アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の放送が終わって1年。お台場合衆国 MY BEAT スタジアムには約3,300人の『あの花』ファンが集結した。
イベント開始前にスクリーンに映し出された『ANOHANA FES.』のダイジェスト映像にも大きな反応が起こるあたり、本当にこの作品は愛されているんだなと感じる。まぁ反応があるのは、主にゆきあつなんですが(笑)。
夏とはいえ、陽も沈んだ時間だったので、意外と涼しい野外ステージ。『あの花 夏祭~超平和バスターズのお楽しみ会~』は『あの花』の最終話のクライマックスの上映から始まる。何度見ても泣けるシーン、みんなが真剣にスクリーンを見ていたと思う。そして絶妙のタイミングで流れる「secret base ~君がくれたもの~(10 years after Ver.)」…。今回はイベントということで、これが茅野愛衣(本間芽衣子/めんま役)、戸松遙(安城鳴子/ あなる役)、早見沙織(鶴見知利子/つるこ役)による生歌になるという演出だった。3人の浴衣姿もいいけど、その後ろには感動的なシーンが展開されているという、どっちに注目していいやらわからない感じ。さすがお楽しみ会、初っ端からすごい。
今回のイベントは、“超平和バスターズがみんなの願いを叶えるよ”という趣旨。願い事は、お台場に登場した『超平和バスターズの秘密基地 1 year after Ver.』に設置された“あの花お願いポスト”とWEBで募ったのだが、その中の“『青い栞』が生で聞きたい”という願いがスクリーンに映し出された。
するとGalileo Galileiが登場。北海道から「青い栞」を歌うためだけに来てくれるという彼らの『あの花』愛はしっかり受け取った。しかも今回はギターの岩井郁人が体調不良で来られなかったため、ベースの佐孝仁司がギターを、シンセなどを弾いている野口一雅がベースを弾くという、かなりレアな編成だったのだが、やっぱりこの曲を生演奏で聴けるというのは感激だった。
『あの花』を代表する2曲をいきなり生で聴いたあと、ステージには、超平和バスターズのキャスト6人が登場した。もちろん大きな歓声が起こる。6人が横一列で並んだときの感じが、本当に超平和バスターズみたいなのが素晴らしい。そしてさっそく6人がみんなの願いを叶えていく。
まずは戸松遥が、オフィシャルサイトのコーナー“きょうのめんま”ならぬ、“きょうのあなる”を収録した模様が流れる。こちらは9月2日(日)まで配信されるということで、ぜひぜひチェックを。
続いて、“ぽっぽーfight”という超漠然とした願いに、ぽっぽなりに応える近藤孝行(久川鉄道/ぽっぽ役)。ひとりでカメラを操作し、約5時間、アジアンなコーヒーをブレンドするという過酷なロケを敢行(笑)。たしかに頑張った感はすごかった。そうして完成したPPP(ぽっぽっぽい)コーヒーはお台場「ノイタミナショップ」で飲めるようだ。。
茅野愛衣は、『ANOHANA FES.』で手作りとされていた蒸しパンが、実は自分の手作りではないことをカミングアウト。“おいしい蒸しパンが作れるようになりたい”という、まさかの自分の願いを叶えるという展開に。さすが自由奔放なめんまだ、その発想はなかった(笑)。それにしても、蒸しパンを作る映像で、カメラマンがいることにしきりに反応する近藤さんが面白すぎる。
早見沙織は、“つるこ画伯の画が見たい”という願いに、超平和バスターズの6人の画を描いてみせることに…。その完成した画に、会場に衝撃が走ったのは言うまでもない。他のキャストの総ツッコミを受けてはいたが、会場に大きな笑いをくれてありがとう。
“櫻井さん、何かして?”という絶妙のフリ(願い)に答えた櫻井孝宏(松雪 集/ゆきあつ役)。秘密基地をレポートしながらも、見え隠れする白いワンピース。次第にファンの期待の声が高くなり、ついにはワンピース姿でお台場を逃走という、なかなか手の込んだ映像。“ゆきあつ、逃げ切って”という願いもしっかり叶えて、ドッカンドッカン笑わせてくれた、さすがです。
そして最後は、“『あの花』がくれたたくさんの想い出と感動をまた体験できますように”という願いに、イベント始まった時からこの事しか考えてなかったくらい緊張していると言いながら、入野自由(宿海仁太/じんたん役)が、8月10日(金)に発売された小説『あの日見た花の名前を僕達 はまだ知らない。(下)』を朗読する。REMEDIOSのBGMも素晴らしく、会場の空気が一変した。そう言えば『あの花』もユーモアとシリアスのバランスが素晴らしかったので、これも『あの花』らしいと言えるかも。
6人がみんなの願いを叶えたあとは、“超平和バスターズの一員になりたい”という願いを叶えるべく「secret base ~君がくれたもの~」を会場全員で歌おうと提案。
“超平和バスターズは” “ずっとなかよし!”という掛け合いのあとにイントロが流れると、昨年の『ANOHANA FES.』を思い出す。みんなで歌うこの曲を聴きながら、本当に名曲だなと思っていると、スクリーンに「2013年 夏 劇場版公開予定 めんまの視点で紡がれる、あの夏の物語。」という文字が浮かび上がる。驚きやら、喜びやら、感動やら、いろいろな感情が、ワッと押し寄せてきたが、それはおそらく会場に詰めかけた全員がそうだったろう、この日一番の歓声が起こった。何でも、これが一番多かった願いだそうだ。やはりまだまだ『あの花』を終わりたくない人がいっぱいいるんだなと感じた。
「みなさんが応援してくれるから、みなさんの思いがあるから僕たちがここに立っています。本当にありがとうございました。それではまた会いましょう!」という入野自由の言葉が響き渡り、最高の夏祭りは終わりを迎えた。
<Text/塚越淳一>
●アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』公式サイト
http://www.anohana.jp/