伊藤かな恵1stライブのBlu-ray/DVD発売を記念して、ファンを集めての上映会イベントが2012年6月30日、東京・山野ホールで開催された。
会場となった山野ホールのステージには家具が並び、ツアーぶりとなる伊藤家の部屋がある。緑のライブTシャツを着ているファンもちらほらいて、あのライブの風景が浮かび上がってくるようだ。
“ただいま〜、みなさん伊藤家へようこそ。今日は上映会ということで、みなさんとこのスクリーンで何かを見たりするようですよ。楽しむ準備できてますか?ライブTシャツ着て来てくれてるんですね、嬉しいです!”
そんな言葉とともに伊藤家に伊藤かな恵が帰ってきた。
そして、赤いソファーに座っていると、突然の訪問者が……。ライブでもカッコいいギターを弾きまくってくれて、デビュー曲から彼女の曲を手がけている、伊藤家のお父さんこと、ギタリストの渡辺拓也さんと、ライブではなくてはならない存在、伊藤家の親戚のおじちゃんこと、キーボーディストの宇田隆志さん&司会者が遊びに来る。ちょっとした雑談を挟んで、上映会がスタート。
ドキュメントを中心に、1stライブを振り返る約20分のダイジェスト映像の上映だったが、ソファーから降りて、観客席に背を向けて、スクリーンをがっつり見る態勢の伊藤さんがかわいらしい。
映像を見ながら4人でコメントをあてる生コメンタリーだったが、アコギを弾くシーンでは、“練習のときから弾くところが減ったことがバレる!”とか、“家で練習しました”など、ここでしか聞けないトークを披露していた。
途中、プライベートで訪れていたというベースのカッシー(カシムラ トモヤ)が登壇するハプニングもありつつ(笑)、上映は終了。
映像を見終わったあとは、ツアーを振り返るお話。
“最初がもう何が何だかわからずパニックだったんですけど、ちょっとずつ成長できたかなって。大変だったけど、楽しかったです。お客さんがサイリウムとか、手拍子とか、コールとか。すごくエネルギーが伝わってきて、負けられないな、私も頑張らなきゃなって、ステージ上で励まされました”と伊藤さん。
アルバム発売後はツアーに対する不安を口にしていた彼女だが、やはり一歩踏み出したことで、気持ちの変化は大きかったよう。
せっかく楽器を弾ける人が来ているので、という司会者の振りに、会場が盛り上がる。最初から、伊藤家の部屋にはアコギとキーボードがセッティングされていたので、察しの良い人は気づいていたと思うが(笑)、生コメンタリーに続き、ライブのサプライズが!
1曲目はデビュー曲の「ユメ・ミル・ココロ」。
ピアノとアコースティックギターのアレンジは新鮮! アッパーなポップソングを、ソファーに座りながら、しっとりと歌い上げる。間奏中に“すごい! サイリウム! 準備いいね! やると思ってた?”と声をかけるところなんかは、やはりツアーを経験した証なのかなと思ったり。
2曲目は「いじわるな恋」。今度はソファーではなく、床に座って歌う。これは本当にどっぷり聴き入りたくなる歌声だった。
“いい感じにあったまってまいりましたね(笑)。みんな騒ぎ足りないでしょ? みんな起立して、最後の曲はやっぱりあの曲ですよね。準備はオッケーですか? 今日のお客さん静かかな(笑)。もっと行けるよね! 「つまさきだち」!”
前の2曲をしっとりめに歌ったにもかかわらずのこの発言(笑)! でももちろん伊藤家のみんな(観客)は一気にテンションを上げる! ここにいるほとんど全員がライブに行っていたということで、コールも完璧だ。最後はみんなで、つま先立ちして、あっという間のミニライブは終了。
が、イベントはここで終わりではなかった。
“今日は伊藤家の上映会ですよね”という司会者の突然の振り。
そこから、この日に完成してばかりという、8月8日(水)発売の6thシングル「パズル」から「ビギナードライバー」のミュージッククリップを上映するという流れに。1stライブの上映会と見せかけて、実は新曲PVの上映会という粋な仕込み! これには会場も歓喜だ。
ちょっとボーイッシュな伊藤さんが、激しいロックナンバーをかわいらしく熱唱するPV。つなぎを着ていたり、新しい一面が見える仕上がりになっているので、お楽しみに。
ちなみにニューシングルは、発売記念のお渡し会をする予定があるそうなので、そちらは続報を待っていてほしい。
イベントの最後は出演者からの一言。
“伊藤家に帰ってくると毎回楽しい。またライブができたら嬉しいですし、また上映会もしたいですね”と渡辺さん。
“リハーサルが始まって、本番を繰り返していくうちに全然雰囲気が違うんですよ、それがすごいなと思って。新曲もあるし、ライブをやる機会があれば、もっとすごいパフォーマンスが見られるんじゃないかと思いながら見てました。頑張ってください!”という宇田さんの言葉には、“一歩一歩…”と答えていた。
“ライブは正直大変でした。でも、みなさんの顔をしっかり見れて、距離感が近い、伊藤家というライブができたことが、すごく幸せで嬉しかったです。みなさんが来てくれなかったら形にならなかったことなので、本当にみなさんのおかげだなと思っています。ありがとうございます”という伊藤さんの言葉で、イベントを締めくくった。
<Text/塚越淳一>
●伊藤かな恵 ランティス公式サイト
http://lantis.jp/artist.php?id=d2a0dda99812f2fbca8c3a79292622d4