「Fate/stay night」・「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ」など「Fate」シリーズでイリヤスフィール・フォン・アインツベルンを演じる門脇舞以による合同オフィシャルレポートが公開となりました。イリヤとの出会いや、門脇舞以にとってのイリヤなど、両作品の魅力を語って頂いております!
来年2019年1月12日(土)に第二章が公開する劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」・OVAの制作が決定した「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ」の今後の展開にご期待下さい。
――門脇さんとイリヤスフィール・フォン・アインツベルンの出会いをお聞かせください。
門脇:最初の出会いはアニメ「Fate/stay night」のオーディションでした。そのときはセイバー役を受けていて、別役として遠坂凛ちゃんを受けていて。イリヤなどのオーディションを行っていることは知らなくて、たしか第二弾キャスト発表のときに、イリヤ役になったことを知りました(笑)。私が声優の仕事を始めてまだ間もない時期に、出会ったキャラクターので、いまだにイリヤに向かい合うと当時の緊張していたことをすぐに思い出してしまいますね。
――イリヤの印象はいかがでしたか?
門脇:強そうな〈マスター〉や〈サーヴァント〉の顔ぶれの中で、かわいくて幼い子だったので、なんだか特別感があって嬉しかったです。そのあと原作のゲームを自分なりにプレイしてからアニメの収録に臨んだのですが、「Fate/stay night」は3人のヒロインのルートによって、イリヤと衛宮士郎との関係性やバーサーカーの戦い方も変わっていくこともあってゲームの印象をそのままセイバールートだけのアニメにもっていくことは難しそうだと悩んだこともありました。ただ、アニメではアフレコ時にはもうイリヤの表情も細かくつけていただいていたので、その表情や雰囲気を信じてついていこうと思ったのを覚えています。
――「Fate」シリーズでは、これまでいろいろなイリヤが描かれてきましたが、その変化はどのように受け止めていましたか?
門脇:イリヤのオリジナルエピソードが発表されると、イリヤはこうやって生きてきたんだなとわかることがあって、イリヤの内面に対する感触に変化が生まれることがあるんです。だから今でもイリヤを模索している感じがあります。最新の解釈のイリヤに挑戦しているような気持ちを常に持っていますね。
――「Fate/stay night」3つめのルートである [Heaven’s Feel](以下、[HF])のアニメ化については、どんな思いがありましたか?
門脇:3つのルート全てが映像化されるというのは、前例があまりないと思うんです。[HF]の映像化までたどり着いた、みなさんの「Fate/stay night」に対する熱量の高さに驚きましたし、その中にいられることを幸せに感じました。ただ、第一章が公開されただけなので、私自身がまだ[HF]をとりまく熱量に圧倒されているところがあって、まだもじもじしてしまっています(笑)。
――[HF]のイリヤはどんな一面が描かれていると思いますか。
門脇:[HF]は一個人としてのイリヤや士郎の関係性に特にスポットを当てている印象があります。士郎に対しても姉のような雰囲気で接しているときがあって、新しいイリヤの一面を見るようで、なかなか奥深いです。第二章では間桐臓硯さんとのやり取りもあって、イリヤも魔術師然とした一面を100%に剥きだしています。アインツベルン家代々の連綿と受け継がれてきた思いが当然のように彼女には染み付いているので、内からでてくる言葉にも党首としての重みがありました。
――先日公開された本予告ではイリヤの〈サーヴァント〉バーサーカーのアクション面がフィーチャーされていました。ご感想を教えてください。
門脇:バーサーカーはもはやイリヤの心と身体の一部といってもいいような存在なので、とても期待させてくれる内容で、バーサーカーの強さが感じられる映像に胸が高鳴りました。でも、きっとそれだけじゃないんだろうなって更に期待しているところもあります(笑)。
――第二章で門脇さんが完成した映像を見ることを楽しみにしているところはどこでしょうか?
門脇:第二章でもオリジナルの描写が桜のシーンにあって、そこがどんな映像になるのかすごく楽しみです。
――そして[HF]シリーズよりも早く始まり、5年以上を経て今なお愛されている「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ」シリーズ(以下、「プリヤ」)におけるイリヤも気になるところです。
「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ」シリーズ(以下、「プリヤ」)におけるイリヤも気になるところです。
門脇:最初はちっちゃくて無垢でピュアな小学生イリヤのお芝居は、すごく難関だなと感じていたんです。声のトーンも高く高くという指示で、このトーンやテンションを維持したまま、いろいろな変化をつけていくことができるだろうかと不安になったときもあったのですが、いつしか回を重ねるごとにそれが馴染んでいって。いまではすごくやりやすいです。でも「Fate/stay night」のイリヤの出番がほとんどないときに、「プリヤ」をどわーっと収録したので、また「Fate/stay night」のイリヤに戻る時は逆に不安になったりもして……(笑)。
――「Fate/stay night」のイリヤと「プリヤ」のイリヤで大事にしようとしている共通のイメージはありますか?
門脇:ふたりが同じところは……見た目ぐらいかな(笑)。今でこそ「プリヤ」の劇場版や、ゲーム「Fate/Grand Order」があることで、「Fate」シリーズがひとつの宇宙のようであり、その中に何人ものイリヤの魂が重なるように存在している……というようなことがわかってきているんですが、最初のころは「Fate/stay night」のイリヤと「プリヤ」のイリヤは生き方が全然違うので、同じ姿をしていても、別人のような気持ちで演じていました。ただ、親(衛宮切嗣、アイリスフィール)がいっしょなので、たぐいまれなる才能を受け継いでいるところは同じだと思います。
――「プリヤ」のイリヤを演じていてどんなところが一番楽しいですか。
門脇:「プリヤ」はシリアスパートとギャグパートが巧みに切り替わり続ける作品で、そういった切り替えを楽しめるようになってきたころに、いろいろ悩んでいたことが吹っ切れたんです。開き直ったというか(笑)。自分の演技のクセみたいなところを出しちゃっても良いんだなと。そこからは楽しみながらイリヤを演じることができています。
――模索していらしたんですね。
門脇:個人的なことですけど、自分自身の喋りのクセをキャラクターの芝居に出しすぎると、キャラクターが崩れてしまうのではないかと思っているんですよね。たとえば「Fate/stay night」のイリヤは、シリアスな成分が多めですし、あまり私自身を出してはいけないと思っているんです。
でも、「プリヤ」のイリヤは私の個性を出し切っても大丈夫というか。もしかしたら、私がひろやま(ひろし)さん(「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ」原作者)の連載を読んでイリヤのお芝居を考えるように、「プリヤ」のスタッフのみなさんも私のお芝居を見つつも、次のイリヤを創り上げる中で私が演じやすいように考えてくださっているのかもしれないなと思います。
――そうやってキャラクターやお芝居を変化させていくことができるのは、「プリヤ」の連載やアニメ化が同時進行で進められている強みかもしれませんね。「プリヤ」はTVシリーズで4期、劇場版を経て、昨年の続編発表そして今日のイベントでOVAも発表されています。
門脇:続編やOVAが作られることになって嬉しいです。田中さん(「プリズマ☆イリヤ ドライ!!」に登場した謎の少女)の存在もますます気になりますし……。ひろやま先生をはじめ、多くの方々がこの作品をふくらませてくださっているので、まだまだこれからが楽しみです。
――門脇さんとイリヤはもう10年以上のお付き合いになります。門脇さんにとってイリヤはどんな存在ですか。
門脇:私が声優を生業として生きているうえでとても大切な存在です。「Fate/stay night」におけるイリヤは、どちらかというとメインの役どころではないと思うんですけど、そういった垣根なくフィーチャーされるようになり、「プリヤ」では遂に主人公にしていただけました。
「Fate」シリーズの重要なキャラクターのひとりとして掘り下げられて、その魅力がどんどん増し続けていっています。本当にスタッフのみなさんやファンのみなさんの絶え間ない愛情がここまで支えてくれたんだと思います。まだまだこれからも[HF]は第二章、第三章とありますし、「プリヤ」の続編そしてOVAもあります。私自身もこれからのイリヤを楽しみにしています。
【プロフィール】
門脇舞以(かどわき・まい)
東京都出身。フリー。
2006年にテレビアニメ「Fate/stay night」にてイリヤスフィール・フォン・アインツベルンを演じる。
以来、さまざまなメディアにてイリヤ役を担当。
「Fate/Grand Order」ではシトナイ役を演じた。
【作品概要】
作品タイトル:劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」Ⅱ.lost butterfly
公開日: 2019年1月12日(土)全国ロードショー
公開館:131館
【キャッチコピー】
少女の願いは静かに、爛れ、散りゆく――
イントロダクション:
それは、手にした者の願いを叶えるという万能の願望機――「聖杯」をめぐる物語を描
いたヴィジュアルノベルゲーム『Fate/stay night』。
その最終ルート[Heaven’s feel](通称・桜ルート)が全三部作で劇場版アニメ化
される。
アニメーション制作は2014年にTVアニメ版[Unlimited Blade Works]を手掛け
たufotable。キャラクターデザイン・作画監督として数々のTYPE-MOON作品のアニ
メ化を手掛けてきた須藤友徳が監督を務める。
2017年に公開された第一章[presage flower]は98万人を動員し、大きな話題に。興行収入も15億円を記録した。第二章は、三部作の分岐点を描く最重要エピソード。その全三章で贈る[Heaven’s feel]の運命の岐路――第二章[lost butterfly]が飛翔する。
【ストーリー】
俺の戦うべき相手は――まだこの街にいる。
少年は選んだ、自分の信念を。そして、少女を守ることを。
魔術師〈マスター〉と英霊〈サーヴァント〉 が願望機「聖杯」をめぐり戦う――「聖杯戦争」。
10年ぶりに冬木市で始まった戦争は、「聖杯戦争」の御三家と言われた間桐家の当主・間桐臓硯の参戦により、歪み、捻じれ、拗れる。臓硯はサーヴァントとして真アサシンを召喚。正体不明の影が町を蠢き、次々とマスターとサーヴァントが倒れていった。
マスターとして戦いに加わっていた衛宮士郎もまた傷つき、サーヴァントのセイバーを失ってしまう。だが、士郎は間桐 桜を守るため、戦いから降りようとしなかった。そんな士郎の身を案じる桜だが、彼女もまた、魔術師の宿命に捕らわれていく……。
「約束する。俺は――」
裏切らないと決めた、彼女だけは。
少年と少女の切なる願いは、黒い影に塗りつぶされる。
【メインスタッフ】
原作:奈須きのこ/TYPE-MOON
キャラクター原案:武内崇
監督:須藤友徳
キャラクターデザイン:須藤友徳・碇谷敦・田畑壽之
脚本:桧山彬(ufotable)
美術監督:衛藤功二
撮影監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:松岡美佳
編集:神野学
音楽:梶浦由記
主題歌:Aimer
制作プロデューサー:近藤光
アニメーション制作:ufotable
配給:アニプレックス
【メインキャスト】
衛宮士郎:杉山紀彰
間桐 桜:下屋則子
間桐慎二:神谷浩史
セイバーオルタ:川澄綾子
遠坂 凛:植田佳奈
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン:門脇舞以
藤村大河:伊藤美紀
言峰綺礼:中田譲治
間桐臓硯:津嘉山正種
ギルガメッシュ:関智一
ライダー:浅川悠
アーチャー:諏訪部順一
真アサシン: 稲田徹
●公式サイト
http://www.fate-sn.com/
●公式ツイッター
@Fate_SN_Anime
●劇場本予告公開中
(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
★「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ」 作品情報
ゲーム・アニメファンそして国内外に留まらず、
今尚、圧倒的な人気を誇る伝奇活劇ヴィジュアルノベル「Fate/stay night」―
その登場人物のひとり<イリヤ>は、サブキャラでありながら高い人気を獲得し、
ファンからは<イリヤ>をメインヒロインに据えた物語が熱望されていた。
そして2007年9月、「Fate/stay night」を生んだTYPE-MOON全面協力のもと、
月刊コンプエースで彼女を主人公としたコミック「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ(原作:ひろやまひろし・TYPE-MOON)」の連載が開始され、2013年7月に初のTVシリーズ『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』を放送。その後、毎年夏ごとにTVアニメ放送を重ね、5年目を向かえた昨年2017年、遂に劇場版アニメ化を果たした。
アニメーション制作:SILVER LINK.
キャスト:門脇舞以、名塚佳織、斎藤千和、杉山紀彰 ほか
(c)2017 ひろやまひろし・TYPE-MOON/KADOKAWA/「劇場版プリズマ☆イリヤ」製作委員会