OLDCODEXが2017年1月14日(土)、15日(日)に全国ツアー『OLDCODEX Tour 2016-2017“FIXED ENGINE”』のファイナル公演を日本武道館で行った。ここでは14日の公演の模様をお届けしよう。
巨大ないくつものギアを模したステージセット。中央で噛みあった2つのギアはTa_2(Vo)とYORKE.(Painter)、そしてメンバーとオーディエンスを象徴しているかのようだ。昨年9月のツアー初日より進化を遂げたステージセットはそのスケールと色彩に一瞬にして目を奪われる。耳だけではなくここまで目で楽しませるバンドは他にはないだろう。
シングルコレクションを引っ提げてのツアーにふさわしく、歴代の楽曲たちが流れるなかメンバーが登場。オープニングはINORANがサウンドプロデュースを手掛けた「HEAVEN」だ。攻撃的なシャウトで煽るTa_2に、客席も大歓声と振り上げた拳で応える。1曲目からトップギアで展開していくステージは続く「flag on the hill」へ。「行くぞ武道館!!」というTa_2の掛声で始まった「Lead Me Not」では客席からハンドクラップが巻き起こり、ヘドバンで客席を煽るYORKE.。「Feed A」、「Meteor Train」とヘビーなナンバーが続き、スタートから勢いが止まらないどころかヒートアップする一方だ。
「こんばんはOLDCODEXです。帰ってきたぞ東京!!新年一発目のOCDだぞ。すっからかんになって、いい顔して今日は帰ろうぜ!」
Ta_2が叫び拍手と大歓声が上がる中、続く「Cold hands」へ。客席と真っ向から向かい合い全身全霊の歌を届けるTa_2と、時には絵筆で、時にはマイクで場内のボルテージを高めていくYORKE.。前へ前へ突き進んでいくかのような攻めのステージに、イントロが鳴るたびに大歓声が上がる。爽やかな疾走感を感じさせる「Harsh Wind」、手を取り合うように向かい合って歌う2人に絆を感じた「Dried Up Youthful Fame」。とどまることのない彼らの熱がこれでもかと視覚と聴覚を刺激する。
「目に見えないものがちょっとだけ信じられなくなった時があったんだけど、そういう時に一番近くで背中を押してくれてるのは相棒のYORKE.だったりするんだよ。YORKE.がいるから出来ることがたくさんあるんだ。それをオマエらに見せてやる!」
そんなTa_2の言葉で始まった次のセクションでは、キャンバスに描き出された色とりどりの風船がどこか切なさを感じさせノスタルジックな雰囲気に包まれた「Lantana」、「Milestone」では左右のキャンバスに白いクロスが被され“何が起こるのだろう?”という期待感のなか、「O」と「X」の文字を描きだすYORKE.。曲が終盤に差し掛かると、ステージ上方から「L」、「D」、「C」、「O」、「D」、「E」、の文字が下りてくる。ステージ上の「O」、「X」が左右に並び、「OLDCODEX」の文字が浮かび上がると場内は拍手と大歓声が沸き起こった。
三日月が描き出された「[Blue]」、切なさを感じさせるようなTa_2のシャウトがリリックをより引き立たせる「Aching Horns」。ボーカルとペインター、この2人だからこそ広がる可能性を見せつけられた気がした。
「またこうやって武道館で大きいセット作れるからいろんなことが出来るんだなって思いながらやらせてもらってる。少しでもオマエらの心の中に残ったらいいなって思ってるよ。ありがとう(Ta_2)」その言葉に温かい拍手が沸き起こり、「でも俺ら2人じゃ何にも出来なくって、その後ろには最高に俺たちを支えてくれるバンドメンバーがいるんだよ(Ta_2)」と恒例のメンバー紹介に突入。ドラムのRyo、ベースの中村泰造、ギターの大村真司が紹介され盛り上がりをみせる場内。
「あとはメンバーなんでよろしく頼みますよ」とTa_2からYORKE.にバトンが渡ると、新年一発目のライブということもあり「明けましておめでとうございます」と挨拶。「山口公演で大きい怪我をして治しながらステージに立って、改めてステージの上で教えてもらうことがたくさんあったツアーだった」とツアーを振り返ると、ステージセットについて「実は去年の“Veni,Vidi”(2016年の武道館公演)のロゴとかに使った色を全部入れてみた。“Veni,Vidi”、”Capture”(2015年の武道館公演)と3回目の武道館だけどずっと繋がってるような気がしてこういうセットになった」と語った。
そして、OLDCODEXが2人きりになった時に最初に手を差し伸べてくれたINORANにすべての感謝を捧げようと、1曲目を「HEAVEN」にしたというエピソードも披露され、会場を沸かせた。
「まだまだ止まってらんねーんだよ。俺たちともっと激しめに遊びますか?思いっきりぶちかましてやろうと思うから、オマエらもそのつもりでかかってこいよ!!」Ta_2の熱い煽りに会場が揺れる。「Deal with」、「The Experience」とオーバーヒートしそうなほどの盛り上がりを見せ、「Scribble,and Beyond」ではTa_2の「踊ろうぜ!騒ごうぜ!行くぞー!!」の言葉を合い図に拳を突き上げ思い思いに暴れ跳ね踊るオーディエンス。増すばかりの勢いに圧倒され、「Anthem」での全力のぶつかり合いに興奮を覚えた。
スタートから勢いを増し続けたままライブは終盤へ。「WALK」ではコール&レスポンスで一体感を増し、これ以上はないだろうと思う盛り上がりのハードルをすんなりと超え会場が揺れに揺れまくった「カタルリズム」、大合唱が沸き起こった「Rage on」で熱気と臨場感に満ちた本編を締めくくった。
OCDコールに迎えられてのアンコールでは、事前に抽選で選ばれたオーディエンス2人をステージに招いての「kick out」でおおいに盛り上がり、ますますテンションの上がる場内にYORKE.がどうしてもやりたかったという「reel」を投下。ラストは「2人で決意を固めた曲」とTa_2が語った「Eyes in chase」で締めくくられた。
熱気に満ちた場内は皆それぞれに羨ましいほどいい表情をしている。そんな中、ステージ左右に置かれていたキャンバスがステージ中央に並べられた。2つのキャンバスを合わせると1つの絵が完成するという、なんとも彼ららしい粋な演出で最後までオーディエンスを魅了する。
2人で深々と客席に頭を下げ、マイクを通さずに「ありがとう!また会おうぜ!!」とTa_2が叫ぶ。ステージを後にする2人に温かい拍手と歓声が送られた。
止まることなく進化し続ける彼ら。新しいOLDCODEXを早く見たい。
<Text/渡辺絵美>
撮影/達川範一
撮影/MASA
●OLDCODEX オフィシャルサイト
https://www.oldcodex.com/