ファンの声援も後押し! 七色の歌声が劇場に響き渡る 「悠木碧 2nd Orchestra Concert『ella』」(昼公演)レポート

By, 2023年4月11日



声優・アーティストとして活躍する悠木 碧の約3年半ぶりとなる単独公演(オーケストラコンサート)が2023年4月2日(日)、東京芸術劇場にて開催された。ここでは「昼公演」の模様をお届けする。

オーケストラ楽団「パシフィックフィルハーモニア東京」のメンバーが調律を行なったあと、オーディエンスの大きな拍手に迎えられて悠木さんが登場。
注目の1曲目は「永遠ラビリンス」。ピンク色のペンライトの花が咲き乱れるなかで熱唱する悠木さん。ラスサビ前に“タメ”を作り、クライマックスに向けて一気になだれ込む演出は、本人も自信があったそうだ。続けて「ハツジョウジカケラブゲーム」を披露すると、会場を包んでいた緊張感が一気に解けるのを感じた。

この日の公演はマスク越しでの発声がOKということで、最初のMCで「みんなの声が聴こえてきて、ウルっときてしまいました」と感慨深げに語る悠木さん。
次に披露したのは「帰る場所があるということ」。約3年半ぶりのステージで緊張があったという悠木さんが、いつも通りに笑顔で迎えてくれたファンに向け、感謝の気持ちを込めて歌い上げると、同曲のカップリング「ビロードの幕」、さらに19年に発売されたアルバム『ボイスサンプル』から「Logicania distance」を情緒たっぷりに歌唱した。

ここで、昼の部ゲストの上坂すみれさんが登場。先に「バナナチョモランマの乱(無修正版)」をデュエットすることを明かしたうえで「この曲はアニメ『アホガール』を意識して作った曲なので、すみぺ(上坂さん)は絶対に呼びたかった」と話す悠木さん。
『アホガール』は悠木さんがヒロインの花畑よしこ役、上坂さんが風紀委員長役で出演しており、さらに上坂さんがエンディングテーマ「踊れ!きゅーきょく哲学」を担当しているという、2人にとって縁がある作品。上坂さんとノリノリで歌唱し、最後は2人でステージ上に用意された銅鑼を豪快に鳴らした。

このあと、ステージには上坂さんが1人残り、TVアニメ『ポプテピピック』オープニングテーマ「POP TEAM EPIC」を披露。オーケストラの演奏をバックに気持ちよさそうに歌唱すると、ふたたびステージに現れた悠木さんと「オーケストラってすごいね!」と興奮気味に話していた。

ここからは悠木さんのオンステージ。この日のセットリストを振り返ると、ほぼリリース順に披露してきたということで「もしかしたら予想がついているかもしれませんが」と前置きして歌い始めたのは「Unbreakable」。さらに「ブレイクダウン」と力強く歌い上げ、オーディエンスもペンライトを激しく振って応えていた。

続くMCでは、ステージを支えた「パシフィックフィルハーモニア東京」とバンドメンバーを紹介。「オーケストラコンサートを提案したのは『声が出せないなかでもみんなに楽しんでもらいたい』という気持ちからなのですが、声出しがかなってすごくうれしいです!」と笑顔で語り、オーケストラ編成では初披露というアニメ『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』オープニングテーマ「ぐだふわエブリデー」を歌唱。最後は「あくび」のジェスチャーを見せ、キュートな仕草で場内をわかせていた。

迎えたアンコールでは「死線上の華」を凛々しい顔つきで披露。最後は敬礼ポーズで締めた。

MCでは本公演で披露されたすべての楽曲のアレンジを担当した、ピアニストの大嵜慶子さんが「ジェットコースターのようなセットリストでしたね。悠木さんの曲はクラッシックと親和性が高いですし、歌詞のふり幅もすごくて、アレンジ作業が楽しかったです」とコメント。悠木さんもステージを引っ張ってくれた大嵜さんには感謝しきりの様子だった。

続いて「季節が春を迎えたことだし、絶対に歌いたかった」という「ランブリン・ハンブリン」を、左右に揺れながらふわふわボイスで歌唱。同曲は前回のオーケストラコンサートで1曲目に歌ったナンバーということで「原点に返るような気持ちになりました」と感想を語った。

最後のナンバーは、悠木さんが原案を務める“曜日”をモチーフとしたキャラクターたちが織り成す「キメラプロジェクト」関連の楽曲。コロナ禍のなかで立ち上げた、さまざまな思いがこもった大事なプロジェクトとなっている。
この日は同プロジェクトから生まれた7人のキャラクター・曜日キメリオ(Sunday:CV.悠木 碧/Monday:CV.鬼頭明里/Tuesday:CV.寿 美菜子/Wednesday:CV.雨宮 天/Thursday:CV.田村睦心/Friday:CV.早見沙織/Saturday:CV.佐倉綾音)が歌う「リリシニウム・ビブリオラ」を披露。本来は7人で歌唱する楽曲だが、この日は悠木さん1人で挑戦した。
「オーケストラの力、そしてみなさんの力を借りて歌います!」と笑顔で言い放ち、その卓越した演技力を生かした見事な歌いわけで客席を魅了すると、サビをファンとともに歌唱し、会場が一体となった。

最後のMCでは自身のアーティスト活動について言及。「第1シーズンは『私がやりたいことをやる』、第2シーズンは『作品に寄り添って歌う』という目標を持って活動してきました。みんなとコミュニケーションの場を作り、今後の音楽活動につなげていきたいです」と「第3シーズン」の開幕を告げた悠木さん。これからどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、期待したい。

<レポーター/ダンディ佐伯・文責(編集)『れポたま!』編集部>

【セットリスト】
1.永遠ラビリンス
2.ハツジョウジカケラブゲーム
3.帰る場所があるということ
4.ビロードの幕
5.Logicania distance
6.バナナチョモランマの乱(無修正版)with 上坂すみれ
7.POP TEAM EPIC(上坂すみれ)
8.Unbreakable
9.Break down
10.ぐだふわエブリデー
11.死線上の華
12.ランブリン・ハンブリン
13.リリシニウム・ビブリオラ

◆悠木 碧 日本コロムビア公式HP http://columbia.jp/yukiaoi/
◆悠木 碧 音楽STAFF公式Twitter @staff_aoi