【2/16開催】STEREO DIVE FOUNDATION 1st LIVE『STEREO DIVE』 オフィシャルレポートが到着!!

By, 2020年2月25日



2013年11月シングル「Daisy」のリリースで産声をあげたR・O・Nによるサウンドメイキングプロジェクト・STEREO DIVE FOUNDATION。ロッキンなサウンドから情緒豊かなインスト曲まで、彼自身の多彩な音が音源から洪水のように溢れだすSDFが、活動が6年を越えた2020年2月に「初めての」ワンマンライブを開催した。

生憎の雨模様となったこの日。超満員となった渋谷WWWに人々の期待という熱気が満ちる中、ステージに姿を現すSDF。その登場のSEは「#01」。渾身のアルバム『STEREO DIVE』のオープニングを飾るナンバーが鳴り出せば大歓声が沸いた。アルバムリード曲でもある「PULSE」のエッジの効いた生バンドの音がダイナミックに響き出すと、そのエレクトリックなダンスチューンによって会場のテンションはいきなりクライマックス。観客は一体となって声をあげる。

続けて「Renegade」のイントロが間髪入れずに響くとまたも大歓声が沸き、ビートに合せて会場が揺れ、「Genesis」ではフロアから鳴る観客の手による大きなクラップ音がバンドのビートに厚みを加えていく。さらにR・O・Nがギターを手にし、show.yanaiのギターとの重厚グルーヴで魅せた「No replacement」。絡み合い会場を席捲するギターリフと真っ向勝負するような北村望のドラムとビートを強く押し上げるような川島弘光のベースが印象的だった。そして「AXIS」で轟くエレクトロロックサウンドとバンドの生々しい音にはフロアから湧く歌声が重なり、熱を帯びていく。

バンドの仲の良さを感じさせるMCのあとにはおもむろに「ピアノを弾くよ」とフロアへ声をかけたR・O・N。ステージ中央にセットされたピアノへ向かい、ポロリと美しい旋律をつま弾くと、そのまま「Chronos」へ。SDFとして3年9ヶ月ぶりとなったシングル曲の、美しくもアグレッシヴな音によって一気に彩られていくサウンドの中を情感豊かなピアノの音が躍る。そしてアルバム収録曲「Linde」の叙情的な歌が会場に沁み渡っていくと、そのままインスト「Sprinkle」では時の流れを感じさせる音が印象的だ。

そんな一曲でフロアの空気を変えると、続いたのは「Two divided Rainbow」。この日の雨模様を吹き飛ばして会場に虹をかけるような、軽やかなビートと軽妙なメロディに右へ左へと腕を振るオーディエンス。R・O・Nをはじめとしたバンドメンバーたちも一緒に腕を振り、ハッピーな一体感を楽しんでいる。ライブは4人編成なのにビッグバンドかと感じてしまうほどに賑やかでジャジーなインストナンバー「Handling」で会場を盛り上げると、続いたのはアルバム収録曲「Don’t let me down」だ。カラフルな音像が響き出して、その軽快なポップチューンによって紡がれるメロディアスな旋律にフロアの歌声が重なる。その様はまるでSDFの鳴らす音とファンの声とで楽曲が完成していくようだった。

楽し気なMCの時間に続いたのは、アルバム収録曲でも神々しいまでの光を感じさせるドラマティックな「Spiral」。そして穏やかさとダイナミックさという対照的な輝きを内包する表情豊かなインスト曲「PRISM FLAVOR」。そのままライブはタイトル通りに旋律で色付けしていくような「Dropping melodies」へ。ミディアムでハートフルなナンバーはシングル「Chronos」のC/Wに収録の深みある穏やかなメロディで紡がれる「Yellow」へと美しい音の繋がりで楽しませた。

悠久の時を感じさせる「Yellow」の後に演奏されたインスト曲「Fabiana」は、なんとライブの写真撮影がOKに。これはR・O・Nの「来てくださった皆さんになにかできないか」という想いからだったのだそう。音を刻むR・O・Nの姿と共にこの日の思い出を刻む。楽曲が演奏されているあいだステージに向けられていた無数の携帯画面の光からそんな想いが感じられた。この音を、この瞬間を、心のフィルムだけではなくいつも傍にある携帯の画面の中に、と。

そしてライブは軽快なダンスビートと共に音が躍動する「ODSD」、さらにフロアユースで近未来的なビートとドラマを感じさせるピアノとギターが印象的なインスト「Push me into circle」で緩やかで春めいた空気へ。が、そこからガラリと空気一変。ヘヴィに轟くロックサウンドにメロディックな歌が乗る「Blackout」が会場を熱く席捲していった。

SDFの活動についての決意表明をオーディエンスに届け「今まで作家として裏方の仕事をしてきたけど、フロントマンとしての自分の立場も自覚をしたら、SDFを支えてくれている多くの人たちの存在に気付くことができた。その人達の期待に応えるためにも自分ができることはもっとやりたいと思った。これからも頑張っていきます」と告げたR・O・N。熱い想いに拍手が沸くWWW。

そしてゆっくりと音が紡がれ、鳴りだしたのはSDFのデビューシングル「Daisy」。叙情的でエモーショナルな一曲を、歌詞のひと言ひと言をファンへと手渡すように丁寧に歌い上げると、最後は希望を高らかに歌い上げるような煌めく一曲「Coda」を会場みんなで歌声を重ね、大きくクラップしながら響かせる。多幸感に満ちた歌がWWWを満たしてライブ本編は幕を閉じたのだった。

持ち歌の全てを歌ってしまった、というR・O・Nだが、アプリゲーム「A3!」の秋組ユニットテーマ曲「oneXone」のセルフカバーと、そしてライブの幕開けの歌「PULSE」をオーディエンスへと贈ったアンコールも含め、全23曲での「初めての」ワンマンライブ。たった一度のこの夜を、ファンはきっと忘れないだろう。観客の傍にこれからも在り続ける「Fabiana」の写真と共に。

<Text/えびさわなち・Photo/江藤 はんな ( SHERPA+ )>

<セットリスト>
M00.SE #01(Inst)
M01.PULSE
M02.Renegade
M03.Genesis
M04.No replacement
M05.AXIS
M06.Chronos
M07.Linde
M08.Sprinkle(Inst)
M09.Two divided Rainbow
M10.Handling(Inst)
M11.Don’t let me down
M12.Spiral
M.13.PRISM FLAVOR(Inst)
M14.Dropping melodies
M15.Yellow
M16.Fabiana(Inst)
M17.ODSD
M18.Push me into circles(Inst)
M19.Blackout
M20.Daisy
M21.Coda

EN1.onwXone
EN2.PULSE

●STEREO DIVE FOUNDATION公式Twitter
@SDF_RON
●ランティス アーティストページ
https://www.lantis.jp/release-item/LACM-14936.html