今年1月に5年ぶりとなる待望のニューアルバム『elemental』をリリースするなど音楽家&プロデューサーとして精力的に活動を続けている梶浦由記さんが、全国8都市を巡る全国ライブツアー『Yuki Kajiura LIVE vol.11 / elemental Tour 2014』を2月8日よりスタートさせた。
11回目を迎えることとなったこの『Yuki Kajiura LIVE』だが、今回はソロプロジェクト“FictionJunction”やサウンドトラックを織り交ぜた構成で、ツアー初の海外となる台湾公演を含め8都市11公演を巡り、1万7千人の観客を動員予定。ツアーの開幕を飾った東京中野サンプラザでの2days公演では『FictionJunction YUUKA 2Days Special』と題し、ボーカリストとしてYUUKA(南里侑香)を迎えて“FictionJunction YUUKA”の全曲をステージで披露するなど、初日より2日間で会場に集結した4000人以上のファンを魅了した。
そんな全国ライブツアーの見どころや想いを梶浦由記さんに語ってもらった。
――ついに全国ツアーが始まったわけですが、この『Yuki Kajiura LIVE vol.11』の特徴や見どころなどをお聞かせください。
梶浦由記さん(以下、梶浦):久しぶりに“FictionJunction”のアルバムを出しましたので、そこからの曲が中心になってくると思うんですね。そんなこともあって『Yuki Kajiura LIVE』は日本語比率が少なかったりするんですが、今回のライブツアーはちょっと日本語比率が高めで意味が分かりやすいライブになるのかなと思っています。
―全国ツアーで会場が海外となるのは初めてとのことですが?
梶浦:そうなんです、ライブツアーの一環として海外をに行くのは初めてとなります。前に香港で初のアジアライブをやらせてもらったんですが、その時も台湾の方がずいぶん香港まで来てくださっていて「台湾にも来てください」といろいろな方から言っていただいたんですね。
それをちょっと思い出しまして。「あの方々がまた見に来てくださるといいなぁ」と思っています。
―『Yuki Kajiura LIVE』の全体的なテーマとしては?
梶浦:申し訳ないんですけど『Yuki Kajiura LIVE』ってある意味とても代わり映えのしないライブで、いつもテーマは「いい音楽を聴いていただこう」ってただそれだけなんですね。小細工とかあんまりないんですよ(笑)。今回も今までと同じで新しい楽曲を中心に、なるべくいい演奏でいい歌を聴いていただこうと、本当にそれだけを考えています。
ただ今回はアルバムのジャケットにあわせた舞台を作っていただいたんですが、それがすごく綺麗で。『Yuki Kajiura LIVE』としてはとても華やかな舞台セットになりました。曲もシングルの曲なんかがちょっと増えていたりと、こちらもちょっと華やかになってますので、春を迎えるにふさわしいちょっと明るめな、華やかなライブになるといいなぁと思っています。
―初日より2日間はスペシャルライブということで“FictionJunction YUUKA”メインのステージとなったわけですが?
梶浦:“FictionJunction YUUKA”の楽曲をツアーで全曲披露するというのは初めてとなります。こうした構成にした理由としてはタイミングが良かったからというのがありますね。
去年デビュー20周年を記念した“Kaji Fes.”(20th Anniversary Yuki Kajiura LIVE vol.10 “Kaji Fes. 2013”)をやりまして、その時に侑香ちゃんに何曲か歌ってもらったんですけど、それがすごく良かったんですよ。彼女もソロで活動してきたことでいろいろ変わったと思いまして。
そんな侑香ちゃんともう一度懐かしい楽曲を全部やるというのはとても新鮮で楽しいだろうなと思ったんですね。どうせツアーをやるなら、その皮切りにそういうライブがあっても楽しいんじゃないかと、そう思ってスペシャルライブをやってみようとなったわけです。
―初日を終えられての感想は?
梶浦:わりと“FJY”(FictionJunction YUUKA)って、昔の曲という感覚な部分が私の中での大きかったんですが、それを今やるっていうことがこんなに新鮮で曲の印象がかわるもんだということにとても驚きました。
バンドメンバーや侑香ちゃんと一緒に演奏してみると、自分の曲なんですけど改めて「この曲のこういうところはすごくいいな」と思えたり、時代が経った感を感じたりと、本当にいろんな意味で新鮮でしたね。
侑香ちゃんの歌い方も昔と変わってますし、そうすると曲の表情もこんなに変わってくるもんなんだなと、ライブを終えてみてちょっと驚いています。
―これから全国を巡ることになりますが、ツアーへの期待感は高まるばかりです。
梶浦:まず今回は北海道から福岡、さらには台湾までと、今までになくたくさんの場所に行けるので、まずそれが嬉しいですね。
どこでやってもライブの中身は変わりはないんですけど、より多くの方に聴いていただけたり見ていただけたりするっていうことは単純に1カ所だった喜びが5カ所なら5倍になるなと思っているので、私自身すごく嬉しいし楽しみです。
―先日発売されたニューアルバム『elemental』をひっさげてのツアーとなるわけですが、このアルバムの魅力などについても一言お願いします。
梶浦:ハーフベスト的なアルバムに新曲を何曲か足した感じとなっています。新曲については今まで書いてきたシングルとまったく関係なく、今好きなことをただ純粋にやってみたという曲だったりしますし。ちょっと振り幅のおおきい面白いアルバムになったんじゃないかなと思います。
―平成26年度前期(4月スタート)のNHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』で音楽を担当することになりましたが?
梶浦:映像などを少しづつ拝見しながら、このライブツアーが始まるまで音楽を作っていたんですが、本当に面白いドラマになると思っていまして。
そんなドラマの音楽を書かせていただいているのは光栄ですし、すごく楽しく音楽制作をさせていただきました。放映開始がすごく楽しみですし、この後もさらに曲を作っていく予定となっていますので、「またどんな曲を作ろうか」とツアーの途中に作戦を練っていこうと思っています。
―最後にライブツアーを楽しみにされているファンのみなさんにメッセージをお願いします。
梶浦:私自身もライブを楽しみたいと思っています。なので、みなさんもどんどん楽しんでいってください。楽しめるだけの音楽をきちんとこちらも提供できるように頑張りますので、一緒に楽しみましょう。
<Text/川畑剛>
【ライブ概要】
『Yuki Kajiura LIVE vol.11 / elemental Tour 2014』
2月22日(土)【大阪】NHK大阪ホール
2月23日(日)【大阪】NHK大阪ホール
3月09日(日)【仙台】仙台市民会館大ホール
3月16日(日)【札幌】札幌市教育文化会館大ホール
3月22日(土)【大宮】大宮ソニックシティ
3月29日(土)【愛知】日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
4月5日(土)【福岡】福岡国際会議場メインホール
4月12日(土)【台湾】ATT SHOW BOX
4月20日(日)【東京】NHKホール
【出演】
梶浦由記
Vocal:KAORI/WAKANA/KEIKO/YURIKO KAIDA
Guitar:是永巧一、Drums:佐藤強一、Bass:高橋“Jr”知治、Violin:今野均、Flute:赤木りえ、Manipurator:大平佳男、and more…..?
●FictionJunction公式サイト
http://www.fictionjunction.com/