現在放送中の『閃乱カグラ SHINOVI MASTER -東京妖魔篇-』も好評を博している『閃乱カグラ』シリーズ。原点となる第1作『閃乱カグラ -少女達の真影-』がリリースされてから約8年、シリーズの原作者・高木謙一郎プロデューサーは自ら「爆乳プロデューサー」と名乗り、多くのアニメ・ゲームファンに愛されている。
プロデューサーとしての、これまでの活動を振り返っていただきつつ、今後に向けてのビジョンもお聞きした。
―2011年9月にニンテンドーDS『閃乱カグラ -少女達の真影-』がリリースされて7年経ちました。
高木謙一郎プロデューサー(以下、高木P):絶対にヒットするだろうという自信はあったのですが、いかんせん、完全な新作はなかなかフィーチャーされづらいということもあって「2本くらい出せればいいかな……」と、ちょっと弱気に思っていたのは事実です。
でもそこからあれよあれよという間に8年経ってしまいました。非常に速いペースで作ってきたつもりで、実際に大変でしたが、それに伴いたくさんのファンもついてくれましたし、感謝の気持ちも大きいです。
―自ら「爆乳プロデューサー」と名乗ることに抵抗はありませんでしたか?
高木P:元々目立ちたがり屋というわけではなく、裏で粛々と作業をしていたいような性格でしたが「いい作品がお客さんの目に届かないのは不幸なことだ」という気持ちが強かったので、とりあえず「自分自身がまず興味を持ってもらうきっかけのひとつにでもなれば」と思い「爆乳プロデューサー」と名乗りはじめました。『一騎当千』のころからなので、振り返ればもう10年以上はこの肩書きでやってるんですね……(笑)。
―これだけ長い期間、胸の大きい女の子がたくさん登場する作品を手がけていると、だんだん麻痺してきませんか?
高木P:鈴音先生というキャラクターを作ったときに、キャラクターデザイン担当の八重樫(南)さんと外見の設定について話していたのですが「これじゃ物足りない」と思って胸を大きくしていったら、あまりにもエスカレートしてしまって……。お互いに「これはさすがにダメだね」と。そこからはある程度抑制するようになりました(笑)。
―アニメ化に至った経緯を教えていただけますか?
高木P:ゲーム雑誌で1作目を発表したタイミングで、仲の良かったアニメのプロデューサーさんから電話がかかってきて「高木さん、なんで話をしてくれなかったの?」と食い気味に言われまして(笑)。すごくうれしかったですし、何より今回はゼロから作った作品がテレビアニメになるということで、我ながら「すごいなぁ」と。さぶいぼが沸くくらい(笑)感動的でした。
―ゲーム業界に飛び込んだのは、当然ゲームが好きだったからだと思いますが、最初から美少女がたくさん出てくるゲームを作りたいと思ってらっしゃったのでしょうか?
高木P:ジャンルで言うと「格闘ゲーム」だったり、首が飛んだりするようなちょっと残酷なゲームを作りたいと思っていました。究極な話では、今まで誰も作ったことのないようなゲーム「ジャンルそのもの」を作りたいと思っていました。
―ゲームと言えばアプリゲーム『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』が現在好評配信中です。
高木P:コンシューマー版と変わらず、自分で企画立案してからほぼ関わっていまして、スマホ版ということで『閃乱カグラ』という作品を多くの人に知っていただくいい機会だな、と思っています。
―電車の中でプレイするのは、若干抵抗があるかも知れないですが……。
高木P:考え方は人それぞれかと思いますが(笑)、どうしても恥ずかしい場合は、オートでプレイできる部分もあるので、最初に入力だけしておいて、あとは画面を裏返しにして何食わぬ顔をしていることもできますから。ちなみに僕はタブレットで堂々とプレイしています!
―私も見習いたいです(笑)。そして12月13日(木)にはNintendo Switch™向けソフト『PEACH BALL 閃乱カグラ』がリリース予定です。
高木P:Nintendo Switch™には「HD振動」という面白い機能が搭載されていますので、柔らかかったり硬かったりという振動が伝わると面白いな、という発想から生まれました。また新たなチャレンジ精神で制作していますので、ぜひ期待して下さい。
―TVアニメ『閃乱カグラ SHINOVI MASTER -東京妖魔篇-』では、最強の忍チームを決める大会「シノビマスターズ」がいよいよ始まりました。
高木P:2013年に放送された第一期に関しては、初めて本作に触れた人でもすんなり入れるような、良くも悪くも分かりやすくまとめたのですが、今回は『閃乱カグラ』が持っている、独特の味を感じていただけることを重視して作りました。もしかしたらとっつきにくく感じてしまうかも知れませんが、本作の雰囲気や魅力を感じていただくにはこの路線がいいんじゃないかと。
―キャラクターもたくさん出てきます。
高木P:これまで応援してきてくださった『閃乱カグラ』ファンのみなさんに楽しんでもらえれば、と思い、個性豊かなキャラクターをそろえました。雪泉(ゆみ)を表の主人公、飛鳥(あすか)を裏の主人公にして、雪不帰(ふぶき)がラスボス的な立ち位置にいますが、僕が思い描いていた以上に作ってもらえて、うれしいです。
―そのなかでもシリアスあり、いわゆるギャグ回のようなエピソードもあり、とバラエティ豊かな物語になっていますね。
高木P:泣く泣く削ったところもありますが、それにしても詰め込みましたね……(笑)。
―特に注目してもらいたいキャラクターはいますか?
高木P:やっぱり雪不帰ですね。アニメ向けに色々とこだわったキャラクターですので、ぜひ注目していただきたいです。アフレコ現場にも足を運んでいますが、これまでずっと出てくださっているキャストの皆さんは今さら僕のほうからレクチャーする必要もあまりなく、自由に演じていただいている感じです。
―ちなみに高木Pのなかで、ライバルとなるようなタイトルはありますか?
高木P:ライバル……と言えるようなものはないかもしれません。セクシー要素のある美少女コンテンツの中で大きく広がっていけるちょうど良い独自バランスの所を進んでいけているのが『閃乱カグラ』だ、という自負がありますので。
これからも「戦う女の子たち」が活躍する作品を追求していきたいですし、かたや、全く別のジャンルの作品も手がけていきたい気持ちもあります。いい意味での驚きを長く提供し続けていきたいですね。
<Text・Photo/ダンディ佐伯>
【アニメ概要】
『閃乱カグラ SHINOVI MASTER -東京妖魔篇-』
2018年10月より地上波・AT-Xにて放送中
TOKYO MX 毎週金曜26:10~
BS11 毎週月曜25:30~
●アニメ公式サイト
http://senran2.tv/
●アニメ公式ツイッター
@kagura_tv
【コンシューマゲーム概要】
『PEACH BALL 閃乱カグラ』
発売日:2018年12月13日(木)
対応ハード:Nintendo Switch™
●公式サイト
https://senrankagura.marv.jp/series/peach/
【アプリゲーム概要】
『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』
好評配信中