新感覚の朗読劇に、文学をテーマにした楽曲も披露 「小見川千明のお気楽文学サロン 谷崎潤一郎『痴人の愛』朗読会」

By, 2021年6月18日



谷崎潤一郎の小説『痴人の愛』を題材にした、声優・小見川千明の朗読劇が6月13日(日)、東京・六本木BIRDLANDで開催された。
小見川さんとはアニメ『邪神ちゃんドロップキック』で共演し、本作を手がけた監督・演出の寺田御子、そしてピアニストのARUHIを迎え、朗読とトーク、ライブと濃密な時間が展開した。

まずは本イベントのメインともいえる『痴人の愛』の朗読劇。
スクリーンの横に立ったナオミ役・小見川さんがARUHIさんが手がけた劇伴とともに、大きく映し出される自身の映像を見ながら声をあてていくという斬新なスタイルで進行していく。
なお、今回は「朗読してほしい場面」を事前にSNSで募集。とある女性ファンからのリクエストに応えたそうで「(このような演じ方をしてしまい)業が深くなってしまいました」と苦笑いの小見川さん。
そんな彼女の心配をよそに、その妖艶な世界観に、オーディエンスもすっかり虜になってしまったようだった。

最後に彼女の新曲、その名も「痴人の愛」を披露し、朗読を終えると、寺田さんが登場。
映像のなかには、彼女が演技をしたパートもあったそうで、「みなさんにはばれなかったみたいでよかったです」と胸をなでおろしていた。

ほかにも撮影シーンのエピソードを次々に披露。寺田さんは「代打」のシーンを住宅街で撮影した際、便宜上、下着を脱いだそうだが、たまたま歩いてきた女の子にその場面を目撃されてしまったとのこと。「トラウマを植えつけてしまったのでは?」と内心ドキドキだったそうだ。
一方、小見川さんは「バイノーラルマイクを使って録ったので、今度映像をご覧いただく際は、ぜひイヤホンを着けて楽しんでください!」と勧めていた。

続いてはARUHIさんが登場。寺田さんと事前に密にやり取りする時間がなく、作りたいモノの共有ができなかったのが悔しかったそう。「また機会があれば、ぜひご一緒したいです」と意気込んでいた。

後半はARUHIさんの伴奏によるミニライブコーナー。
これまでに作り上げてきた、文学作品にまつわる楽曲を次々に披露していき、とくに「わすれなぐさ-Season de l’oubli-」では、ARUHIさんのアドリブ力もあいまって客席、そして小見川さん自身もハッとさせられるような雰囲気に包まれた。
なお、この日披露された楽曲については「note」などでも購入可能とのことなので、気になる人はチェックしてみよう。

イベントを終えた出演陣と、『痴人の愛』で動画カメラマンを担当したOtoさんにお話をうかがってきた。

―今回の企画はどのように立ち上がったのでしょう?

寺田御子さん(以下、寺田):今年の3月ころから「ふたりでなにかやりたいね!」と話していて。私は千明さんに悪女を演じてもらいたかったので(笑)、『痴人の愛』がピッタリだという結論に至り、本作の朗読企画がスタートしました。

―イベントの感想を、改めてお願いします。

小見川千明さん(以下、小見川):「さすが御子ちゃん!」という演出がたくさんあり、臨場感抜群のなかで朗読ができました!
実は、最初は映像を流したあとに、私が生朗読をする……という流れで考えていたのですが、映像があまりにも高クオリティだったので、「活動弁士(無声映画において、映画の内容を説明する人のこと)スタイルでいきましょう!」と提案させていただきました。

ARUHIさん(以下、ARUHI):小見川とはかなり長い付き合いなのですが、映像つきでピアノを弾くというのは初めてじゃないかと思います。私自身、すごく新鮮な気持ちで演奏できました。

Otoさん(以下、Oto):自分が撮影した映像が、小見川さんとの朗読と見事に合わさった形で流れて、感激しました!

―トークショーで語れなかったエピソードはありますか?

ARUHI:トーク本編と、ちょっと被ってしまうお話かもしれませんが、曲を作っている際「寺田さんや小見川と、作品に対する見解が違っていたらどうしよう?」という不安がありまして。次はちゃんとすり合わせをしてから制作に臨みたいです。

寺田:クオリティがますますアップするだろうし、私も賛成です!

Oto:今回、急きょ主人公の河合譲治役を演じることになったのですが、寺田さんから「触り方がぎこちない」と、容赦ないダメ出しを受けまして……(苦笑)。

寺田:Oto君は、私が所属している映像制作ユニット・PiaPreの仲間なので、攻めた指示を出せちゃうので……ちょっとやりすぎてしまったかな?(笑)。

―ライブパートはいかがでした?

小見川:noteで販売する楽曲を中心にセレクトして「あとはARUHIちゃんに任せちゃおう!」と思っていたので、「わすれなぐさ-Season de l’oubli-」の演奏はビックリしちゃいました。

ARUHI:その場の雰囲気を見ながら演奏を変えるので、ちょっと驚かせちゃったかも……。

小見川:全然! ライブ感があってすごくよかったよ! 
御子ちゃんも、トークパートに関しては、台本はあってないようなものだったから。全部アドリブでしゃべってくれたんだよね? すごい!

寺田:褒めすぎ!(笑)

小見川:ここでしゃべっているだけだともったいないから、アフタートークを、お酒が飲めるお店でやりたいな~!

ARUHI:私もやりたい!

寺田:はやく世の中がいい方に向かってくれるといいですね。

小見川:「小見川千明のお気楽文学サロン」、これからもよろしくお願いします!

<Text/ダンディ佐伯・Photo/Oto>
☆ページ下部に写真一覧あり。

☆現在アーカイブ配信中、詳細はこちらをチェック!
https://crocodile.zaiko.io/_item/339311

【チケット】
[配信]
2021年6月20日(日)22:00まで

■ライブ配信終了後、チケットをお持ちの方は【6月20日(日)23:59】まではアーカイブ配信をご利用いただけます。
■アーカイブ配信期間中は何度でも視聴可能です。

●小見川千明 公式ホームページ
https://chiaki-omigawa.amebaownd.com/
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