10年間の集大成『Kalafina 10th Anniversary Film ~夢が紡ぐ輝きのハーモニー~』インタビュー

By, 2018年3月13日



今年の1月に活動10周年を迎えたKalafina 。これまでの活動を振り返るドキュメント映画が3月30日から2週間限定で公開! これまでに見せることのなかった彼女たちの素顔や制作・レコーディングの裏側もたっぷりととらえている。公開を控えた3人に映画の見どころ、そしてこれまでの活動を振り返ってもらった。

―改めて、10年間を振り返ってください。

Wakana:もちろん長いとは感じましたが「1年1年の積み重ねなんだな」というのを感じました。3人でハーモニーを大事に話し合い、どうすればお客様の心に響く歌声を届けることができるのかを考えてきました。一言でいうと「歌うことが更に好きになった」10年だったと思います。

Keiko:そうですね。歌うことが大好きで集まった3人が、より歌を好きになれたのはたくさんの人たちとの出会い、とりわけプロデューサーの梶浦由記さんが提供してくださる曲の素晴らしさが大きかったと思います。それぞれのタイアップ作品に寄り添って作ってくださるので、Kalafinaも作品とともに歩んでこられました。

Hikaru:ふたりが言ってくれたように「出会い」、そして「学び」の10年でした。

―映像のなかでは3人ゆかりの場所を訪問する場面も出てきます。

Wakana:昨年開催された「Kalafina Acoustic Tour 2017」の開催地に、福岡公演とHikaruの故郷である富山公演を入れていただきまして。ライブ前の時間を使ってロケをしたのですが、自然とライブへの緊張がほどけて素の自分が出てきたのを感じました。
東京に出てきて10数年の間に帰郷することはありましたがKalafinaとしてライブために帰郷するようになってから、「地元のありがたさ」を本当に強く感じるようになりました。地元でライブが行われると地元の知り合いや友人が観に来てくれて、終演後にKeikoとHikaruとも会って一緒におしゃべりしたりするのを見ると、「こうやって音楽が繋げてくれるんだな」と思いましたね。

Hikaru:やっぱり富山の空気は肌になじみますね(笑)。東京に出てきて今年で9年になりますが、外を歩くときは、いまだに緊張を感じているんです。だからこそ「生まれ育った環境はやっぱり大切なんだ」というのを改めて感じました。私が通っていた音楽教室も本当に久しぶりに訪れたのですが、レッスン教室のなかは全然変わってなくて、あのころの自分を思い出しました。

Keiko:都内はよくも悪くも移り変わりが激しいので、行きつけのラーメン屋さんがずっと同じところで頑張っているのがすごくうれしくて。渋谷のスクランブル交差点を音楽を聴きながら眺めていたり、そんな時間は今も昔も変わらないんだな、というのをしみじみ感じながら歩きました。

―今回の映画では、放送399回を数えるbayfm のレギュラー番組『Kalafina倶楽部』の収録の様子も紹介されていました。

Hikaru:あるキセキが起こった瞬間がカメラに収められていますので、それを目撃してください(笑)。

Wakana:8年間やってきて初めてでしたからね……(笑)。

Keiko:年末年始の過ごし方を赤裸々に語ったり、とても自由にやらせてもらっています。

―皆さんが、地方を訪れた際に、ライブ前にどんなことをされているのかが垣間見える映像も興味深かったです。

Hikaru:ご当地グルメを食べたり、名所を訪れたりして、その土地の雰囲気を味わってからライブに臨むと、よりお客様を近くに感じられる気がするんです。MCで観光に行った話をすると、皆さんの笑顔もたくさん見られますし、良いことだらけですね。

―ライブに臨む上で、入念な打ち合わせも行われています。

Wakana:私たちの意見をKeikoがKalafinaの意見としてまとめてくれて、話をしてくれるので、とても助かっています。

Hikaru:同じく、助けられてます!

Keiko:ちょっと、あまり持ち上げないでよ(笑)。

―個人練習風景も紹介されていましたが、ほかのメンバーの個人練習の模様を見るのは初めてだそうですね。

Wakana:そうなんです。私の場合は3人がコーラスワークを奏でるときにそれぞれがどういう位置にいるかを理解することと、どういうテンポ感だったかを思い出すため、ライブ音源を聴いてから自分の声をマイクに乗せる、という作業をしています。

Keiko:ライブへ向けて、個人での練習のあとに3人練習、そして最後に全体リハーサルを行うというのが、これまで私たちがやってきた流れなのですが、今回の映像を見てKalafinaとして活動を始めた当初のことを思い出しました。
ふたりの歌につられちゃうし、譜面も難しいし、何もかもが大変でした。10周年ライブは皆さんからのリクエストを募って楽曲を披露したので、レッスン中に、より当時のことを思い出していましたね。

Hikaru:長いことやらせてもらっているのになんですが、音をちゃんと取れるようにずっと同じところを練習しています。そして3人でやったときに、要望にちゃんと応えられるような状況まで持っていくんです。

―1月23日に日本武道館で行われた10周年ライブですが、前日は都内が記録的な大雪に見舞われました。

Wakana:私たちは大雪の当日は館内で「前日リハーサル」をやっていたので、外があんなことになっているなんて知りませんでした(苦笑)。
帰りがけにスタッフさんと「明日、気をつけて来ようね」と、お互いに声を掛け合ったのを覚えています。梶浦さんにも「てるてる坊主」を作っていただいて……。何とか無事に開催できることを祈って帰路につきました。

Keiko:普段はなかなか観られないようなシーンもありますので、ぜひご覧になっていただきたいですね。

―ライブの衣裳チェンジの場面も映画で映し出されていましたが、もしライブで自由に衣装を選べるとしたら、どんなものがいいですか?

Wakana:ワンピースにスニーカーでステージに立てたら、いつもと違う気分で面白そうですね(笑)。

Keiko:私はKalafinaの衣裳が個人的に、とても好きなテイストなので、今の方向性にその時々のコンセプトを寄せて作っていけたら良いなと思っています。

Hikaru:私の場合、例えばそのライブでのメインが赤い衣裳だったとしても、それぞれの曲のイメージに合った衣裳を着ていると想像しながら歌うようにしているので、どんな服装を着ていても気持ちは変わらないと思います。

―最後に、メッセージをお願いします。

Wakana:今回のフィルムは私たちとともに歩んできてくださった皆さんのための映画でもありますので、ぜひ一緒に10年間を振り返っていただきたいですね。

Keiko:密着して頂いた期間は半年ですが、Kalafinaが紡いできた10年間の音楽が、ライブシーンや様々な形で描かれています。また、3人が出会う前の、それぞれが夢を追いかけていた頃の想いなども語られていますので、是非たくさんの方に“夢”という言葉が身近にあることを感じて頂けたら嬉しいです。

Hikaru:公開期間が2週間限定なので、ぜひスケジュールを合わせて大スクリーンでご覧になっていただきたいです。皆さんでぜひ映画館に来てください!

<Text・Photo/ダンディ佐伯>

【映画概要】
『Kalafina 10th Anniversary Film ~夢が紡ぐ輝きのハーモニー~』
2918年3月30日(金)~4月12日(木) 2週間限定でロードショー

●Kalafina オフィシャルサイト
http://www.kalafina.jp/
●映画 特設サイト
http://www.toho.co.jp/theater/ve/kalafina/