞台っていうのはありそうでなかったのではないでしょうか。
もちろん世の中全ての企画を把握しているわけではないので確証はありませんが……。

―舞台で行われる最終話は、ボイスドラマ19話分を聞いていないと話の筋が分からないのでしょうか?

フルタ:舞台で初見だとしても十分楽しめるような作りにしようとしています。もちろんボイスドラマをご視聴していただいている方が話に入りやすいということはありますが、ボイスドラマと舞台で一本のドラマがありつつ、舞台だけでも十分楽しめるストーリー構成だと思います。

ひらさわ:ただ、僕は1つだけビビっていることがあるんですよ。

フルタ:え、そうなんですか?

ひらさわ:最終回を舞台にするということですが、舞台の面白さの1つに見に行くまでどんなお芝居か分からないワクワク感というものがあると思います。
でも今回の企画って事前に内容を公開しているわけだからそのワクワク感を削いでしまっているような気がするんですよ。
確かに最終話が舞台でどうなるんだろうっていう期待も抱いてもらえるかもしれませんが、19話まで聞けば何となく想像できちゃいますからね。
つまり、前もって色々知られてしまうからお客さんをふるいにかけてしまっているような気がするんですよね。

―なるほど。

ひらさわ:だから『青春ゲットバック』って劇団としての集客に対しても斬新で挑戦的なんだと思います。

フルタ:確かにそういう意味で今回の企画は冒険的だと思いますね。ただ、やはりそのチャレンジブルな姿勢も僕ら「劇団フルタ丸」のモチベーションを上げる1つの要素だと思います。

ひらさわ:あと、全20話はやっぱり長い! 気軽に聞けるボリュームじゃないから敷居が高いよね(笑)。

フルタ:ですよね(笑)。

―では、続いてボイスドラマ中に流れるアニメーションやテーマ曲に関してお聞かせください。

ひらさわ:既存のボイスドラマなどでも挿絵っぽい演出は色々とあるので、『青春ゲットバック』のアニメーションは、それらとは少し違ったテイストにしようと思っていました。
ただ、まだ具体的にどのようなテイストにするか決まっていない時、先に完成したアクリルスタッブの曲を聞き、今のテイストがひらめきました。
だから曲に演出イメージを引っ張ってもらったとも言えます。詳しくは是非ご覧になって下さい。

フルタ:あの曲はまだ青春ゲットバックの世界観がぼんやりしている中で制作をお願いしたのにあれだけいい曲が出来上がってきて、ドラマの脚本のほうが引っ張られたことも正直あります。

ひらさわ:ホントいい曲ですよね。制作サイド皆の思いがピタリとハマってるんじゃないかと思いますよ。

フルタ:そうですね。スゴくハマっていると思います。

ひらさわ:最初は時間も予算もあまりないからあまり手間がかからないようにしようとしたんですけど、やっぱりあの絵と曲の相性がぴったりだったせいもあって、話が進むにつれて僕も撮影スタッフもどんどん凝りだして予定より多い素材を作ってしまいました(笑)。

―続いて出演者の方々についてお話ください。

ひらさわ:ありがたいことに、良いメンバーが集まったと思います。フルタ丸の役者の皆さんも声優としての演技がどんどんうまくなっていますよ!

フルタ:うちの役者も、みんな試行錯誤しながら声の演技を頑張っています。また、欲しいキャラの声を声優陣の皆さんがやってくれて本当にありがたいです。
それからこれは私見ですけど、声優の方ってもちろん事前に準備なさっているとは思いますが、最初から全力投球できるのがスゴイと思います。
演劇の世界は体全体を使うため、体をがっつり温めないと芝居ができないという点もあり声優の皆さんからはとても見習うところがありますね。だから舞台公演の時、そんな声優陣に刺激を受けたフルタ丸の役者陣の演技がどうなるかも僕自身楽しみです。

ひらさわ:これはもう見に来ていただくしかないんじゃないかな(笑)。「マチ☆アソビVol.9」でやらせて頂いたボイスドラマの先行公開もスゴイ盛り上がりましたし。

フルタ:僕は「マチ☆アソビ」に直接参加したわけじゃないんですけど、そのイベントの様子をビデオで見せてもらいました。あんなでかい画面であんな豪華な設備で、「贅沢!」って思いました。
最初は劇場といってもスクリーン貼っただけの仮設劇場みたいなところでやると思っていたら、あんなに素晴らしい場所でやらせていただいて本当にありがたいです。

ひらさわ:ufotable CINEMAはまさに映画館ですからね。

フルタ:まさか映画館で上映ができるなんて夢にも思っていなかったです。

―私もそのイベントの様子を拝見しましたが、メンバーの皆さんの仲の良さやお客さんとの一体感がにじみ出ていましたね。

ひらさわ:そうそう。お客さんも朝早くのイベントなのに沢山参加していただいて、そして超拍手してくれて、出演者とハイタッチもしたりしてね(笑)。イベントが終わる時も拍手が鳴り止みませんでしたし。
やっぱりネットだけじゃ手応えがイマイチ分からないけど、リアルで開かれるイベントだとお客さんの反応が目の前で見られて色々と実感が沸きますよね。ありがたいことです。
「マチ☆アソビ」から帰ってきてイベントの様子を制作スタッフに見せたら皆めちゃくちゃ喜んでいました!

フルタ:僕もそうとうモチベーションがあがりました。本当にありがたいことです。

―では最後に、お二人からこの記事を見てくださっている皆様に一言お願いします。

ひらさわ:『青春ゲットバック』、現在鋭意制作中です! 制作している僕が言うのもあれですが、この後さらに面白くなってきます!

フルタ:『青春ゲットバック』では全国をキャンピングカーで旅しているので、家にいながら旅をしている感じ、旅が終わる切ない感覚を皆さんに抱いて欲しいですね。
その為にも上手く物語が着地できるよう最後の詰めを頑張っています。皆様、是非ボイスドラマも演劇も楽しんでください!

現在ボイスドラマは第7話まで公式HPにて無料配信中。
11月29日(木)までに全20話公開予定。
新キャストに山本綾さん、清水洋介さんを迎え物語はさらなる展開へ!

<Text/チアキ>

【作品概要】
「青春ゲットバック」

【出演】
ポール   :市来光弘(マウスプロモーション)
タケオ   :大須賀純(マウスプロモーション)
富士子   :森谷里美(マウスプロモーション)※ボイスドラマのみ参加
真司    :宮内勇輝
あつこ   :真帆
ユリザベス :篠原友紀
山口    :工藤優太(TACT)
影浦    :清水洋介
凛     :山本綾 (EARLY WING)
ナレーション:栃崎貴行

牛木理人/下村恵里奈/木村健太郎

【主題歌】
「Keep on Dreaming」
ACRYLICSTAB(アクリルスタッブ)
作詞:Uyu
作曲:阿部隆大

【最終話舞台情報】
 
(※クリックするとポップアップで大きく開きます)

【日時】
11月30日(金) 19:30
12月1日(土) 14:00 / 19:00
12月2日(日) 13:00 / 17:00
(※受付開始は開演の1時間前・開場は開演の30分前)

【場所】
下北沢 小劇場「楽園」

〒155-0031 東京都世田谷区北沢2-10-18
藤和下北沢ハイタウンB棟地下1F
電話番号:03-3466-0903

【チケットのご予約はこちら】
http://dn-e.jp/ssgetback/order/

●『青春ゲットバック』公式HP
http://dn-e.jp/ssgetback/