
By, 2026年11月5日
後藤邑子が毎回リスナーから送られてくる「中年オタクの憂鬱」メールに対し、気の向くままにトークを繰り広げる配信番組『中年オタクの憂鬱』が各ポッドキャスト配信サービス、文化放送エクステンドYouTubeチャンネルにて隔週火曜配信中! 長年オタ活を満喫してきた中年オタクたちの「サードプレイス(自宅や職場・学校とは離れた第三の場所)」としてお届けするプログラムとなっている。
今回は後藤さんに番組が立ち上がったきっかけや、番組パーソナリティとしてのスタンスや矜持をうかがってきた。
―まずは番組が始まったきっかけを教えていただけますか?
後藤邑子さん(以下、後藤):年齢を重ねたオタクの皆さんに向けたラジオをやろうというコンセプトがあったそうですが、そこで、番組制作サイドの方が私のエッセイを読んでくださったと聞いています。
『私は元気です 病める時も健やかなる時も腐る時もイキる時も泣いた時も病める時も。』という、声優として多忙を極めていた最中に大病を患った私の褒められたものではない闘病記なのですが。皆さんが「頂点もどん底も経験して、いま病気とともに復帰した同年代の後藤さんなら、どんな中年オタクの悩みも受け止められるんじゃないか?」と判断してくださって、パーソナリティの打診をいただきました。
私も、長年この業界で生きてきたので、同じ文化に身を投じて年齢を重ねた中年オタクの皆さんと気が合うのではないかと、前のめりに受けさせていただきました。
―これまで番組をやってきていかがですか?
後藤:『中年オタクの憂鬱』というタイトル、どこもキラキラしていないじゃないですか(笑)
若手声優さんたちのキラキラしたパワフルなトークって、受け取る側にもパワーがいるんですよ。既にそのパワーを失い、キラキラを眩しすぎると感じるようになった人たちが落ち着ける「キラキラしないラジオ」にしたいので、表現が難しいですが、頑張らずに聴けるラジオを目指して、毎回頑張らずに収録に臨んでいます。
おたよりで「若いころはライブやイベントに行く仲間たちがいたのに、少しずつ減ってきてしまって……」という方が想像以上に多いと知って驚きました。一緒にイベントに行ける人と繋がれたら一番良いけど、それが叶わなくても、ここに来れば似たような皆がいると思えるだけで孤独感はやわらぐ気がします。解決が難しいお悩みも誰かに聞いてもらえたらちょっと楽になるように。このコミュニティのメンバーに聞いてもらいたいなって、皆がそう思える、これからここはそんな場所になっていく予感がしています。
―番組構成はいたってシンプルですね。
後藤:はい。普通のおたよりと、お悩み相談のおたよりの紹介、この2本立てです。リスナーの皆が主役の番組にしていきたいですし、1通でも多く紹介したいので。「コーナーが無い」というか、むしろ「メールコーナーしかない」というか(笑)。ありがたいことに毎回たくさんのおたよりをいただけるから出来ることです。泣く泣く削った面白いおたよりもたくさんあって……、紹介が追いつかないほど届くおたよりにうれしい悲鳴をあげています。
―そんななかでも、おたより一通一通に寄り添っているように感じます。
後藤:「誰にでも当てはまる、汎用性のある模範解答」ってあると思うんです。でも私は、ピンポイントでその人にしか当てはまらないアドバイスでもいいやって思っていて。きっと模範解答は本人もわかっているだろうから。
「よくわからんメールに意味不明な返しをした」と感じる人もいるかもしれませんが(笑)、世の中の大概の正解ってシビア過ぎますよ。私はここの皆にも自分にも甘くありたいから、正解を押し付けることはあまりせず、自分好みの、そしてできればその人を慰めたり実際ちょっとは役に立ったりする言葉を発したいと思っています。
―その考えの根底には何があるのでしょう?
後藤:私が入院していた2年間、病室で気を紛らわせることができるツールはラジオだけだったんです。個室でもテレビは有料でしたし、「どこにでも届くラジオがあってくれてよかった」と思っていました。
当初は馴染みのあるアニラジを聴いていたんですが、先ほども言った通り、どのパーソナリティもキラキラしているんですよね。投薬のせいで身体がしんどくなってくると、どんどん聴いていて疲れるようになりました。「私もそこにいたのにな……」と、みじめさを感じたせいもありますが。なので自分たちの業界とは縁のない、高齢者に向けた「日常に起こる何気ない出来事」のおたよりを紹介するラジオ番組を聴きはじめました。私はそこですごく安らいだんです。弱っている時にこういう場所があってくれてよかったと思いました。
同時に、1つ気づいたことがありました。
入院する前、とある長寿番組のメインパーソナリティを引き継いだことがあるんです。「面白くなった」という感想をいただき聴取率も上がった一方、「騒がしくて聴きづらい」という声がたくさん届きました。確かに私のトークはその番組の雰囲気を一変させるものでした。当時は凹む以上に「前より面白く変わったのに!」と不遜にも腹をたてました。未熟でしたね。入院中にラジオを聴いて、あのリスナーの方々の反発が理解できました。私は彼らが好んでいた番組を違うものに変えようとしたわけです。ラジオは、リスナー各々が好んで居る場所ですから、その居場所が失われるかもしれないと思ったら守ろうとするのは当たり前です。
今回番組パーソナリティに選んでいただくにあたり、中年オタクの抱える憂鬱を受け止めるという番組のコンセプトがとても気に入りました。それは、かつて探しても見つけられなかった、私自身が欲しかった場所でもありましたから。
―先日の配信では、小清水亜美さんがゲストにいらっしゃいました。
後藤:あれは普段の二人のトークそのものです!制作陣が私たちを野放しにした結果、ほぼフリートークで番組の長さは倍になりました(笑)収録後も喫茶店で5時間居座ってしゃべるほど楽しい1日でしたよ。
私が「弱者のオタク」だとすると、彼女は「強者のオタク」です。たくさんの笑いと活力をもらいましたし、おかげでものすごく多くの方に聴いていただけました。でもなにより面白いのは、彼女がしれっと番組におたよりをくれたことですけどね(笑)
そういえば亜美ちゃんとのトークをきっかけに老眼鏡を買いました。だって改めてCDのブックレットを見たら、書いてある歌詞、あれ、もう、模様ですよ(笑)
―今後に向けてのビジョンを教えてください。
後藤:お悩み相談だけで番組が成立していますから、皆さんがおたよりをくれる限り、このまま進みたいです。
「いつの間にか100回聴いてる!」みたいに、気づいたら長寿番組になっていた……っていうのが理想ですね。会議で「そろそろ終了させますか?」の議題にものぼらないくらいに目立たず、ひっそり続けたいです(笑)
―もし公開収録を行ったら、リアルな「中年オタク」のみなさんが集まりそうですね。
後藤:リアルな絵が浮かびますね。次の日に響かないよう遅くても19時には終了するとか、絶対に着席にするとか、気遣い必須で。でも皆の「低くなったジャンプ」も見たいです(笑)そのためなら歌うことも厭いません。
―最後に、メッセージをお願いします。
後藤:酸いも甘いも噛みわけてきたリスナーのおたよりを、清濁併せ呑んできたパーソナリティが紹介する……そんな、私自身が欲しかった、キラキラを卒業した世代向けのラジオ番組です。
「親の介護をしながら、どうやってイベントに参戦するのか思案中です」や、「ライブでジャンプをするのがしんどくなってきたけど、どう楽しめばいいか模索しています」など、年齢によって困難は生じたけど、まだまだ好きなことへの情熱が枯れていない皆さんからのメールに私は励まされます。聴いているリスナーの皆もそうじゃないかな。日々を頑張って生きている中年オタクの皆さんが休める場としてここは存在しますので、いつでも遊びに来てください。
なお、これまで「中年オタク」をフィーチャーしてお話してきましたが、「中年オタクの先輩」や「中年オタク予備軍」の方からもおたよりをたくさんいただいています。私はつい30代の投稿者を「坊や」と呼んでしまいましたが……(笑)
先輩たちは私たちの行く先、予備軍にとっては私たちが、今から辿る道。この場所に年齢制限はありません。キラキラについていけなくなった皆さんのサードプレイスになれたらとてもうれしいです。
「弱者による、弱者のためのラジオ」、どうぞお聴きください!
<インタビュアー・カメラマン/ダンディ佐伯・文責(編集)『れポたま!』編集部>
【番組概要】
『中年オタクの憂鬱』
各ポッドキャスト配信サービス、文化放送エクステンドYouTubeチャンネルにて隔週火曜配信中!
●番組公式サイト
https://extendportal.com/archives/4604
●番組メールアドレス
otaku@exqr.net
●番組公式「X」
@chunenotaku
【プレゼント】
後藤さんのサイン色紙を1名にプレゼント!
ご希望の方は『れポたま!』公式「X」@repotama(https://twitter.com/repotama/)をフォローし、当該記事のポストをリポストしてください。当選者にはDMにてこちらからご連絡させていただきます。
応募締め切り:2026年12月11日(金)23:59まで
◆注意事項◆
◎ご応募いただいた方の中から、厳正な抽選の上、当選者を決定いたします。
◎当選者様にはXのDMにてこちらからご連絡させていただきます。落選の場合のご連絡は致しません。
◎当選の権利を第三者へ譲渡することはできません。
◎当選者様の住所不明、転居先不明、長期不在などにより賞品をお届けできない場合には、当選を無効とさせていただきます。
◎応募受付の確認、当選・落選についてのご質問は受け付けていません。
◎賞品のお届け先は日本国内に限らせていただきます。
◎配送日時の指定、配送業者の指定は承っておりません。
◎書留で送付のため、本人確認できる住所に限らせていただきます。
(転送サービス会社へのプレゼント送付はできません。)