「お肉だけでなく、食に関わる産業全体をもりあげていきたい」 『とりあえずカルビちゃん』プロデューサー・吉本敬史(株式会社WPS 代表取締役)インタビュー

By, 2024年5月1日



「『とりあえず!カルビ!』。それはみんなが元気になる合言葉。」をコンセプトに展開するプロジェクト「とりあえずカルビちゃん」。
お肉の部位や銘柄、その料理をそれぞれキャラクター化し、肉に関する情報の発信、ひいては関連する業界(生産者・飲食店・観光など)すべてを盛り上げるべく、積極的な活動を行なっている。
先日はメインキャラクターのオーディションが開催され、プロジェクトの主題歌も完成。2024年5月~6月にかけて大阪の中心にある商店街にてコラボイベント「とりカル街のお肉祭り in 阪急東通商店街!」が開催予定となっている。
本プロジェクトのプロデューサーは、兵庫県神戸市を中心に展開する、人気厚切り牛かつ専門店『神戸 牛かつ亭』の社長でもある吉本敬史。「カルビちゃん」はどのような経緯で誕生したのか? 今後のビジョンについてもおうかがいした。

―「とりあえずカルビちゃん」のプロジェクトはどのようにスタートしたのでしょう?

吉本敬史さん(以下、吉本):アフターコロナで飲食業界が昔のように活気づくかと思ったら、以前よりも水準がかなり下がったままになっておりました。
元々外食するのが好きだった人たちは、ある程度戻ってきてくれている感はあるのですが、コロナをきっかけに「わざわざ遅くまで人と食事する必要はないのでは?」と考える人が増えてしまったり、「仕事で客先を訪問した流れで一緒に食事に行く」という動きも少なくなってしまったんです。
飲食店の売り上げが落ち、それに伴いお肉も売れなくなるという時代になっていることに危機感を持ち、誕生したのが「とりあえずカルビちゃん」プロジェクトです。

―プロジェクトの具体的な立ち上げ時期はいつですか?

吉本:2022年末くらいから本格的に動き始めました。消費を喚起するために何ができるかを考えたとき「飲食店に足を運ぶ」ための理由付けとして「コンプリートする楽しみを得るためのキャラクター作り」を目指してきました。そんななか「日本人が一番好きな部位」というアンケートを参考に、主人公として誕生させたのがカルビちゃんです。
彼女を取り巻くキャラクターたちも、みなさんに「お肉が食べたい!」という気持ちになってもらえることを目的に生まれました。飲食店はもちろん、生産者の方々にも目を向けていただき、実際に足を運んでもらうきっかけにもなればと思っております。
最初は私が肉料理を扱う店舗を運営しているということもあり「お肉をたくさん食べてもらいたい、興味を持ってもらいたい」というところから始まりましたが、プロジェクトが軌道に乗ってくれば食品業界全体に元気になってもらい、国内だけでなく海外に向けても発信できればと思っています。

―これまでどのような活動をされてきたのでしょう?

吉本:23年に関してはプロジェクトのことを広く知っていただこうと思い、プロモーションに注力しました。少しでも多くの人の目に留まってほしいと思い、大阪と東京、埼玉の大型商業施設でのポップアップイベントを行ってきましたが、日を追うごとにSNSへの投稿が増えていったのがわかりまして。手ごたえを感じることができました。
また、自社店舗とのコラボ施策を打ち、食事に来てくれた方への認知拡大を目指しました。続いてVTuberさんとのコラボ企画も行うなど、さらなるPRに取り組んできました。
こちらもコラボメニューや店頭の等身大パネルをSNSにアップしてくださるお客さんも多く、大変ご好評をいただきました。

―7月からはカルビちゃんのキャストを決める「声優オーディション」も開催されました。

吉本:ミュージシャンの石川智久さん、音楽プロデューサーの佐藤純之介さん、漫画家の凸ノ高秀さん、をコアメンバーに、関東地区と関西地区で審査をさせていただきました。
ありがたいことに「知り合いの知り合いのご紹介」……という形でどんどんと繋がっていき、素晴らしいクリエイターの方々にご協力をいただけました。

―オーディションには200人近い応募があったそうですね。

吉本:アマチュアやフリーランスの方を含め、幅広く募集をかけたのですが、ふたを開けてみたら事務所に所属されている方からもたくさんのご応募をいただきました。
審査が進むにつれ演技・歌唱レベルが拮抗してきたこともあり、最後は「いかにキャラクターに合っているか?」という一点に絞る形で選ばせていただきました。

―本来は「カルビちゃん」役だけを選ぶ予定だったそうですね。

吉本:はい。当初の想定以上に皆さんのレベルが高く、「カルビちゃんだけ選んで、落ちた人は全員帰っていただく」というのはあまりにももったいないと思いまして。
カルビちゃん役の千賀光莉さんのほか、並木さくらさん(ハラミちゃん)、星咲花那さん(サガリちゃん)、吉良さゆりさん(てっちゃん)のキャスティングも行なわせていただきました。

―本プロジェクトでは法人サポーター、個人サポーターも募集されていますが、狙いを教えていただけますか?

吉本:ひらたく言いますと「カルビちゃんを使って面白いことをする仲間」に加わっていただきたいと思っています。
クリエイターの方はもちろん、全国各地の関連する事業者様にも本プロジェクトに興味を持っていただき、一緒に盛り上げていければ、と。

―プロジェクトのビジネス化についてはどのようにお考えですか?

吉本:ビジネスの基本となるグッズもまだまだ少ない状況ですので、スポンサードやコラボという形でご協力いただいたり、ビジネスパートナーのみなさんと一緒に作り上げていければと思っております。

―大阪の中心地にある「阪急梅田東通商店街」で5月10日(金)~6月9日(日)までの1か月、コラボイベント「とりカル街のお肉祭り in 阪急東通商店街!」が開催されるそうですね。

吉本:商店街の店舗のみなさんに協力をいただき、さらにインフルエンサーによる情報の拡散、『namco梅田店』さんでは展示のほか、限定グッズ付ドリンクの提供もしていただけるということで、盛り上がりがいまから楽しみです。

―主題歌についてもお聞かせください。

吉本:とにかく耳に残る曲を目指し、オーディションの審査員も務めていただいた石川智久さん・佐藤純之介さんにお願いしました。また、作詞は肉マイスターでもあるミュージシャン・田辺晋太郎さんにお願いしまして、わかっている人にしか書けない肉愛あふれる詞が上がってきました。
今回オーディションに合格した4人に歌ってもらうことになっていて、先日レコーディングが終了しました。
歌声の入っていない「インストバージョン」も制作予定ですので、いわゆる「歌ってみた動画」等でも使っていただければと思っております。

―ところで、吉本さん自身は、いわゆる「オタク」なのでしょうか?

吉本:実は「美少女コンテンツ」や「アイドルコンテンツ」といったものには詳しくなく……。
かと言って、今回のようなプロジェクトを立ち上げたわけですから、まったく興味がないわけではないです(笑)
公式サイトを見ていただくとわかると思うのですが、カルビちゃんたちのほかにも「レバーくん」という元アイドルの美男子もいるんです。
単なる美少女ばかりの、そして擬人化プロジェクトにはしたくないと思いまして。それぞれの「部位」をどうキャラクターに落とし込んでいけばいいのかを考えながら作り上げていきました。
ちなみにキャラクター監修は、オーディションの審査員でもある関西焼肉の女王「いかりん」さんにお願いしています。

―最後に、今後の展望をお聞かせください。

吉本:どうしても割けるリソースには限りがあるので、外部の信頼のおける方々にお願いできそうなところはお願いしつつ、コンテンツ作りに力を入れていきたい、と考えております。
最近はじっくりとお話を聞いていただける企業様も増えてきまして、手ごたえも感じられるようになってきました。今後もプロジェクトを盛り上げていけるよう、頑張っていきます!

【プロジェクト概要】
 
『とりあえずカルビちゃん』とは?
お肉の部位や銘柄、その料理をそれぞれキャラクター化し、お肉の知識やその背景にある様々な魅力を掘り起こし、発信することで、関連する業界(生産者・飲食店・観光など)全てを盛り上げることを目的とするプロジェクトです。

☆初のテーマソング 公開中!
https://youtu.be/CrySB4-_L0o

コラボイベント「とりカル街のお肉祭り in 阪急東通商店街!」
【開催期間】
2024年5月10日(金)~6月9日(日)

【開催エリア】
大阪・阪急梅田東通商店街周辺
https://maps.app.goo.gl/tbj7LrnG6

●プロジェクト公式サイト
https://karubichan.jp/
●プロジェクト公式「X」
@karubichan_offi
●推奨ハッシュタグ
#とりあえずカルビちゃん #とりカル