完全新作オリジナルアニメ『残響のテロル』が2014年7月より放送開始! 『カウボーイビバップ』でおなじみの渡辺信一郎氏が監督、菅野よう子氏が音楽を手がける強力タッグ、さらにキャラクターデザインを『サムライチャンプルー』の中澤一登氏が担当した話題作だ。メインキャストにお話をうかがってきました!
―これまでのアフレコの感想をお願いします。
ナイン役・石川界人さん(以下、石川):オーディションの時点でナチュラルにやってくれ、と言われました。僕が感じたそのままの言葉を出そうと思いました。変に作りこまなかった分、ここまでうまくやってこれたと思います。
ツエルブ役・斉藤壮馬さん(以下、斉藤):渡辺監督、菅野さんといえば『カウボーイビバップ』。いちアニメファンとして嬉しいです。音響監督をかねている渡辺さんからは「ナチュラルな中に異質なものを作ってくれ」、と言われました。オーディションに臨んだ際、外がとても暑い中で走ってきて、すぐに収録が始まったのですが、ひと言目が「あちーな、しかし」だったので、とてもストレートに演じられました(笑)。
リサ役・種﨑敦美さん(以下、種﨑):「完全オリジナル」ということで、嬉しさと同時に責任感を感じています。「ナチュラルな感じで」という説明があったので、台本をいただいた際に役作りがとてもやりやすかったです。
柴崎役・咲野俊介さん(以下、咲野):もしかしたら、TVアニメのアフレコ経験は3人よりも少ないかも知れません。オーディション時に「とにかくナチュラルに」と言われていまして、自然のままに演じたら受かりました(笑)。アフレコ時に100パーセントの絵が入っている映像が出てきて、プレッシャーを感じましたね。
―ご自身が演じたキャラクターの説明をお願いします。
石川:ナインは冷静沈着で、自ら立てた計画を忠実にこなそうとします。リサに抱かれた印象が氷のような「冷たい目をしている」ということで、一見冷たい印象を受けますが、僕が彼に感じたのは、「彼の根底には、人間味があるんじゃないか?」ということです。それが今後出てくるのか? それはどういうきっかけなのか? 楽しみです。
斉藤:ツエルブは「赤ん坊がそのまま成長したような、『無邪気、無垢さ』があるが故に残酷さを持つキャラクター」、ということを説明されました。第1、2話での言動にそれが表れています。また「彼が心を許せるのはナインしかいない」、というのがバックボーンにあります。
てらいのない冷たさや、ナインに対する信頼感をとても感じました。彼は人との距離がうまく測れないので、リサとかかわっていく中で、彼がどのように成長するのかを見たいです。
種﨑:リサは学校ではいじめられていて、家には過干渉な母親がいます。どこにも居場所のない女の子なのですが、私が台本をもらって読んだ印象も「心の拠り所が何もない子なんだな」というものでした。でも明確な意思というよりは本能で動き出せる力を持っていると思いますので、これからふたりと会ってどのように変わるのか楽しみです。
咲野:柴崎は刑事ですが、色々なありまして、人生にも生活にも疲れています。ナインとツエルブのふたりが起こす事件がきっかけで前線に復帰するのですが、何が彼にそうさせるのかがとても気になります。今後それがどう解かれていくのかが楽しみです。
―アフレコ現場でのエピソードを教えてください。
石川:監督がAパート、Bパートとパートごとに色々と説明してくださるんです。自分が現場に持っていっているものの答え合わせをさせていただく感じです。監督と違っていた場合に、どう違うのかを確認すると、すり合わせをしてくださるのがとても嬉しいです。
斉藤:自分は経験が浅いので、新しい現場に行くと緊張してしまいます。どうなじむのかをいつも悩んでいるのですが、テロルの現場にはすんなり溶け込むことができて、ありがたいと思いました。他にも、出来上がった画面の中で映っているけどしゃべっているところが見えない、というようなシーンを演じたり、様々な経験をさせていただいています。
種﨑:収録後も監督がたくさん話しかけてくださって嬉しいです。咲野さんと六笠役(柴崎の同僚)のかぬかさんのお二人が現場の雰囲気を作ってくださって……大好きです!また、座り位置がキャラクター同士の距離と同じくらいなので、席が近くなりたいです!
咲野:いつも種﨑さんがお腹を鳴らすので、それに癒されています。いつも収録後に「お腹すいてない?」と聞いています(笑)。
―本作の見どころを教えて下さい。
斉藤:「謎」が大きなキーワードになっています。ナインたちは動画サイトを使って犯行予告をしたり、謎かけをしたりします。その謎かけを解き明かした先にあるものは一体なんなのか、なぜ彼らは世界に引き金をひいたのか、そうした謎が多く散りばめられています。物語がどのような結末を迎えるのかわからないので、一緒になって謎を追いかけてもらえますと幸いです。
石川:自分、カッコいいオジサンが出てくるアニメが大好きでして(笑)。ベテランの演者さんがたくさんキャスティングされていて、配役ひとつでこれだけ作品の重さが変わるんだな、というのが分かりました。彼らが活躍する回もあり、今から非常に楽しみです。
咲野:監督が「この変化球だらけの時代に直球を投げてみた」とTwitterでつぶやかれていました。ストレートな人間ドラマを観ていただけると思います。30分ではもったいないですね。
種﨑:実際に起こっても不思議じゃないようなことがたくさんあり、リアルだな、と思いますね。そこが魅力ではないでしょうか?
―本作の映像の魅力を教えてください。
石川:人物がリアルに描かれていて、あたかも生きているような動きになっています。
斉藤:色調のバランスがとてもきれいなので、ぜひ大きな画面で観てもらいたいです。
種﨑:キャラクターの表情がとても繊細で、色々な部分がリアルに感じられると思います。
咲野:喫煙シーンを効果的に使っているな、と思いますね。
―エンターテイメント性を感じるところは?
斉藤:スピード感ですね。ツエルブが最初に登場するシーンに注目してください。
石川:謎をといていく立場の柴崎が、視聴者の目線に一番近いように感じました。ミステリー小説のようなイメージでご覧になっていただけると思います。
種﨑:リサには「学生時代にこんなこと言ったな」、というようなセリフがあったりしますので、あの頃を思い出しながら演じています。ミステリー小説のようなイメージもありつつ、そんな「青春」を感じる描写もあるところだと思います。
咲野:よく、海外ドラマのテーマにもなるのですが。柴崎も「自分の人間性も再生できるんじゃないか?」という気持ちでやっているのではないかと思います。
―Yuuki Ozaki (from Galileo Galilei)さんがうたう主題歌「Trigger」についてお聞かせください。
石川:ナインとツエルブのことを歌っているということらしいです。何度も観ましたので、PVの初めの部分を聴くと、そのシーンが浮かんできます(笑)。
―最後に、番組をご覧になる皆さんに一言お願いします。
咲野:話題作なので皆さんの期待も大きいかと思いますが、それを裏切らない作品になっていると思います。柴崎と一緒に事件を解決してみないかい(笑)?
種﨑:リサが二人と会うことによってどのように変わるのか? 彼らがどういう意志でこのようなことをしているのか? 楽しみにしてください。
斉藤:青春ものであり、ミステリーであり、エンタメであり。全話飽きることなく一瞬たりとも目を離さずに観られる作品だと思います。ご期待ください!
石川:色々な視点で楽しむことができる作品だと思います。視聴者自身で視点を取捨選択していただいて、何回観ても楽しめるのではないでしょうか。作品としてのジャンルも、これまでに類を見ないものですし、「面白い」という一言が心の底から出てくると思いますので。「テロに備えよ」!
<Text/ダンディ佐伯>
●アニメ公式サイト
http://terror-in-tokyo.com/