『アルカナ・ファミリア2』では、『アルカナ・ファミリア』本編の続編の位置づけとして、『幽霊船の魔術師』(夏)から秋を超えた、冬の時間軸で物語が展開。さらに今作では、雰囲気が変わったお馴染みのキャラクターたちに加え、新たなキャラクターも多数登場する。
今回は、そんな『アルカナ・ファミリア2』に出演するキャスト陣のインタビューを前後編に亘ってお届け! 後編では、新キャラクターたちを演じる平川 大輔さん(ウィル役)、小野 友樹さん(セラ役)、逢坂 良太さん(テオ役)、矢作紗友里さん(ネーヴェ役)、井口 祐一さん(エルモ役)、伊藤 美紀さん(アガタ役)のインタビューとなります。
――収録を終えての感想をお聞かせください。
ウィル役・平川大輔さん(以下、平川):イタリア語とタロッコの名前が難しかったです(笑)。ウィルを演じる前に「つかみどころのないキャラで」というディレクションはありましたが、ルートや対応するキャラによって印象が変わるので、いい人なのか悪い人なのか、味方なのか敵なのか、全然わからなくて。感情の起伏もあるような、ないような。作品のキャラたちよりも僕のほうが翻ろうされたと思います(笑)。
セラ役・小野友樹さん(以下、小野):もっともっと喋っていたかったなと。セリフ量はたくさんあったけど、まだまだ演じたりないと思える、素敵な作品でした。
テオ役・逢坂良太さん(以下、逢坂):テオはギャーギャーうるさい、マイペースなキャラなので、やっていて楽しかったです。普段は家で出せない感情をこの収録で一気にぶつけたような(笑)。
ネーヴェ役・矢作紗友里さん(以下、矢作):かわいくて、イチャイチャできる恋人がいるキャラを演じるのが久しぶりで。最近は片想いで報われない女の子役が多いんです。昔はもっとあったのに……。だから「まだ私、こんなキャラできるんだ」とホッとしました(笑)。
エルモ役・井口祐一さん(以下、井口):エルモはホムンクルスで、人間じゃないので気持ちの作り方が難しくて、それゆえにやりがいがある役でした。
アガタ役・伊藤美紀さん(以下、伊藤):アガタはとても偉い人だったので、偉そうにとても気持ちよくやらせていただきました(笑)。堂々としていて、落ち着き払った雰囲気で部下達を従えている感を出せていればいいですね。
――『アルカナ・ファミリア』という作品の世界観や設定などについての印象は?
平川:参加させていただく前、雑誌などでビジュアルを目にした時、「わあ、黒い!」と(笑)。黒いスーツで渋くキメているけど、明るく派手なイタリアンマフィアの話なのかなと勝手に思ってました(笑)。でも実際に台本を見てみると、それぞれのキャラが業を背負っていて、それを表に出さずにファミリーのメンバーと接していて。みんな、思い悩みながら前に進んでいくお話で、プレイした後、「頑張ろう!」とか「一歩進んでみようかな」と思わせてくれる素敵な作品だなと思いました。
小野:イタリアっぽい雰囲気のレガーロ島の街、海、山の景色が素敵で、この世界で暮らしてみたいなと思いました。あとキャラクターがそれぞれ個性的だなと。初期のドラマCDに参加させていただいた時、パーチェの「ラ・ザーニア!」には衝撃を受けました(笑)。
逢坂:キャラや舞台などヨーロッパの風を感じておしゃれ感がありますね。作品中に聞いたことがない料理名が出てきて、おいしそうで食べてみたいなと(笑)。今回舞台になるノルディアは水の都のイメージで、背景も青が目にやさしくてきれいですね。僕は青が大好きな色で。黒い人が多いので、そこで癒されてもらえれば。
矢作:シナリオを読んでいるとゲームというよりファンタジー小説を読んでいるような気分で。まだ自分が出演するシーンしかわからないので、続きがすごく気になります。キャラはこれだけイケメンがいっぱいいて、個性も強いのに、重なっているキャラが一人もいなくて。だからプレイする人が誰を選ぶか、悩むでしょうね。またそんなキャラ達が仲間のためにみんな一生懸命で、熱いんですよね。皆さんがこの作品に熱中する気持ちがわかります。
井口:イタリアンマフィアっぽい雰囲気がオシャレでカッコイイなと。ただ特殊な境遇もあってエルモ自身が接する人は極端に少なかったです。彼の何も知らない様子が僕自身は新鮮に映りました。
伊藤:人名や地名、それにお祭りっぽさがあってヨーロッパの空気を感じました。人間関係がすごく複雑ですね。相関図を見ると「この人とは距離が遠いな」と。みんな、特殊能力を持っているんですけど、アガタにはなくて。いつか使えるようになったらいいな。
――自身が演じるキャラの印象とご自身と比べて似ている点、違う点は?
平川:ほぼ全キャラとの絡みがあり、作品の中でもキーマンになる存在で、キャラだけでなく、プレイヤーの方もミスリードさせることもあるというやっかいなキャラです。
また某キャラから白蛇メガネと呼ばれていますが、それを聞いて皆さんが頭に思い浮かべたビジュアルがまさにウィルになると思います(笑)。ネーヴェをでき愛していて、彼女に対してはすごく甘くて、やわらかい印象で。でも他のキャラが入るといつもの飄々としたキャラに戻るという。本心がわからない、ミステリアスさが魅力なのかなと。
小野:人と気軽に接してはいけないと、あえて壁を作っているところがあって。言動も割とクールで。でもひとたび仲良くなると優しい部分が見えてきたりして、まじめでいいヤツです。
変にまじめなところは僕と似てるかも。苦労人っぽいところとか。あと周りに破天荒な人がいると「何とかしなきゃ」とあわてるところも(笑)。
逢坂:テオは言いたいことをいつも言って、たまにまじめになる感じで。自分と比べると違うかな。皆さんにはテオを、弟を見るような視点で、「この子、かわいいな」と思ってもらえたらいいですね。あとウィルには家族以上の強い情を感じました。ネーヴェに嫉妬するくらい(笑)。でもその理由となるエピソードを知って、「これなら好きになっちゃうだろうな」と共感できました。
矢作:ネーヴェはウィルが大好きで忠誠を誓っていて、彼のためなら危険もいとわない一途な子です。それゆえに行き過ぎた言動を発することもあって……でも、とってもいい子なんです! それはわかってください(笑)。似ているのは一途なところかな。
井口:1作目からいたキャラで、ジョーリィによって作られたんですけど、フェリチータと出会い、感情が芽生えました。今回大人になって、すっかりカッコよくなって(笑)。体は立派に成長したけど、1年足らずしか経っていないので心は追いついていないんですよね。
しかもこれまで勉強ばかりしていたから、感情が芽生えるたびに戸惑いもあって。またフェリチータには恋心を抱いていて、エルモは必死に手を伸ばしているのに、なかなか届かないのがせつないです。似ている点、違う点は僕は人間なので(笑)。
伊藤:ノルディアという群島を統括している総督ということで、常に落ち着いてます。声を荒げたりするシーンはないけど、息子に愛のムチをふるうことはあって。その厳しさも一人前の跡とりに育てたいという家族愛あってのことなので、決して怖い女性ではないですよ(笑)。
フェリチータがあこがれるほどの素晴らしい女性だということはわかってほしいです。自分と比べると正反対ですね。私は人をまとめられないし、命令なんてとてもとても。従うほうが好きなので(笑)。
――演じる時に心がけたこと、苦労した点は?
平川:謎解きをしたり、他のキャラが知らないことを説明してあげる立場なんですけど、僕自身は初参加で作品の世界観も捉えきれていないのに、さも知っているように話すのが大変でした。さらに真実を語っているのにはぐらかして聴こえるようにとか、そんな言葉の押し引きも難しくて。納得できなくてもう一度やらせてもらうと、今度はかんだりして(笑)。
小野:フェリチータとの距離感の変化によって、テオへの接し方が変わらないように心がけました。テオに対して一見そっけなく接してしまうのも心を許しているからです。フェリチータと距離が近づくにつれセラが優しくなっていくのですが、テオに対しても優しくなったりしないようにと。あくまでセラとテオとの関係はブレないように心がけました。
逢坂:キャラをつかむのに最初はちょっと時間がかかりました。若くて、やんちゃな感じでやってみたら、「悪ガキ要素を強く」と言われて。そこにたどり着くまでが難しかったくらいで、あとはいいストレス解消になりました(笑)。
矢作:基本はクールな子だけど、自分の意見を主張するところでは語気が強くなるので、どこまでやっていいのかなと探りながらやりました。特に過去を乗り越える大事なシーンではすごく考えましたが、自分なりにはできたかなと思っています。
井口:エルモは生まれて間もない子なので、どこまで感情を理解して出しているのかがわからなくて。あとジョーリィに対して感情を爆発させたシーンは普通の少年みたいに演じるとエルモではなくなってしまうので難しかったです。
伊藤:落ち着いて威厳のある女性なのでゆったりと低めのトーンでやってみました。そして日常とはかけ離れた雰囲気の会話に聴こえるように心がけました。
難しかったのは親しいスミレや息子達と接する時に、厳しさや優しさをどこまで出していいのか、その加減に悩みました。でも中盤くらいになるとアガタになりきれて、楽しみながら演じることができました。
――ご自身のキャラの今作での見どころ、印象的なセリフ、シーンは?
平川:ネーヴェとの出会いのシーンが印象的ですね。彼女が行動を共にするきっかけにもドラマがあって。あとダンテとの絡みが多いんですけど、商人だから口は達者なのに、ダンテとの会話では「おや?」と思うシーンや、ウィルの素が見えたシーンがあって、そこは意外でした。
小野:フェリチータと出会って、最初は壁を作っていたセラがだんだん甘くなって。でも恋愛感情だけでなく、惹かれていく理由もあって……。そのストーリーに僕も惹かれました。2人の間に何が起こり、共感していく過程に注目してください。
逢坂:真相が出始める中盤から後半はやっぱり印象的でした。はっきり言えないのが残念なんですけど……。そしてウィルを大好き過ぎ(笑)。フェリチータとは姉弟みたいな関係性を感じましたが、その微妙な変化にも注目してください。あとテオがエビ好きという要素が時々出てくるのでそこもお見逃しなく(笑)。
矢作:ウィルに後ろからぎゅっと抱きしめられて、「お慕いしております」というセリフで何度もリテイクが出ちゃって。女子にとって夢のシチュエーションじゃないですか? あのシーンではマイク前で自分を抱きしめながら演じて(笑)。一生懸命自分を抑えつつ、ネーヴェがドキドキしている感じも出るように、かなり頑張ったので伝わるといいですね。
井口:ジョーリィとの関係や感情に大きな変化があります。その理由が明らかになっていくシーンは見どころかなと。エルモが生きてきた時間の中で最も大きな事件だったから。ジョーリィに感情をぶつけたシーンもすごくこだわって演じました。
伊藤:あるルートの終盤での、アガタがお酒を飲んでいるシーンは、総督という肩書きや責任感から解き放たれた一人の女性の表情が見えて印象深かったです。
あと最後に今までの謎やストーリーを語るシーンは気持ちがすごく入りました。スタッフさんもアガタルートと言ってもいいかもと話すほど、アガタの見せ場なので注目してください。
――設定やビジュアルなどから気になるキャラを挙げてください。
平川:まず絡みが多かったダンテとリベルタですね。あとモンドともちょっと関係性が深くて……。ファミリーをまとめあげる姿は純粋にカッコイイと思いました。新キャラではネーヴェは最愛の恋人だけど、「彼女にもっと優しくしてあげなよ!」とヤキモキしました(笑)。2人が幸せになってくれればいいなと願っています。
テオとセラは対照的でお互いを引き立てあっているのがいいですね。ウィル的にはテオのほうに少しだけ優しいようです(笑)。アガタも総督なのに一商人のウィルがなぜ対等に話しているのかなど謎も楽しんでいただければ。4人の女性キャラはみんな謎があって甲乙付けがたいんですけど、あえて選ぶとすれば、フェリチータで。
小野:新キャラではテオですね。一番絡みが多いキャラで、なぜセラがウィルと行動を共にするようになったかという、きっかけでもあるので。それは徐々に明らかになっていきますけど……。破天荒なテオを突っ込むのも楽しいです。それと教育ママのアガタ(笑)。彼女のもとで育ったから、まじめな性格になったのかなと思いました。レギュラーキャラではノヴァとは旧知の関係で、それを感じさせるやり取りがところどころに出てきます。女性キャラの中で個人的に好きなのはスミレかな。大人の女性が好きなんです(笑)。
逢坂:リベルタはテオと似ていて、似たもの同士で相性も良くて、仲良くなれそうだなと収録して思いました。僕個人が友達になりたいのはパーチェ。楽しそうで。一緒にラザニアを食べたいです(笑)。女性として好きなのはフェリチータですね。年上っぽい女性が好きだけど、ほど良いくらいで(笑)。彼女は引っ張ってくれそうなので。アガタさんは相談にはのってほしいので、親戚にいるといいな。
矢作:これだけイケメンぞろいだと目移りしちゃいますね。ウィルもいいけど、ルカもいいなあ。私、浮気性かも(笑)。ルカとはずっと一緒にいたいからお婿さんに、彼氏は若いほうがいいからウィルかな。テオも結構、突っかかってきて、ネーヴェにとって言い合える関係なのでいいかも。あとアッシュもいいなあ。俺様系も好きなんですよ! ちょっと振り回されたい! でもやっぱり癒されたいからルカで(笑)。
井口:エルモを語る上で欠かせないのはやっぱりジョーリィですね。でも僕はこんなパパはいりません(笑)。エルモは教えればわかる子だと思うので、ちゃんと育ててほしいです。ウィルに対してはすごく信用してますが、ウィル自身は本心で話している感じじゃなくて。ちょっと心配(笑)。
テオとはいつの間にか仲良くなっていて、いい友達ができてよかったです。個人的に好きなのはフクロータです。小動物系が好きだから(笑)。
伊藤:ウィルはカッコイイですよね。平川(大輔)君が演じると聞いた時からイメージが完成してます(笑)。大人のようでありながら少年っぽさや甘えん坊な面もあって。息子に関しては、いろいろ大変なことがあって……母として心配です。
デビトは名前がいいにくいのがちょっと……(笑)。パーチェは見た目が明るそうだけど、アガタとの絡みではシリアスな部分もあっていいですね。フェリチータはあこがれてくれているのでいい子ですね。「私を目指して早く成長して」。アガタと仲がいいスミレは(井上)喜久子ちゃんなので、キャラも中の人も大好きです(笑)。
お気に入りは、ウィルが最初は気になったし、見た目的にアッシュもいいけど、やっぱり息子が一番!
――今作の注目ポイントと発売を楽しみにしているファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
平川:作品のカギを握るキャラということで、プレッシャーを感じていましたが作品の世界に浸りながら収録させていただきました。ウィルはルートによって印象が変わるので、おもしろいキャラだと思います。「感じ悪いな」と思っても、最後にいい人になったりすることもあるので、見放さないでくださいね(笑)。いつもよりシリアス度が高い作品になっているとのことなので、ひと味違う『アルカナ・ファミリア』の世界を楽しんでください。
小野:以前、ドラマCDに出演させていただきましたが今回、重要な新キャラの一人として参加できて、とてもうれしいです。レガーロから舞台をノルディアに移しての、新たな物語に期待してください。またセラとしては、この『アルカナ・ファミリア』の一員として今後も出番があることを期待してますので、セラへの応援もよろしくお願いします!
逢坂:前作、前々作にも出演させていただきましたが、今回大きなポジションの新キャラをやらせていただいてうれしいです。テオを一番に好きになってくださいとは言いません! 他のキャラを攻略したうえで、テオも好きになってください。
矢作:私も乙女ゲーをプレイするユーザー視点で言わせていただきますと、情報が出始めるこの時期は皆さん、どきどきワクワクしていると思います。そして発売日が近づいて公式サイトが盛り上がってくると見に行く頻度が増えるのもよくわかるので、今か今かと待ってくださっていることでしょう。その膨らんだ期待感を破裂させられるほど、素敵な作品になると思いますので楽しみにしていてくださいね。
井口:前作をプレイされた方は「あのエルモがこんなにカッコよく」と驚かれると思います。でも1年の間の急激な成長なので、精神的なひずみはあって。そんなエルモが今作でいろいろな出来事や出会いの中で、どんな感情が生まれて、どう育っていくのか、温かく見守ってください。
伊藤:カッコイイキャラ、かわいいキャラ、そしてキャストの素晴らしさ、これはハマらないはずがありませんね。シナリオもすごく素敵で、アガタが登場している時のシリアスなシーンは気持ちが入って、途中で泣きそうになったことが何度もありました。
アガタがそれぞれの人間関係に一石を投じるようなポジションで、フェリチータもあこがれるほど凛とした女性なので、プレイした方に「こんな女性になりたいな」と思ってもらえたらいいな。そして安心して私の胸に飛び込んでおいで(笑)。
【ゲーム概要】
『アルカナ・ファミリア2』
発売日:2013年 発売予定
ジャンル:恋愛アドベンチャーゲーム
プラットホーム:プレイステーション・ポータブル
原画・キャラクターデザイン:さらち よみ
原作・開発: HuneX
発売元:COMFORT
●『アルカナ・ファミリア2』公式ゲームポータルサイト
http://www.comfort-soft.jp/products/arcana2/
(C) HuneX / COMFORT All right reserved. Illustration さらちよみ