【ライブ詳報】「ヨコハマいちの名探偵、ミルキィホームズでした!!!!」10年間の活動のゴール『ミルキィホームズ ファイナルライブ Q.E.D.』をレポート!!

By, 2019年4月17日



ゲームやアニメだけでなく、バラエティー番組や地域のお祭りへの出演など様々な活動を続けていた声優ユニット『ミルキィホームズ』。その10年の歩みのゴールとなる『ミルキィホームズ ファイナルライブ Q.E.D.』が2019年1月28日、日本武道館にて行われた。出演はミルキィホームズの三森すずこ、徳井青空、佐々木未来、橘田いずみの4人の他、愛美、伊藤彩沙、明坂聡美、南條愛乃、森嶋秀太と作品にゆかりのある人物が勢揃い。

2012年にもライブを行った思い出の地、日本武道館には平日にもかかわらず多くのミルキアンが集まっていた。その中には久しぶりにミルキィホームズのイベントに参加するという人も少なくないようで、さながら同窓会のような雰囲気に包まれていた。そうした光景にミルキィホームズはいつでも帰ってこられる場所、集まれる場所なのだという存在の大きさを感じた。そんなミルキアン達も開演時間が近づくにつれ一人、また一人と会場の中へ向かっていった。

様々な思いを胸にミルキアンが見守る中お馴染みのアバンタイトル曲が流れると、ミルキィホームズの4人が2012年の武道館と同じポーズで登場。『正解はひとつ!じゃない‼』『ナゾ!ナゾ?Happiness!!』とTVアニメOP主題歌の2曲からスタートすると、その流れを引き継いだのは今までのミルキィホームズのアニメを振り返る一曲『びよんど THE ミルキィウェイ』。特に後ろのモニタで流れていた映像が秀逸で、TVアニメやOVA、劇場版の名シーンに乗せて歌う4人の姿に会場の盛り上がりは早くも最高潮に達した。

この日最初のMCコーナーでは「ヨコハマいちの名探偵、ミルキィホームズです!」と恒例の挨拶をすると今日の意気込みを一言ずつ、佐々木「ミルキィホームズ史上、最高に楽しい一日にしようね!」徳井「10年分の声を出してくれー!」三森「今日は一生思い出に残る最高の一日にしようね」橘田「みんな馬鹿になってるかー?アホになってるかー?クレイジーになろうぜー!」と語った。さらにいつもはステージ裏でやっている「go, go!! ぱわふる」という円陣を、この日はミルキアンと一体になろうとステージ上で行った。

再び歌唱コーナーに戻ると、『ミルキィ A GO GO』『ミルキィ100ワールド』『恋の調査報告書』『総天然色フルパワー』と4曲立て続けに披露。いずれもPVがある曲だが、ミルキィホームズのコミカルな部分が溢れたものとなっているので、ぜひライブで歌って踊る4人の姿と見比べてみて欲しい。
さらに間髪入れずにソロ曲コーナーが始まる。トップバッターの徳井は『SU☆PA☆PA☆スター』で前回の武道館に続き2度目の宙を舞う姿を見せる。佐々木はアリーナ中央から登場し、『ヒロイン探偵物語』を360度の客席全員に届けとばかりに歌声を響かせていた。三森はグッズにもなったピンクのグローブをつけて登場すると『偉人先人 Oh,Hero‼』をムエタイ風の振り付けで披露。ケープ姿に青い薔薇を持って登場した橘田は『禁断サンクチュアリ』で独特の世界観を作り上げていた。

そのまま橘田がステージ上に残ると、橘田の独唱から『ミルキィホームズがやって来る、イエィ!イエィ!イエィ!』が始まる。昨年12月に放送されたTVアニメ「探偵オペラ ミルキィホームズ サイコの挨拶」の挿入歌であるが、短い曲のため生で聞くことは難しいと思っていたミルキアンも少なくない様子で嬉しいサプライズとなっていた。そこからの『Reflection』『オーバードライブ!』『勝利ノキズナ』では、ミルキィホームズのかっこいい一面や未来への希望を感じさせるものとなっていた。また3曲とも振り付けが覚えやすく、ペンライトの海が踊りに合わせて揺れる光景が印象的だった。

立て続けに『ぐろーりーぐろーいん☆DAYS』が始まると、それが呼び水となり「ちょっと待って下さい、ミルキィさん!」とフェザーズの2人が登場! ここ数年披露されていなかった6人揃っての『ピンチにパンチ』に客席からは歓声が巻き起こった。この時モニタでは6分割で6人を映しておりとてもかっこいいので、もし映像に残っていたら是非チェックしてみて欲しい。そしてミルキィホームズの4人が退場すると、フェザーズを皮切りにゲストコーナーが始まる。

『セイシュンビギナー!』の振り付けでは、綺麗なハートを作るなどこれまでの2人の絆の積み重ねを感じさせる息の合ったコンビネーションで観客を魅了。続く森嶋は2人とは対照的に、『ANSWER』を観客の気持ちまで乗せるような歌声で魅せた。元々この曲はアルバムの隠しトラックとして収録されており曲名も歌詞もわからない状態だったのだが、ここまで支持されるようになったのはひとえに森嶋が、小林オペラがミルキアンに寄り添い、一緒にミルキィホームズを温かく見守っていたからだと感じる。見守る存在と言えばもう一人、厳しくも温かさを持つアンリエットとアルセーヌの二面性を明坂が『Brilliant Wish ~華麗なる欲望~』で見事に表現していた。

 

明坂の「さあミルキィホームズ、わたくしの輝きを超えられるかしら!」の声に応えるようにアリーナ中央から登場したのは、新探偵服からライブTシャツ姿へ衣装チェンジしたミルキィホームズ。『こちらミルキィホームズ!』『みるみるUPっぷ↑↑』では困った時にはいつでも駆けつける、笑わせてくれる身近な存在としてのミルキィホームズ、2番から歌唱の始まった『カラフル with you』は今ファイナルのステージに立っているミルキィホームズの気持ち、『いつだってサポーター!』は今日が終わった後も、これからもみんなを応援しているよというミルキィホームズからのメッセージを感じた。一瞬の暗転、静寂とともにステージに現れたのはゲスト最後の出番となる南條。G4を思わせるジャケットに身を包み『ココロノエデン』を凛々しく歌い上げる姿はまさしくTVアニメ「探偵オペラ ミルキィホームズ サマー・スペシャル」の明智小衣であった。

歌唱が終わると「こころちゃーん!」「こころちゃん言うなー!」とお馴染みの掛け合いで出演者がステージに大集合し、記念撮影とゲストから一言ずつ挨拶が行われた。

南條「約10年の中、ミルキィホームズの競演をきっかけにシャロと小衣のように付かず離れずの関係で、現場でみんなに会うと頼もしいなと思っていました。ここで一緒に本気でバカをやってきたから、バカやった仲間みたいな感じで近しく感じていました。これからもこの関係性が続くといいなと思っていますし続いていくと思っているので、皆さんも変わらず愛し続けてください」

明坂「こうやって10年続いて、こんなに綺麗な景色を見ることが出来るなんて思っていませんでした。アニメのナレーションで奇跡の花と言っていますけど、10年かけて咲いたこの奇跡の花達が本当に美しくて、これは一生の思い出です。アルセーヌ様は美しいものが大好きなので、この奇跡の花を持ち続けていればアルセーヌ様が伺いに行くので、この気持ちを大切にして頂けたらなと思います」

森嶋「ミルキィの皆さんとはデビュー当初からずっと一緒にやらせて頂いており、家族のような心境で見守っていました。これで終わりというわけではなくみんなとの絆はずっと続いていきますので、皆さんこれからもみんなを宜しくお願いします!」

伊藤「私たちフェザーズは途中からミルキィホームズファミリーに仲間入りさせて貰って、私にとってはデビュー作で何から何までミルキィさんに教えて貰い、お世話になったので本当に今日が寂しいです。ミルキィさんの温かさ、ハッピーになる所が大好きです!これからも私にとっては4人のお姉ちゃんなので、ずっとお姉ちゃんで居てください。そしてミルキアンの皆さん、6年越しになりましたがアリス役に選んでくれて本当にありがとうございました。私も皆さんと一緒で、これからもミルキィが大好きです!」

愛美「ミルキィさんにはライブで泣いてご迷惑をおかけしたこともありましたが、そんな時もいつも優しくしてくれました。前の武道館の時、円陣に誘って頂いたのですが入れなくて、今日こそはと思ったら裏で「go, go!! ぱわふる」がなくて……(苦笑)」(ここで探偵、警察、怪盗、みんなでもう一回「go, go!! ぱわふる」を行い)「ありがとう! 今日は出演者の一員として、ファミリーの一員として武道館に立てたことを嬉しく思います。ミルキィさん大好きです!」

ゲストコーナーの締め、そしてライブ終盤戦は森嶋による「みんな、よく聞いてくれ。これは重要なファクターだ!」「シャーロック!ネロ!エルキュール!コーデリア!後は任せた!」の掛け声でスタート。そこから始まったのは小林オペラが旅立った後の話であるゲーム『探偵オペラミルキィホームズ2』のOP主題歌である『プロローグは明日色』なのが、今の4人で頑張っている姿と重なり心憎い。
『ミルキィtea time』ではゆっくりと流れる穏やかな時間を感じさせたかと思うと、続く『Day by Day~キミと一緒に』『毎日くらいまっくす☆』では駆け抜けてきた10年間を振り返る。そして本編ラストを飾ったのはゲーム『探偵オペラミルキィホームズ2』のED主題歌『バイバイエール!』。次のステージへ向かうみんなへエールを送る歌詞に、ミルキィホームズからミルキアンだけでなくミルキアンからミルキィホームズへの気持ちが重なり大合唱となった。

アンコールではこれまでのミルキィホームズのライブを振り返る映像が流れた、かと思いきや突然「ぷちゅーん」という音とともにブラックアウト。スロットではフリーズと呼ばれる熱い演出から始まった『ミルキィアタック』では満を持しての旧探偵服姿で登場。振り付けがないタオル曲に、4人とも思い思いの感情を込めてタオルを振り回していた。

ここでいつもであれば一人ずつ挨拶するところだが、今回は書いてきた手紙を朗読することに。

佐々木「エリーになっていない人生、ミルキィホームズになっていない人生なんて考えられません。今日が終わって明日は未来の一日目です。明日からそれぞれの未来に向かって歩んでいく私たちを、これからも見守っていてください。正直不安です。心細いです。寂しいです。でもこの約10年、ミルキィホームズで得た経験がこれからの人生、味方になって背中を押してくれると信じています。ミルキアンのみんな、ミルキィのアニメ、曲、思い出が今日消えてなくなるわけではありません。ミルキィホームズは永遠に不滅です。今日まで支えてくれた家族、友達、スタッフの皆さん、そしてミルキアンのみんな、そしてみもりん、徳さん、橘田さん、本当に本当にありがとうございました」

徳井「ずっと夢だった声優への道へ連れていってくれたのはミルキィホームズでした。初めてネロと出会ったときのキラキラした気持ちは今でも鮮明に覚えています。二十歳の時から約10年、沢山学んで、沢山笑って、沢山泣いて、大切な時間をみんなと過ごせたことが本当に幸せです。言葉にできない、かけがえのない宝物です。形は変わっても、大好きな気持ちはこれからも変わりません。私達はもちろん、ネロ達4人のことも、ずっとずっとみんなのファミリーです。最高のファム、最高の人生を本当にありがとうございました。これからも宜しくお願いします!」

三森「ミルキアンのみんな、約10年という長い間私たちのことを好きでいてくれてありがとう。色んな挑戦をミルキアンのみんながいつも笑顔で見守っていてくれるから、勇気をもって新しい世界に踏み出すことが出来ました。本当にありがとう。全力でバカ出来る仲間がいるってすごく幸せだよね、3人はほんと家族のような存在、それはこれからも変わりません。ミルキィホームズをしっかり最後まで見送ろうと頑張ってくれたスタッフの皆さん、本当にありがとう。なんとなく終わっていくなんてこともありえる世界で、ちゃんとファイナルまでの道筋と今日このステージを与えてくれてありがとう。時代は変化しても、思い出はずっとそのままです。みんなと一緒に過ごした時間は、ずっと私の人生の宝物です。明日からは三森すずこの第二章の始まりです。ミルキィホームズをやるために声優になった三森すずこではなく、表現者として声のお芝居をもっともっと探求していきたい三森すずこです。だから、明日からまたgo, go!! ぱわふる

P.S.シャロ、これからも一緒に歩いていこうね!」

橘田「この10年、本当に沢山のことを経験して、結成当初と比べると自分で言うのもどうかと思うけどごく成長できたと思います。自分で居られたのもメンバー3人のおかげだと思います。甘えていたところも沢山あったと思うけど、私は私で居られることが出来ました。普段は照れ臭くて言えないけど、本当に本当にありがとう。今はゴールを迎えてみんなも寂しさでいっぱいだと思うけど、ミルキアンのみんなの愛が支えになって走り続けられた10年のゴール、おめでとうって言われたいです。ユニットはゴールを迎えるけど、ミルキィホームズはずっとずっと生き続ける。10年経っても老人ホームでもお墓の中でも、私はずっとミルキィの曲を歌い続けていきたいです。どんなにボケても忘れたくない。しばらくは青色を見るだけで泣いちゃいそうだけど、私は一生ミルキィホームズの青!そしてみんなも一生ミルキアンで居て欲しいです。ミルキィホームズに出会ってくれて、好きになってくれて、本当にありがとう。そして明日からのみんなの輝かしい未来へ、いってらっしゃい!」

手紙を読み終え、4人がセンターへ出てくると『聞こえなくてもありがとう』のBGMに乗せてミルキィホームズ10年間の歩みが映像で流れ始める。これは4人にも知らされていないサプライズ演出で最初は戸惑いを見せていたが、思い出のシーンの数々や自然発生した客席からの合唱に泣き笑いの表情を見せていた。

感情が追いつかない様子の4人だったが気合を入れなおし、三森の「私たちのはじまりの歌です!」の掛け声で始まった『雨上がりのミライ』はサビの振り付けで足をバタバタさせる初期バージョン。カメラワークもPVを再現したものとなっており、比較できるように中央のモニタに並べて映されていたPVとライブ映像はカメラマンチームの本気とミルキィ愛を感じるものになっていた。

そしてついに来た『そして、群青にとけていく』では曲の最期では探偵の象徴ともいえる探偵帽を脱ぎステージに置いていくという演出に、これまでの楽しくて実はまだまだ活動は続くのではという期待をすっぱりと絶ち切られると、4人で手をつないだままステージを降りていった。

あまりにも綺麗な、そして完璧な終わりに一瞬の間があってからの「ミルキィ」コール、その声が徐々に大きくなっていたところで「わー!」と飛び出して探偵帽を取りに来るミルキィホームズ。徳井が「みんなが呼んだら出てくるよ、探偵ですから!」というと、三森も「こんなにメソメソしているミルキィホームズは事件ですよ!」と続ける。「泣いてる場合じゃねー!」「絶対笑顔で終わりたいから」「泣かない!」「笑顔になって!」とまくし立てると、最後はやっぱりこの曲『正解はひとつ!じゃない‼』。歌も振り付けもない、会場全員が思いっきり楽しむ一曲が完成していた。最後まで探偵帽を被り直すことはなく曲の終わりでは帽子を投げると、客席全体に挨拶をすると最後はこの言葉で10年の活動に幕を下ろした。

「三森すずこと」「徳井青空と」「佐々木未来と」「橘田いずみは」
「「「「ヨコハマいちの名探偵、ミルキィホームズでした!!!!」」」」

<Text/山口智也>

【セットリスト】
01.正解はひとつ!じゃない!!
02.ナゾ!ナゾ?Happiness!!
03.びよんど THE ミルキィウェイ
04.ミルキィ A GO GO
05.ミルキィ100ワールド
06.恋の調査報告書
07.総天然色フルパワー
08.SU☆PA☆PA☆スター
09.ヒロイン探偵物語
10.偉人先人 Oh, Hero!!
11.禁断サンクチュアリ
12.ミルキィホームズがやって来る、イエィ!イエィ!イエィ!
13.Reflection
14.オーバードライブ!
15.勝利ノキズナ
16.ぐろーりーぐろーいん☆DAYS
17.ピンチにパンチ
18.セイシュンビギナー!
19.ANSWER
20.Brilliant Wish ~華麗なる欲望~
21.こちらミルキィホームズ!
22.みるみるUPっぷ↑↑
23.カラフル with you
24.いつだってサポーター!
25.ココロノエデン
26.プロローグは明日色
27.ミルキィtea time
28.Day by Day ~キミと一緒に
29.毎日くらいまっくす☆
30.バイバイエール!

EN01.ミルキィアタック
EN02.雨上がりのミライ
EN03.そして、群青にとけていく

W-EN.正解はひとつ!じゃない!!

【ライブ概要】
■ミルキィホームズ ファイナルライブ Q.E.D.
■開催日程
2019年1月28日(月)

■開場/開演
17:30/18:30

【東京】日本武道館

■出演
ミルキィホームズ(三森すずこ・徳井青空・佐々木未来・橘田いずみ)

■ゲスト
フェザーズ(愛美・伊藤彩沙)
小林オペラ(森嶋秀太)

■スペシャルゲスト
アルセーヌ/アンリエット・ミステール(明坂聡美)
明智小衣(南條愛乃)

■チケット価格
指定:8,640円(税込)

【アルバム概要】
『ミルキィパレード!!!!』
[発売日] 2019年1月16日(水)

[品番] PCCG.90175

[価格] 9,000(本体)+[税]

[販売元]
ポニーキャニオン
[発売元]
ブシロードミュージック

●ミルキィホームズ ユニット公式サイト
http://milky-holmes.com/unit/
●ミルキィホームズ 公式ポータルサイト
http://milky-holmes.com/