
By, 2025年11月22日
トワエモワ(※デビュー当時はトワ・エ・モワ表記)のボーカルとして、ジャンルを問わず、多くの楽曲を歌唱してきた白鳥英美子。彼女の活動55周年を記念したベストアルバム『白鳥英美子ベスト~ミュージック・オブ・ファンタジー』が絶賛発売中!
「音楽は不思議(ファンタジック)なもの、とらえられないもの」というところからタイトルが付けられた本作。アニメやドラマの主題歌やCMソング、クラシック曲など、誰もが一度は聴いたことがあるナンバーが収録されている。
今回は白鳥さんにアルバムについてたっぷりとおうかがいした。
―まずは今回、アルバムの制作に至った経緯を教えてください。
白鳥英美子さん(以下、白鳥):キングレコードさんでは、これまでたくさんの楽曲を発表させていただいてきたのですが、このたび「デビュー55周年を記念したアルバムを作ってみませんか?」とご提案いただきまして。
そこからスタッフと「どの曲を入れよう?」、「どの順番で収録しよう?」と決めていったんです
「聴いてくださる方々に、なるべくなじみのある曲がいい」という結論になりまして、作品の主題歌やCMのタイアップ曲を中心に選びました。
―ジャケットには様々な花があしらわれていて華やかですね。
白鳥:私、サーモンピンクの色が大好きなのですが、そのことをデザイナーさんにお伝えしたら、好きな色を基調にしてくださいまして。素敵なイラストに仕上がりました!
―ここからは収録曲について、タイアップ曲を中心にお聞きします。2トラック目の「Melodies Of Life」はゲーム『ファイナルファンタジーIX』の主題歌。クリア時のエンディングテーマ曲として流れました。
白鳥:私もゲームを購入してプレイしたのですが、少し進んだだけで音を上げてしまって……。
特に、敵と戦うのが大変で。ボスが出てきたら、もうお手上げでした(笑)
「このスリルを楽しむには、もう少しゲームに慣れてなければダメだな」と痛感しましたね(苦笑)
―作中で劇伴としても使用されていたので、白鳥さんのボーカル曲をどのタイミングで聴けるのか?当時楽しみにしていたのを覚えています。
『ファイナルファンタジーIX』は登場キャラクターたちが小さくて可愛らしいのも特徴ですよね。
白鳥:はい。シリーズを重ねるにつれて、リアルさを追求するような造形になっていったようですが、本作はデフォルメ化されていて、動かしていて楽しかったです!
―11月8日(土)、9日(日)に開催された神奈川・横浜ランドマークホールで開催された「植松伸夫 con TIKI SHOW 2025」(白鳥さんは9日出演)でも披露されたとか。
白鳥:7月に発売されたアナログレコード盤「FINAL FANTASY IX 25th Anniversary Vinyl -Timeless Tale -」のレコーディングではキーを下げて歌ったのですが、コンサートでは原曲キーで歌唱させていただきました。まだ何とかなりそうです(笑)
―9トラック目の「Message ~虹~」も、『ファイナルファンタジー』ファンには大変なじみのある曲のカバーになっています。
白鳥:そうなんです。僭越ながら歌詞を考案し、歌わせていただきました。
―物語の序盤で流れるシリーズが多いので、ぜひゲームに挑戦してみてください!
白鳥:わかりました、機会があれば頑張ってみます(笑)
―白鳥さんは『ムーミン』シリーズの曲も多数歌われていますが、なかでもアニメ『楽しいムーミン一家』オープニングテーマ「夢の世界へ」は何度も披露されているとか?
白鳥:8月9日は「ムーミンの日」に制定されているのですが、今年はムーミン生誕80周年を迎え、さらに「ムーミンの日」の制定20周年ということで、“ダブルアニバーサリー”の年だったんです。
記念イベントにお呼ばれしまして、ファンのみなさんの前で歌わせていただきました!
―同エンディングテーマ「遠いあこがれ」もあわせて、懐かしく感じられている方が多いのでは?
白鳥:ありがたいことに、よくそういう声をいただきます。これからもたくさん歌っていきたいですね。
―続いて、映画『ドラえもん のび太のドラビアンナイト』主題歌「夢のゆくえ」ですが、初代作品は1991年公開だそうですね。
白鳥:気が付いたらそんなになるんですね……。この話がきたときは、夫婦で(作曲はパートナーでもある白鳥澄夫)「『ドラえもん』の主題歌が歌えるんだ!」とすごく喜んだのを覚えています。
―コンサートで披露されると、反響があるのでは?
白鳥:それこそ『ムーミン』や『ファイナルファンタジー』のファンに負けないくらいの勢いで感想をいただきます。「『ドラえもん』のなかで一番好きな映画作品です」とおっしゃる方もいて。とてもありがたいですね。
―「THE BOOK OF LIFE」は、松本零士先生が監修するアニメ『コスモウォーリアー零』のエンディングテーマですね。
白鳥:英詞の曲を作る際、いつも詞を担当していただいているリンダ・ヘンリックさんに作詞していただいたのですが、先に私から零士先生の“世界観”を伝えたんです。
―どのように伝えられたのでしょう?
白鳥:「大宇宙のなかには全世界の人たちの生死をつかさどる巨大な本があって。そこには誰がいつどのように行動するかどうかが全部書かれている」と話したら、彼女は「I know(知ってる)!」と言ったんです。そこからこの歌詞が生まれたんですね。
私はピンとこなかったのですが、先生と考え方が近い人がいるんだな、というのがわかりました。
―「LET THE RIVER RUN」はドラマ『HOTEL』の主題歌に起用されました。
白鳥:第1シリーズで歌わせていただいたのですが、その後のシリーズでも別のアーティストさんが歌い継いでくださったみたいで。とてもありがたい話です。
―私はリアルタイムでドラマを楽しんでいたのですが、毎回起こる“事件”が全部心に残るんですよね。
白鳥:そうなんです! 舞台となるホテルも海沿いの景色がきれいな場所に建っていますし、映像も物語も素晴らしくて。
いまでは受付ロビー前の大きなドアを開ける「ドアマン」もだいぶ少なくなってしまったみたいですし、時代の流れを感じますね……。
―「花束そえて」は1998年に開催された「長野冬季オリンピック」の賛歌。トワ・エ・モワとして歌われた、72年の札幌オリンピックのテーマソング「虹と雪のバラード」に続くオリンピックソングとなっています。
白鳥:オリンピックの招致に向けて作られた歌で、長野県民の方にはすごく浸透していると思います。
詞は一般公募で決まったのですが、何千通もいただいたなかから選考委員によって選ばれました。
実際にオリンピック会場で歌わせていただきましたし、会場は少し寒かったですが(笑)、いい思い出になりました!
―ボーナストラックとして、新曲「いのちの森」が収録されています。
白鳥:キングレコードさんから「新曲を入れてみては?」とご提案いただきまして。どのようなコンセプトで制作しようかと考えたところ、このたびフィンランドで『Sumio Shiratori’s MOOMIN MUSIC』を行わせていただきますし、(夫の)白鳥澄夫が「フィンランドをイメージした曲にしようか?」と案を出してくれたんです。
詞は私が担当したのですが「フィンランドの森を俯瞰して見たら、いろんな命が息づいているんだろうな……」とイメージしながら書いていきました。
大きい動物から小さい動物、植物や果ては妖精も生きているんじゃないかと想像しながら、遠い国に想いを馳せつつ書きましたね。
―フィンランドをはじめ、北欧に憧れる日本人はたくさんいると思います。
白鳥:実際の距離だけでなく、ヨーロッパのなかでも北欧って、なんだかすごく遠い場所にあるイメージってありません?
―そうですね。気候も違いますし、『ムーミン』の世界観に憧れる気持ちもそこにリンクしているのではないかと思います。
白鳥:「妖精」と聞くと、蝶のような羽根が生えた、小人のような生き物を想像される方が多いと思うのですが、『ムーミン』に出てくるキャラクター(妖精)たちは、のんびりした、平和主義的なにおいを持っている者たちばかりで。それが日本人の国民性に刺さったのかもしれませんね。
―11月末にはフィンランド・ヘルシンキで開催予定の『Sumio Shiratori’s MOOMIN MUSIC』に出演されます。
白鳥:まさか、Sumio Shiratoriの名前を冠したコンサートがフィンランドで開催されるとは思っておらず、ビックリしました……。
しかも、私は参加予定がないのですが、来年2月にも追加公演が行われるそうで。『ムーミン』人気のすごさを改めて感じましたね。
フィンランドの人たちは本当に優しい人たちばかりなんです。『ムーミン』原作者のトーベ・ヤンソンさんは、争いや人を傷つけることが本当に嫌いで、その意思が強く出ている作品だと思うんですね。
世界中で『ムーミン』が見られるようになれば、戦争なんてなくなるんじゃないかと本気で思います。
―外国ファンの方は日本語の歌詞をそのまま覚えて、一緒に歌ってくれることが多いそうで。
白鳥:そうみたいですね。「英語詞に変えず、日本語のままで歌ってほしい」というオーダーを受けることが多いです。日本に帰国したら、どんな様子だったかをお知らせできればと思っていますので、お楽しみに!
―ボーナストラックとしてもう1曲、トワエモワの「YAKUSOKU ~父に送る手紙~」が収録されています。
白鳥:本アルバムの担当者がちょうどこの曲のレコーディングに立ち会っていて。彼女から「今回のアルバムにぜひ入れてください!」とお願いされて(笑)、収録することになりました。
―改めて、今回のアルバムはどんな1枚になりましたか?
白鳥:これまで、ありがたいことにたくさんの楽曲、CDを発表させていただきましたが、なかには「この曲が入ったアルバム、持っていないんだよな……」みたいな方もいらっしゃると思うんです。
欲しかった曲が本作に入っていたらうれしいな、と。
―少々気が早いですが、2026年もいろいろと動きがあるそうですね。
白鳥:そうなんです。まだお話できないことも多いですが、「コンサートもまたやってほしい」とファンからもスタッフさんからもお願いいただいているので、どこかでお会いできればいいですね。
<インタビュアー/ダンディ佐伯・文責(編集)『れポたま!』編集部>
【CD概要】

『白鳥英美子ベスト~ミュージック・オブ・ファンタジー』
発売中(2025年10月8日発売)
<収録曲>
1. IF THE WORLD HAD A SONG(CMソング/バッハ「主よ、人の望みの喜びよ」より)
2. Melodies Of Lifefeatured in FINAL FANTASY Ⅸ
3. ヘヴンリー・ブルー(ドラマ『天上の青』主題歌)
4. 夢の世界へ(アニメ『楽しいムーミン一家』オープニングテーマ)
5. 遠いあこがれ(アニメ『楽しいムーミン一家』エンディングテーマ)
6. 夢のゆくえ(映画『ドラえもん のび太のドラビアンナイト』主題歌)
7. AMAZING GRACE(CMソング/イギリスの古い賛美歌)
8. THE BOOK OF LIFE(Album Version)(アニメ『コスモウォーリアー零』エンディングテーマ)
9. Message ~虹~(『FINAL FANTASY』メインテーマ ※ヴォーカルアレンジメント)
10. LET THE RIVER RUN(ドラマ『HOTEL』主題歌)
11. 花束そえて(『長野冬季オリンピック』讃歌)
12. いつかすてきな旅(アニメ『楽しいムーミン一家 冒険日記』エンディングテーマ)
13. しあわせのモルガーネ(映画『楽しいムーミン一家 ムーミン谷の彗星』オープニングテーマ)
14. このへ、伝えたい(映画『楽しいムーミン一家 ムーミン谷の彗星』エンディングテーマ)
15. THE EYES OF LOVE(CMソング/ヴェルディの歌劇「運命の力」)
(ボーナストラック)
17. YAKUSOKU ~父に送る手紙~(トワエモワ)(NHK『みんなのうた』)
18. いのちの森
■白鳥英美子 公式サイト:https://emikoshiratori.net/
【プレゼント】
白鳥さんのサイン色紙を1名にプレゼント!
ご希望の方は『れポたま!』公式「X」@repotama(https://twitter.com/repotama/)をフォローし、当該記事のポストをリポストしてください。当選者にはDMにてこちらからご連絡させていただきます。
応募締め切り:2026年12月19日(金)23:59まで
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