ボイスドラマが好評配信中の「ひらさわひさよし&フルタジュン プロデュース公演 第2弾『嘘をついた下北沢』の舞台が東京・下北沢の「シアター711」にて7月24日(水)~28日(日)まで公演が行われる。
今作は、様々な舞台で活躍中のコロがボイスドラマに引き続いて舞台にも立つ、ということでも話題を呼んでいる。
自身「初めての経験」と語るボイスドラマ出演をきっかけに、舞台上でどんなパフォーマンスを見せてくれるのか?
本公演を主宰する「劇団フルタ丸」のフルタジュン氏を交え、語っていただいた。
―まずは『嘘をついた下北沢』という作品に参加することになった決め手となったものはなんだったのですか?
コロさん(以下、コロ):まずボイスドラマがあって、そこから舞台にかえっていく、というのが、とても興味深くて。
一般に映画やドラマなどは、事前情報を入手していて、かなりくつろいだ状態で観るじゃないですか。でも演劇は堅苦しい状況で観る機会が多いと思うんですね。「たまにはお客さんとキャストが一緒にワークショップのような形で事前に交流を持ってから観劇をするのはどうか?」と考えていたこともありまして。そういうこともあって、今回の企画に興味を持ちました。
―ボイスドラマには元々興味はおありでしたか?
コロ:舞台と同じく「表現する」、ということですので興味は確かにありましたが、私はどちらかというと身体で表現をするようなタイプだと思っていましたので、声だけで表現するようなお仕事に関してはあまり縁がないと漠然とは思っていましたが、こうしてやらせていただける機会をいただけて嬉しかったです。
―実際に経験してみて、自分の中で糧になった部分はありましたか?
コロ:媒体が違えば表現方法は当然違うと思っていました。舞台に上がった時にはアクセントの付け方などは多少は気にしていましたが、今回はお手本となるような声優さんもたくさんいましたし、そこを意識しながら演じましたので、自分の世界が広がったような気はしています。
―フルタさんは、今回コロさんが参加されることを最初に聞いたときはいかがでした?
フルタジュン(以下、フルタ):面識はなかったのですが、コロさんのことは知っていましたので「コロさんと組んだらどんな作品が作れるんだろう?」と、とても楽しみでした。
ボイスドラマを録る前に練習で収録したことがあったのですが、その時から鋭さと言いますか、切れを感じました。舞台を観ていた時に感じたキレを声の中に感じましたね。
コロさんがご自身の中で、役者として戦うための強固なものを持ってますので、媒体が変わっても、本質は変わらないんですよね。
コロさんはコロさんで緊張されていたかも知れませんが。いかがでした?
コロ:今回演じた、りょうという役は私が初めて演じる、オリジナルの人物だったというのは大きいと思います。
原作があるような作品の登場人物を声で演じることになっていたらもう少し緊張していたかも知れませんが。「とにかく今自分ができることをやろう」という気持ちでやりました。
―オリジナルの役を演じるということで、そのキャラクターを作り上げる楽しさも感じられたのではないでしょうか?
コロ:そうですね、楽しいです。例えば「こういう言葉遣いをします」という設定も作っていけますので。色々と提案をしていけますし。
フルタ:コロさんは提案がとても多いんですよね。引き出しがとても多いんです。例えば僕が「ここをこうしてください」とお願いすると、それをこなした上で、さらに何かをプラスしてくるんです。
演劇をやる時の姿勢として、周りを驚かすとか楽しませるとか、そこに飽くなき探究心があるんです。
―サッカーで例えると「ファンタジスタ」のようなイメージでしょうか?
フルタ:そうですね。常に周りを見ながら自分でゴールも狙っていく、という。
コロ:共演者や演出さんから「面白い」と思ってもらえるのは大事だと思うんです。
ずっと同じ事をしていると、本番つまらないじゃないですか。「お客さんにどう思ってもらえるのかな?」とか考えるのがとても楽しいんです。
フルタ:この前の稽古で「2日前くらいにやった、あのパターンが良かったんです」と僕が言ったら「どんなのだっけ?」って(笑)。
コロ:前にやったことは結構覚えていないんですよね。「そんな演技したっけ?」みたいな(苦笑)。
以前、インタビューでも「コロさんは、以前のインタビューで、これこれこういうことをおっしゃっていましたが」と言われたのですが、全然覚えていなくて。「実際にその記事を持ってきてくれないと分かりません」って感じでした(笑)。
常に今を生きている、とうまく解釈していただければと思います。
フルタ:ちなみにコロさんは、終始静かな舞台というものを経験されたことはありますか?
コロ:初舞台がそうでした。私が以前所属していた劇団「柿喰う客」の旗揚げ公演で、経験の浅い私を主演にしていただいて「大丈夫かな?」と思っていましたが、「ただボソボソつぶやいていれば大丈夫」と言われまして。その後も1年間くらいは雰囲気だけ作っている役を演じていたのですが、その後「コロにはコメディエンヌの素質がある」と言われ、やってみたらとても楽しくて、実際に評判も良かったんです。「こっちの方が合っているんだな」と思いました。
―今回の公演には、舞台に立つコロさんを昔から知っている方も来られるかもしれませんが、その人たちにとっては「いつも通りのコロさん」が見られる、と思ってもらって良いでしょうか?
コロ:そうですね。今までどおりのところもあると思いますし、今回、初めての共演者ばかりだということもあり、キャスト同士の関係性や違った世界観も見られるのではないかと思います。
―ボイスドラマで得た経験を、同じタイトルの舞台版で活かせる、というイメージは沸いていますか?
コロ:ネタとしてだけではなく、言葉の音としても一本調子にならないように気をつける、というのを念頭に置いて臨もうと思っています。普通は自分の中で一番気持ちのいいアクセントを選んでしまいますが、そこは敢えて変えてみたりして、演じていこうと。
フルタ:最初の舞台の読み合わせの時点でその姿勢は感じましたね。コロさんは、お客さんが観ていて気持ちがいいから自分も気持ちよく演じられる、という好循環を生み出していると思うんです。
でも、今回はそれ以外の方法を模索されて、引き出しをさらに増やそうと思ってらっしゃるのが伺えます。
コロ:どの現場でも、RPG(ロール・プレイング・ゲーム)の勇者ではないですが「常に新しい武器を手に入れたい」と思ってやっています。今回のボイスドラマの経験は、剣が強くなったというだけでなく「弓矢のような別の武器も持てた」、という感じですね。
―本公演も楽しみにしています。ありがとうございました!
<聞き手/ダンディ佐伯>
【作品概要】
「ひらさわひさよし&フルタジュン プロデュース公演 vol.2『嘘をついた下北沢』」
2013年7月24日(水)~28日(日)
【東京】シアター711(下北沢)
http://www.honda-geki.com/711
<出演>
市来光弘(マウスプロモーション)
大須賀純(マウスプロモーション)
コロ(コロブチカ)
森谷里美(マウスプロモーション)
山本 綾(アーリーウイング)
宮内勇輝(劇団フルタ丸)
真帆(劇団フルタ丸)
篠原友紀(劇団フルタ丸)
工藤優太(TACT/劇団フルタ丸)
清水洋介(劇団フルタ丸)
<ボイスドラマ版スタッフ>
作:フルタジュン(劇団フルタ丸)
演出:ひらさわひさよし
演出助手:山口翔平
編集:松尾嵩宏/藤原道乃
映像編集:平塚亮(アスラフィルム)
<舞台版スタッフ>
作/演出:フルタジュン(劇団フルタ丸)
照明:向井智子
音響:前田真宏
舞台美術:泉真
制作:和田宜之
<WEB>
MAYA
<プロデュース>
ひらさわひさよし/フルタジュン
【スペシャルサンクス】
アーリーウィング/ダイスクリエリティブ/ダイスエンターテイメント
ハルミュージュック/マウスプロモーション
(かな順)
<チケット料金>
前売:3,500円
当日:4,000円
※チケットの購入方法は公式サイトをチェック!!
【関連リンク】
●コロ オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/korobuchika/
●ひらさわひさよし&フルタジュン プロデュース公演 vol.2「嘘をついた下北沢」
http://hirasawafurutaproject.com/usokita/
●ひらさわひさよし&フルタジュン プロデュース公演 vol.1「青春ゲットバック」
http://dn-e.jp/ssgetback/
strong