11月3日まで東京・秋葉原の秋葉原UDXにて開催されていたバンダイ コレクターズ事業部主催のスペシャルイベント『魂ネイション2013』において、2014年初夏に公開予定の新作映画、劇場版『聖闘士星矢 Legend of Sanctuary』の製作発表会がおこなわれた。
『聖闘士星矢』は1985年より『週刊少年ジャンプ』に掲載されていた大人気コミック。ギリシャ神話をモチーフに聖闘士(セイント)と呼ばれる少年闘士たちが聖衣(クロス)という特殊な鎧をまとい、体内に宿る小宇宙(コスモ)を燃焼させ闘うという内容。
世界累計発行部数3440万部もの売り上げを記録したほか、TVアニメも大人気で海外80カ国以上で放映されるなど、今も全世界を舞台に多くのファンから支持されている作品となっている。
この『聖闘士星矢』が車田正美・熱血画道40周年記念映画として、前劇場版より10年の時を経て新たに映画化。
原作者である車田正美氏が自ら製作総指揮を担当するほか、大ヒットとなったTVアニメ『TIGER & BUNNY』『黒執事』などを手がけたさとうけいいち氏が監督をつとめるなど豪華スタッフ陣が集結し、最新の映像技術をもって新世紀にふさわしい本物の『聖闘士星矢』を生み出すことになった。
ちなみに「LEGEND of SANCTUARY」のタイトルは原作者の車田正美氏が直々に命名したとのこと。
発表会ではまず本邦初公開となる劇場版の特報映像を解禁。続いてさとうけいいち監督と、東映アニメーションの浅間陽介プロデューサーがステージに登壇し、それぞれ今作にかける想いなどを熱く語ってくれた。
浅間プロデューサーは2007年頃より企画がスタートし足かけ6年以上かけてついに訪れた製作発表の場ということで感無量といった様子。そんな浅間プロデューサーから「『聖闘士星矢』をやるなら原作ファンから一番愛されているエピソードをやりたいなと。黄金聖闘士(ゴールドセイント)も見たいし(笑)」(浅間)ということで『聖闘士星矢』の劇場化、それも屈指の名エピソードが選ばれた。
オファーされたときの感想を尋ねられたさとう監督は「あの“十二宮”編をやってくれと言われたときはちょっと引きました(笑)」と正直な想いを口にしつつ「みなさんに喜んでもらえるような映像と納得してもらえるようなお話、さらに親子で見てもらえるような作品にしないといけないということで、原作サイドをディスカッションを重ねさせてもらいました。
その中で、何にこだわりどう見せていけば限られた時間の中でお腹がいっぱいになって帰ってもらえるか、そうしたことを時間を掛けて考えカタチにしていったという感じです」と、製作意図の一端を明かしてくれた。
さらに最新の映像をスクリーンに映しながら、製作時の裏話などを披露してくれることに。十二宮編で壮絶な闘いを繰り広げる青銅聖闘士(ブロンズセイント)と黄金聖闘士をイメージして青色と金色で構成されたというロゴについては「作品と同じくベーシックな部分は変えず、新しいものをとオファーさせてもらった」(さとう)とコメント。
聖衣についても、さとう監督は「メカに見えたら困るというのがありましたが、これであれば神がかって見えるだろうというデザインに仕上がったと思います」と語ったほか、小宇宙(コスモ)の表現について「今までさまざまなメディアで表現されてきたどの小宇宙とも違う映画ならではのものができたと考えています。全編にわたってTVでは絶対に見れない表現方法を120%兼ね備えている映画になっていますので、そのカタルシスを感じて欲しい」と自信ありげに一言。
ほかにも物語の舞台となる聖域(サンクチュアリ)についても「映画を見ていただいた人が、『行ってみたい』と思える映像になっています。十二宮それぞれについても趣向を凝らしていますのでぜひ楽しみにしていてください」と笑顔で語ってくれた。
さらに全編CGでの製作になったことについて尋ねられたさとう監督は「CGだから登場するキャラクターについてはリアルにしようと思えばいくらでもリアルにできるんです。でも、僕としてはそうしたものすごくハイエンドなルックではなく“フィギュア感”を出すことを目指しました」と回答。
さらに「少年マンガのキャラクターによる活劇をアニメ化するわけだから、人間が演じたものをモーションキャプチャーとかで表現するべきでないという想いがありました。なので、今回はハンドメイドで製作することにこだわってやっています。そのこだわりは映像を見ていただければ分かると思いますし、車田マンガとして表現できた自信はあったりします」などと力強く語ってくれた。
最後にさとう監督が「最初の発表の時から期待と不安の声を聞いていますが、ファンの想いを裏切らない映画になっております。
CGにしてホントに良かったといってもらえるはずですし、誰も見たことの無いような世界へ連れて行ってあげたいという想いで作った作品でもありますのでみなさん楽しみにしていて下さい。
ハードルをあげていただいてかまいません。ぜひ見てください」と意気込みを熱くコメントし、新生『聖闘士星矢』への期待感をより一層高めてくれた製作発表会は終了となった。
<Text・Photo/川畑 剛>
●劇場版『聖闘士星矢 Legend of Sanctuary』公式サイト
http://saintseiya2014.com/