By, 2023年8月2日
これまで数多くのアニメソングやゲームソングを歌ってきた栗林みな実。
彼女のアニソンシンガーデビュー20周年フルアルバムが2023年8月2日(水)リリース! 収録された10曲はすべて新曲。さらに彼女自身が全曲作詞・作曲を手掛けた意欲作となっている。
「楽曲制作のことだけを考えた数か月は人生で初めてかもしれない」という、濃密な制作活動を終えた栗林さんに話をうかがった。
―これまでのアーティスト活動を振り返っていただけますか?
栗林みな実さん(以下、栗林):これまでシングルを41枚発表させていただいたのですが、ありがたいことにそのほとんどがタイアップ曲になっていて。そう考えると「本当に多くの作品に支えられてここまで来たんだな」というのを感じますね。作品に関わられた方々には、感謝してもしきれません。また、シングル曲だけではなく、たくさんの楽曲を今日まで歌い続けてこられたのはいつも応援してくれるくださっているファンのみなさんのおかげです。
―アーティスト活動以外では、個人的には03年~05年にかけて放送されていた『君が望む永遠』のWEBラジオ『君のぞらじお』の思い出も強いです。
栗林:ちょうど20年前に放送が開始されたんですよね。私にとって“青春時代”のような時期でしたし、パーソナリティのみんなとも毎回楽しく収録できたので、忘れられない思い出のひとつです!
―栗林さんは6月に初の写真集『Precious Memories』も発売されましたね。
栗林:タイトルの『Precious Memories』(テレビアニメ『君が望む永遠』OPテーマと同名)からピンとくる人もいるかもしれませんが、『君が望む永遠』の“聖地”でもある横浜の「清水ケ丘公園」や「東京ビッグサイト」で撮影してきました。
20周年を飾るひとつのツールとして、手元に置いていただけたらうれしいです。
―では、アルバムが発売されることになった経緯を教えてください。
栗林:これまではアニバーサリーイヤーに「ベストアルバム」という形で「私がどんな曲を歌ってきたのか」がわかるような作品をリリースしてきました。
今回は「新曲だけで1枚のアルバムを作ろう」という話になったのですが、実は47都道府県を回るライブツアーの話が先に上がっておりまして……。
―「せっかくだから、新曲満載のアルバムを引っさげたツアーに」という流れになったと。
栗林:そうなんです。最近は配信リリースも増えてきましたが、「CD」という形でリリースすること、実際にみなさんの手にとっていただける機会を作ることができて嬉しいです。
―収録曲は、すべて栗林さん自身が作詞と作曲を担当されています。
栗林:ディレクターさんから「全曲、作詞作曲に挑戦してみませんか?」と聞かれたのですが、ここ最近は楽曲制作にあまり力を入れていなかったこともあり、不安な気持ちからすぐに返事ができませんでした。
でも、「やりたい!」という気持ちが湧き出てくるのが音楽家の性でして……。提案してくれたことに感謝しつつ、楽曲の制作作業に入りました。
―どのようなコンセプトで作り始めたのでしょう?
栗林:とにかく、自分が「好きだ」と思うようなものやことを形にしたいと思いまして。かと言って、最初から「このテーマと、このテーマの曲を作ろう」と計画的に決めていったわけではなく、日々起こる出来事で気になったエピソードがあれば、それを曲にする……というスタンスで制作していきました。
結局、3~4か月の間に10曲すべて作ったのですが、短いスパンでこれだけの曲数を書いたのは初めてだと思います。
―制作するにあたり、とくに大変だったことはありますか?
栗林:私の場合、作詞・作曲作業だと、圧倒的に作詞が苦手で。自分がたくさんいれば別ですが(笑)、私1人の人生では、なかなか曲のテーマ・エピソードが生まれてこないんです……。ですので、何曲かは友人や仕事仲間に起こった出来事をもとに詞を書いたりもしました。
―アーティスト写真とジャケット写真は同じ場所で撮影されたとか?
栗林:はい。茨城県の日立市、ひたちなか市にお邪魔し、「海の見える駅」として有名な日立駅や海沿いで撮影してきました。駅も海もすごくきれいで、楽しい1日になりました!
―『LEAP』というタイトルはどのようにつけられたのでしょう?
栗林:「20年間やってきた集大成」というよりも「これからもずっと歌っていきたい」という気持ちを込めて「LEAP(跳躍する)」というタイトルにしました。
―では、ここからは1曲ずつご紹介いただきます。タイトルチューンの「LEAP」は、小高光太郎さんが編曲を担当されています。
栗林:この曲を作ったとき「小高さんのストリングスアレンジが絶対合うだろうな」と思い、お声がけさせていただきました。1トラック目にふさわしい、華やかな雰囲気になりました。
人は生きていると、周りの言葉に翻弄されることがあると思うんですね。自分の置きどころを作り、自分と向き合っていくことが大切なんじゃないか、ということを歌詞にしています。
ずっとこのテーマで曲を作りたいと思っていたので、今作で実現できてよかったです。
―「♡に気をつけて。」は面白いテーマで作られたそうですね。
栗林:編曲の前口ワタルさんとは11年前にご一緒したことがあり、そのときもすごくカッコいいアレンジをしてくださったのを覚えていて。「ギャグのような曲をいかにカッコよく聴かせるか?」というテーマを汲んでくださり、ありがたかったですね。
―「曖昧♪モーメント」は恋愛にまつわるテーマで制作されたとか。
栗林:「恋愛に発展する? 発展しない?」という微妙なラインの物語をシンプルな歌詞で綴っています。編曲の三好啓太さんとは、昨年発表した「シュガー・シュガー・スパイス」という曲でご一緒して「メチャクチャかわいいアレンジをされる方だな」と思ったので、ぜひお願いしたいと。思い描いたとおりの世界観を作っていただきました!
―「Prism Girl」は聴く人の背中を力強く押してあげる「応援ソング」です。
栗林:辛いことがあっても笑顔で働く、そんな強く生きている女の子たちの応援歌になればと思い、制作しました。編曲を担当された伊根さんとは「Firewood」という曲でご一緒し、いまは同じ事務所に所属しているというご縁があります。とてもカッコよく、ロックな感じで仕上げていただきました!
―「星の息吹」は優しいメロディが特徴的ですね。
栗林:昨年『栗林みな実のMinami Talkx』という1人しゃべりのラジオ番組をやらせていただいたのですが、「みんなのこもりうた」という持ち歌を、子守歌風にアカペラで歌うコーナーがありまして。思った以上に反響があったので「あまり気を張らずに歌える曲があってもいいのかな」という想いで作った曲です。みなさんの癒しの1曲になればうれしいです!
―「seed of hope」は幻想的なアレンジも特徴的です。
栗林:「歌いこなすのが難しい曲が1曲ほしい」と思い、作った曲です。
人生は「選択の連続」ですが、そのなかで「自分の意思に反しているけど、選ばざるを得ない」……みたいな、葛藤する場面が出てくると思うんです。そんな場面に一生出会い続けていかなければならない、ということを歌ってみました。
編曲の田熊知存さんは今回初めましての方なのですが、素敵にアレンジしてくださり「またご一緒したい!」と思いましたね。
―「find oneself」はラスサビ前のアレンジが印象的です。
栗林:草原で風が吹いているような、とにかく疾走感のある「爽やかな曲を作りたい」と思いながら制作しました。コンセプトは「LEAP」に少し近いかもしれません。
編曲は元fhánaの和賀裕希さんにお願いしました。fhánaにいたころ、お仕事でご一緒したことはあったのですが、こうして楽曲制作に携わっていただくのは初めてで。爽やかなバンドサウンドに仕上げてもらいました。レコーディングでのディレクションもすごくわかりやすく「音楽が本当に好きなんだな」というのが伝わってきました。
―「マロンな両想い」には、栗林さんのファンに対する気持ちがたっぷり詰まってます。
栗林:ファンのことを「栗家族」と呼んでいるのですが、みんなのことを歌った曲を作りたい、と思いながら制作しました。「栗家族とはいつも両想いでいたい」と思っているのですが、両想いを続けていくのってとても難しいことだと思うんです。一方で、片思いをし続けるのも幸せだと感じていまして。それを歌詞で表現しています。
曲調は「とにかく楽しく」を意識し、ライブで合いの手を入れやすいようなメロディラインにしています。編曲のh-wonderさんもその意図を汲んでくださって、素晴らしいアレンジをしてくださいました。
―「永遠の少女たちへ」は、昔からのファンにはとりわけノスタルジーを感じる曲ではないかと思います。
栗林:繊細な女の子の表情を歌で表現したいと思い、作った曲です。編曲はギタリストの飯塚昌明さんなのですが、ディレクターさんがオファーしてくれたんです。
私もお願いしたい気持ちはあったのですが、GRANRODEOの活動もお忙しいでしょうし、自分からお願いするのは気が引けていたので……。「飯塚さんに決まりました」と聞いたときは、驚きましたしうれしかったですね。
この曲は『君が望む永遠』感がすごくあり、間奏のギターも飯塚さんらしさが出ていて。なおさら飯塚さんにお願いしてよかったです。アニメのオープニング映像を流しながらこの曲を聴いてみたいと思いました!
―ラストトラックの「voice again」は希望に満ちたメロディラインが耳に残ります。
栗林:アルバムで1番最初に作った曲です。最初に「ライブツアーが先に決まった」とお話しましたが、この曲は、言わば「ツアーのテーマソング」ですね。
「自分の声をもう一度聴きたい」という気持ちが「voice again」という曲タイトルにつながっています。
Sakuさんはギターでライブツアーにも参加していただく予定なのですが、音から希望を感じさせるような、すごくきれいなアレンジをしてくださいました。
―インタビューの冒頭でもお話いただきましたが、47都道府県を回るライブツアーがいよいよ8月より開催されます。
栗林:日本全国のみなさんの前で歌うことができるのが、いまから楽しみです!
ちなみにツアーを開催するにあたって、どのくらいの都道府県に行ったことがあるか調べてみたら、プライベートを含めて約半分ほどだということがわかりました。行く先々で発見があると思いますので、楽しみにしたいと思います。体調を万全にして臨みますので、みなさんも元気でお会いしましょう!
<インタビュアー・カメラマン/ダンディ佐伯・文責(編集)『れポたま!』編集部>
【CD概要】
『LEAP』
2023年8月2日(水)発売
価格:3,300円(税込み)
【収録楽曲】
01. LEAP
作詞・作曲:栗林みな実 編曲:小高光太郎
02. ♡に気をつけて。
作詞・作曲:栗林みな実 編曲:前口ワタル
03. 曖昧♪モーメント
作詞・作曲:栗林みな実 編曲:三好啓太
04. Prism Girl
作詞・作曲:栗林みな実 編曲:伊根
05. 星の息吹
作詞・作曲:栗林みな実 編曲:太田貴之
06. seed of hope
作詞・作曲:栗林みな実 編曲:田熊知存 (Dream Monster)
07. find oneself
作詞・作曲:栗林みな実 編曲:和賀裕希
08. マロンな両想い
作詞・作曲:栗林みな実 編曲:h-wonder
09. 永遠の少女たちへ
作詞・作曲:栗林みな実 編曲:飯塚昌明
10. voice again
作詞・作曲:栗林みな実 編曲:Saku
【ライブ概要】
『栗林みな実 LIVE TOUR 2023 “voice trajectory” 』
8月19日(土)【神奈川】横浜BAY HALLを皮切りに、全国47都道府県で開催予定。
【チケット】
全自由:5,000円(税込み)(1D代別)
UNDER18チケット:1,000円(税込み)(1D代別)
※枚数制限 4枚まで。
※UNDER18チケットをご購入の方は学生証や保険証等を必ずお持ちください。
●栗林みな実 公式サイト
http://kuribayashi-minami.jp/
●栗林みな実 公式ツイッター
@minamiracle6_6
【プレゼント】
栗林さんのサイン色紙を1名にプレゼント!
ご希望の方は『れポたま!』公式ツイッター@repotama(https://twitter.com/repotama/)をフォローし、当該記事のツイートをリツイートしてください。当選者にはDMにてこちらからご連絡させていただきます。
応募締め切り:2023年8月25日(金)23:59まで