新たなエンターテイメントのあり方も提示「ブシロードグループDX発表会」レポート

By, 2020年8月27日



ブシロードの、主にデジタルコンテンツの施策を紹介する発表会が8月26日、都内で開催された。
当日はZoomウェビナーでの中継配信も行われ、美波わかなさんが司会のもと、ブシロード 代表取締役社長・橋本義賢氏、(株)ソーシャルインフォの根本雄貴新社長、そしてリンガ・フランカ 代表取締役・新福恭平氏が登壇した。

まずは、橋本社長から挨拶。
「ブシロードはカードゲームから始まり、新日本プロレスを買収、最近ではライブコンテンツということで、オフラインに強い企業かと思われている人も多いかもしれません。今日は少しでもその考え方を変えていただければと思います」とコメントした。

  

この日は大きくわけて4つの事項について発表された。

まずは(株)ソーシャルインフォの取得。
「ソーシャルゲームインフォ」や「アニメレコーダー」といったメディア媒体を展開するソーシャルインフォが9月1日から連結子会社化されることとなった。「ブシロードコンテンツに傾倒することなく、今後も中立を保ち、ニュースリリースを紹介していく」そうだ。

ここで(株)ソーシャルインフォの根本雄貴社長が登壇。根本氏は入社5年目と若く、5年以内での社長就任はブシロードでは初とのこと。「媒体を通じて、ゲーム・アニメ業界を盛り上げていく所存です」と所信表明を行なった。

 

続いて(株)リンガ・フランカとの提携。
同社は出版社横断のマンガアプリを運営しており、市場全体を見ると、電子書籍の売り上げが伸びていることを鑑みて、漫画アプリ「マンガドア」を「電子書店」に見立て、電子コミックやボイスコミック等の形態でのオリジナルのコンテンツを伸ばしていく狙いがあるとのことだ。
また、親会社である(株)IGポートとも協調し、アニメーション制作等、エンターテイメントを発展させていく。

ここでは新福社長が登壇。
社長は「マンガドア」について「出版社と近い媒体と位置付けられていると自負しています。同業界で信頼をいただき、出版社様からコンテンツを預けていただいたので、その基盤を大事にしつつ、取次会社とのリレーションも大事にしていく所存です。
8月1日からは「ボイスコミック」という、ひとつ上のコンテンツを始動させており、「今後も第2弾、第3弾と考えていきたいです」と意気込んだ。

そして、MOG(モバイルオンラインゲーム)の成長。
ゲーム事業はここまで堅調な推移を見せており、『アサルトリリィ』や『D4DJ Groovy Mix』など、注目タイトルのリリースも控えている。
橋本社長は「今後も期待してほしい」と自信をみせていた。

最後は各事業部門のDX推進事例。
ブシロードの事業は大きく分けて「TCG部門」「MD部門」「MOG部門」「メディア部門」、そして「音楽部門」「スポーツ部門」の6つに分かれており、ここでは特に前半4部門においてのデジタル化について説明。

「TCG部門」ではリモートで海外のプレイヤーとの対戦ができるような環境を整えていくことを表明し、「MD部門」として、このたびVTuber事務所を設立する計画が進んでいることを明かした。橋本社長は「よりキャラクター性を重視したVTuberを育てていきたい」と目標を語った。

 

なお「音楽部門」、「スポーツ部門」では「無観客イベントからハイブリッドイベントへ」と称し、席数を制限した有観客での公演に加え、インターネット同時配信、全国劇場でのライブビューイング、アーカイブ配信など、多岐にわたる鑑賞方法を提案。
これにより鑑賞機会や回数が増加。「リアルタイムでオフラインでの観賞」がメインだった収益モデルからの変化を促している。

また、海外戦略として、「東京から世界へ向けて、映像を出していくことでデジタルマーケティングをつけていく」という形もスタンダードになりつつあるということを力強く示していた。

最後に、ブシロードのアプリとTCGが集合した『ブシロードゲーム祭り』が9月19日(土)~30日(水)にオンラインとオフラインの垣根を超えて開催されることが発表された。
「ニューノーマル」を求められる時代に、どのような形でエンターテイメントを創出、提供していけるのか、注目だ。

<Text・Photo/ダンディ佐伯>

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