『青春ゲットバック』『嘘をついた下北沢』に続く「ひらさわひさよし&フルタジュン プロデュース公演」(以下、プロデュース公演)の第三弾、ボクシングをテーマにした物語『テン・カウント・ゴング』が2014年2月5日(水)~11日(火・祝)、東京・下北沢のシアター711にて舞台公演が行われる。
今回も舞台に先立ち、1月中旬よりボイスドラマが配信決定! こちらを聴いてから舞台を観れば、物語をより楽しめることうけ合いだ。
今作には市来光弘や森谷里美、宮内優輝や清水洋介といった、本企画ではおなじみのメンバーに加え、初参加となるキャスト陣も登場。もちろん、ボイスドラマ・舞台でも同キャストがそのままの配役で演じることになっており、その演技にも注目だ。
さらに元日本スーパーフェザー級チャンピオンのコウジ有沢の出演が決定! 演劇界に新風を巻き起こすことができるのか!?
―本日の収録の感想をお願いします。
谷岡ノブオ役・楠見尚己さん(以下、楠見尚己):谷岡会長は酒ぐせの悪い人物ですが、私もあまり良くないほうです。昨晩も遅くまで飲んでいて「どうかな?」と思いましたが(笑)、無事に収録できて良かったです。本企画には初参加ですので、ボイスドラマから舞台に、どのようにつながっていくのか、とても楽しみです。
相沢公平役・市来光弘さん(以下、市来):今回もこれまでのボイスドラマ同様、物語を進める役を仰せつかいました。シリアスな展開で舞台に向かって物語が進んでいくということで、これまでとは違う楽しさを感じることができました。
台本の中に、相沢がぽっちゃりしているというのが決め打ちで書かれていて、これはちょっと演出家さんに確認しなくてはならないところです(笑)。 2月には痩せているのか、ぽっちゃりしているのか、気になりますね(笑)!
谷岡ひかり役・井ノ上奈々さん(以下、井ノ上):「プロデュース公演」はこれまで2作とも見させていただいていたのですが、その時から「ボイスドラマから舞台につながる」という手法はとても面白いと思っていましたので、自分が参加できて嬉しいです!
ひかりは会長の娘であり、高杉の彼女であり、杉山に対してビシバシ言うお姉さんであり、会う人会う人に対して違う顔を見せる子なので、それが声だけで伝わっていれば良いと思いますし、舞台でもうまく演じられれば、と思っています。
諸角 遥役・楠見藍子さん(以下、楠見藍子):私も「プロデュース公演」は初参加で、いつもはあまりやらないような役で、最初は戸惑いましたが、舞台で姿かたちが見えても違和感がないように頑張って演じたつもりです。また、父や大学の同期、同じ事務所の同期とも共演できたということで、とても楽しいです!
杉山百合絵役・森谷里美さん(以下、森谷):ボイスドラマでは、まだ特定の人物としか絡めていないので、舞台では彼女がどのようになってしまうのか、不安がものすごくあります(笑)。でも、これまでも様々なムチャぶりに対応しながら「プロデュース公演」をやってこられましたので(笑)、今回も何とか乗り切れるのではないかと思います。
高杉英朗役・宮内勇輝さん(以下、宮内):会長の演技にに圧倒されてしまい、会長と絡むときはいつも以上にセリフをかんでしまったと思います(笑)。そんな中で、楠見尚己さんから演技のアドバイスをいただいたりして、いい経験になりました。
巻島達也役・清水洋介さん(以下、清水):今回は強力な役者陣に囲まれて緊張していました。しかも、現場の入り時間が一番最後だったことで、さらに緊張しました(苦笑)。でも、本番では皆さんの演技がやはり素晴らしく、グイグイと引っ張っていってもらえましたので、緊張している事を忘れてしまいました。
太田裕二役・工藤優太さん(以下、工藤):僕自身、高校時代にボクシングを実際にやっていまして、ボクシングを題材にしたボイスドラマや舞台は念願だったんです。いつも以上に気合いを入れて演じました!
レフリー中村役・山口翔平さん(以下、山口):僕の出番を待っていた一部のマニアックな皆さん、お待たせしました(笑)! ボイスドラマでは顔見せ程度の出番しかありませんでしたが、舞台では大活躍すると思いますのでよろしくお願いします!
須永利次役・浦川拓海さん(以下、浦川):ボイスドラマ自体が生まれて初めての経験でしたが、みなさんのおかげで乗り切ることができました。
ページをめくる時や衣擦れで音が入らないように気を使ったり、慣れない部分はありましたが、これからは僕にとってのホームとも言える舞台へ向けて、いつも通りの気持ちでやらせていただこうと思います。
―演じた人物の紹介と、演じる上で気をつけた点を教えて下さい。
楠見尚己:会長は、先ほど酒ぐせが悪いと言いましたが、カッコいいセリフもたくさんありますので、それがウソ臭くならないように気をつけて演じました。
市来:前回までもそうだったのですが、僕の演じる役は、他の人物の紹介はたくさんしている反面、相沢自身はどちらかというとキャラクター的に薄口の人物かな、という印象を受けています。ボイスドラマでは淡々と演じましたが、舞台ではその分、相沢のパーソナルな部分がもっと出ればいいな、と思っています。
井ノ上:ひかりは母親を亡くしているのですが、母の代わりに会長の父の尻を叩きつつ、高杉さんを支えつつ、いつも忙しくしているイメージの女性です。
高杉さんと同様、まっすぐな性格をしていますので、遥と本気の口ゲンカになってしまいそうになったりもしますが、男の人たちが拳で戦うのなら、女子は口でやろうじゃないか、ということで、こちらのバトルも楽しんでいただければ、と思います。
楠見藍子:遥ちゃんはひかりをイラッとさせたり、多少強引だったりするのですが、自分の意思を貫こうという気持ちを持っていると思います。「周りからはあまり良い印象を持たれない」人物を目指して演じています。
森谷:杉山は、ボイスドラマの中ではものすごく優柔不断だったり、自信がなかったりして「あらゆることが自分で決められないタイプなんだな」というのが分かります。私も同じような性格をでして、共感できる部分もありますので、男の生きるボクシングの世界で、女性陣がどう物語に絡んでいくのか、杉山も変わっていけるのか? 色々考えつつ、早く舞台の台本を読みたい気持ちでいっぱいです。
宮内:高杉は、会長の娘(ひかり)と付き合っている、ということもあり、まっすぐな人間だと思っています。さらに、世界が狙えるというほどの実力の持ち主だということもありますので、もしかしたら現役時代はストレートが得意だったんじゃないかと(笑)。 その真っすぐな気持ちをうまく演技に出せれば、と思いながらアフレコに臨みました。
清水:太田の先輩役、ということで、彼との絡みはとても多いです。 僕と工藤は先輩・後輩の役柄で出演することが多いので、そこは以前のプロデュース公演でも合った設定ですので「常連の皆さん、お待たせしました」という感じですね(笑)。相変わらずダメな先輩を演じています。
工藤:裕二は高校時代にボクシングをやっていて、1度も勝てなかったのですが、念願の勝利をつかむためにジムに通い始めた男です。練習ではいい動きをするのに、試合では中々力を発揮できません。ボイスドラマでは登場シーンが少ないですが、その分、息遣い一つひとつを集中して演じました。
山口:今作では3人の元ボクサーがいまして、その中で、中村はレフリーとして表舞台に立っています。元ボクサー3人でキャラクターが被らないように演じました。
浦川:須永はお調子者で太鼓持ちのような人物のようですが、気をつけたことは役に関しては特にないです。僕も大概お調子者ですし(笑)。後はやはり滑舌には相当気をつけました。
―皆さんの、ボクシングにまつわるエピソードをお願いします。
清水:知り合いにボクシング関係者が数名おりまして、今回の舞台も観に来てくれるということです。彼らにはいい演技を見せたいと思っていますし、「なんなら稽古場に行って色々アドバイスしますよ」とも言ってくれていますので、みんなが稽古している最中に、横でミットとグローブを持ってスパーリングしようかな、と(笑)。
工藤:僕は印象に残った試合の話なんですが、畑山隆則対坂本博之の話をさせて頂きます。
どちらかというと表舞台を歩んできた畑山と、その逆である坂本が戦うという、まるで映画の舞台のような試合だったんです。結局畑山がKO勝ちしたのですが、、彼は試合後のインタビューで「プロはお客さんに楽しんでもらえる戦いをしなくてはいけない」と語りました。「平成のKOキング」の異名を持つ坂本に真っ向から打ち合いを挑んでいったんですね。その姿がとても印象的でした。
井ノ上:エピソードとは少し違うと思いますが、ある人に「今度ボクシングを題材にしたボイスドラマと舞台をやるんです」とお話したら、コウジ有沢さんの現役時代を知っている方だったんですね。普段は演劇を観ないような人でも「有沢さんが観たい」、と思って舞台を観に来るような方もいると思いますし、私自身もプロボクサーだった方にお会いするのは初めてですので、こちらも楽しみです。
―舞台に向けての意気込みをお願いします。
楠見尚己:残念ながら私がボクシングをするシーンはないみたいですが、酒ぐせが悪いというところは共通点なので、毎日酒を飲んで、毎公演二日酔いで臨みたいと思います(笑)。
市来:何度も言いますが、相沢は「ぽっちゃりしている」ということですので、その期待を裏切るように痩せてやろうか! と思っています。思ってはいるのですが……。実際どうなっているかは劇場に来てからのお楽しみ、ということで(笑)。
井ノ上:女子たちの関係にどう決着がつくのか楽しみです。また、楠見さんがお酒を飲んで来られるのでしたら、それに対抗してアドリブで対抗していこうかな、と思っています(笑)。
楠見藍子:私の中で、遥はヒールを履いているイメージなんですが、私はヒールを普段履いてなくて履き慣れてないので上手く歩けないんですよね。2歩歩くとコケてしまいますので、そこを練習して舞台に臨みたいと思います。
もし本番でヒールじゃなければ……「そういうことだったんだな」と察してください(笑)。
森谷:物語の流れ的に、ラウンドガールをやるのか? やらないのか? みたいなことになっていますからね(苦笑)。この前実際にボクシングを観に行って、ラウンドガールを見たのですが、驚愕しまして……ビクビクです(苦笑)。
宮内:男たちがボクシングで戦う姿を是非目に焼き付けていただきたいですね。僕はトレーナーですのでおそらく戦いませんが、ボクサー役のキャストはトレーニングを頑張ると思います(笑)。
清水:まずは工藤と僕との絡みですね。多分たくさんあるのではないかと思いますので、楽しみにしていてください!
また、ボクシングの練習や試合シーンに向けて、これから腹筋を割る準備をしたいと思っています!
工藤:舞台には、先に話しました畑山さんと死闘を演じたことのある、元プロボクサーのコウジ有沢さんも出られますし、すごく楽しみです。
山口:レフリーの動きを勉強しなくてはいけないので、中々大変ですが、カッコいいレフリー姿を皆さんにお見せできるように頑張ります!
浦川:どんな役かはボイスドラマではほとんど描かれていないので、もしかしたらすごく悪いヤツなのかもしれませんし。まあ、どんな役でも精一杯やらせてもらうだけですね。
―では最後にボイスドラマ、舞台を楽しみにしている皆さんに一言お願いします。
浦川:舞台の台本はまだいただいていないのですが、とにかく精一杯やるということだけです。よろしくお願いします!
山口:僕のレフリー姿に激怒して有沢さんから殴りつけられないように(笑)、きちんと演じられるように準備を進めてまいります!
工藤:舞台上で、お芝居の中でボクシングの試合を見ることができる、という公演は中々ないと思いますし、貴重な機会になるのではないでしょうか? 頑張って演じます!
清水:キャスト、スタッフが力を合わせて、『テン・カウント・ゴング』のステージを盛り上げていき、皆さんの心をノックアウトしたいと思います!
宮内:まずは、舞台のセットがどのように組まれているのか? 楽しみにしてください。これまで見たことのないような物語になっていると思いますので、よろしくお願いいたします!
森谷:物語の方向性によっては、頑張るベクトルも変わってくると思います(笑)。私なりに精一杯演じさせていただきたいと思いますので、是非観に来てください!
楠見藍子:私自身、ボクシングを見たことがなかったので、これを機にボクシングについて、色々と興味を持てればいいな、と思っています。
演技を磨きつつ、ヒールをはく練習をしつつ(笑)、頑張ります!
井ノ上:ステージの上の限られたスペースで、ボクシングシーンを観ることはほとんどの人が初めてだと思いますし、皆さんの印象に残るような舞台にしたいと思っていますので、是非楽しみに待っていて下さい!
楠見尚己:ボクシングシーンも見どころの一つですが、人間ドラマもとてもよく描かれている作品だと思います。我々も一生懸命取り組んでいく所存ですので、皆さんも是非楽しんで下さい。
市来:ボイスドラマの物語では、思わずクスリと笑ってしまうシーンもありますが、物語の本質は、やはり彼らが織りなす人間模様だと思います。 そこから舞台に向けて、どう展開していくのか? 楽しんでいただけますと幸いです。
<Text・Photo/ダンディ佐伯>
【公演概要】
舞台『テン・カウント・ゴング』
2014年2月5日(水)~11日(火・祝)
【東京】下北沢 シアター711
※アクセスマップ
http://www.honda-geki.com/map.html
☆ボイスドラマの視聴や公演の詳細は公式サイトをチェック!
●ボイスドラマ『テン・カウント・ゴング』視聴ページ
http://www.youtube.com/watch?v=0arfK-CON5Q&feature=youtu.be
●『テン・カウント・ゴング』公式サイト
http://hirasawafurutaproject.com/10cg/