2017年4月15日(土)23時よりNHK総合テレビで放送スタート予定のテレビアニメ『アトム・ザ・ビギニング』の試写会が行われ、中村悠一(天馬午太郎役)、寺島拓篤(お茶の水博志役)、井上雄貴(A106役)、佐藤竜雄監督が登壇した。
『鉄腕アトム』の誕生秘話が現代的な視点で描かれている本作。第一話の上映後、中村さんは「午太郎は信念を曲げない、というか曲がらないんです。主席研究生の堤 茂理也を非常に意識しているのですが、彼がどのような目で見ているのか、いろいろ逡巡しながら観ると面白いかもしれません」、寺島さんは「アトム同様、音や動きが自分の想像を超えるものに仕上がっています」、そして井上さんは「テレビアニメでメインキャラクターを演じるのは初めてなので緊張しました。第1話では一言でしたが、今後セリフも増えてきます」とコメント。
佐藤監督は今作について「A106をはじめ、メカニックデザインが難しかったです。作画とCGをハイブリッドな形でやっているので時間がかかってしまいますが、スタッフの皆さんの熱意もお借りして、乗り越えていきたいです」と展望を語った。
ここからは記者からの質問。
―『鉄腕アトム』という作品について、これまでどのように触れられてきましたか?
中村さん:リアルタイムで観ていた世代ではありませんが、何かしらの媒体で小さいころから触れられる、非常に稀有な作品でした。今回、前日譚というポジションの作品をやるにあたり、オリジナルにつながるように何かを残していかないといけないのは少しプレッシャーに感じています。
寺島さん:『鉄腕アトム』は、テレビアニメの言わば「元祖」という作品なのですが、その答えにたどり着くための方程式を解くのではなく、あくまで『アトム・ザ・ビギニング』という作品に出演していると考えながら演じるようにしています。また、本作単体でも楽しめれば、という思いもあります。
井上さん:僕は22歳ですが、子供の遊び場や図書室に必ずある作品で、本作でロボットを演じるのは信じられない気持ちがありました。役が決まってから色々詳しく調べて、A106がそのまま「アトム」になるのか、はたまたA106を開発した経験を活かして「アトム」が生まれたのか、いろいろ想像しながらアフレコに臨んでいます。
―映像化するにあたり大切にしているのは?
佐藤監督:『鉄腕アトム』を読んだ感想ですが、絵に親しみがある一方で、ガジェットが細かいところがあると感じました。描かれているものとして、AIの本体が何を考えているのかが、お茶の水博士も天馬博士も分かっていないところが怖いと思いましたが、『アトム・ザ・ビギニング』は『アトム・ザ・ビギニング』として描いていますので、ふたりの夢やA106の成長を重点に描いています。
電子頭脳が完成されている時代で、感情があるのですが人間とは違う、という世界が『鉄腕アトム』で描かれていましたが、今回はAIが完成していない世界で「自我」というものに主眼を置いて描いていますので、そこが物語のキモになると思います。
<Text・Photo/ダンディ佐伯>
【アニメ概要】
『アトム・ザ・ビギニング』
2017年4月15日(土)23時~NHK総合で放送開始
●テレビアニメ公式サイト
http://atom-tb.com/