2024年~25年にかけて行われた田所あずさのライブツアー、その千穐楽となる東京公演が25年1月24日(金)に東京・Zepp Hanedaで開催された。
24年7月にリリースされたミニアルバム「Ivory」を引っさげた今回のツアー。収録曲はもちろん、これまでに発表してきた名曲たちも披露し、集まったファンを沸かせた。
ステージ上には細い白布が張り巡らされた空間が広がり、照明が当たるたびに楽曲にマッチした雰囲気を創り出していた。
開演を迎えると、バンドメンバーに続き、白い衣装で登場した田所さん。まずはスポットライトを浴びながら「ハワイムーヴ」、ピンク色の光に照らされ「ドラム式探査機」を歌唱した。
最初のMCでは詰めかけたオーディエンスに向けて、次々と質問をしていく田所さん。「『Ivory』のアルバムを聴いてライブに来てくれた人~?」という問いかけに、多くの手が上がったのを見て、アルバム制作に携わったギター・神田ジョンさんと一緒によろこびを爆発させていた。
ちなみにこの日は開演前にメンバーと円陣を組まなかったそう。
「来てくれたみなさんに自分の緊張が移ってしまうと申し訳ないと思いまして……。私自身がリラックスしてステージに立つために」という理由だったそうだが「そのせいか、なんだかライブが始まった感がしなかったんです……」と苦笑い。急遽ステージ上で円陣を組むことになり、オーディエンスと一緒に気合を注入していた。
仕切り直したあとに繰り出したのは「Visual Vampire」。「みなさんもクラップで参加してください!」と客席をあおり、アウトロでは拳を突き上げながらノリノリで歌唱した。
ギターの小気味いい音に合わせ、「ソールに花びら」を切なさを込めて歌い上げると「そろそろリラックスしてきましたか?」とファンに問いかける田所さん。
彼女を捉えるカメラがたくさん設置されているのを見て「(豪華な設備で)ここが東京ですか……」とつぶやき、オーディエンスを笑わせると、声優仲間との温かいエピソードも披露しつつ、次の曲へ。
緑色の光を浴びながら「箱庭の幸福」、さらに伸びやかな歌声で「産声はハミング」と続けると「アコースティックコーナー」がスタート!
「ツアーは緊張するので、自分もお客さんもゆったり楽しめるように」という田所さんの発想から生まれたアコースティックライブ。これまでも神田さんとキーボード・柴﨑洋輔さんと3人で「AZUSA TADOKORO ACOUSTIC LIVE-KoroAco-」(通称「ころあこ」)と称したライブを開催してきた。
「『ころあこ』の雰囲気が伝わるステージになると思います」と紹介したあと、中央に用意されたイスに座り、まずは「Straight Forward」を披露。サビではいろとりどりの光が当たり、「ヤサシイセカイ」では、この日キーボードを務めたCoba84(こばやし)さんが加わり、文字通り優しい音色で楽曲に彩りを添えた。
続くMCでは、初参加のCoba84さんとのコミカルなやり取りが展開。田所さんの「Cobaさん、ピアニストっぽくないですよね」という振りに、「ギャップがあればモテると思ったので。おかげさまで2児の父になりました!」と返し、場内から大きな拍手が挙がった。
逆に、田所さんとは長い付き合いのドラム・MIZUKIさんから衣装について振られた田所さんは「ボタニカルな衣装でとてもお気に入りです!」と笑顔でコメントしていた。
メンバーとの仲のよさを見せながら、最後のアコースティックナンバー「純真Always」。「みんなにもぜひ歌ってもらいたいです!」と言い放つと、自然とクラップが沸き起こるなか、手を振りながらステージを右から左へ縦断した。
変わって、「家弁慶in da house」では寒色の光に照らされ、愛猫との掛け合いのラップが会場に響き渡る。心の叫びを歌に乗せたあとは、赤い光に包まれ、ムーディーな雰囲気のなか「レイドバック・ガール」を披露した。
ライブは早くも最後のブロック。大阪公演ではセットリストに入っていなかった「ツボミノコエ」をファンに語り掛けるように歌唱すると、真っ赤な光が明滅するなか「DEAREST DROP」を披露。客席からは「オイ! オイ!」と田所さんの背中を押すような掛け声が自然と上がり、ここからさらにボルテージが上がっていく。「リトルソルジャー」を飛び跳ねるように、そして軽快にステップを踏みながら「アイボリー」を披露。最後はオーディエンスと一緒にジャンプしてステージを締めた。
迎えたアンコールでは、ライブグッズのスウェットにチェックのロングスカートというコーデで登場!
バンドメンバーたちもスウェットを思い思いのアレンジで着用してステージに現れたのだが、ひときわ目を引くCoba84さんの秀逸な着こなしに、田所さんは目からウロコ。
「これだけの着こなしを見せられたら、たくさん売れるかもしれませんね(笑)
普段使いもできるので、ぜひゲットしてください!」とアピールしていた。
ステージはいよいよ残すところあと2曲。
「Last Thursday」では弦楽器隊が前に出て、舞台上を自由に動き回りながらのパフォーマンスを披露。客席にマイクを向ける一幕も見せ、ステージを盛り上げると、「みんなからもらった手紙をもとに作った、この曲をお届けします!」とラストナンバー「アンカット」を披露。リズミカルな動きを見せながら歌い上げ、会場が一体となった。
なお、この日はベストアルバムの発売が決定したことが本人の口から明かされた。「みなさんによろこんでもらえるよう、打ち合わせを頑張ります!」と期待をあおるコメントを残した田所さん。2025年も“ころあず”の活躍から目が離せない!
<レポーター/ダンディ佐伯・カメラマン/江藤はんな(SHERPA+)・文責(編集)『れポたま!』編集部>
●田所あずさ アーティストサイト
https://www.lantis.jp/artist/tadokoroazusa/
●田所あずさ 公式「X」
@AzusaTadokoro
●田所あずさ 公式インスタグラム
https://www.instagram.com/azusa_tadokoro/