緒方恵美がほえる!「今」を反映したパンクロック・ライブ! 「緒方恵美 BDLive『Stop,and Go→いったん立ち止まってみない?』」レポート

By, 2024年6月17日



緒方恵美の恒例の……だが今年は恒例ではない? バースデーライブが誕生日当日の2024年6月6日(木)、東京・SHIBUYA CLUB QUATTROにて行なわれた。
今回のライブタイトルは「Stop, and Go」。緒方が2003年に発表したアルバムタイトルと同じだ。イラク戦争開戦時に作られたこの1枚は、メッセージ性の強いアルバムだった。このタイトルを冠したライブを、現代に開催する意図はーーファンの間でも関心の高いライブとなった。

戦闘機のSEで始まったライブの1曲目は、アルバム1曲目と同じ「Byo-doでいきましょう」。シンプルなパンクロックだが、風刺の効いた歌詞が内包されている。
通常のライブでは終盤に歌われることの多かったこの曲は、その都度、その時の世相を反映した歌詞に書き換えて歌われてきたが、「Byo-doでいきましょう  2024春」として披露された今回の歌詞は、まさに「今」を描き出したもの。客席はのっけから熱狂の渦に包まれた。さらに、『いろんな景色見つめながら 真実見つけよう』――こちらもメッセージ性の強い歌詞が特徴の「wataridoriみたいに」でファンを魅了した。
そして椅子に座り、俯瞰から見ると世界はこう見える、という「From A Distance」をしっとりと、変わって赤い光に照らされながら「can’t go back my mission -metal ver-」を情熱的に歌い上げた。

 

ここまではアルバムの流れ。そして緒方によるいつもの軽快なMC……と思いきや、2人の役者(関根翔太・島倉凱隼)が登場し、朗読劇が展開。
海外にあるどこかの砂漠のど真ん中、星空を見ている若き兵士たち。軽妙な、客を沸かすトーク。そして2人のやりとりから「世界の均衡を保つために志願してここに来た」ことが明らかになる。
「世界はつながっている。戦争なんてクソくらえだ! 」とほえるボブ。「一番怖いのは、戦争は遠い国の話と思い込んでいて、自分の国がどうなっているのか気づかないこと。それに気づいて動けている自分たちのほうが幸せだ。
僕はただ守りたいだけだ。大切な人の未来を」と語るブライアンは、上官からの命で前線に赴くことに。
ボブが「お前の大事なものを守れよ! 死ぬんじゃねえぞ!」と彼を見送る。

 

ここからはふたたびライブパート。「ただ明日のために」を、まるで戦場へ向かっていくブライアンを想うように、切ない表情を浮かべながら歌唱。さらに優しい光に照らされてブライアンからの返歌のような「can you hear me?」を静かに歌い上げた。

続く幕間では、今度は若い男女(中村悠人、伊藤梨花子)が登場。
“リン姉”、“ユウ君”と呼び合う2人。声優を生業とするリンは、ユウが通うこども食堂のボランティアをしていたが、「インボイス制度」の影響で収入が減ってしまい行けなくなったと謝る。
ここで、リンのファンと名乗る男が登場。リンはインボイスの事業登録を辿り自宅を突き留められそうになり必死で抵抗しようとする。実は男は会社の経理担当で、インボイス制度が始まってからというもの、日々の業務が大変なことになったと嘆く。「毎日戦場なんだよ! 生きているだけで精一杯なんだよ!」とさけぶ2人。コミカルに描かれるシーンに笑いが起こるが、その叫びに大きくうなづく人の多い観客席が印象的だった。

 

そして「僕たちの将来」(中島みゆきさんのカバー)を披露。「僕は見知らぬ海の向こうの話(戦争)よりこの切れないステーキに腹を立てる」「僕たちの将来は 良くなっていく筈だね」という歌詞を、無表情で歌う緒方に、諦念のようなものが見え隠れしていた。
それを打ち破るかのように「OH HAPPY DAY」で幕間劇のメンバー4人がコーラスで登場。ノリノリで歌唱し、退場。続く「never, Neverland」では象徴的に1人残された緒方が、少年の歌声で客席を魅了。そして、胸に手を当てながら「Repeat」を披露し、最後はファンと一緒にクラップで締めた。

「ここは戦場です。
心が折れて粉々になってしまう前に、いったん立ち止まりましょう。
深呼吸をして、そしてもう一回行きましょう、戦場へ」
と語り掛ける緒方に、オーディエンスも何かを感じ取った様子。

「聖者の行進」を力強く歌い上げ、本編最後の「Breaking Dawn」ではコール&レスポンスで盛り上がり。「さあ ぶっ飛ばして行こうぜ 真っ暗なこんな 時代を 共に 駆け抜けて行こう!」と拳を振り上げながら熱唱した。

迎えたアンコールでは、本日最初のロングMCが展開。
「途中のシナリオは私が書きました。すべて私の責任です」と笑わせつつ、バンドメンバーの紹介。
しゃべることに飢えていたのか、MCを長めにとる緒方。ギターの目木とーるさんが「コントはまた今度(コント)にしますね」とお得意の「ダジャレ」を発動させるなど、フリーダムに振る舞うメンバーたち(笑)

アンコール1曲目はmanzoさんが作ったオガタ版「We Are the World」と言われる「Precious Shinin’ Star」を歌唱。心地よいメロディに乗せて、ペンライトが上下に揺れていた。

続くMCでは、今回のライブを「パンクロックライブ」という位置づけで行なった理由について言及。NHK-FM「ラジオマンジャック」で共演するDJの赤坂泰彦さんと、「いまのエンタメはあちこちで規制がかかっていて、言いたいことが言えるのはライブハウスしかない」と話していたのがきっかけだったそう。

ここで、朗読パートに出演した4人を改めて紹介。ちなみに中村悠人さんは誕生日が同じだそうで、緒方の「お祝いの日に、たくさんの大人たちに囲まれて大変だね」とのコメントに、会場から笑い声と大きな拍手が起こった。

場内が盛り上がってきたところで「Byo-doでいきましょう  2024春」を再度歌唱。メンバーのアレンジも絶好調で、緒方が思わず「どこから歌に入ればいいのかわからない」と苦笑いするほどで(笑)、客席も大いに湧き上がる。
「さらに憂さを晴らしていくよ!」と叫ぶと、「絶対希望バースデー」を披露。歌唱前には「wow wow…」のコール練習も行ない、客席とシンクロした。

会場の熱気が最高潮に達するなか、ラストナンバーは「Try Out, Go On!」。バンドメンバーからは「ハッピーバースデー!」のメッセージが贈られ、最後は全員でジャンプ! 大きな拍手に包まれてステージは終了。
「また次回、笑って会いましょう。生きててよ!」という緒方からのお願いに、客席は大歓声と拍手で応えていた。

<出演>
緒方恵美
岩瀬聡志(key)
目木とーる(gt)
TABOKUN(ba)
青山英樹(drms)

<レポーター/ダンディ佐伯・文責(編集)『れポたま!』編集部>

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