原 悠衣が原作の人気漫画『きんいろモザイク』(通称『きんモザ)』の連載15周年を記念したイベントが2025年3月9日(日)に神奈川・川崎チネチッタで開催された。
昨年2月に秋葉原で開催された「『きんいろモザイク』TVアニメ化10周年記念 スペシャルトークイベント」以来となる『きんモザ』イベント。
今回は16年公開『きんいろモザイク Pretty Days』、そして21年公開の『劇場版 きんいろモザイク Thank You‼』と劇場版2作が上映されたほか、メインキャスト6名(大宮 忍役・西 明日香、アリス・カータレット役・田中真奈美、小路 綾役・種田梨沙、猪熊陽子役・内山夕実、九条カレン役・東山奈央、松原 穂乃花役・諏訪彩花)、そしてアニメーションプロデューサーの富岡哲也氏が登壇。内山さんいわく「いくつかの候補日のなか、全員のスケジュールが合ったのがこの日だけだった」そうで、作品ファンに向けて「サンキュー(3月9日)」の気持ちをたっぷりと届けた。
ここでは「12時30分回」の模様をレポートする。
イベントのチケットは即日完売! 超満員の会場に向けた、開演前の影ナレーションは日暮香奈役・奥井ゆうこさん、そして西さんが生ナレーションを担当した。
「アニメ10周年のイベントから1年、元気にしていましたか~?」と西さん。さらに客席を盛り上げるため「金髪! 金髪!」のコール&レスポンスを行ったのだが、登壇者の待機場所の防音環境が素晴らしく、残念ながら会場の盛り上がりが伝わってこなかった様子……。西さんのそばにいた5人の笑い声も聞こえ、開演前から場内は大盛り上がりだった。
まずはキャスト6人による音楽ユニット・Rhodanthe*(ローダンセ)(22年に卒業)のライブタイトルにも使用された、作品ファンにとってはおなじみのコール&レスポンス「ハロー!」(登壇者)、「コンニチハ!」(客席)からスタート!
『TVアニメ化10周年記念イベント』に続き、この日も西さんが司会者ポジション(タイムキープ)を担当したのだが、前回は進行に必要な時計を忘れてしまい、客席のファンの時計をたよりに進めていったという経緯が……。西さんの問いかけで、そのときのファンが来場していたことが判明し、会場から大きな拍手が上がっていた。
最初のコーナーは、劇場版を中心に振り返る「『Pretty Days』『Thank You!!』想い出話」。
富岡さんは『Thank You!!』で監督を務めた名和宗則さんと、アリスとカレンの母国・イギリスに取材に行ったときのエピソードを語った。
「尺の関係で泣く泣くカットしたシーンがあるのですが、とりわけ僕の推しである(大西沙織さん演じる)久世橋朱里先生たちと行く『猫カフェ』のエピソードは絶対に残したいと思っていまして……」と切り出し「『猫カフェ』をしっかり取材し、絵コンテも描いたんですよね……」といまだにあきらめきれない様子。切実な想いを受け取ったキャスト陣からは「ミニアニメを作りましょう!」と提案があり、オーディエンスも同調していた。
さらに、忍たちが京都・奈良を巡った修学旅行のシーンに関しても言及。取材で撮ってきた現地の写真を参考に、1人の作画担当者が描き切ったそうで、当時の働きを労う登壇者たち。本イベントに来ていることも明かされ、ファンからも温かい拍手が上がっていた。
ちなみに富岡さんいわく、名和監督は“陽子推し”だったそう。ちなみにテレビアニメシリーズと『Pretty Days』を手がけた天衝監督の“推しキャラ”に関しては「そういうことは、あまり話したがらないので……(笑)」とのことだった。
続いてはキャスト陣による「『Pretty Days』を中心とした思い出」。
本作ではアドリブがたくさんあったそうで、内山さんいわく「アフレコが進むにつれて、息の合わせ方がどんどんサマになっていき、阿吽の呼吸もできるようになっていきました。西さんの勢いがとにかくすごかったです(笑)」と振り返り、その西さんからは「私たち、原作者の原先生のことが大好きで。第一期の打ち上げのとき、キャスト一同で『本当に素敵な作品をありがとうございます!』とお礼を言ったのを覚えています」と『きんモザ』愛が強まったエピソードが紹介された。
ちなみに、諏訪さん演じる穂乃花が本格的に登場し始めたのは、物語が進んでから。イベントやRhodanthe*のライブも途中から出演するようになったので、キャスト陣と原先生の「お決まりのやり取り」を知らなかったそう。
東山さんは「私たちはイベントでついついアドリブをしてしまうので、先生に『(今回も)勝手なことをして申し訳ございませんでした』と土下座をしていたのですが(笑)、諏訪ちゃんが初めてそのシチュエーションに立ち会ったにも関わらず、私たちに続いてとっさに土下座したのが印象的です」と笑顔でエピソードを語っていた。
そして、田中さんは「過去に開催された『まんがタイムきららフェスタ』の朗読劇で、どれだけネタを入れられるか? を競っていました(笑)」、西さんは「私たちはまだ出たてだったので、爪痕を残すためにいろいろ無茶してました(笑)」と当時の思い出を笑い話を交えながら紹介していた。
続いて、全国で展開された作品関連の展示会「『きんいろモザイク展』の想い出話」。
22年に行われた「劇場版『きんいろモザイクThank you!!』展」の横浜会場には、日程はバラバラになってしまったものの、全員が訪れることができたそう。
また、23年開催の『超・きんモザ展』東京会場メンバー数名で訪れた際には、西さんがお子さんをを連れてきたそうで「『ママだよ』と言いながらRhodanthe*の展示を見せていたのが印象に残っています」という裏話も飛び出していた。
続いては『超・きんモザ展』で流されたキャストコメントから、イベントディレクターが厳選した3人の音声コメント(田中さん、烏丸さくら役・佐藤聡美さん、東山さん)が紹介された。
思ったよりもコメントが長く、メッセージに合わせてジェスチャーを披露する田中さん(笑)
そのほか、「オーディションのとき『烏丸先生は英語の担当ですが、英語を話せなくても大丈夫です』と言われました」(佐藤さん)、「カレンはTVアニメ第一期では第3話から本格的に登場したのですが、第2話の現場にもお邪魔し、現場の空気感を学ぶことができたので、役にスッと入れたと思います」(東山さん)など、アフレコに関するエピソードが紹介された。
また、富岡さんからは「烏丸先生が歌う『トーテムポールの歌』は佐藤先生のアドリブで、“フルコーラス”も披露してくれたことがあります」という裏話も語られ、大いに盛り上がった。
また、アフレコ前に行われた「セリフの読み合わせ」では、第12話に登場する、メインキャストによるミュージカルパートが行われたそう。東山さん不在のなか、内山さんがカレンのパートを担当したとのこと。富岡さんは「種田さんの歌声は特に印象に残っています」と当時を思い出しながら語っていた。
最後は「『きんモザ』グッズ 想い出話」コーナー。登壇者が持ち寄った、自慢の『きんモザ』グッズを写真や実物を交えて紹介していった。
西さんが紹介したのは「クリアファイル&忍のぬいぐるみ」と「変な人形クッション」。「『きんモザ』グッズのなかでは異色な(忍の愛読誌)『金髪少女倶楽部』のクリアファイルがとくにお気に入り」だそう。
田中さんは「『Thank You!!』の入場特典(ランダムしおり)」「アリスのサクラサクコスチュームアクキー」を紹介。しおりは原先生の描きおろしという豪華仕様で「しおりを使って、イベントの楽屋でキャスト陣とアテレコしたのがいい想い出です!」。なお、現在も公式「X」で観ることができるとのことだ。
種田さんは、アニメのシーンを使って英語が学べる「『きんいろモザイク』と英語レッスン」を紹介。
「自分の出演作から、英会話が学べる書籍が刊行されてうれしいです。デジタル版含め、また出してほしいです!」と話すと、富岡さんからは「知り合いのお子さんが、本書を使って勉強して大学に受かった、という話を聞きました」との裏話も飛び出し、場内を盛り上げていた。
内山さんは、「たくさんあって迷ったのですが」と前置きし、「メインキャラクターのアクリルスタンド」をチョイス。イギリスが描かれた背景と合わせてレイアウトを楽しんでいるそうだ。
東山さんは「原悠衣 キャンバスアート」。こちらは実際に『きんモザ展』で展示されていたものが賞品となった「1点もの」。「元々はまなみん(田中さん)がガラポンで当てたのですが『イラスト的に、奈央ちゃん(東山さん)が持っていたほうがいいと思うから』交換を提案してくれたんです」と、自分の当選品とトレードしたことを明かし、「このあと、みんなにサインを入れてもらいます!」と笑顔で話していた。
諏訪さんがセレクトしたのは「穂乃花のアクスタ」、「イラスト色紙」、そして「大感謝湯呑み」。「たまにこの湯呑みでお茶を飲んだりしています。アニメが終わっても、グッズをずっと出し続けてくれるのは本当にありがたいことです!」と感謝の気持ちを述べていた。
そして富岡さんは、もちろん「久世橋先生のアクリルキーホルダー」。「先生のグッズはあまり出ていないので……。久世橋先生の『親衛隊長』として買わせていただきました!」と言い放ち、笑いを誘っていた。
楽しい時間はあっという間。西さんの必死のタイムキープも実らず(?)時間が押してしまった今回のイベント。
最後は登壇者からメッセージが贈られた。
「(カレンからプレゼントをもらったときの、穂乃花のセリフにかけて)今日みんなに会えて、ありがたき幸せ!」(諏訪さん)
「ライブが終わってからもこうして集まれる機会があると思っていましたが、こうして1年に1回あえてうれしい。また来年も会いましょう!」(東山さん)
「『きんモザ』の現場には、実家のような安心感があります。これがずっと続いていけたらいいなと思っています。末永くよろしくお願いします!」(内山さん)
「還暦を祝うまでみんなと一緒にいれたらいいな、と思っています(笑)
今後もよろしくお願いします!」(種田さん)
「みんなに会えてうれしい! “さーんきゅ”!!」(田中さん)
「これだけたくさん会う機会があるので、Rhodanthe*は卒業する必要がなかったのでは(笑)? そして 『同窓会的なイベントを何回するんだ』という気持ちですが(笑)、イベントは何度やってもいいものですね。今後もイベントの機会が増えたらうれしいです。今日は来てくれてありがとう!」(西さん)
「こうして『きんモザ』を愛するみなさんに会えてうれしいです。これからも作品を大切にしていきます!」(富岡さん)
ラストは「きんいろ~」、「モザイク!!」のコール&レスポンスが行われ、大きな拍手に包まれてステージは幕を閉じた。
<レポーター/ダンディ佐伯・文責(編集)『れポたま!』編集部>
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●アニメ「きんいろモザイク」公式「X」
@kinmosa_anime