アーティスト活動の節目に、彼女の魅力があふれたステージが展開!「早見沙織10周年記念ライブ HAYAMI SAORI 10th Anniversary Live “HAYAPOP”」オフィシャルレポート

By, 2025年9月23日



早見沙織が9月21日(日)に神奈川県・パシフィコ横浜 国立大ホールにて、アーティストデビュー10周年記念ライブ『HAYAMI SAORI 10th Anniversary Live “HAYAPOP”』を開催した。

2015年8月にTVアニメ「赤髪の白雪姫」のオープニング主題歌「やさしい希望」でアーティストデビューした早見沙織。アーティストデビュー10周年のアニバサリーイヤーとなる2025年に入ると、オーケストラライブから新たなアレンジにチャレンジした「セメライブ」、トーク&アコースティックイベント、記念展示会などを精力的に開催。そして、いちジャンルにとらわれず、様々な感情をすくい上げる自身の音楽を“HAYAPOP”と名付けた本公演は、本人曰く「10年の歩みを振り返る集大成のライブ」と位置付けられており、会場は10周年のお祝いに駆けつけたファンで大いに賑わっていた。

開演時間になるとバンドマスターの渡辺拓也(Gt)を筆頭に、黒須克彦(Ba)、白井アキト(Pf)、小笠原拓海(Ds)という最強のバンドメンバーが姿を見せた。場内から早くもクラップが湧き上がる中、ピンスポットに照らされた早見がステージに登場。
オープニングを飾ったのは、1stアルバム『Live Love Laugh』の1曲目に収録されていた「NOTE」。<Hello 前を向いて/ただひたむきに 歩いて行こう/願う場所へたどりつくまで>という10周年記念ライブの幕開けにぴったりな明るく軽快なポップナンバーでライブをスタートさせると、都会的で洗練されたシティポップ「garden」、変拍子のジャズナンバー「エメラルド」と幅広いジャンルを縦横無尽に行き来し、「10年間の軌跡を詰め込んだライブということで、みんな、余すことなく早見沙織の音楽に浸って帰って欲しいし、私も全部出し尽くすのでよろしくお願いします」と挨拶すると、会場全体から祝福と期待の拍手が送られた。

「長いよ、今日」と苦笑いで伝えたあと、「夏目と寂寥」では客席から完璧なコールがあがり、「yoso」では盛大なシンガロングが発生。90’sテイストのR&Bバラード「瀬戸際」で観客を酔わせると、ライブタイトルにもなっている“HAYA POP”について、「今年だけでもいろんなジャンルの音楽を披露させていただいて。この10年間に自分が作ってきたものを見ていても、カラフルでいろんな表情やいろんな想いが乗っかっていて。1つのジャンルでは収めきれない、キラキラ光る音楽たちを1つの大きな括りで、キャッチーにポップにまとめてくれるのが“HAYA POP”となっております」と解説。

その言葉を体現するかのように、1曲の中でソウルポップからミュージカルナンバーへと変化する「PLACE」から歌謡曲「夢の果てまで」を経て、「フロレセンス」では表情が見えないほど照明の落ちたステージで、ダークで深みのある歌声を響かせると、本ライブ用アレンジとなる「祝福」から「Abyss」は彼女のアカペラによる<君に>というフレーズでシームレスに繋ぐなど、早見のヴォーカル表現の多彩さをじっくりと堪能できる時間となっていた。

これまでのジャケットやアーティスト写真、ライブ映像などをまとめたメモリアルビデオに続いて、画面に映っていたグッズの1つである“10thゴールド(早)ぬい”がスクリーンを飛び出し、等身大の着ぐるみとなって会場に現れた。観客とコール&レスポンスを繰り広げたあと、「僕らのアンサー」から「透明シンガー」「残滓」と激しく攻撃的なバンドサウンドによって観客の高揚感は一気に上昇。

エレキギターの効いたロックバラード「レイン」では止まない雨を体現し、ここからバラードコーナーへと突入。「未来に読むときに、昔の自分を思い出しながら背中を押して欲しいなっていう気持ちで作りました」という言葉の後、ライブ用曲「Memory」で不安や傷や葛藤を抱えて“ここで生きていく”という未来への決意を吐露。「琥珀糖」はピアノ伴奏のみで情感を込めて届けると、三日月と星空をバックに歌った「glimmer」でスクリーンに流れ星が流れ、「Tear of Will」では一転して壮大なスケール感を表現。またもや一気に雰囲気を変えたジャズナンバー「ESCORT」では心地の良いグルーヴで観客の体を揺らした。

「私しか答えを知らない理不尽なクイズ」という恒例の「早見クイズ」では、「私がこの夏、一番買ってよかったものは扇風機だ」というクイズが提出され、多くの観客が「YES」を挙げて正確を獲得。観客のコミュニケーションを楽しんだ早見は、「私の中の最大の可愛い気持ちが生まれて来ました! 可愛くやっていこう!!」と宣言したあと、Hony Works「可愛くてごめん」を振り付きでキュートにチャーミングにカバー。

「もっともっと笑顔になってもらいたい」という言葉に導かれた、アニメ「トニカクカワイイ 女子高生編」のオープニング主題歌「plan」では、再び呼び込まれた“10thゴールド(早)ぬい”とともにステージを所狭しと動き回り、「Ordinary」、バンドならではの大胆なライブアレンジが施された「curtain」と“あなた”の日常や人生に寄り添うという想いのこもった楽曲を続け、ステージと観客の距離をグッと縮めてみせた。

  

12月からNetflixにて独身配信されるアニメ『終末のワルキューレⅢ』のエンディングテーマで配信リリースが決定している新曲「Last breath, Last record」からライブはいよいよクライマックスへ。
場内が真っ赤なペンライトで埋め尽くされた「視紅」から「Installation」「その声が地図になる」と高速のロックナンバーで観客の拳と声を上げさせると、デビューシングル「やさしい希望」は当時のMVをバックに歌唱。「Jewelry」では再び(早)ぬいの着ぐるみが登場し、場内を周回して観客を盛り上げると、早見の<大丈夫>という呼びかけに応えるかのように大合唱となり、会場は多幸感で満ち満ちていった。
そして、「Guide」で暗闇から手を掲げて<誰にも似てない私だけの光>を掴んだ彼女は、最後のMCでこれまで関わってきた全てのスタッフや家族、友達、ファンに向けて丁寧に感謝を伝えた。

「自分の一個人の心から生まれてきた表現が皆さんの元に届いて、大切にしていただいて本当にありがたいと思います。これからも光を届けていけるように、歌とともにあれるように頑張っていきます」と決意を表明。自身のリアルな感情を刻み込んだ「Awake」で全てのエネルギーを解き放つかのように歌い上げると、場内が命の輝きにも似た真っ白い光に包み込まれる中でエンデイングを迎えた。

 

アンコールなしの全32曲を約3時間で歌い切った彼女が笑顔で手を振りながらステージを後にすると、終演後のスクリーンには「10周年ありがとうございました。これからも 音とみんなとともに。」という手書きメッセージが流された。過去、現在、未来。そして、光と闇を鮮やかに繋げながら、シンガーソングライターとして、ヴォーカリストとしての魅力をダイレクトに発揮した早見沙織。11年目の音楽活動も楽しみになる、まさに10周年の集大成と言えるライブだった。

 

【セットリスト】
01. NOTE
02. garden
03. エメラルド
04. 夏目と寂寥
05. yoso
06. 瀬戸際
07. PLACE
08. 夢の果てまで
09. フロレセンス
10. 祝福
11. Abyss
12. 僕らのアンサー
13. 透明シンガー
14. 残滓
15. レイン
16. Memory
17. 琥珀糖
18. glimmer
19. Tear of Will
20. ESCORT
21. 可愛くてごめん
22. plan
23. Ordinary
24. curtain
25. Last breath, Last record
26. 視紅
27. Installation
28. その声が地図になる
29. やさしい希望
30. Jewelry
31. Guide
32. Awake

【バンドメンバー】
Vocal:早見沙織
Guitar & Bandmaster:渡辺拓也
Bass:黒須克彦
Piano:白井アキト
Drums:小笠原拓海

●早見沙織 オフィシャルサイト
https://hayamisaoriofficial.com/
●早見沙織 公式「X」
@hayami_official

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